それにしても、東京は人が多すぎる。正確に言えば、東京ではなく都内近郊の話なのだろうが、休日にどこかへ出かけてもどこも人で溢れ、時間をずらしてもカフェすらまともに利用できない。
平日、実験を行い、データ解析やシミュレーションを組みながら誰かと議論を交わし、定時には速やかに帰宅するというルーティンをこなしている。これがそこそこ恵まれた生活なのだとしても、もう少しだけ日常に変化が欲しいというか、単純に移動の機会を増やしたいと感じる。
とはいえ、仕事の中でそれなりに移動しているわけで、そんなのわがままだろうというのはその通りだとも思う。新しい実験装置のデモンストレーションなどで知らない土地でランチすることもあるし、気分転換や集中を目的に図書館を利用したり、離れた建物にある実験装置を使うこともある。それでも、もっと移動したいと感じてしまうのだから、それは仕方のないことだ。
せめて休日くらいは、ルーティンから抜け出すような行動を取りたい。しかしながら、都内近郊の観光地やレジャースポットはどこも人で賑わっている。平日ならば空いているかと思えば、意外にも人が多い。
そこで、「人が少ない、いつもとは違う場所で、何もしない時間を過ごす」という選択肢を試してみた。これが非常に満足度の高い感じになった。空白の時間を持つことの重要性はよく言われるが、数10分程度では到底足りないと思い知った。
何もしない時間が、こんなにも贅沢なものだとは思わなかった。普段、次々に訪れる対処をこなしていく生活を送っていると、ただぼんやりと過ごす時間の価値に気づきにくい。しかし、何もせずに過ごしてみると、自分がいかに日常の忙しさに囚われていたかを実感する。
みんなも「何もしない」をしに行こう。
年末年始には都内近郊から人がいなくなり、スーパーマーケットが非常に空いていたのを思い出す。かつては地方ごとに仕事があり、都市部へ移動する必要がなかったはずなのに、なぜこれほどまでに地方出身者が東京に集まるようになってしまったのか。産業の集中、教育機関の偏在、そして地方の衰退。大企業が都市部に集中し、地方に残る選択肢が減っていく中で、ますます人が東京に流れ込んでしまう。気がつけば、都市に人が溢れ、休日にさえ静けさを見つけることが難しくなってしまった。
本来、地方でこそできることが多くあったはずだ。自然の中で過ごす贅沢や、地域の特色を生かした暮らし。しかし、仕事も学びの機会も減少していくことで、多くの人が都市へと移動せざるを得なくなっている。こうした状況が続く限り、どうしたって東京の混雑はこれからも増していく。
俺は、都市の喧騒からもっと離れ、いつでもこの時間を持てるようにしたいと思う。
平日、実験を行い、データ解析やシミュレーションを組みながら誰かと議論を交わし、定時には速やかに帰宅するというルーティンをこなしている。これがそこそこ恵まれた生活なのだとしても、もう少しだけ日常に変化が欲しいというか、単純に移動の機会を増やしたいと感じる。
とはいえ、仕事の中でそれなりに移動しているわけで、そんなのわがままだろうというのはその通りだとも思う。新しい実験装置のデモンストレーションなどで知らない土地でランチすることもあるし、気分転換や集中を目的に図書館を利用したり、離れた建物にある実験装置を使うこともある。それでも、もっと移動したいと感じてしまうのだから、それは仕方のないことだ。
せめて休日くらいは、ルーティンから抜け出すような行動を取りたい。しかしながら、都内近郊の観光地やレジャースポットはどこも人で賑わっている。平日ならば空いているかと思えば、意外にも人が多い。
そこで、「人が少ない、いつもとは違う場所で、何もしない時間を過ごす」という選択肢を試してみた。これが非常に満足度の高い感じになった。空白の時間を持つことの重要性はよく言われるが、数10分程度では到底足りないと思い知った。
何もしない時間が、こんなにも贅沢なものだとは思わなかった。普段、次々に訪れる対処をこなしていく生活を送っていると、ただぼんやりと過ごす時間の価値に気づきにくい。しかし、何もせずに過ごしてみると、自分がいかに日常の忙しさに囚われていたかを実感する。
みんなも「何もしない」をしに行こう。
年末年始には都内近郊から人がいなくなり、スーパーマーケットが非常に空いていたのを思い出す。かつては地方ごとに仕事があり、都市部へ移動する必要がなかったはずなのに、なぜこれほどまでに地方出身者が東京に集まるようになってしまったのか。産業の集中、教育機関の偏在、そして地方の衰退。大企業が都市部に集中し、地方に残る選択肢が減っていく中で、ますます人が東京に流れ込んでしまう。気がつけば、都市に人が溢れ、休日にさえ静けさを見つけることが難しくなってしまった。
本来、地方でこそできることが多くあったはずだ。自然の中で過ごす贅沢や、地域の特色を生かした暮らし。しかし、仕事も学びの機会も減少していくことで、多くの人が都市へと移動せざるを得なくなっている。こうした状況が続く限り、どうしたって東京の混雑はこれからも増していく。
俺は、都市の喧騒からもっと離れ、いつでもこの時間を持てるようにしたいと思う。