玉城デニー知事は12日、県庁で在沖米軍トップのジェームズ・ビアマン四軍調整官と面談し、提供施設外での訓練は容認できないとの認識を伝えた。施設内であっても地域住民に不安を与えるような訓練を避けるよう要望。ビアマン氏は「県民への影響を最大限軽減することが最優先事項」としたが、即応体制を維持する観点から訓練は必要との認識を示した。新たな協議体の設置に前向きな姿勢を示し、意見交換を継続することでも一致した。(政経部・大城大輔)

 両氏が直接面談するのは初めて。

 知事は提供施設外の名護湾や、那覇軍港内での訓練に「県民が非常に大きな不安を抱えている」と強調。夜間訓練による騒音などについても改善を求めた。

 これに対し、ビアマン氏は「いきなり航空機の運用を止めることは残念ながらできない。(即応体制の維持と)バランスを取りながらやりたい」とも述べた。

 また「さまざまな課題を話し合える定期的な場ができたらと思う。新しい協議体を有意義な形で実施できれば」とした。

 2017年4月以来、開かれていない公務外の米軍人・軍属等による事件、事故を防止するための協力ワーキングチーム(CWT)に代わる協議体が念頭にあるとみられる。外務省が開催を調整している。

 知事は「新しい枠組みで協議、対話ができる場をつくることはうれしく思う」と応じた。知事は5月15日の沖縄の日本復帰50年式典にビアマン氏を招待すると伝えた。

 ビアマン氏は21年11月に就任した。

(写図説明)米軍の訓練に関し、ジェームズ・ビアマン四軍調整官(左)に県民への配慮を求める玉城デニー知事=12日、県庁