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治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

怒っていいんだよ

2019-03-29 09:34:10 | 日記
「NEURO」の書評を順次ご紹介していくつもりだったのに、日々話題が多く、途中になっていました。
今日ご紹介するのも、とても大事な書評です。
ひろあさんの書評。


これまで4名の方(大久保さん、藤家さん、ねこ母さん、Keiさん)の書評を紹介させていただきましたが、この4名の方には日本のどこかで、あるいはあちこちで、お目にかかったことが何回もあるけれど、ひろあさんにはまだお目にかかったことがないと思います。

それでも私にとって印象に残る書評でした。
ああちゃんと読んでいただいているな~と思ったからです。

この書評を今日リンクしようと思い出したのは、ついっ友にして長年の花風社クラスタでお子さんがどんどん治っているちょこベビーさんのこのつぶやきを見たからです。

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新幹線車内でNEUROを読む。
完全にギョーカイに喧嘩売ってるんだけど、たった一人では無力かもしれない親達の沢山の声を一冊にまとめてくれている「花風社の浅見社長」が喧嘩を売っている本ではない。ギョーカイに馬鹿にされ続け、食いものにされてきた親達が喧嘩を売っている本だと感じる→

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このツイートを読んで「そうだひろあさんもそのへん読み取ってくださっていたなあ」と思い出したのです。
私はあの本を医療者向けに書いていません。
医療者を初めとする支援者によって苦しめられてきた当事者保護者に向けて書いています。
一方で医療者や支援者が読むのはもちろん想定しています。
最後に支援者へのメッセージもあるし。
優しいメッセージでもなければ、けんか腰のメッセージでもない。
「決断しろよ」という促しです。

NEUROなんだから発達障害は全身の話。全身の話なら医者より親の方が治せるのは当たり前。なのに1ミリも治せない専門家たちが発達障害の人の持つ生きづらさを社会のせいにしながら親をいいようにこき使ってきたキャラバン世代の歴史。自分が見てきた歴史を踏まえて書いています。

親たちに「治せない医療に怒っていいよ」「治せない医療と訣別してもいいよ」と書いています。

そしてNEUROの5文字が発達障害についたからこそ、やれることが見えてくるんです。
もうABAはダメ。SSTもダメ。
むしろ徒手療法家方面こそが役に立つかもしれません。
彼らの方が凡医より行動分析家より神経の育て方を知っているからです。

最初の漫画を見てください。
私が最初に治ってほしい、と思った四つの現象。
ここからすべてが始まったのですが。

医療はそれを治せなかったのです。
そして徒手療法家にはその知見があったのです。
その知見を日々運用するのは親の役目です。
もう医療はいらないかもしれない。
支援はいらないかもしれない。
身体・神経に関する知識とそれを日々楽しんで運用する家庭環境があれば、発達障害は相当治っていくでしょう。

つまり

発達障害は治ります。
でも治すのは医者ではありません。
親なんです。
そして何よりも、本人なのです。

「発達障害=神経発達障害」という事実を認めてしまえば、現行の療育が一気に陳腐化します。
むしろくだらない大脳皮質のみへのアプローチをやめて、末梢神経・中枢神経への働きかけ方を知っている徒手療法家の人たちが発達障害の分野に入ってくれば相当治ると思います。
栗本さんがあれだけ役立っていることを見ても明らかです。
それがいつもエビデンスガーとか医療ガーとうるさい人たちがDSM-5だけは無視している理由だと私は思っています。
医療もABAもSSTも、認知行動療法とかしかできない頭でっかち身体音痴の凡心理士も、とにかく彼らが必死に暗記学習してきたことが役立たずだとわかってしまうからです。
神経の発達障害だとすると。

私は先日杉山大先生の『発達障害の子どもたち』はとてつもない名著だと書きました。
そのあとも読み進み、名著には違いないけど、杉山大先生は子どもたちにとって一番大事なリソースを過小評価していると思いました。

それは何でしょう?

親心です。

虐待事例なども多く扱ってきたから、親にできることを過小評価しているのかもしれません。
それでも私が知っている限りでも杉山先生の患者さんの保護者にはきちんとした方たちもいたはずです。
それにしては親を軽んじすぎています。

それと杉山大先生にとって神経は伝達物質だけの話なのかもしれません。
末梢神経まで考えていないのかもしれません。
「頭蓋骨から解放」されていないのです。
でも治っている人は末梢神経の育ちをないがしろにしなかった人たちですね。

とてつもない名著ですが、やはり医療の限界を感じた一冊でもありました。
考えてみたら、神田橋杉山対談というあの大イベントで私が結局学んだのも「医療には限界がある」ということです。
神田橋、杉山両巨頭が対談しても私があの現場で学んだのは「医療の限界」だったのです。

それがNEUROの5文字でなぜかわかったのです。
NEUROなら、医療の領域でできることは少ないのです。
なぜなら育ちは生活の中で起きるから。

なのに医療いばりすぎ。
インチキ占いで「一生治りません」とか言ってるんですから。
だから凡医を問い詰めようよ、と画伯に漫画にしてもらったのです。

治せないのに威張っている医療や支援に「怒っていいんだよ」という本です、NEUROは。
そして「じゃあ何をすればいいか」をかなり具体的に提言していると思います。


「NEURO 神経発達障害という突破口


花風社HPはこちら。



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1 コメント

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徒手系の人の知見 (ロスジェネ成人当事者)
2019-03-29 12:28:06
浅見さん

ロスジェネ世代の、男性成人当事者です。

「ニューロ」読了しました。物凄い本ですね。日本における、発達障害関連本においては、不滅の金字塔ではないでしょうか?先日の講演会もお伺いしましたが、とても素晴らしかったです。

講演の中で、旦那様(「あさみバッファロー」教授)は、「ロスジェネはかわいそう」と仰って頂けているとのことですが、確かに最高に割り喰っている世代かも知れませんね。でも、後述の理由で、私自身は希望を持って生きていますよ。


さて、

>むしろ徒手療法家方面こそが役に立つかもしれません。彼らの方が凡医より行動分析家より神経の育て方を知っているからです。

>末梢神経・中枢神経への働きかけ方を知っている徒手療法家の人たちが発達障害の分野に入ってくれば相当治る

>末梢神経まで考えていないのかもしれません。「頭蓋骨から解放」されていないのです。

>でも治っている人は末梢神経の育ちをないがしろにしなかった人たちですね。


⇒これは同意です。私も、徒手療法家、代替医療家にとても助けられてきました。だいたいにして、この人達は個人で開業している人が多く、「治せないと治療院が潰れる」のです。

また、発達障害そのものを深く知らなくても、「全身」を見て、身体や神経の不具合を治してしまいます。

また、こういう人たちは、神経そのものだけではなく、「神経の入れ物」・・・例えば脊椎や硬膜へのアプローチ、あるいは、「神経伝達物質の製造工場」、つまり腸内環境へのアプローチなど、神経周辺への働きかけにも知見があり、そこも強みとなっています。

我々「スペクトラム人」は、末梢神経⇒中枢神経⇒脳の順番で刺激を入れていくのが良いのではないか、と経験から仮説を立てております。

ちなみに、私は成人し、就労してから診断されたので、「医療」「心理」「福祉」「公共系」は、早めに見切らざるを得ませんでした。「この人達はさして役に立たない」と。

それでもなんとかしようと、あれこれやっていたら、もっとも役に立ったのは徒手系、代替療法系の人々だった、ということです。

「身体が自分」という人間観を使うなら、身体が変わると自分が変わっていきます。

徒手系の人の力を借りて取り組むと、それを体験できるので、希望も増えていきます。社会がどうこうではなくて、自分の身体から希望を出せるようになります。

そして、これらの経験をした結果、貴社の「身体/言葉以前のアプローチ」に同意するに至りました。私が試行錯誤の結果、至った結論とまったく同一のコンセプトです。ですので、今ではすっかり、貴社の愛読者です。

私の机の上には、「自閉っ子シリーズ」「栗本さんシリーズ」(&藤川本)が山積みでございますwww。金魚体操も、自分なりにやってみたりしています。そして、近日中に栗本さんと初対面です。これも楽しみです。

これからも、貴社の素敵な書籍を楽しみにしております。
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