隔月誌「歴史通」今月号の凄さは購読者全員が思っているはずである。
朝日新聞などを購読し彼らの子会社であるテレビ局の番組を観ているだけの人たちに、以下の、長谷川煕氏の渾身の論文の正しさも証明している特集を、日本国と世界中の人たちに贈る。
前文略
十一月二六日のチャーチル電報
白松
レイトン(太平洋艦隊情報参謀)や、「対日戦争挑発行動八項目」を作成したマッカラムは、日本に長期間滞在していて、ゼロ戦の訓練などを見ている。
そのとき、この国は凄いパイロットも、飛行機もすごいと。
この国と戦争したら大変なことになると知っているわけです。
ところで、ロバート・スティネットの『真珠湾の真実』(文藝春秋)以降の注目すべき真珠湾もののノンフィクションとしては、二〇〇八年出版のジョージ・ビクターの『PearlHarbor-Myth(未訳)があります。彼もワシントンは真珠湾が攻撃されることは知っていたと主張していますね。
さらに、十二月六日に明日日本の攻撃があるということで、ルーズベルト、ホプキンスを含む戦争閣議メンバーがハワイに警告を出すかどうかの秘密の会議を開いていたと指摘している。
中略
白松
アメリカ側の傍受、解読、解析した三千二百五十通のSRN傍受記録を分析すると、真珠湾が攻撃されるとわかっていたという結論にしかならないのですよ。それをどう解釈するかは、第三者が決めることではありますが、これだけの傍受・解読資料がありながら、やっぱりアメリカは知らなかったと言えるかどうかですよね。
アメリカの一刻も早い参戦を望み、そして英国諜報機関が入手したと囁かれている単冠湾出撃情報を打電したのではないかと疑われている11月26日発のチャーチルのルーズベルト宛の緊急電報も、英国政府によって75年間、公開禁止になっています。
この2016年11月26日が75年目だったのですが、ビクターによれば、なんと公開は2060年まで延びたという。
ですから、いかに、このチャーチル電報が重要かということです。
永遠に見せたくないということではないですか?
日本の機動部隊が単冠湾を出港して、ハワイへ向かったという情報以外考えられないですよね。
チャーチルはそれをルーズベルトに知らせたわけです。
そしたら何が起こったかということが重要なのです。
アメリカは今すぐ戦争が始まっては困るので、あと三ヵ月時間が欲しいということで、時間稼ぎのために11月25日までは日米間の交渉は、日本にも理解を示した玉虫色の暫定協定で進めようという話になっていた。
ところが、11月26日の朝になって突然、暫定協定は止めて、事実上の最後通牒にも近いハルノートで行けということになった。
なぜかというと、それがチャーチル電報なんです。
ここからあとは想像ですが、そこには、日本が攻撃に向かったと書かれていたとしか私には考えられない。
その内容をようやく確認できると思ったのに(笑)。
後略。