治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

暑いときに熱い

2015-07-31 07:26:00 | 日記
今朝起きたら、ああきっと鹿児島への旅は楽しくなるんだろう、と思いました。
身体が知っている感じ。
これから楽しいことがあるのを。
そういえば
なんだか不思議だけどわかる、っていうカンみたいなものの鋭さが
一見接点のない南雲さんと私の共有しているものの一つだなあ。
不思議なもんです。
字の読めない南雲さんと、字しか読めない(絵本とか漫画とかフローチャートとか読めない)私が
どっちも読めるものがあるんですよね。
これはやはり、何かが決定的に読めないことの補充として授かった能力なのかもしれません。

気がついている人もいるかもしれませんが
「発達障害は治りますか?」を出版して五年。
私はせっせとあの本が出した宿題に答えてきました。

「細かでアナログなアセスメント」については
「活かそう! 発達障害脳」を作り

「資質の開花」については
「脳みそラクラクセラピー」と「10年目の自閉っ子、こういう風にできてます!」を作り

「好奇心・自発性に基づいた技法」については
「もっと笑顔が見たいから」と「伸ばそう! コミュニケーション力」を作り

「身体のコンディションをよくすると脳がラクになる」と伝えるために
「自閉っ子の心身をラクにしよう!」と「芋づる式に治そう!」を作ってきました。

昨日、大地(芋本二冊持ってる)がこう言ってたけど
本当に実は、全部つながっているんです。



大地は「修行は楽しいし実るよ」と発信して多くの人を勇気づけてくれてきたし。

私は五年前、医療側に問いかけました。

「発達障害は治りますか?」

五年経ってそれを障害を持って生まれた本人に問いかけています。

「治ってますか? 発達障害」



そういう流れです。
その問いかけを、共有してくれてる人が増えてるようでうれしい。



そして「治ってますか? 発達障害」を読んだ神田橋先生のコメントは

「肉薄してきたね」でした。

そうかも、と思いました。

五年前にさかんに先生がおっしゃってたことを思い出しました。

発達障害が治らないと、誰がトクをするでしょう?

治らないでトクをするのは、少なくとも本人ではない。
南雲さんはそう教えてくれているような気がします。

今朝のニコマムさんからの感想ついーと。
やっぱり汗かくよねこの本(笑)。



それぞれにギョーカイトラウマがある。
私のトラウマは偽アスペルガー宣言的なギョーカイ人の卑怯な振る舞いだったけど

「一生治りません」
「頑張らせてはいけません」
「二次障害ガー」

に親としての本能を傷つけられて苦しんできた人もいる。
ていうかとても多い。

そうか。今思いついたけど。

私もギョーカイトラウマとぶつかり稽古してくればいい。

それが癒しの近道かもしれない。

それに私の資質は

「危機に瀕すると強行突破!」なんだから。
「10年目の自閉っ子、こういう風にできてます!」の巻末に
それぞれの資質に適した危機の突破の仕方を載せておいたわ、そういえば。
いってきます!

追伸
鹿児島には行かないけど先日の記事を見て「あの扉のむこうへ」を買ってくださったクドヲ。さんのツイートを貼らせていただきます。



そう、隠れた名作なのよ。
自閉の子どもの内面を小説で語ってくれているという。

鹿児島行く人も行かない人も、よかったら読んでみてくださいね。

共有しているもの

2015-07-30 07:53:55 | 日記
あっという間に木曜日。明日はもう鹿児島ですよ。楽しみでもあり、杉山先生のお姿をナマで拝見することによって偽アスペルガー論争からのギョーカイトラウマがよみがえってしまうのを恐れる気持ちもあり。まあおいしいものでも食べてくることにしましょう。

ナマ杉山先生はきつくても、ご本は読んでいるワタクシ。新刊「発達障害の薬物療法」も取り寄せました。まだ読んでないですが、ぱらぱら見る限り、思っていたより私にもわかるところ多そう。これはね、三次障害から皆さんを守ってくれる本の気がしたので買ってみたんです。読み終わったらレポートしますね。

ギョーカイトラウマの次に怖いのがお相撲ロスです。本場所が終わったあとのあの虚脱感ね。とくに今場所はなんだかつまらない展開だっただけに、今週月曜日はお相撲ロスがきついかな、と思っていました。

でもそこに南雲さんが来てくれて、ランチ~からの~お茶でびっちり三時間のぶっ通しおしゃべり。三時間ほぼブラック。気が紛れてよかったですよ。

ここでへたに相撲脳の人と会ったりすると、白鵬の立ち合いが姑息だどうのこうの、名古屋の観客の手拍子がどうのこうの、と愚痴の応酬になるかもしれないんですが、まったくお相撲方面ではない南雲さんが来てくれてよかった。

実は「治ってますか? 発達障害」に関しては、

第一章 一次障害と真っ向勝負



第二章 二次障害とぶつかり稽古

にするところだったのですが、さすがにお相撲成分多すぎたので自重。でも結果的に第三章で「かわいがり」が展開されたという噂もあります。

まあそれはともかく。

南雲さんとはお相撲方面では共有していないんですが、根本的に共有しているものがあります。

全ては次世代のために

という思いね。それが一見接点のなかった二人が一挙に本を作った理由。支援は次世代のためにある。ギョーカイのためではない。

南雲さんはこの本を作るプロセスで「ラクになった」と言ってくれました。

そして多くの人がラクになっていると思います。
支援の主体はあくまで当事者なんだ、ってはっきり言ってるからね。

ところで栗本さんが特別支援学校に行ったのは昨日だったそうです。
こんなこと言ってる。さっそく突っ込んでやりましたよ。



大地はちゃんと芋本も黄色本も読んでる。本屋さんで買ってくれて読んでる。
「浅見さんに読みたいっていうと送ってきてしまうから」って私には言わずに、本屋さんで自分のお小遣いで買ったんだって。
南雲さんの本はだから、最初からあげるよ、って言っといた。

志の問題。


だからさ~
花風社から本出している以上、世間は「ニキさんの本もちゅん平の本も大地くんの本も岩永先生の本も全部読んでいるはず」と共有するつもりで話を進めてくるんだから

小学生(当時)の書いた本くらい読めよ。
仕事的に言っても、あの本は身体に関する情報だって豊富だし。
南雲さんもね、花風社の顧客層の反応の速さにびっくりしてたけど、本当に自慢の読者なんですよ。そして読者になりたてのときにはとにかくみんな大人買いして一気に読むんです。

ちなみに大地の本ね、南雲さんはちゃんと読んでたよ。




どっちが読字障害だか、まったく。この二人を見ていると「読める」ってなんなんだか本当にわかりませんわ。
機能的な問題があるのは認める。
でも機能だけじゃないね。

あ、そうそう。

南雲さんが8月に行く講演会のタイトルが
「治ってますか? 発達障害」になったそうです。さっそく。

そういう動きはうれしいですね。一つの本がムーブメントを起こす。
版元としてもとってもうれしいです。
花風社はあくまで、発達している人の報告をしていきたいんです。
発達障害者は発達し、学習障害者は学習しますから。
ただしそこに意欲の介入は必要ですけど。
だからこそ意欲を増やしたいんです。

花風社主催でも、南雲さんの講演を10月10日にやります。前座は栗本さん。さらなる前座はワタクシ。

8月になったら募集かけますね。
皆さんよろしくお願いいたします。

続 ちゅん平を偽者扱いしている人たちへ

2015-07-29 08:40:48 | 日記
画伯とよく言うことだが、栗本さんは残念で不用意な発言が多い(ほめてません)。
先日もちゅん平が肉厚になったこと(あくまで彼女基準)を指摘しており、立派にセクハラだし、第一これまでの経緯を知らないからそういう不用意な発言をするのだと思った。
なんでこれまでの経緯を知らないか?
それは栗本さんが花風社の本ですら読まないから。何しろ最近赤い本を発見したばかりなのだ。知って、興奮して人に勧めまくっているのだ(おせえよ)。
もっと早く知っていれば、自分のやっている仕事の重要性にも気づいて、営業もうまくいったのに。
ことほどさように、「本を読まない」というのは人生においてマイナス。
それに気づいたからこそ南雲さんは、自己鍛錬を重ねたのですよ。



その点もりしーさんは、花風社の本が出ると全部大人買いしてスタッフ全員に配ってくれるし、自分も真っ先に読んでくれるし、そしてその中でもお気に入りは「30歳からの社会人デビュー」だという。大好きな本だって。感動的だって。そうだよね。

私などはちゅん平がどれだけの苦難を潜り抜けて今があるのかわかっているので
たとえ(あくまで彼女基準で)肉厚になっても、以前のようにまったく食べられずに立っている体力さえなかったころを思うと夢のような話だと思うし、はっきり言うとちゅん平が職場の愚痴を言っていても「職場の愚痴言えるなんてたいしたもんだぜ!」としみじみしていたりするのである。

昨日ドトールの前を通りかかって思い出した。
ちゅん平とはよくドトールに入ったもんだ。
何しろ仕事の前に、お箸を使わせるなんて体力消耗することはできなかった。だからいつもドトールでパン。それでも食の細いちゅん平は一個なんてとうてい食べきれなかったんだけどね。
箸より重いものは~なんていう大げさな慣用表現があるが、文字通りあのころのちゅん平には箸を持つことさえ重労働だったんです。
それが今職場で棚作ってたりするもん。
そういう時期を経て今があるんですよ、偽者扱いしているおバカさんたち。

そこで皆さんもそういうおバカさんたちや栗本さんのように残念な人にならないために、ちゅん平の本を読みましょう(そこかよ)。
特に週末鹿児島に行く方。書籍コーナーにちゅん平の本を置いてもらうことにしましたから、買ってね。ちゅん平も参加するから、そこでサイン本になります。私を見つけてください。
何しろ書籍販売のスペース96さんにこちらからお願いしてちゅん平の本ももっていっていただくことになったのでね、一冊も売れないと申しわけないのです。だから買ってね。
書籍リストです。

まず意外と知られていないことですが、ちゅん平は小説を一冊出しています。
「あの扉のむこうへ」。



主人公は自閉っ子の「ゆめちゃん」。
もちろん幼いころのちゅん平がモデル。
とにかく世の中が怖くて仕方ない女の子。その子にどう世界が見えていたのか、どうしたらおびえずにすんだのか、そういうことを教えてくれる小説です。

そして「自閉っ子は早期診断がお好き」。藤色の本。ちゅん平の好きな色なのでこの色にしました。
これは「自閉っ子、こういう風にできてます!」で出てきた「巨人のいる世界」からどうちゅん平が抜けだしたかのお話。
巨人がいる世界では、社会性が生えるのは難しい。でもそこから抜け出すのにこれだけ痛みが伴うというお話です。

それから「自閉っ子的心身安定生活!」。
ドトールのパン一個食べきれなかった人が週に五日働けるようになるまでのプロセスがわかります。

ちゅん平が体力作りに乗り出すことになったのは「続自閉っ子、こういう風にできてます!」。
具体的な身体の特性と鍛え方を岩永先生に教えてもらって手がかりができたんですね。





そしてご存じ「30歳からの社会人デビュー」。
もりしーさんも一押しの感動作。
「治っていく」姿が見られます。

鹿児島行く人はぜひ現地で手に取ってみてください。
それ以外の方も花風社HPやネット書店などで購入可能です。

でも栗本さんは読まないと思うけどね(ほめてません)。


栗本さんは今自分の本必死に読んでるんだって。
週末に特別支援学校に講演に行くらしい。それで復習しているらしい。それで精一杯らしい。読書力ないっていうことは痛手なんですよ。栗本さんみてそれを痛感したから学習障害に興味を持ったんだけどね。

腕はいいのにね~。
まあ、発達凸凹治すくらいしか能のない人なんですよ。興味関心の幅が狭いんだよね~。


(せっかく仕事も軌道に乗ってるんだから、もうちょっと読書の幅を広げたら営業も女性方面も希望が出てくると思うんだけどね、そっち方面でも。独り言です。ぶつぶつ)

ちゅん平を偽者扱いしている人たちへ

2015-07-28 09:52:01 | 日記
ちゅん平を偽者自閉っ子扱いしている人々に
彼女が辿ってきた道を見てほしい。

偏食について
続き

感覚の問題、認知の問題、
いろいろな問題がてんこもりで、本当に「食べるのを憎んでいる」感じの子だったのですよ。
そういう子に働けるだけの体力がつく道理はない。
私は本当に心を痛めてきたのです。

大げさではなく
私は十年以上、ここから立ち直ってきた姿を目にしてきたのですよ。
そしてその様子を本にしてきた。

自閉っ子は早期診断がお好き

自閉っ子的心身安定生活

30歳からの社会人デビュー

という順番で。

それをろくすっぽ読みもしないで偽者扱いしたい人たちには
それだけの理由があるんだろうけど

立ち直ってきた過程が知りたい人もいるんだよ。
だから私はそういう人に向けて発信してきたんだよ。

「どういう風に苦しいか・苦しかったか」
ばかりを語らせたがる支援者にはもううんざりですけど

でもここから立ち直ってきたのを

顔つきさえかわっていったのを
私は目撃してきたんですよ。

感覚や身体の問題が解決し
まともに食事ができるようになり
体力がつき
世界観が混乱しなくなり
びびりんがちょっとずつ減っていき
そうすると社会が怖くなくなり
社会参加し
社会に癒され

という風に芋づる式に治ってきた人を偽者扱いするギョーカイに未来はないね。
つくづくそう思う。

元気な若者

2015-07-27 09:38:33 | 日記
先週のある日の夜、私は木下音感協会の木下麻奈さんにくっついて洗足学園前田ホールに行きました。
ここの学生オーケストラを、なんとかの有名な山田和樹さんが指揮するというのです。
山田和樹さんは小澤征爾二世の呼び声が高い方。現在ヨーロッパを拠点に活躍中。木下式音感教育の卒業生でもあり、私はお仕事でインタビューさせていただいこともあります。
今回木下さんの関係で、このコンサートのチケットをいただきました。

曲目はドビュッシーとかラヴェルとか、重厚長大路線が好きな私がふだん好んで聴くものではありませんでしたが、それはそれは見事でした。
オーケストラも素晴らしい。そして山田さんの指揮がやはり際立っています。よく考えたら、ふだん有名指揮者のコンサートを聴きに行くとだいたいベテランなんですよね。その点山田さんはまだまだお若い。そして若い指揮者ってやはり身体のキレが違います。

演奏会が終わったあとは木下式のファミリーで記念撮影。
駅まで歩き始めたときに、「浅見さん」とお声がけいただきました。
うちの読者の方だそうです。
ASDと弱視があって、小田原も鹿児島も行ったことがあって、そしてこのブログを通じて音感教育のことを知り、今は週に二回通っているのだとか。
うれしいですね。
弱視があるだけに、音は大事な世界。そこで新しい感覚の楽しみを見つけたようです。当然発達援助になるはず。
そしてASDと弱視があると、学習障害的な要素はもれなくついてきます。ということで南雲さんの本の出版も喜んでくださいました。

そういえばこよりさんのおうちのご次男も、「ASD+弱視」でした。
字は一生書けないだろう、って医者に宣言されてたんですよね。
お母さんの見立てでは「そんなことないだろう」なんですけど。そしてお母さんの見立てと根気良い修行で、書けるようになったんですよね。難関の高等養護を受験して、見事合格。今があるのです。

帰ってきたら置いていった方の携帯にメールが入っていました。
神田橋先生です。
そうだ。「治ってますか? 発達障害」を献本したのでした。
献本レターにはこんなこと書きました。

「元気のある若者と出会ったので(というか、もう元気のある人しか近づいてこないのだと思います)本を一冊作ってみました」

でも送ったの昨日? おととい?
鹿児島に翌日届ける日本郵便もすごいけど、神田橋先生もいつものごとくあっという間に読んでくださったようです。
いつもの通り短く適切なコメント。
この本を出したのは間違っていなかったようです。

それについてはまた後日。


「ありのまま系」が許されるご家庭の条件

2015-07-26 09:15:42 | 日記
今日は若干ブラックな内容です(当社比)。
読みたくない人は帰った帰った!

===キ===リ===ト===リ===線===

さてじゃあ残った皆さん覚悟はいいですね。

この記事を書く直接のきっかけになったのは、先日の記事にいただいたまーちさんのコメントとこよりさんのこの記事です。
まーちさんがご子息の自立に対して真剣だったのは(ときには高いお金を出してコンサルティングを受けていた専門家の助言を無視してまでね)

ご家庭のご事情もありそうですね。
転勤がついてまわるという。
そういうご職業だからこそ、いつかは離れて住まなければいけないことがわかっていた。

一方でこよりさんと先日おしゃべりしたとき笑ったのは

「こうなったら一番手がかかるのは夫です」とおっしゃったこと。
なぜなら長年働いてきた人は疲れてるでしょ。
それに比べて若者はまだフレッシュです。働くことに喜びを感じるだけの元気がある。

つまりね
一家の大黒柱の状況はおうちによって違うし、大黒柱も年を取っていくんです。

普通はね。

そうやってこよりさんが息子さんからお小遣いをもらってギョーカイメジャーの講演会に行くと
そこでしゃべっているのは中年になってまだ独立したとは言えない状態の息子さんに家を買うため高齢になっても講演活動に歩いている先生だったりするそうです。

そこで「息子にお小遣いもらってきました」なんていうと、先生にびっくりされるようですが

だって「自閉症の人に努力させてはいけません」って先生にいくら言われようと、こよりさんちはそんなことに耳を傾けずに修行をしてきたわけだし。

そもそもこよりさんのおうちには、いえ、たいていのおうちには
高齢になっても高額な講師料で講演会に呼ばれ次々出版社が本を出すような児童精神科医の大黒柱はいないのです。

「ありのままでいいんです」
「自閉症の人に頑張らせてはいけません」

なーんて言えるのは、親御さんが人一倍頑張ってて、世の中的にも需要があるからじゃないですかね。

私も講演会はやりますが、お医者様ほど高額なギャラを要求したことはないですし
これ一本で食べていけるほどの量ではない。
私の本職はあくまで出版です。

しかも80歳近くになった自分に講演依頼が来るとは夢にも思わない。
高名な先生が実績を積み上げていらしたからこそ起きている出来事。

そしてね
たいていのおうちの大黒柱は、80近くなっても講演に呼ばれるような本がどんどん出るような児童精神科医じゃないでしょ?

一時の気休めのために耳触りのいい
「ありのままでいいんです」
「自閉症の人に努力させてはいけません」

という講演を聴いて涙をはらはら流しているその裏で

数十万の講演料が動き

そしてそれが自分では住宅資金が作れないお子さんの住宅資金になっているかもしれない

という構図があるかもしれない

っていうことを心にとめておきましょうね。

その上で、一人一人が自分で考えて決めましょう。

うちの大黒柱はどうだろう?
どれくらい長持ちする?

南雲さんも「治ってますか? 発達障害」の中で「発達障害の人も家族の中で果たす役割がある」ことにきちんと触れてくれてます。
こういうのがザ・堅実。

諸般の事情を勘案して
「本当にうちはありのままで(家庭が)持つのか?」決めてください。
ありのままを選ばなかった人たちの中には成功例もたくさん。
それについては、いくらギョーカイが隠したがろうと、積極的に伝えていくのが花風社です。



治りたい人たちへの発信 その5

2015-07-25 06:27:47 | 日記
さて、私がブログを勧めたのはこよりさんだけではない。
ちゅん平さんにも勧めた。

ちゅん平さんはかつて、心身ともに私が生まれてきてから出会った中で一番弱い子だった。
「自閉っ子、こういう風にできてます!」が世に出てベストセラーになっている間も、死にそうになっていた時期があった。
その後支援と本人の努力でここまで立ち直る。
そうすると待っていたのが「本当はアスペルガーじゃなかったのでは?」という偽者扱いである。本当に失礼な話。逆にいうと、立ち直った人を偽者扱いしなければいけないほどギョーカイは誰も治せない。でも我々の周りは違う。治りやすいところから治っていっている人はとても多い。
南雲さんの本に刺激を受けて、もう一度それを発信したいというので、じゃあまずブログを書いてと言ってみた。
そして始めてみたブログ。南雲さんの本の書評を書いてくれた。

これを読んで思ったのは「へーそんなに言ってはいけないことだと思っていたんだ。意外」っていうこと。
支援者が(しかもメジャーな支援者が)当事者の生きづらさを飛び道具にするなんていう現象はたくさん見てきた。だからこそ、支援者に(しかもメジャーな支援者に)ケアされている人ほど治らない。
ちゅん平をメジャーな支援団体に結びつけたのは私だ。でも治りかけてきたら、そこがくびきになっているのがはっきりとわかった。ちゅん平は律儀。だから最初に勧めた私がやめればと言わないとやめない。そう思ったから「やめれば?」と言った。そしてその後劇的に治っていった。
支援を受けたのはありがたいことだった。あの支援がなければ今のちゅん平はなかっただろう。でも支援者って、いつまでも支配したがるのね。
そういう構図は方々にみられる。それに乗っかって神輿に乗せられている当事者もいる。そしてそういう人たちは治らない。
私は(具体的に名前を出すと)梅永雄二先生、田中康雄先生のかかわっている当事者本は読まない。お二方とも当事者の生きづらさをそれはそれは大事にしていて、読んでいて慰められる人もいるんだろう。でも私は気分が悪くなる。
南雲さんのことをよく知らないうちは、南雲さんもそういう神輿に乗っけられた当事者の一人かと思っていた。ギョーカイおばさんたちがちやほやしてた姿を見て、誤解してたんだと思う。でも会ったら暑苦しい人でした(ほめてます)。神輿をさっさと自分で降りて実社会で真っ向勝負している人でした。
だからその人が「支援者は障害者の優等生みたいな人が好き」「当事者を演じさせられる」と発言したとき、それを本に収録するのになんのためらいもなかったし、逆に言うとちゅん平がこれまでその発言を我慢していたのを知らなかった! 自閉っ子、早く言え、だよまったく。

ちゅん平はもともと優等生キャラだと自分で書いている。そうそう。解離性障害になったのもそのへんだよね。自分がなかったから、他人の望む像を忠実に演じた。そして苦しかった。

私はその点まったく優等生キャラではない。よく「出版社の社長のくせに」とか言われたけど、そういうこと言う人は出版社の社長何人知ってるのかな? たぶん私の方が知ってる数多いと思うよ。なんだかんだ30年近くここにいるしね。そして私は優等生キャラの出版社の社長なんて見たことないよ。

だからね、ちゅん平さんや南雲さんの味わってきたようなつらさは個人的には味わったことない。でも今も多くの人がその被害を受けている構図ははっきりと見られるのよ。
支援を受けているからこそ、生きづらいという構図が。

そういえば最近栗本さんが、そういう風に「自分がない。他人の投影した像を演じさせられてしまう」人の身体の特徴を発見したようです。やれやれ。またシンプルに考えてシンプルに治しちゃうんだろうな(ほめてます)。

そしてどうやらそれは「コタツの中の脚」と関係するらしい。

赤い本の中でニキさんとちゅん平さんが「コタツの中に入ると脚がなくなる」と発言してくれたのはとても興味深かったし、自閉っ子の身体の不思議さを伝えてくれてみんな助かったと思う。

でもね

ちゅん平さん自身が脚を生やしたくなったら
そしてその方法を編み出そうとしているもりしーさんや栗本さんなんかが出てきたんだったら

ちゅん平さんはアラフォーになっても自分療育する権利があるんだよ。
だって脚が生えてた方がドラッグストアで働くのに便利だしね。

ちゅん平ブログではそういったさらなる修行が見られます。
よかったらブックマークしてね、皆さん。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

治りたい人たちへの発信 その4

2015-07-24 07:41:23 | 日記




さて、日曜日のコンディショニング講座には元賢ママさん現こよりさんも愛知からいらしたということは先述したとおり。
そのお元気そうな様子にびっくりしたのでした。

学習障害のご長男、知的障害のある自閉症のご次男がお二人ともフルタイムで企業就労され、今や男の人が三人働いているおうちでどっしり主婦をして母としては楽隠居なさっているわけですが

やはり方々で「どうしてそれが可能だったのか?」きかれるそうです。
そりゃそうですよね。
お子さんの行く先が不安でたまらない凸凹キッズのママたちにとっては成功例ですから。コツがあったらききたい。

でもそこで「小さい時から修行してきたからよ」っていうと

「修行はうちには無理」みたいな話になっておしまいになったり

中には制度を根本的に理解していなくて、障害者枠があるから優先的に就職できると思っていたり

「いや、障害者でも戦力にならないと雇ってもらえないよ」というのを知らなかったりするそうです。

一つはね、「修行は残酷」という誤学習のせい。
これもギョーカイが広めているウソの一つですけど。

修行でつぶれた人は見たことないです。
修行に乗り出せない子はいるけど。
でもそういう子もやる気になるためのためのコンディショニングを、栗本さんは黄色本でも芋本でも新刊「治ってますか? 発達障害」でも提唱しているでしょ。一円もかからない方法。
私も講演会などでは、しゃべってますよ。

私がとりわけ腹立たしいなあ、と思ったのは、こよりさんのおうちの成功を主治医に話したママ友にその主治医が

「そういう成功例を真に受けてはいけない。混乱する」みたいなこと言ったという話を聞いたとき。

横浜でちゅん平の講演会やったとき、やはり「なるべく成功例を隠す傾向がギョーカイにはある」と打ち明けてくれた支援の方いましたが

一体誰得なのよそれ。
成功例があったら学びたい人たくさんいるのにね。

と思ったので私はこよりさんに「発信して」とお願いしました。

FBとかでは療育の話を書いてくれているし、「自閉っ子のための道徳入門」にもこよりさんち(当時賢ママさん)がなぜ療育うまくいったかのヒントがてんこもりですが

みんなに見えるところで発信して、とお願いしたのです。

ギョーカイが隠せと言ったって隠す必要なんかない。



一見接点のなさそうだった南雲さんと私が意気投合したのは

「ラクになるための手段は増えている。ならば、やれることがあるのならやってみようという空気を作りたい」という点だったので

南雲さんが修行系だとカミングアウトしてくれた今は、発信にはタイムリーなんです。

カミングアウトっていうか、南雲さんは普通に修行してたんだけど、私たちがそれを知らなかっただけなんだけどね。

というわけでこよりさんのブログをご紹介してみます。

主治医がどう言おうと、お子さん二人が「きちんと社会に選ばれている」人がやってきたことはどういうことか、知りたい人は読んでね。

もちろん「自閉っ子のための道徳入門」も読んでね。

「自閉っ子のための道徳入門」にはね、瀧澤久美子さんも書いてくださっています。横浜の福祉を支えてきた方。

その四十年のキャリアを通じて「修行はきちんと報われる」と実感してきた方です。それもきっちり書いてくださっていますよ。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆

治りたい人たちへの発信 その3

2015-07-23 09:55:56 | 日記
さて、連休最終日はさすがにちょっとくたびれておうちにいました。
仕事はちょこちょこ。
コンディショニング講座にいらしていた隣町のお母さまたちから、先日の講演のアンケートをいただいたのでそれを読んだり。
このアンケート見るとね、お母さんたち能力高いなと思います。まとめ方がね。それなりに社会経験して、お仕事もして、その後ご家庭に入られたのでしょうね。今もお仕事と両立しているかもしれない。これも本当はお子さんにとっての財産のはずなのですよ。「ありのままでいいんです」って吹き込まれてたらそれも無駄になるけどね。

前も書きましたが、先日の隣町の講演会はあえて挑発的にやりました。それなりにギョーカイに染められている方もいるようだと事前情報入ってきたのでね。浅見の講演聞いたあげく「やっぱり花風社やばいわ」と思うのならそれでいい。でも一人でも二人でも修行やってみようかな、という仲間が増えればいいわけで、そのためには当たり障りのない講演より挑発的な講演です。私の仕事は人に好かれることではなく治る人を増やすことですから。そしてその結果が花風社本の大人買いや小田原行きに結びついたのならまあ私としては成功。

と思いながらアンケートを見たら、驚くほど好評でした。
もちろん考えの違う人もいたと思いますよ。
でも一つのオプションとして受け取ってもらえたのならそれで成功です。
そして能力の高いお母さまたちの作った報告書で、私は質疑応答とかを改めて読んで「いいこと言っているじゃん私」と思いました。やはり現場では自閉の神様が降りてくるんだな。

一番多かった反応は「目から鱗」的な感じのものです。「今回もありきたりな話を聞かされるのかと出かけてきたらびっくりした」というコメントを読んで、「ああ、やはりありきたりの講演にうんざりしている人が増えているんだな」と思いました。どこ行ってもいまいち実効性の見えない「環境調整」と(環境調整を否定しているわけではないですよ。でも限界があるということ)「社会の理解」という絵に描いたぼたもちの話。聞かされても時間の無駄。ギョーカイ系の講演が集客苦労するようになったのはセグメント化だけではなくこれも理由だと思いますよ。金太郎飴だし結局今日から何をやっていいのかわけがわからない話が多いから。

でも私の話は「今日から何ができるか」を必ず入れますからね。「治ってますか? 発達障害」が出た今なら、ラクじゃないお母さんがいたら、まずP138のイラストをおすすめしますわ。ここからやってみるといいよね。

まあそんなこんなで連休三日目は過ごしました。あ、あと他にもいろいろ画策したんですけど、それはまた明日にでも書きましょう。

☆☆☆☆☆☆☆☆


治りたい人たちへの発信 その2

2015-07-22 09:20:06 | 日記
さて、明けて連休二日目は花風社主催のコンディショニング講座。午前午後の二部立てです。午前中は「身体を弛める」のがテーマ。午後は質問会。遠くは鹿児島、大阪、長野からお客様がいらっしゃるし、台風が去ってよかったなと思います。
いらっしゃるお客様はほとんどもう「治ってますか? 発達障害」を予約済み。でも一応持っていこうか、と自転車に本を積んで会場に向かいました。
栗本さん先に着いています。
聞けば先日私の講演会を隣町で聞いたご家族が、すでに小田原にいらしたとのこと。
早いなあ。さっと行動できることは素晴らしい。
そしてね、やはり皆さん「よくなる情報」は欲しているんですよね。
なのにその情報があまりに手に入らないのが問題なんです。
だからね、私はこれからも治りたい人たちへの発信はやっていきますよ。
「治る」っていう言葉も、使い続けますよ。
使い続ける理由の一つはね、私の嫌いなギョーカイと猿烏賊がこぞってこの言葉が嫌いなことです。
嫌いな人々が嫌う言葉は積極的に使いたいよね。

和気藹々の雰囲気の中で午前の部は進んだのですが、一つ問題が。問題というよりありがたいことなのですが、新刊が売り切れてしまったのです。そこで私は炎天下の中在庫を取りに自転車でまた一往復。
これも栗本さんの日本語力がちょっとは生えてきたからできること。じゃないと心配で開けられませんものね。この辺は子育てと同じです。最初に仕込んでおくと、結局こっちがラクできる。
元賢ママさんは凸凹のご長男、ご次男をともにフルタイムで企業就労に結びつけたため、すでにママを引退されて今は「こよりさん」になっています。この日もこよりさんは、息子さんにお小遣いをもらって愛知県から横浜に。以前お会いした時よりはつらつとしていてびっくりしました。栗本さんに個人的に身体をみてもらったのは一回だけなのにね。

ランチタイムは畳の部屋でピクニックな感じ。
栗本さんと画伯と私はもちろんシウマイ弁当です。

午後の質問会も面白い展開になりましたね。
遠くから親子連れでいらした方もいましたが、質問をしてそれにこたえてもらうことは、それだけの価値があったのではないでしょうか。今までずーっと悩んでいたことの理由と解決策がわかるから。
「うちの子はなぜ身体を動かすのがきらいなのか」というお母さんの悩みに対しては栗本さん、その場でお子さんをみて答えてくれましたし、それなりにできることを教えていました。
そして独り言にさえ身体アプローチはあるんだなと新鮮でした。
独り言を言うには理由があります。ご本人だって好きで言っているのではない。言わざるを得ない状態なわけです。それはそれで受け入れるのが大事なのはたしか。でもしじゅう一緒にいる家族が独り言をずーっと聞かされてしんどくなるのも当たり前だと思うのです。
ところがその「しんどく思うこと」に罪悪感を持たせるような支援があるのですね。
家族と本人はどっちも大事。だったら一方的に受け入れよ、というアプローチではないアプローチがあってもいいと思います。その一端を見た気がしました。

いかにシンプルにとらえて治していくか、というコンディショニングの本領は「治って
ますか? 発達障害」の中でも発揮されていますが、その真髄が存分に出た講座でした。

そして饗宴へ。
楽しく夜は更けたのでした。

お越しいただいた皆様、栗本さん、ギャラはシウマイ弁当一個なのにお買い上げいただいた本にイラストをいっぱい描いてくれた画伯、本当にありがとうございました。