一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

映画『マイ・バック・ページ』 ……いつまでも心に残る、普遍性を持った作品……

2011年05月29日 | 映画
この半月ばかりの間に、私にとって重大な出来事がふたつあった。 ひとつは、父の死である。 認知症になって10年。 今年になって、体の衰弱が顕著になっていた。 すでに自分では食べることができなくなっていた。 「もうそれほど長くないと思います」 と、医者から言われていたので、覚悟はできていた。 亡くなる数日前に会いに行ったときは、 何を話しかけても、ただ、 「ありがとう」 を繰り返すばかりだった。 あん . . . 本文を読む

登吾留山 ……シライトソウとサイハイランとエビネの咲き乱れる山へ……

2011年05月22日 | 登吾留山
この時期、登吾留山には、シライトソウが咲く。 くじゅうなど、県外の山ではシライトソウをよく見かけるが、 佐賀県内では、この登吾留山以外では見たことがない。 佐賀県内で唯一シライトソウを見ることができるのは、登吾留山だけと言っていいだろう。 リーフさんとビスターリさんが登吾留山へ下見に行って下さり、 「5月22日(日)が見頃のようです」 との連絡を受け、 本日の観察会が決まった。 参加したのは、いつ . . . 本文を読む

シリーズ「麓から登ろう!」⑤作礼山 ……相知駅から厳木駅へ……

2011年05月15日 | シリーズ「麓から登ろう!」
シリーズ第5弾は、作礼山(887.1m)。 この山も山頂近くまで車道が延びている山で、 麓から登る人は皆無に近い。 山と溪谷社のガイドブックでさえ、 旧版では麓からの道を紹介していたのに、 新版では9合目の駐車場からの道しか紹介していない。 その影響か、今年4月に刊行された『九州百名山地図帳』では、作礼山は九州百名山のリストから外されている。 だからといって、私としては別段なんの感慨もない。 リス . . . 本文を読む

映画『ブラック・スワン』 ……人間に秘められた二面性をえぐり出した秀作……

2011年05月12日 | 映画
ナタリー・ポートマンが、 第83回アカデミー賞の最優秀主演女優賞に輝いた話題作、 『ブラック・スワン』を見てきた。 ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、 元ダンサーの母親・エリカ(バーバラ・ハーシー)の寵愛のもと、 人生の全てをバレエに捧げていた。 そんな彼女に新作「白鳥の湖」のプリマを演じるチャンスが訪れる。 しかし、純真な白鳥の女王だけでなく、 . . . 本文を読む

映画『岳-ガク-』 ……北アルプスの山岳美を大スクリーンで楽しもう……

2011年05月10日 | 映画
ごちゃごちゃ言わずに、 北アルプスの大自然を、 大きなスクリーンで、 存分に楽しみましょう! ……といった作品です。(笑) 石塚真一の人気コミック『岳 みんなの山』を映画化したもので、 実は私もこの原作の大ファン。 映画の公開を楽しみにしていたのだ。 そして、公開初日の5月7日(土)に、 仕事の帰りにレイトショーで見たのだった。 日本の登山人口は1230万人。 高くそびえる山の頂には、見たこと . . . 本文を読む

八幡岳の春をたずねて2011 ……トラメジーノで「沢山ホットサンド」を……

2011年05月08日 | 八幡岳・女山(船山)・眉山
待ちに待った「八幡岳の自然観察会」の日がやってきた。 春と秋の年2回開催されているこの観察会を、私はいつも心待ちにしている。 1週間前の週間予報では傘マークであったが、 本日(5月8日)は見事にタク日和。(笑) ヨカッタ、ヨカッタ。 八幡岳の自然観察会を担当されているのは、 ネイチャー佐賀の自然観察指導員の、 平六さんと、ワカさん。 観察ポイントを記したボードや、植物や虫などの写真ファイルなどを手 . . . 本文を読む

シリーズ「麓から登ろう!」④経ヶ岳 ……有明海から大村湾へ……

2011年05月04日 | 海抜0mから登る経ヶ岳・単独行
シリーズ4回目にして、佐賀県最高峰・経ヶ岳(1076m)に挑むことになった。 何度も登っている山だが、長崎県側の黒木からがほとんど。 佐賀県側からは数えるほどしか登っていない。 シリーズ「麓から登ろう!」は一応、佐賀県の山にこだわっているので、 佐賀県側から登ることにする。 中山キャンプ場の登山口も、 平谷登山口も、 麓とは言えない。 やはり海の近くから登り始めないと意味がないだろう。 〈どうせな . . . 本文を読む

映画『八日目の蝉』 ……脚本とキャストが素晴らしい今年前半NO.1の傑作……

2011年05月01日 | 映画
今年これまで見た邦画では、間違いなくNO.1の傑作である。 今年は4月が終わったばかりなので(今後どんな傑作・秀作が現れるやも知れないので) 「今年のNO.1」とは、まだ言えないが、 少なくとも「今年前半のNO.1」とは断言してもイイのではないかと思っている。 それほどの愉楽を私にもたらしてくれた。 愉楽とは、映画を見る歓びである。 脚本に、演出に、演技に、撮影に、編集に……と、 感心させられ . . . 本文を読む