宇宙船工学として、ロケットエンジンターボポンプの液体酸素ターボポンプ部の全体設計が進みました。
次作業は、液体燃料ポンプ部を進めます。
宇宙船工学として、ロケットエンジンターボポンプの液体酸素ターボポンプ部の全体設計が進みました。
次作業は、液体燃料ポンプ部を進めます。
宇宙船工学として、ロケットエンジンターボポンプ設計のタービン部設計がかなり進みました。
衝動タービン動翼、タービンノズル+入口ケーシング、排気ケーシングを設計しました。
宇宙船工学として、ロケットエンジン用ターボポンプの特性線図と比速度を説明しています。
特性線図は次の3つです。
・回転数N一定でのポンプ特性線図
・ポンプ全特性線図(等効率線図)
・遠心型ポンプの無次元特性曲線
ポンプの比速度:
ポンプ特性に対する類似性の法則により導き出されるポンプの形状を決める変数を比速度という。
相似な形のポンプAとBでは、HpA/HpB=(NA/NB)^2*(RA/RB) ここでポンプヘッドHpA,HpB、回転数NA,NB、出口半径RA,RB である。
更に、QA/QB=(NA/NB)*(RA/RB)^2 ここで体積流量QA,QB、PA/PB=(ρA/ρB)*(NA/NB)^3*(RA/RB)^5 ここで密度ρA,ρB となる。
一つのポンプで回転数がNa,Nbの時は、Ha/Hb=(Na/Nb)^2、Qa/Qb=Na/Nb、Pa/Pb=(Na/Nb)^3 ここで軸動力Pa,Pb である。
以上より、比速度Ns=N*√Q/H^(3/4) と示される。Nsは単位系により計算した値が異なる。通常(m, m^3/min, rpm)が良く使われる。
そこで次の無次元比速度Nssを定義出来る。Nss=N*√Q/((Hp*重力加速度g)^(3/4)) となる。
宇宙船工学として、ロケットエンジンターボポンプの羽根と主軸の組み合わせに
・主軸スリーブ
・主軸ベアリング
・タービンケーシング を追加しました。
宇宙船工学として、液体ロケットエンジン用ターボポンプの特性を表す変数と係数を説明しています。
ポンプ特性変数:
ポンプ上昇圧力ヘッドHp、体積流量Q、軸動力Ps、効率ηp、回転数N
ヘッド係数と流量係数:
ポンプヘッド係数 Ψ = Hp / (出口周速u2^2/重力加速度g) は周速に対する上昇圧力の割合を示す。
これを変形すれば、Hp=Ψ*(u2^2/g) となり、インペラ出口径と回転数よりu2を計算すればポンプヘッドmを求められる。
ロケットエンジンターボポンプ一般遠心型ポンプでは、Ψは0.2~0.7となる。
例:ポンプヘッドHp=0.45*(周速138^2/9.8)=874.5m
使用流体の密度ρを1000kg/m3とすれば、
上昇圧力P(Pa)= Hp*ρ*9.8 = 874.5*1000*9.8 = 8570100 Pa = 8.57MPaとなる。
ポンプ流量係数Φは、Φ=Q/(インペラ出口半径方向流路断面積Am2/u2)=出口半径方向速度Vm2/u2 は
出口周速u2に対して出口半径速度の割合を示す。
よってインペラ出口半径方向速度Vm2=Φ*u2 にて求められる。
Vm2が求まるとインペラ出口高さを計算できる。
ロケットエンジンターボポンプ一般遠心型ポンプでは、Φは0.01~0.15の範囲となっている。
軸動力係数をνとすると、
ν=Ps/(ρ*Am2*u2^3) となり、
軸動力Ps=ν*ρ*Am2*u2^3 でu2の3乗に比例する。0.08<ν<0.23程度となる。
反動度:
遠心インペラ内では、絶対流速の上昇と相対速度の減少による圧力上昇が有り、インペラ出口での絶対速度はディフューザーと渦巻き
ケーシングにより速度が圧力に転換されて最終のポンプ上昇圧力となる。
その場合にインペラでの昇圧量とディフューザー及び渦巻きケーシングでの昇圧量の比のうちインペラでの昇圧比が反動度と呼ばれる。
宇宙船工学として、ロケットエンジンターボポンプ用の燃料ターボポンプインペラとインデューサーの設計形状です。
これは1ターボポンプ4ノズル4バーニアノズル液体ロケットエンジン用のターボポンプ設計過程です。
次は、ポンプ駆動用タービンの羽根部を設計します。
宇宙船工学として、液体ロケットエンジン用ターボポンプの設計基礎事項を説明しています。
ポンプのヘッド・流量・圧力の計算式関係:
ポンプの上昇圧力ヘッド Hp(m) = 上昇圧力P(Pa) / (密度ρ(kg/m3) * 重力加速度g) として計算できる。
次に、位置ヘッドをZ(m)、流速をV(m/s)として表して、
そして入口圧力Pi、出口圧力Po、
入口と出口の流速をVi,Vo、入口と出口の位置ヘッドをZi,Zo、とすれば、
ポンプ圧力ヘッドHpは
条件として入口と出口の密度ρは非圧縮性流体としての液体であれば等しくなり、
ポンプ昇圧ヘッド Hp = (Po/(ρ*g) + Vo^2/(2*g) + Zo) - (Pi/(ρ*g) + Vi^2/(2*g) + Zi) で表される。
高さ位置 Zi = Zo とすれば、 ポンプ昇圧ヘッド Hp = (出口全圧Poa - 入口全圧Pia) / (ρ*g) 単位m となる。
ポンプ体積流量をQ(m3/s)とすると
ポンプ理論流体動力 Pth = Q * ρ * g * Hp となる。
ポンプ必要軸動力がPsとすると、ポンプ効率ηpは、
ポンプ効率 ηP = Pth/Ps = Q * ρ * g * Hp / Ps となる。
逆に、ポンプ効率 ηp を仮定すれば、設計ポンプヘッド Hp と 流量 Q, 密度 ρ からポンプ必要軸動力 Ps を計算出来る。
ロケットエンジン用ターボポンプの効率は、60%~85%の範囲となり高速回転数であることから通常ポンプよりも効率は低い。
一般的にターボポンプは、非圧縮性流体を扱い加圧も、ほぼ内部エネルギーの上昇も無い等エントロピー変化と考えられるので、
入口と出口のエンタルピー値による変化計算の必要は無く、変化動力Pth = Q*ρ*g*Hp として計算して差し支えない。
宇宙船工学として、ロケットエンジン用ターボポンプの基礎的な考え方をまとめています。
ターボポンプが吐出する全質量流量fmpは、液体ロケットエンジンの推力室を流れる質量流量(fm=推力F/有効排気速度Csとして与えられる)+ガス発生器消費質量流量fmcがポンプが吐出する推進剤の総合吐出質量流量fmpとなる。
ポンプ質量流量fmpが分かると混合比から酸化剤の質量流量fmoと燃料の質量流量fmfが計算できる。
ポンプの必要吐出圧力Pnは、Pn=燃焼室圧力Pc+噴射器損失圧Pi+推進剤主弁損失Pv+供給配管損失Pp+再生冷却通路損失Pr+流量調整オリフィス損失Pco と計算できる。
以上のことからターボポンプの設計を開始する前に燃焼室計算、ガス発生器計算、燃焼圧と配管システム各部の圧力損失を計算しておく必要が有る。
ロケットエンジンの軽量化の為にターボポンプも軽量となるように回転数の高速化によるポンプ全体の小型軽量化が求められる。
ポンプ羽根とタービン羽根の回転数高速化は遠心力に対する強度の確保が必要となる。
羽根必要周速Ui=羽根半径*角速度ωに対し遠心力Fc=r*ω^2より羽根回転数を大きくし過ぎると同周速での同じ圧力上昇に対して羽根強度が持たない 可能性が大きくなり特にタービン羽根強度に不足が出る場合が有る。
更に、高速回転数では羽根入口流入の相対速度流入値が大きくなりすぎて大きな減圧によるキャビテーション発生が考えられるので、むやみにポンプ回転数を増やすことは出来ない。
ポンプ入口吸込み圧力最低値が小さくなりタンクの与圧を増やすとすれば構造の強度が必要となり構造重量が増えるので耐キャビ設計手法が必要となる。
ターボポンプでは、小型で大流量を高圧で流す必要があることから遠心型ターボポンプが良く用いられる。斜流と軸流が時々用いられることもある。
タービンのポンプを回す動力を得るために使うタービン用推進剤の量が必要でタービン排気は比推力が小さくなるのでタービン効率は高いほど良いし、ポンプ効率も高いほどにタービン必要動力が低下するのでポンプ部効率もなるべく高くする必要が有る。
タービンは最高効率回転数が高くなり過ぎないように幾分効率を犠牲にしても単段、速度複式、圧力複式の衝動型タービンが用いられることが多い。
宇宙船工学として2段ロケットの構想計画図を作成しました。
宇宙船工学として設計途中のロケットエンジン用ターボポンプの液体酸素インデューサーを設計した形状です。