狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

ミサイル乱射で目が覚めた日韓メディア

2006-07-06 19:24:48 | 普天間移設

『一度テポドンが、京都の金閣寺にでも落ちてくれたらと思う。』

五、六年のことだったか、平和ボケした日本国民に向かって石原慎太郎はこのような「文学的比喩」を使って物議をかもした。

石原慎太郎が本気で日本の都市にテポドンが落ちる事を望んでるとは誰も思わないだろう。

そこまでの事態にならないと、この国(の護憲派)は軍事の必要性に目覚めないという論理なのだが、石原慎太郎が発言したと言うだけでそれがメディアの話題になった。

昨日そのテポドンが実際に発射された。

平和ボケで太平の眠りにひたっていた平和主義者はある者は必死に北の擁護をし、ある者は沈黙を守った。

ところが、北朝鮮の「ミサイル乱射が」思わぬ世論を引き起こした。

日本のメディアが今日・7日の社説で一斉に「北の暴挙」を非難した。

あの朝日新聞までもが「北朝鮮ミサイル発射 無謀な行動に抗議する 」と北朝鮮を批判した。尤もそのような行為に出たのは日本の責任といわんばかりだが。

各紙の今日の社説のタイトルは次の通り。

◆読売新聞:[「北」ミサイル発射]「国際社会への重大な挑戦だ」
◆朝日新聞:北朝鮮ミサイル発射 無謀な行動に抗議する
◆毎日新聞:ミサイル発射 国際社会は北の挑発許すな
◆日本経済新聞:北朝鮮のミサイル発射に強く抗議する(7/6)
◆産経新聞:貧窮国家の「花火」嗤(わら)う 愚かな国の脅威にどう対応

思わぬ世論とは朝日社説の事ではない。

北朝鮮に対する「太陽政策」の韓国メディアが見る太平の夢をミサイルが醒ましてしまった。

朝鮮日報 抜粋 2006/07/06 07:50  
 【社説】北朝鮮のミサイル発射と大韓民国の奇妙な平穏ぶり 
 
 「北朝鮮のミサイル発射を予想していた米国と日本は北朝鮮の動きを非常事態と受け止めてきたが、北朝鮮のミサイルは人工衛星だと言い張ってきた大韓民国だけは余裕に満ちていた。」

金大中(キム・デジュン)と盧武鉉(ノ・ムヒョン)という前職と現職の大統領が持つ北朝鮮に対する奇妙な感覚、そしてそれに感染してしまった国民の無感覚は世界で話題となったのではないか。」

「北朝鮮の今回のミサイル発射は、北朝鮮の動向に対する現政権の予測方式と抑止方式が的はずれで失敗に終わったことを証明した。」

「他の国は皆ミサイルだとしているのに、韓国政府だけが「軍用ミサイルというよりは人工衛星である可能性が高い」と堂々と言い張っていた。また現政権は独自の情報を持っているわけでもないのに、北朝鮮を内部から見たかのように北朝鮮の核兵器開発やミサイル発射の意図を自衛目的だと世界に説いてみせもした。」

「『与えれば変わる』という現政権の北朝鮮に対する底なしの信頼は、ミサイル発射を止めさせるのに役に立つどころか「われわれが発射するのは人工衛星」という虚偽情報となって、北朝鮮に言い訳まで与えた。」

「当初から米国と北朝鮮との間の仲裁役にでもなったかのように振る舞ってきたこと自体が、現政府の勘違いぶりをよく示している。現政権は自らの力量も、北朝鮮の目標も把握できなかったし、米国の意向を読み取ることもできなかった。」

身の程を知らず、世界情勢を知らない無知と錯覚は北朝鮮のほうがさらに上を行っている。北朝鮮はこれから自らの無知と錯覚の代償を支払うことになるだろう。」

将軍様と金大中(キム・デジュン)と盧武鉉(ノ・ムヒョン)という前職と現職の大統領の催眠術に掛かって「太陽政策」という優しい態度が今や世界の物笑いになっているのを韓国メディアも気がついたようだ。

身の程を知らず、世界情勢を知らない無知と錯覚」とはよくもここまで言い切った朝鮮日報のバランス感覚に脱帽。

一方、東亜日報も負けてはいない。

東亜日報
[社説]抜粋「野次馬」盧武鉉政府

JULY 06, 2006 03:00
 
「政府は、北朝鮮ミサイルに関するすべての情報を米国に依存するほかない状況だが、韓米協力を故障させたことで、情報不在を深めた。」

「北東アジアのバランサー」を自任し、「自主国防」を叫び、戦時作戦権早期還収を主張した結果がこれなのか。日本に対しても、大統領の不必要な強硬発言で感情の溝だけを深めた。韓米日協力をいかにして回復させ、北朝鮮の脅威に共同で対処するのか、国民は不安だ。だからといって中国にしがみつくつもりなのか。」

「韓国社会の盲目的な「同じ民族」の主唱者たちにも問う。まだ言いたいことが残っているのか。ソウルと平壌(ピョンヤン)を行き交い、6・15統一祝典を開き、自主と反米を叫んできた彼らに、北朝鮮はミサイルでお返しをした。親金正日(キム・ジョンイル)勢力は、北朝鮮のミサイル発射を見て、何を考えたのか。」

盧大統領から、立場を明らかにしなければならない。なぜミサイル問題に対しては沈黙するのか。政府関係者は、「対北朝鮮問題に大統領が出れば、うまくいくこともいかなくなる」と述べたが、これは言い訳に過ぎない。盧大統領が本当に出るべき事と、そうでない事をしっかり分けてきたと言うのであろうか。今度こそ、盧大統領は明らかな態度を示さなければならない。」


中央日報【社説】抜粋 ミサイル危機、韓日米の共助優先

 「これまで政府は北朝鮮にミサイル発射中止を非常に弱くしか要求して来られなかった。言いたくないことを言うように、やむを得ず小さな声を出していた。」

「発射の兆しが捕そくされた5月初めからこの政権は安易に対処してきた。・・・・外交部長官は「形式的な警告性発言」を1、2回して口をつぐんだ。」

「青瓦台(チョンワデ、大統領府)高位当局者は「北朝鮮が発射しようとしたのは、ミサイルではなく人工衛星である可能性もある」と北朝鮮を代弁までしていた。」

「我々より対北情報力をもつ日米はミサイルだと予測するのに、この国の外交安保の責任者は北朝鮮をかばう発言をしたのだ。」

 「これが果たしてまともな国か。いまやミサイルと判明されたのだから何と言い訳するか知りたい。こんな無責任なことを言った当事者たちが安保の責任を担っているから国民が不安がるのだ。」

「・・・・北朝鮮側の立場を代弁した韓国政府はミサイル発射によって国際社会で体面を失ってしまった。・・・・こんな状況でさえも北朝鮮の立場ばかりカバーすれば、結局北朝鮮と一緒にこの国は国際社会で孤立するほかない。」

「このような挑発が続く限り、南北経協は不可能だという点を北朝鮮に理解させなければならない。米、肥料など人道的支援も全般的に再検討する必要が生じた。誤った行動に対しては鞭があるという点を明らかに見せなければならない。」

 「 しかしこの政府はまだ気が緩んでいる。大統領主催関係長官会議で『対北圧迫は問題解決に役に立たない』という立場を決めたからだ。これから韓日米の共助が重要だ。脅威の当事者がまさに我々なのに、我々政府がこんなにのんきな対応をすること自体が大きく間違っている証拠だ。今回だけは「民族共助」などを掲げて的外れなことを言及せず日米と緊密に協議してきっぱりと対処せよ。』 2006.07.06 08:53:48

あれほど北朝鮮寄りだった韓国メディアもやっと目が覚めたようだが、日本の北朝鮮評論家の中には相変わらず「経済制裁は無意味」等の北擁護論者がテレビ等で未だに戯言を垂れ流している。

◆琉球新報よ目を醒ませ!

今朝の琉球新報は一応ミサイル発射に抗議はしながらも、北朝鮮が発射せざるを得なかった理由を必死になって代弁している。

「(北朝鮮が)こうした行動に出た背景に、金融制裁など米国の圧力が挙げられる。」

これは偽ドル造りとマネーロンダリングに対する正当な経済制裁だろう。

「(北朝鮮は)ヒル国務次官補の訪朝を招請し、米国が圧力をかけ続けたら「超強硬措置をとる」と警告していた。米国はその招請を拒否した。」

自分が招請しても来なかったからといって「ミサイル乱射」はないでしょう。

「ハワイ沖では6月26日から、米海軍が主催し、日本の海上自衛隊も加わった環太平洋合同演習が行われている。この演習について北朝鮮は『わが国を狙った挑発で危険な火遊び』と非難している。」(・・だからってミサイル発射していいの?琉球新報さん)

「日本での米軍再編も北朝鮮の緊張を高めている要因だろう。」(・・だからミサイル発射?)

「再編では、自衛隊と米軍の一体化が図られている。米陸軍の司令部が神奈川県座間市に置かれることになっており、日米の軍事同盟はいっそう強まっている。北朝鮮には、米国との結び付きを強める日本が脅威に映るのではないか。」(・・だからミサイル発射?)

日米は同盟国だと言うことを知らないわけないでしょう、琉球新報さん。

さらに拉致問題で、日本側が北朝鮮の説明や態度に納得しないため、打開の糸口が見いだせないでいる。こうしたことにいら立ち、軍事的行動に走らせた要因の一つに考えられる。」(・・だからミサイル発射?)

拉致は誘拐で立派な犯罪だよ。これを日本では「盗人猛々しい」というんです。

琉球新報もそろそろバランス感覚を養わないと、このまま北朝鮮の代弁機関を続けたら日本中の物笑いだよ琉球新報さん。
 

 

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ミサイルの在庫セール

2006-07-06 15:43:17 | 未分類

●花火大会じゃあるまいし、将軍様は昨日の明け方から夕方に掛けてスカッド(対韓国用)、ノドン(対日本用)、テポドン(対アメリカ用)と色とりどりのミサイルを計7発も打ち上げた。

将軍様の「ミサイル在庫一掃セール」への対抗手段として「期間限定セール」で応じるという。

「ミサイル乱れ射ち」への対抗手段が、将軍様御用達のマンギョン号の日本入港を6ヶ月だけの期限付き入港禁止とは・・・。

その他の経済制裁は国連の安保常任理事会に丸投げ、・・いや、付託するという。

ミサイル発射前の6月20日、当日記は「テポドンで日本の安全保障を考える」で次のように書いた。http://blog.goo.ne.jp/taezaki160925/e/306bf574ff56a765d56e7b49ab3426f8

≪「北朝鮮が我々の忠告を聞かない場合は、」・・・昨日19日の記者会見での小泉首相の発言である。

言葉を続けて、仮に発射した場合には、「米国などとよく協議し、厳しい対応をとらなければならない」と発言した。

その具体的な対応の手段については「言わない方がいい」とした。

現実問題として、日本の運命は北の将軍様の胸先三寸にかかっている。

「将軍様が日本にミサイルを打ち込んだら、厳しい対抗手段は『フタク』しかない」という。

フタクとは付託。

何所に何を付託するのか。

国連の安保理に経済制裁を付託するという。

国連安保理の常任理事国には勿論日本は入っていない。

だが、中国は常任理事国の一つだ。

中国が拒否権発動すれば、フタク、もオタフクもあったものじゃない。

大体、付託を辞書で確認すると、≪[名]物事の処置などを任せること。特に、議会で、議案の審査を本会議の議決に先だって他の機関に委ねること。「特別委員会に―する」≫と、物事の解決を他に「マル投げ」することに他ならない。

国の安全保障を自分で考えずに、他に「フタク」、「マル投げ」して良いものか。

それにしてもミサイル発射に対する「厳しい対抗手段」がフタクとは。≫

日本が北朝鮮非難決議草案 安保理緊急会合で提示へ

2006年07月06日01時33分

 国連安全保障理事会は5日午前(日本時間同日深夜)、北朝鮮のミサイル発射を受けて、緊急会合を開いた。日本の要請を受けたもので、日本は、北朝鮮の行動を非難する安保理決議の草案を同日午後の協議で提示する方針。米英などが同調する見通しだが、拒否権を持つ中国やロシアは決議には否定的な立場をとっており、採択できるかはなお流動的だ。

図

国連安全保障理事会の対応

 午前中の協議終了後、日本の大島賢三国連大使は、草案について「明確で強い非難が含まれる」と語った。日本政府による独自の制裁内容に触れたうえで「安保理でもこのような点が話し合われる可能性がある」と述べ、制裁的な要素が含まれることも示唆した。ボルトン米国連大使は「ミサイル発射を容認できないという強いシグナルを安保理は送らなければならない」と語った。

 一方、中国の王光亜国連大使は「安保理によるこの問題への対応は初めてではなく、98年の先例がある」と語り、拘束力を伴わない声明が妥当だとの姿勢を示し、日米を牽制(けんせい)。ロシアのチュルキン国連大使も「制裁をだれも望んでいない。決議よりも議長声明がふさわしい」と述べ、制裁を含む決議には難色を示した。

 非公開の緊急会合では、日本が事実関係を説明し、今回の発射が北朝鮮が表明している「ミサイル発射モラトリアム(凍結)」などの国際合意に違反している点に言及。議長声明よりも重みのない報道声明に終わった98年のテポドン1発射時との状況の違いを強調した模様だ。今後、北朝鮮の代表に安保理で発言を求めることも予想される。

 草案は、北朝鮮の行動に対する非難に焦点を当てたものになるとみられる。経済制裁に難色を示す中国、ロシアが容認できる文面で合意できるかがカギになる。決議採択が難しい場合、全会一致で採択される議長声明による妥協を模索する可能性もある。 (朝日新聞)

経済制裁の「決議」には法的拘束力があるが、常任理事国5カ国の全会一致が不可欠。

案の定、これには中国、ロシアの拒否権があり、結局法的拘束力のない「議長声明」でお茶を濁しそうだ。

所詮国連とはそういうもの。 そんな所に自国の安全保障を丸投げする事がおかしいのだ。

経済制裁は日本独自ででも行うべきだ。

「日本だけの経済制裁は意味がない」と言う北朝鮮擁護論は無視して、その効果の如何に関わらず、この際日本の態度を毅然と示すことが重要。

 

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