治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

『発達障害、治った自慢大会!』より~納税者になってもらいたい、という父としての真意

2022-06-20 09:23:35 | 日記


さて、少しずつ触れていきます新刊『発達障害、治った自慢大会!』のお話。
今日は第三部、たにしさん親子に取材させていただいたときのエピソードです。
ちなみに目次はこんな感じで進行しています。


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第三部 お世話になった社会に恩返しできるように育ってもらいたい それが親の願いです
☆たにしさんのおうちのお話

普通だと思っていたわが子に、折れ線型自閉症の診断がつくまで
療育開始
いい情報を探し、信じた
良い支援と巡り合えたことで発達のヒントがもらえた
花風社との出会いが小学校入学に間に合う
逃走癖が出た理由
困りごとがなくなった状態で小学校に入学
「治った」という表現が一番フィットする
日々の暮らしが発達援助になっている
お勉強にも自発的に取り組む
日常の中で身体アプローチを
親子ライドの夢をかなえる
自然の中での遊びが発達援助の基礎
たにし家流栄養療法
黒歴史もある
自信がみなぎっている
ご本人が生まれ持ったもの
今後の展望
信頼という資質
父としての思い

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かねてよりたにしさんはSNS等でも「息子には納税者になってもらいたい」とおっしゃっています。
その真意とはどういうものか。

たにしさんは発達特性を持つ息子さんが、今まさに社会の力を借りて発達中であることを強く意識されています。
その原資が皆さんから集めた税金であること、それを使っていること、社会はすでに発達障害に理解も支援もしていると強く意識されています。
この点で「社会の理解ガー」の人たちとは一線を画しています。

つまりたにしさんの根底には、アンチにありがちな社会への恨み言ではなく、社会への感謝があります。
そして息子さんに「納税者になってもらいたい」というのは「息子も将来、いくばくかなりとでも人を助ける側に回ってもらいたい」という願いでもあります。

さて、そういうたにしさん親子とのインタビューを終え、愛甲さんと電話で話していたときのこと。
愛甲さんは「たにしジュニアは、もう大丈夫」とおっしゃるので「たにしジュニアはどう大丈夫なのですか?」ときいてみました。
そうすると愛甲さんがまずおっしゃったのは「自信に満ち溢れている」という言葉。私はこれをきいて、なるほど、と思いました。
いつもたにしジュニアを見て受けるさわやかな感じ。それはたしかに「自信に満ち溢れている」という形容がぴったりです。

「たにしさんの息子さんは、人が大好きだし、自分が人に愛されていることも知っている。それにお返しする気持ちもある。だから将来は大丈夫です」という愛甲さんの言葉に大きくうなずく浅見でした。

そして考えてみれば、それって今の発達障碍者支援に感謝し、将来は息子さんにも支える方に回ってもらいたい、とそれを目標に子育てしているお父様そのものです。

こういう資質が親子の間で受け継がれるんだなあ、と思いました。

たにしさんのおうちは、日常生活が丸ごと発達援助になっています。
平日と休日はパターンが違いますが
そのパターンの違いをきちんと踏まえ、日々を乗り越えていけるのは、身体的に崩れないから。
その崩れない身体を支えているのが、普段の栄養や運動です。
そしてそこにお子さんも積極的に参加されています。

このお子さんをかつて地元有名医師が「あらゆる点で他人より劣っている子」と断じたそうです。

「治る」とはどういうことか
浅見がひらめいた瞬間を巻頭漫画でご披露しますが
きっとご納得いただける定義だと思います。

どうぞお楽しみに。

『発達障害、治った自慢大会!』にみる情報収集の変遷

2022-06-16 09:17:24 | 日記

さて、新刊が出るまでときどき情報をアップしていきます。

前回のブログでお伝えしたとおり、今回は

味噌ぴさん
いぬこさん
たにしさん
智くんファミリー

にご登場いただいています。
インタビューの順番はそれぞれのご都合に合わせて、だったのですが、最終的に本にするとき、上記の順番にしました。
どういう順番かというと、年齢順です。

味噌ぴさんご長男 30歳一人暮らしの社会人
いぬこさんお嬢さん 高校二年生
たにしさんジュニア 小学校六年生
智くん 小学校三年生

とこういう順番です。

そうなるともう、発達クラスタにおける情報収集方法の歴史がたどれるのです。これが興味深かったです。

味噌ぴさんの時代は、親の会全盛期。治す方向の情報は皆無で、親の会=専門家用ただ働き部隊 でもありました。専門家が専門家として君臨しながらも治すことなど考えなかった時代、お母さんたちはわりとこき使われていた。味噌ぴさんはその中でも地区のリーダー的存在で専門家から一番近いところにありながらそこに飲み込まれず「重いですね」と言われたお子さんの自立を果たした。なぜそれが可能だったのか? というのが事前の私の問題意識でした。

そしていぬこさん時代。療育手帳何それ美味しいの? 時代に入っていきます。支援が今ほどない分、今よりラッキーだった世代。ちなみにいぬこお嬢さんがかつて持っていた診断名+疾病は、本に挙げているだけでも11個。そのすべてが消えてなくなりました。よいお医者さんとの出会いもあり、花風社との出会いもあり。でもそれはすべてお母さんが脚で稼いだ感じですよ。

そしてたにしさんジュニア。こちらは民間療育にお金がつくようになった時代。ただし玉石石石石石石混淆。ただ自力で玉をつかんだことをきっかけに灰谷さん→花風社→栗本さんとか愛甲さんとか神田橋先生とか→花風社クラスタ→栄養療法→たにし家流治す方法へ とたどりつかれました。

そして智くん。
智くんファミリーがどうやって花風社にたどりついたかというと、ツイッターのロムだそうですよ皆さん! 我々が治った治ったと言ってアンチがうるさかった頃、十八か所の奇形をもって生まれた智くんのお父さんは「せめて発達だけでも治るといいな」と思いながら情報収集していたそうです。心臓の血管を作り変えるとかそういうのは医療マター。だけど発達は家庭マター。だからね、ツイッターの花風社クラスタにも感謝です。まあ色々あったけどね。去っていった人もいました。でもその人たちにも感謝です。智くんを連れてきてくれたのは皆さんだったのだし。

そしてあのとき色々うるさかったアンチは、だいたい味噌ぴさん世代もしくはその上なんですよね。専門家にあきらめを洗脳されていた世代。どうしても信じられないんですよ。だって治るって信じたら自分たちのあきらめが無駄になってしまうでしょ。だから彼らはきっと、治らないという考えを治せないと思いますね。彼らの精神的な安定のためにも、治せないと思う。

でも治ったね。治るのわかったね。そしてアンチが治らないという考えを治せなくても、大人になったアンチジュニアが治るという情報にたどりついて自分で自分を治すことは可能です。そのためにも花風社は、発信をやめてはいけないのです。

味噌ぴさんから智くんまで。その多くの時代を砂かぶりで見つめていた私としては、こうやって情報収集の仕方が世代で変わったことを知っただけで感激しました。色々あったけど、自分たちのしてきたことは間違っていなかった、ってね。

では皆様新刊をお楽しみに。

イラストは浅見が「治る」の定義に目覚めた瞬間です。肝心なところはピンク塗にしましたが、処理が雑で画伯がピキってなってる姿が目に浮かぶようですわ。わはは。

『発達障害、治った自慢大会!』 に登場していただく方々

2022-06-15 11:31:33 | 日記
さて、順調に進んでおります『発達障害、治った自慢大会!』の制作です。
この画像は巻頭漫画の最終ページのラフ。

漫画は以下のようなプロセスで作られていきます。

私の方でネームを出し、小暮画伯に送る。
そして「治るとはどういうことか」花風社がたどりついた結論としての「治り方講座」第一部の動画をお送りしました。画伯は時間を割いてそれを見てくださいました。

これで

・発達障害治るよね
・でも医者は治らないというよね
・でも治るよね

という、今私が考えていることを画伯にご理解いただき、ラフを出していただく。
それをもとにまたこちらの考えを伝えてかたちにしていくのです。

こういう作業をやっています。

さて、今回は四ファミリーに登場していただきました。
治った自慢のお部屋、レギュラーメンバー

味噌ぴさん
いぬこさん
たにしさん
智くんファミリー

です。

今回は、治っていて、そして私自身が面識があること、という条件のもとこの四つの家族の皆様にご協力いただきました。
この二年、面識のあるファミリーが増えなかったのが残念ですが、その限定された条件の中でも素晴らしいメンバーにご協力いただいたと思います。

味噌ぴさんとはもう長いお付き合い。ご子息は30歳で一人暮らしを始められました。
ギョーカイ活動の盛んな時期からのお付き合いで、それにもかかわらずギョーカイから自立された子育てをなさった方です。


いぬこさんとはお近くでもあり、私がいぬこさんの地元に講演会に呼んでいただいたことからお付き合いが始まり、ご一家で講座にお越しいただいたことも。当時眼鏡が分厚かったお嬢さんは、もはや眼鏡の必要もなく、発達遅滞等数々の診断名がなくなって高校生活を楽しんでいます。いぬこさんは、去年栗本さんの奥様が関東にいらしたときに私主催で開いた歓迎会にもご出席くださいました。

たにしさんとはご存じのとおり、高松講座でお世話になっています。そういえばたにしジュニアとは直接お会いしたことはありませんが、毎週お父様と遊びまわる元気な姿を動画で見ているし、栗本さんは直接指導して金魚とかも直接指導したそうです。

そして智くんファミリーとは、コロナに入る直前に大阪でお会いできたのがラッキーでした。

全員の方が幼児期に診断がついています。
それを念頭に、皆様に読んでいただきたいと思っています。
(少なくとも直販の方には)夏休みに間に合うよう作っています。
また、まだまだ取材させていただければいいなあ、と思っている皆様がいます。いずれお願いに上がると思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

次回のブログでは、ちょっと内容を掘り下げる予定です。

発達障害、治った自慢大会!

2022-06-01 15:52:15 | 日記
昨日5月31日、どっとこむ管理人メッセージコーナーで小暮画伯にプレッシャーをかけておいたせいか、あっという間にラフが上がってきました。次作の表一イラスト候補です。

次作は花風社愛読者コミュニティサイト「治そう発達障害どっとこむ」の人気コーナー「我が家の治った自慢」の書籍化なのですが、どういうタイトルの書籍にしようかと考えたとき、私は原点に立ち戻ってみることにしました。

アンチ考察家(笑)のブルーさんによると、花風社アンチの間ではこの「治った自慢」がとても評判が悪いそうです(笑)。自慢なんかすると治らない人が傷つく~とかああいうやつでしょうか。

知るかそんなもん、です。卑屈民は勝手に傷ついていればいいです。

そもそも治った自慢コーナーは、他人の自慢を一緒に喜べる読者を想定して作ったコーナーであり、よそんちの子の治った情報を卑屈に受け取る人たちは帰った帰った! なのです。

そもそもNHKで長寿国民的番組やっていますよね。
そう、のど自慢です。
のど自慢は歌を披露する人がいて、みんなでやんややんやします。私が持っていた「治った自慢」は「のど自慢」のノリです。全国から集まって治った話を披露しあうのです。

この原点に立ち戻り、治った自慢の書籍化は

「発達障害、治った自慢大会!」で行こうと思っています。
もちろん、登場した人は全員優勝です。

そして表紙は、インタビュアーである愛甲修子さんが鐘を鳴らしている絵にしてもらいたいと画伯にお願いして出てきたのがこのイラストです。

ものすごく楽しい本になります。
皆様お楽しみに。