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代替案のための弁証法的空間  Dialectical Space for Alternatives

批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。

大日本帝国の後継国家としての北朝鮮に経済制裁は効かない

2017年09月04日 | 政治経済(国際)
 『週刊現代』の、近藤大介氏の匿名の北朝鮮労働党幹部氏への以下のインタビュー記事、興味深い。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170904-00052784-gendaibiz-int


 金正日の遺訓は、『アメリカは、こちらが強硬に出ないと振り向かない。そして核とミサイルを手放した時に襲ってくる』 --北朝鮮は、この遺訓に従って行動しているのだ、と。

 北朝鮮は、ただアメリカを振り向かせるために、過激な挑発行為を繰り返えさざるを得ないのだと語っている。恋心を募らせても、まったく振り向いてくれない相手に対して悪質な迷惑行動に出るストーカーの心理に似ている。

 北朝鮮はアメリカを振り向かせることに成功しているから、作戦は成功していると言えるかも知れない。
 
 核も大量破壊兵器も何もない無防備なイラクが、あれだけ酷い目に合うのを、まざまざと見せつけられたのだから、核とミサイルのみが自国の安全を保障するという信仰を北朝鮮が抱くのは無理もないと言えるだろう。

 北朝鮮は玉砕覚悟。上記インタビューで労働党幹部氏は、たとえ滅びても、ただ一発の核ミサイルをワシントンにブチ込むだけでも本望である、とまで述べている。
 
 一億玉砕を叫んでいた戦中の大日本帝国にそっくりだ。自国民の人命損失など全く意に介さないから恐ろしい。北朝鮮こそ、大日本帝国の支配下でその統治原理を継承した、大日本帝国の後継国家と言えるだろう。日本の右翼は、あの姿勢を評価すべきではないのか? 

 しかし物騒だ。このような手負いの虎に経済制裁は通用しない。かえって逆効果なのではなかろうか。

 トランプは北朝鮮との貿易停止、中国にも働きかけて石油の全面禁輸などを考えているようであるが、手負いの大日本帝国は、1941年8月にアメリカが石油の全面禁輸を仕掛けた結果、開戦を決断した。
 北朝鮮が大日本帝国の後継国家なのであれば、石油の全面禁輸など仕掛けられれば、「ならば石油備蓄のあるうちに先制攻撃を・・・・・」と考えるのではなかろうか。
  
 アメリカには、北朝鮮を核保有国と認めた上で、米朝平和条約を結ぶべきだという意見も出始めている。当面、それしかないのかも知れない。そして、それはまさに北朝鮮の思惑通りの結果だろう。
 しかし、短期的にそれでしのいだとしても、ハシゴを外された形の韓国でも日本でも、独自核武装論が噴出するに違いない。アメリカはそれを許すとは思えない。長期的にさらに物騒な事態になりそうだ。
 
 ならば北朝鮮のICBMがワシントンに届かないうちに、韓国や日本が火の海になるのも辞さず全面戦争に踏み切る・・・という選択肢をトランプが考えてもおかしくないかも知れない。

 かなり手詰まり状態のように見える。

P.S. 横田基地が騒がしい。これを書きながらも、上空の米軍機がうるさい。


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