流体機械設計による近未来に役立つエンジニアリング

流体機械設計をベースとして近未来に役立つエンジニアリングを行う株式会社ターボブレードの社長 林 正基の毎日の活動

宇宙船生命維持装置 ECLSS 全体システム構想図

2023年01月28日 | 宇宙航空産業機械

宇宙船生命維持装置 ECLSS 全体システム構想図です。


液体ロケットエンジン用ターボポンプ断面構想図

2023年01月26日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジン用ターボポンプ断面構想図です。

両吸込み遠心ポンプと単段軸流衝動タービンの構成となっています。

SolidWorksの2次元スケッチ機能を使って軸断面計画図を作りました。

ターボブレードは、流体機械設計技術で宇宙用機械を設計します。


液体ロケットエンジンターボポンプ用メタン遠心ポンプの設計計算手順をまとめてみました

2023年01月21日 | 宇宙航空産業機械

液体ロケットエンジンターボポンプ用メタン遠心ポンプの設計計算手順をまとめてみました。

遠心ポンプでの昇圧値dP(Pa)、密度ρ(kg/m^3)、重力加速度g=9.8、とすると昇圧圧力ヘッドdH(m)=dP/(ρ*g)と計算できる。

昇圧する液体を密度450kg/m^3の液体メタンとして昇圧値を5MPa=5000000Paとすれば、昇圧圧力ヘッドdH=5000000/(450*9.8)=1133.7mとなる。

ポンプ流量をQ(m^3/s)として流量150Liter/sとすると、Q=0.15m^3/s=9.0m^3/minとなる。

ポンプ特性を示す比速度Ns=回転数N*√Q/dH^(3/4)となり、遠心ポンプの回転数を10000rpmとすれば単位を(m,m^3/min,rpm)としての比速度Nsは、

Ns=10000(rpm)*√9.0(m^3/min)/1133.7(m)^(3/4)=153.5 という低比速度遠心ポンプの範疇の設計となる。

遠心ポンプの効率ηpを75%と仮定すると、遠心ポンプが昇圧ヘッドdHと流量Qのメタン液体を送り出すのに必要な軸動力Ppは、Pp=Q*ρ*g*dH/ηp=0.15*450*9.8*1133.7/0.75=999923.4w=999.9kw≒1000kwとなり小型ポンプとしては非常に大きな駆動動力が必要なことが分かる。

つまりこのメタン遠心ポンプだけを運転するのに1000kwの出力を出すタービンが必要となる。液体酸素ポンプを運転するタービン動力も更に必要である。

そしてこのメタン遠心ポンプを120秒運転すると18m^3の体積を持つメタンタンクが必要となる。タンク直径が1.6mならば120秒で長さが9m必要となる。

比速度Nsが153.5で回転数10000rpmの液体メタン遠心ポンプ羽根の大まかな形状を求めるのに、最初に圧力を出すためのインペラ出口径D2が必要で

あるが、そのために出口での必要周速U2を求める。羽根枚数無限の理論昇圧ヘッドをdHthi(m)、羽根出口角度をβ2、出口半径方向速度をV2mとすると

dHthi = (U2^2/g) – U2*V2m/(g*tanβ2) となり、羽根数有限での羽根枚数、出口角度に依存するすべり係数をσとすると羽根数有限理論ヘッド上昇dHthは、

dHth = σ*dHthi となる。よってdHth = σ*( (U2^2/g) – U2*V2m/(g*tanβ2) ) と計算出来ポンプ水力効率をηhとすると、ポンプ実揚程H = ηh*dHth となり、

ポンプ実揚程H = ηh* σ*( (U2^2/g) – U2*V2m/(g*tanβ2) ) =ηh*σ*((U2^2/g)*(1 – (V2m/U2)/tanβ2)) として計算できる。

ここで、比速度に関係する半径方向流出係数Km2を考えると、V2m = Km2*√(2*g*H) とV2mを計算できる。Ns153.5でのKm2 = 0.12 程度である。

更に、羽根枚数Zを8枚、羽根出口角度を40度、その時のすべり係数σは0.97程度、V2m = 0.12 * √(2*9.8*1133.7) = 17.89m/s、更に水力効率ηh=0.8として

実揚程1133.7 = 0.8*0.97* ((U2^2/g)*(1 – (17.89/U2)*Cot40度)) ∴1460.96 =  0.10204*U2^2 * (1 – 21.3204/U2) = 0.1024*U2^2 – 2.17553*U2 となる。

U2の二次方程式0.1024*U2^2 – 2.17553*U2 – 1460.96 =0 より、U2 = (-(-2.17553)+√((-2.17553)^2) – 4*0.1024*(-1460.96))/(2*0.1024) と計算することで計算を進めて、U2 = (2.17553+√(4.73293+598.4092)/0.2048=130.54m/s と計算された。

回転数N10000rpmより、U2=π*D2*N/60なので、インペラ出口直径D2 = 0.2493m = 249.3 mm と計算出来る。ここでようやくインペラ出口径D2が計算出来た。

羽根入口径をD1とすると比速度に対するD1/D2比が0.3程度なので、羽根入口径D1=249.3mm×0.3=74.8mm程度となるが必要軸直径により変化する。

羽根出口高さB2は、D2でのV2mが出ていることからV2m=Q/出口面積A2なので、A2=(0.15/17.89)*1000*1000=8384.6mm^2 となり、羽根出口の円筒部

面積はπ×D2×B2 = A2 より、B2=A2/(π*D2)=8384.6/(π*249.3)=10.7mm である。

以上をまとめて、液体メタンポンプ昇圧値5MPa、設計流量9.0m^3、回転数10000rpm、必要軸動力1000kw、ポンプ効率75%、ポンプ水力効率80%、

ポンプインペラ入口径74.8mm、出口径249.3mm、出口幅10.7mm、羽根枚数8枚、羽根出口角度40度の遠心型ポンプを計算した。


流体機械設計技術による宇宙用ターボ機械開発研究 液体ロケットエンジンターボポンプの3次元構想設計図

2023年01月21日 | 宇宙航空産業機械

流体機械設計技術による宇宙用ターボ機械開発研究として、 液体ロケットエンジンターボポンプの3次元構想設計図 です。


ターボ機械設計としてガスタービン原動機の遠心圧縮機と軸流タービンです

2023年01月20日 | 宇宙航空産業機械
ターボ機械設計として、ガスタービン原動機の遠心圧縮機と軸流タービンです。
 
株式会社ターボブレードは、流体機械設計技術によりターボ原動機を設計しています。
 
 

これも十数年前に超小型ターボファンエンジンとして設計練習を行ってみた事例です

2023年01月18日 | 宇宙航空産業機械

これも十数年前に超小型ターボファンエンジンとして設計練習を行ってみた事例です。


飛行機の3次元設計を練習してみた事例です

2023年01月18日 | 宇宙航空産業機械

飛行機の3次元設計を練習してみた事例です。

10年以上前にやってみた昔の事例で設計を練習している途中の図です。


宇宙用流体機械 : 液体酸素ターボポンプの流力性能解析用モデル

2023年01月14日 | 宇宙航空産業機械

宇宙用流体機械設計として、液体酸素ターボポンプの流力性能解析用モデルです。

このモデルを使い液体酸素ターボポンプのP-Q特性、効率特性、キャビテーション解析などを行います。


宇宙船空調用のターボ機械 宇宙船内空気有害ガス除去用高速回転数型遠心ターボ送風機の動作試験

2023年01月11日 | 宇宙航空産業機械

宇宙船空調用のターボ機械。

宇宙船内空気有害ガス除去用高速回転数型遠心ターボ送風機の動作試験の様子です。

この試験後に国内の宇宙研究機構へ納めました。


宇宙船内空調用 船内空気の有害ガス除去用として高速回転数型遠心送風機3次元設計

2023年01月11日 | 宇宙航空産業機械

宇宙船内空調用のターボ機械です。

その機能は、船内空気の有害ガスを除去するための高速回転数型遠心送風機であり、3次元設計を行って性能を実現しています。