治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

マスク棒人間

2022-02-05 09:44:55 | 日記
さて、緊急出版というわりには私の都合でお待たせいたしました。
(大久保さんはしゃきしゃき仕事してくださっていたのですが)。

『ポストコロナの発達援助論 発達の機会を奪われた子ども達に今からできること』
いよいよ直販の方には来週発送です。ミニクリアファイルついてきます。


Amazon組の方は来週末くらい。
一般書店は再来週になると思います。

花風社HPはこちら。



Amazonはこちらです。



新刊では「マスク棒人間」のイラストで、コロナ禍、というかコロナ対策禍が子ども達の身体に与えた影響を考察し、そこに解決策を提示しています。
そのために「マスク棒人間」を小暮画伯に描いてもらいました。

思い出してみましょう。
棒人間が最初に登場したのはロングセラーとなり多くの人々の体調を向上させた黄色本こと『自閉っ子の心身をラクにしよう!』です。


あの本は私の気づきから始まっています。

自閉っ子の姿勢ってどうしてこうなっているの?



これは、私が常々、高機能、アスペルガーの人でもあるいは知的障害の伴う人でも自閉圏の人ってなぜか、後ろから見てもわかるなあ、と思った気づきがもとになっています。
そういう問題意識を持っていたある日、テレビで311のPTSDでパニックを起こす重度の成人の方を見て、パニックを起こすと余計に姿勢がこういう感じになるって思ったのです。

そしてその疑問を出会ったばかりの栗本啓司さんにぶつけました。
そうしたら栗本さんは「これじゃあ寝られないでしょうね」とおっしゃったのです。
こういう姿勢になると、眠れるようになります。




でもそれは、「姿勢を正しなさい」という言葉がけだけでは無理なのです。
それを自然にできるようにするための方法がコンディショニングでした。



そこから作り始めたあの本。
無名のおっさんを世に送り出すため、神田橋先生が推薦の言葉をくださいました。





私は2000年代初頭から、自閉症の人が社会で活躍すればいいなあと思っていました。
それが「治そう」の原点です。
そして治るといいな、と思うところは四つありました。
『NEURO』の漫画に描いています。



そのうち一つが解決できそうだ。
そう思って私は黄色本を作ることにしたのですが、なんと黄色本はこのうち三つを解決することになりました。
なぜなら栗本さんはこの本の中で、それまで誰も指摘してこなかった「発達の遅れがあるということは、関節や内臓にも遅れを持っているということであり、それは解決できること」を示してくれたからです。

それから花風社クラスタの「治った! 治った!」が加速しました。
感覚統合でちょっと治り、神田橋先生で加速した治った!の嵐が黄色本の登場で量的にががっと増えたのです。

そして治ったの中でコロナ禍を迎えたジャパン。
色々なアリバイ対策を発達の世界で見てきましたが
その巨大スケールのアリバイ対策が、主に逆らうことのできない子ども達を犠牲にしています。
まさに発達の機会を奪われている子ども達。

黄色本も、そしてそのあと出た『人間脳を育てる』も、呼吸の大切さを解いています。
灰谷さんの描いた△を覚えていますか?
運動発達のピラミッドの土台は呼吸なのです。
ところがそこに制限をかけられているのが昨今の子ども達。

これを取り戻さなければいけません。
そのための方法を今度はバトンを継いで大久保悠さんが提言しているのが
『ポストコロナの発達援助論』なわけですが
今子ども達が押し付けられている姿勢がこれです。


マスク棒人間



じへいっこの姿勢が定型発達になり
それで色々体調よくなったのに
今、子どもたちは日中、こういう姿勢を取らされています。

これを是正できる身体アプローチが必要です。
大久保さんは本書でそれを提言しています。

楽しみにお待ちくださいね。
早い方は週明けお手元に届きます。