一日の王

「背には嚢、手には杖。一日の王が出発する」尾崎喜八

海抜0メートルから登る伯耆大山② ……大山寺から、元谷避難小屋へ……

2015年10月31日 | 海抜0mから登る「伯耆大山」単独行
2015年10月28日(水)

12:18
行者登山口より入って行く。


美しい林だ。


オブジェのような倒木に出合った。


なんて雰囲気の好い登山道だろう。




登山口の木々はそれほど色づいていなかったが、
標高が上がるにしたがって、少しずつ黄葉が見られるようになってきた。


紅葉も……


ワクワクするような風景が続く。




こんな道だったら、どこまでも歩いて行ける気がする。


12:39
木々の間から伯耆大山の北壁が見えた。


夢中で写真を撮っていると、
下山してきた中年男性の登山者が立ち止まられた。
「北壁が素晴らしいですね」
と、私。
「イイでしょう~」
と、その男性。
訊くと、地元の方で、いつも登られているとか。
元谷避難小屋について質問すると、
丁寧に教えて下さった。
しばし談笑し、
お礼を言ってお別れした。
後ろ姿をパチリ。


しばらく歩いたら、大堰堤へ着いた。
着くと同時に、北壁がドーンと眼前に現れた。


まるで、北アルプスだ。


歩いて行くと、風景が刻々と変化する。


とても標高1700mほどの山塊とは思えない。


すごい迫力だ。


今夜泊まる予定の元谷避難小屋が見えてきた。


素晴らしい場所に建っている。


13:03
元谷避難小屋に到着。






中は、思ったよりもずっと綺麗だった。


窓からの眺め。


絵画のよう。


早くに着いたので、
ザックを置いて、散策に出掛ける。
なんて美しい場所なんだろう。


凝り固まった躰と神経が、解されていくのを感じる。




ときおり青空も見えて、


陽が差すと、黄葉が輝く。


黄葉の森の中に入って行く。


仕事が忙しく、睡眠時間も短かったときには、
伯耆大山への山行を取り止めようかとも思ったが、
来て良かった。


こんな素晴らしい自然の中で過ごせるなんて、
なんて幸せなことだろうと思った。


存分に楽しんで、避難小屋に戻ってきた。
早めに夕食を済ませ、
日没と共にシュラフにもぐり込んだ。
嬉しいことに、小屋は私の貸し切りだった。
その夜、私は、
伯耆大山に抱かれて、
心地よい眠りにおちたのだった。


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