一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

……雨のあとには…… 涌蓋山・ミソコブシ山・一目山

2008年09月21日 | 山岳会時代の山行
からつ勤労者山岳会の9月の月例山行は「涌蓋山」。
参加したのは26名。
週間天気予報では9月21日はずっと「晴れ」の予報だったのに、直前で「雨」に変わった。
雨具を着用しての登山を覚悟する。

8:05
地蔵原登山口に到着。
すぐに出発準備をする。
この時点では、まだ雨は降っていなかった。
準備ができたところで、一般参加の方もおられたので、輪になって自己紹介をする。
その後、皆でラジオ体操をして、各自ストレッチ。
8:21
地蔵原登山口より出発。


この地蔵原登山口周辺には、花がたくさん咲いていた。
キツリフネがいろんな花の中に混じって雑草のように咲いていたので驚いた。


クサフジの鮮やかな色が特に目立っていた。


8:28
涌蓋山が見えてきた。
だが上の方は雲に隠れている。


樹林帯に入ると、急に薄暗くなった。
ある場所ではギンリョウソウがたくさん見られた。


ツチアケビを発見!
ウィンナーソーセージのような異様な形に皆驚く。


9:11
林道に出る。
ここまでの50分間、けっこう急な坂道が続いたので、ホッとした。
だが、この辺りから雨が降ってきた。
雲の中に入ったのだろう。
全員、雨具を装着。


9:24
林道をしばらく歩き、右にある登山道に入る。
雨が激しさを増してきた。
おまけに急坂が続き、滑る斜面に苦労する。
この状態が1時間以上も続き、皆、疲労困憊。
昨年6月の大船山を思い出す。
途中、いくつかの花も見かけたが、写真に撮る余裕はなかった。

10:36
ようやく涌蓋山山頂に到着。


雨のために全く展望はなく、ガッカリ。
でも山頂には、マツムシソウやアキノキリンソウ、ヤマラッキョウなどが所狭しと咲いていて、癒される。




10:51
涌蓋山山頂を出発。
滑る斜面を注意しながら下る。
途中、イヨフウロを発見!


9月7日に登った雲仙で見たフクオウソウも咲いていた。


11:46
雨はさらに激しくなり、雨宿りできそうな場所もなく、少し樹木のある場所で昼食にする。
木の下にいても、絶え間なく雨の滴が落ちてくる。
シートを被ったり、傘をさしたり、皆いろいろ工夫して食べていた。
食事をしていると、牛さんがぞろぞろとやってきたのでビックリ。


12:14
激しく降る雨、それに牛さんに見られていることもあって、早々に昼食を切り上げる。
エスケープルートを使っての下山も検討されたが、予定通りミソコブシ山に向けて歩き出す。
ワレモコウを写真に撮っていたら、雨が小降りになってきた。


ミソコブシ山の斜面を登り始めたあたりから雨が止み、展望が得られるようになった。


12:28
ミソコブシ山山頂に到着。


涌蓋山方面を眺める。
垂れ込めていた雲はすっかりなくなっていた。


続いて、くじゅう連山方面を眺める。
これほどの展望が得られるとは予想していなかったので、驚く。
あの昼食時の激しい雨は何だったんだ……と、しばし茫然。


阿蘇方面の眺めも素晴らしい。


根子岳の姿もはっきり見えた。


阿蘇方面から右に目を転じる。
御前岳、釈迦ヶ岳、渡神岳などが連なる方面には、雲海が見られた。


押し寄せて来る荒波のような美しい光景に目を奪われた。
エスケープルートを使って下山しなくて本当に良かった。
あの激しい雨の後に、山の神様はこんなに素晴らしい風景を我々に用意して下さっていた。
感謝!


12:40
ミソコブシ山を出発。
天候も回復し、足取りも軽やかになる。


ミソコブシ山を下りた所で、振り返る。
美しい山の形にウットリする。


ママコナの群落地を通り抜ける。


13:25
休憩して雨具の上着を脱ぐ。
13:39
一目山にとりつく。


13:54
一目山山頂に到着。


一目山からの展望も素晴らしかった。


涌蓋山方面を振り返ると、我々が歩いてきた山々の連なりが見えた。


最初は激しい雨が降り、どうなることかと思ったが、今回も素晴らしい山行であった。
あの雨がなかったら、この雨上がりの風景も見ることができなかったのだ。
あの雨がなかったら、これほど風景に感動することもなかったような気がする。
あの雨にも感謝しなければならない……私はそう思った。
すべてのものに感謝し、皆で万歳三唱をする。
からつ労山の皆の声が、周囲の山々に木霊していった。

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12 コメント

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Unknown (kazu)
2008-09-22 15:56:50
始めは「大変そうだー・・」と思って読んでたのですが、
段々こちらの気持ちも晴れ渡りました。

>あの雨がなかったら、これほど風景に感動することもなかったような気がする
まさにその通りですね。
皆さんの写真の表情を見ても思います。^^
雨上がりの景色は写真では表現できない程素晴らしかったでしょうね~。
お疲れ様でした。
素晴らしい景色ですね~ (リーフ)
2008-09-22 16:31:01
雨のあとの素晴らしい景色にうっとりです。
涌蓋山は行ったことがないのですが、登りやすそうな山ですね。

倉木山の花と同じのがありますね~
でも写真の腕前が違います。
一眼レフで写されているのでしょうか?

くっきり、はっきりでお花もより鮮明に撮れています。
神様からのプレゼント (タク)
2008-09-22 20:24:57
kazuさんへ

>始めは「大変そうだー・・」と思って読んでたのですが、

もともと私は雨の日の登山がそれほど嫌いじゃないんですよ。
一日中雨でも構わないし、実際そういう日もありました。
昨日は、午後から天気も回復し、展望が得られたのが良かったですね。

>段々こちらの気持ちも晴れ渡りました。

kazuさん、うまいこと言いますねぇ~
文才ありますよ。

>>あの雨がなかったら、これほど風景に感動することもなかったような気がする
>まさにその通りですね。
>皆さんの写真の表情を見ても思います。^^

最後の万歳三唱の笑顔は、素敵ですよね。
皆さん、心底「山登り」が好きなんですよ。

>雨上がりの景色は写真では表現できない程素晴らしかったでしょうね~。

写真ではなかなか表現できないですね。
限界があります。
その場にいた人だけが頂ける山の神様からのプレゼントですね。
防水カメラ (タク)
2008-09-22 20:38:36
リーフさんへ

>雨のあとの素晴らしい景色にうっとりです。
>涌蓋山は行ったことがないのですが、登りやすそうな山ですね。

ルートを選べば、それほど苦労せずに登れる山ですね。
今回私たちが登ったルートは、ちょっとだけハードでした。(雨のせいもあるけど…)

>倉木山の花と同じのがありますね~
>でも写真の腕前が違います。
>一眼レフで写されているのでしょうか?

いいえ、普通のコンパクトタイプのデジカメです。
今使っているカメラを、こちらで紹介しています。↓
http://blog.goo.ne.jp/taku6100/e/6928b71caf5757ee26d4b544eeda1f76

>くっきり、はっきりでお花もより鮮明に撮れています。

ありがとうございます。
このカメラは、防水なので、雨の日でも撮影できます。(水中撮影も可能)
だから昨日のような激しい雨の中でも大活躍!
マクロ撮影も、被写体に1cmまで近づいて接写できます。
なかなかのカメラですよ。
雲海 (ミラ)
2008-09-22 20:59:08
タクさん、秋の涌蓋山、一度だけ地熱発電所の処からピストン登山しました。
結構な長い道のりでしたが、花出逢いも多くて思い出深い山となっています♪

20日(土)九千部岳早朝登山の折に有明海が雲海となり日頃の景色とは全然違う山となりました(*^^*)
ところで、その日に「天山」七曲からピストンした山友さんが眼鏡をケース事失くし、やまびこ会のメイン掲示板にてカキコしています。
もし、登られるような事がありましたら宜しく御願いします~<(__)>
http://www.geocities.co.jp/Outdoors/7604/
満天の星も… (タク)
2008-09-22 21:40:01
ミラさんへ

>タクさん、秋の涌蓋山、一度だけ地熱発電所の処からピストン登山しました。
>結構な長い道のりでしたが、花出逢いも多くて思い出深い山となっています♪

私は初めて登ったのですが、本当に花も多くて良い山でした。
雨の中の登山でしたが、そのことによって、より印象深い山になりました。

>20日(土)九千部岳早朝登山の折に有明海が雲海となり日頃の景色とは全然違う山となりました(*^^*)

ミラさんのブログ拝見しました。
早朝登山、感心します。
「tetu-1さんの狙いは「ブロッケン??」らしく満天の星に少々がっくり気味(笑)」とは、なんと贅沢な!
満天の星も見てみたいですぅ~
でも、雲海も美しいですね。

>ところで、その日に「天山」七曲からピストンした山友さんが眼鏡をケース事失くし、やまびこ会のメイン掲示板にてカキコしています。
>もし、登られるような事がありましたら宜しく御願いします~

わかりました。
明日は祭日ですが、私は早朝から仕事なので、山登りはできませんが、今週の木曜日が公休なので、山頂まで行ってきて捜してみようと思います。
友人、知人にも当たってみます。
誰かが拾ってくれているとイイんですけど……
Unknown (yan)
2008-09-22 22:36:00
こんばんわ、ご一緒に登っている感覚になりま

した。 素晴らしい山行記です。

雨の中での昼食は、大変だったと思います。

シートを用意された方が、おられたとのことで

すが、流石はからつ勤労者山岳会さんです。

マツムシソウ、アキノキリンソウ、ヤマラッキ

ョウ、イヨフウロ、フクオウソウ、ワレモウ、

……綺麗です。種類も多いですね。

登りたくなりました。多良山系、脊振山系の次

の目標の1つと、したいと思います。





雨の日の登山 (タク)
2008-09-23 05:07:09
yanさんへ

>ご一緒に登っている感覚になりました。素晴らしい山行記です。

ありがとうございます。
そう言って頂けるのがいちばん嬉しいです。

>雨の中での昼食は、大変だったと思います。
>シートを用意された方が、おられたとのことですが、流石はからつ勤労者山岳会さんです。

雨の日の登山、雨の中での昼食を楽しめるようになると恐いものなしです。
私もそうなりつつあります。

>マツムシソウ、アキノキリンソウ、ヤマラッキョウ、イヨフウロ、フクオウソウ、ワレモウ、……綺麗です。種類も多いですね。

晴れた日もイイですが、雨の日に植物を見ると、なんだかいつもよりイキイキしているんですよね。
そういう意味でも、雨の日の登山はなかなか良いですね。

>登りたくなりました。多良山系、脊振山系の次の目標の1つと、したいと思います。

くじゅうや阿蘇など、360度の展望が得られるこのルートは季節を選びませんね
いつの日かチャレンジしてみて下さいね。
涌蓋山 (お母ちゃん)
2008-09-23 08:01:32
草原には牛さんがのんびり、お花が多く
大好きな山です。
八丁原登山口から登り一目山、ミソコブシ
女岳までの辛さがありましたが穏やかな
緑のスケールまた行きたくなりました。

タクさんのブログUPは、お母ちゃんの
理想のブログです、すべてのUP繊細細やか
UPを引き立ててくれるシンプルテンプレート
読みごたえ、画像の魅力、洞察力に引き込まれ
ますね、タクさんのブログ訪問していると
少々老化ぎみの頭が蘇ります。
シンプルライフ (タク)
2008-09-23 18:43:17
「お母ちゃん」さんへ

>草原には牛さんがのんびり、お花が多く大好きな山です。

花は本当にたくさん咲いていました
秋だけではなく、春にも珍しい花、美しい花がたくさん咲くようです。
展望も良く、一年中楽しめる山ですね

>八丁原登山口から登り一目山、ミソコブシ、女岳までの辛さがありましたが穏やかな緑のスケールまた行きたくなりました。

今回、私たちが登ったルートは、どちらかというとマイナーなルートのようでした。
だからなのか、植物の種類も多かったように感じました。

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ありがとうございます。
私は「シンプル」が大好きです。
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生活もなるべく「シンプル」にしています。
ブログも、なるべく「シンプル」を心掛けています。
単に、面倒くさがり屋なのかもしれません。