ドコモのNTT完全子会社化の件

2020-09-30 00:00:58 | 企業抗争
NTTがドコモを完全子会社かするようだ。TOBの必要資金は最大4.3兆円。外部調達するらしいが、なかなか理解できない。

とはいえ、個人的にNTTに資金をつぎこむ気もないし、ドコモ使う予定もないので、真剣に資料を分析する気力もないので、概論的な話になるのだが、

なぜ、合併ではなく外部資金調達で完全子会社にするのだろう。4兆円を外部から調達すれば、例えばコストが1%としても400億円のコストアップになる。

仮定1:NTTの方が給料が高く、合併して年収を合わせると社としてコストアップする。
仮定2:当初は合併を検討したものの、企業価値の差が甚だしく大きく対等合併できない可能性。NTTの価値の中にはドコモの利益(キャッシュ)分が含まれていて、それを引くと親会社が吸収されたように見えるため、見栄を張った。NTTの生み出す価値はほとんどがドコモの価値に近いのではないだろうか。

携帯電話料金の話と関連があるようでないような感じだが、そう簡単な話ではないと思う。

よく、消費が伸びないのは、通信料が家計を圧迫しているからと言われるが、そもそも、通信料金が安い携帯会社が爆発的にシェアを得られないのは、逆説的には、通信料を減らしてまで買いたいものがない、ということではないだろうか。通信料減らして月に1万円を浮かしても、家やクルマが買えるわけでもない。使えるお金が年12万円増えても、決定的に豊かな気持ちにはなれない。第一、デフレから脱却できない。給料を月1万円、増やすべきなのだ。

あるいは、もっと高額で能力の高いプランが登場し、一方でもっと低額でスペックを落とした安いプランも登場し、携帯格差というようなことになるかもしれない。上級国民と下層国民。

切り口を変えてAUとソフトバンクの戦略だが、NTTグループと言うハイコスト企業がいるため、ドコモ(裏にNTT)が企業として成り立つレベルの料金プランに追随するだけで自動的に儲かることになっていたのだろう。NTT&ドコモの意志決定は多数の取締役の合議によるのだろうか、ソフトバンクはワンマンだ。たとえば、今後、料金値下げでドコモが損益分岐点ギリギリの価格になっても他社は追随すればまだ余裕がある。こういう状態は経済学の教科書にはないが、日本ではよくある現実だ。プライスリーダーではなく、ボーダーラインプライスリーダー。


NTTの人事から退社した人物を知っていて、すっかり前になるが、彼が新職場に移った頃の話だが、「社員が多すぎる」ということを言っていた。最近になって解決したと思うが、「電線の管理をする人たち(俗にいう電線マン)」と各局ごとに大勢いた「電話交換手(ほとんど女性)」が経営の重しになっていたそうだ。

さらに社員数が多すぎるため、個別の勤務査定などが困難なため、新入社員が入社しても、ずっと何年も「入社試験の時の点数」と「出身大学」で同期の順番を付けていたそうだ。

白粉花の不思議

2020-09-29 00:00:48 | おさんぽ
自宅の周りには、あまり飲み屋がないため、歩き+バス<30分という範囲に探索範囲を広げていて、その店からの帰り道の街路樹の脇に盛大に咲き誇った花々があり、一本の木の様な草なのに、何種類かの色の異なる花が咲いているので記念撮影をしてみた。白地に赤が不規則に混じっている。白い花もある。



何の花なのかわからない。画像から花の名前を確定してくれるアプリもあるのだが、成功したためしがない。人間の顔認証より難しいのかもしれない。

そういう時は、画像を「類似画像検索」すると、かなりの量の画像がヒットする。いくつかの画像元を追っていくと、ほぼ解る。もちろん勘違いして別の花だと思い込んで書いている人もいるので、いくつか読まないといけないが、当面は花認証よりも役に立つ。

この花の場合、ヒットしたのは2種類の花で、一つはインパチェンス。イメージは近いが、花や葉と言った部品は不一致だ。そうなると、『白粉花』となる。白い粉の花だと勘違いすると、ケシということになるが、そうではない。「オシロイバナ」。白粉はおしろい。

なぜ、おしろいというかというと種が黒く、その種の中に白い粉状物質が詰まっているから。妙な命名だと思う。

日本に伝わったのは江戸初期で、原産地は南米とのこと。鎖国後であればオランダ経由、その前ならスペインかポルトガルによるのだろう。

この花の蜜が大好きなのは「スズメガ」だそうだ。オシロイバナの種や根には、トリゴネリンという物質があり、食べると嘔吐や腹痛を起こす。神経系に異常反応を起こすそうだ。しかし、最近になってアルツハイマー症の予防薬として注目されているそうだ。

オシロイバナの前で、空腹に襲われてどうしても何か食べたくなった場合は、近くにスズメガの幼虫を探そう。そちらは十分に食用になるそうだ。食レポ期待・・・

炎のなかの休暇(吉村昭著 自伝的小説)

2020-09-28 00:00:10 | 書評
戦中、戦後直後の著者自身の動乱の時代を題材とした自伝的小説。

その時代を生き抜いた人(生き抜けなかった人も)の人生は思うようにいかなかった人がほとんどなのだろう。そして戦後、うまく新時代に生きた人、対応できなかった人。つまり明治維新によって失業したサムライのようなことなのだろう。


8編の短編からなる本書は終戦から三十余年で発表されている。体験が熟成された頃なのだろう。主人公は、「私」であるのだが、私小説とはかなり異なって、「私」の行動や、感情を客観的に書いている。他のドキュメンタリー的作品群と同じ書きかたである。

いくつかの作品は、戦後だいぶ経ってから、かかってきた一本の電話から始まったり、故郷に行って様々な思い出が蘇ったことから始まったりする。

近所の心中した一家のこと、学校の同級生のこと、父親が愛人宅で空襲にあって行方不明になり、死体の転がる中、捜し出したこと、ロシア革命で日本に亡命した白系ロシア人一家が収容所に送られたこと、そして、徴兵検査で乙種合格となり、応召を待つ間に終戦となったこと。結核で肺と肋骨の大部分を失ったこと、そして戦後、兄の経営していた工場で住み込みで働いていた男が亡くなり、引き取り手が現れない中、著者が骨壺を抱えて遺族に届ける話。

著者が書く記録のような小説、淡々と感情を押し殺して筋書が進んでいくことが多いのだが、ずいぶんと波乱万丈な経験をしたことで、文体が完成したのだろうと思ってしまう。

彼の著書は、内容が重いので、気力を集中させて読まないといけない。とうていあれだけの作品を書かれているので全読破などできるはずはないが、読了29冊目だと思う。

市ヶ尾彫刻プロムナード『ユニコーンのいるバードテーブル』

2020-09-27 00:00:10 | 市ヶ尾彫刻プロムナード
市ヶ尾彫刻プロムナード第11回は、『ユニコーンのいるバードテーブル』。市ヶ尾第三公園内にある。

中野滋、宮内淳吉、平井一嘉の三氏による共作。中野氏と宮内氏は当プロムナードの他の作品も手掛けられている。


本作は、構造上は何かの鉢を持った女性の頭の上に大きな盆が乗っていて、そこに鳥が集まって水を飲むのか穀物や害虫を食べに来るのか、いわゆるバードテーブルになっている。

あたまの上に鳥が集まるのはなんとなく気持ちが悪いかもしれない。カラスやアオサギやハヤブサなんかがきたら怖すぎる。


そして、謎の生物であるユニコーン。バードテーブルのすぐ上に隠れている。鳥をねらっているのだろうか。逆にカラスの餌になりそうでもある。このプロムナードには、ユニコーンが他にもいる。『魚風景』という作品には、ここのユニコーンと同じ種類の生物がいるし、『きら星からにばる』のユニコーンは馬サイズだ。


そして、タイル張りの小屋の頂上には、猫の仲間の一頭が見下ろしている。鳥やユニコーンを狙っているのかもしれない。

そして、この女性が持っている鉢のような容器には、ローマ字が刻まれている。撮影した時には気付かなかったが、本稿を書いている時に気がついて、画像拡大してみた。


ローマ字では「KOI NO SUGATA YA HA」。

さらに漢字も見える。「恋 姿 花」。大いに気になる。

その場で気付いたら、鉢の裏も撮影していたのだが、検索していると、最初に出てくるのは、美空ひばりのシングル曲(「花の恋姿」)。ダウンロードすると262円かかる。それから「大友花恋の○○姿」というのがある。○○のところに「水着」とか「男装」とか入れるわけだ。

ということで、あきらめかけていたところ、うっすらと手掛かりがあった。「人は人を恋の姿や花に鳥」というタイトルのブログがあることがわかる。そのままだ。

そして、その俳句のようなものを調べると、やっとの思いで、ある句に行き着いた。
「人は人を恋の姿やはなに鳥 其角」。はな=花だろう。

其角(きかく)は榎本其角。芭蕉の弟子で蕉門四哲の中でも最も冴えた句人だ。生前に、自分の代表作1004作を選んで、五元集と名付けていた。その中の一句である。

意味は今一つしっくりとは判らない。恋をしている人の対人関係は、花に集まる鳥のようだというのだろうか。花に集まる鳥はハチドリしかいないし、花に群がる虫に鳥は群がるわけだ。バードテーブルに集まる鳥を狙うユニコーンとかそのユニコーンを狙う猫、ということかな。そんな不気味なテーマの彫像を公園内に置くとも思えないし。

芭蕉の人気に比べ其角の人気は百分の一ほどだろうが、この際、読んでみると、俳諧の中から「軽み」を追求した芭蕉に対し、其角は「諧謔」の方を追及したとも考えられる。


一応、横浜市青葉区の公認した「彫刻プロムナード」はこれまでの11作で終了。あとは総集編だけである。

区内には、他にも町中に多くの彫刻があると、つけ加えておく。

タイトルの移動続く

2020-09-26 00:00:38 | しょうぎ
指摘する人がいないのだが、将棋のタイトルの移動が続いている。

棋聖戦 渡辺→藤井
名人戦 豊島→渡辺
王位戦 木村→藤井
叡王戦 永瀬→豊島

これから、王座戦、竜王戦、王将戦と続くのだが、どうなのだろうか。


さて、9月12日出題作の解答。





手掛かりがないところを攻める。序の三手がポイント。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版はこちら。




今週の問題。(微修正しました。1三桂追加。)



手数は1桁。捨て駒あり。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

南欧風料理、ごちそうさま

2020-09-25 00:00:27 | あじ
そろそろ外食に行かないと、料理店が満員になっているという噂を聞いて、市内(横浜)の南欧風料理店を予約する。

まず、南欧と言うのは、イメージ単語だと思っていたのだが、どうも国連とかCIAの分析とかによると、厳密に国名が決まっていることに驚く。

それも狭義の南欧と広義の南欧があるようで、狭義というのは、ほぼイメージ通りでイベリア半島(スペインとポルトガル)とイタリアやギリシアやキプロスのような地中海沿岸国のこと。ポルトガルは地中海には面してないのだが、どういう分類でも常に南欧だ。

広義の南欧というのは、バルカン半島の諸国を含むのだが、小さな国家がたくさんある。

いずれにしてもフランスは含まれない。欧州の地理に疎いのだがイベリア半島というのはどこからなのだろう。国という意味でない場合、フランスの一部の地域も南欧に含まれるらしい。

で、ポルトガル料理とかスペイン料理とか、特定の国に絞って営業できるのは都内三区ぐらいだろうから、その辺一帯を総称して南欧というのだろう。インドネパール料理と言いながら、タイ料理も食べられる店もあるし、なにしろ今はこだわったりしたら、すぐに倒れてしまう。出前でも弁当でも粗利があればなんでもやるしかない。


それで、タコのカルパッチョに始まりスパニッシュオムレツやハモンセラーノ、アサリのワイン蒸し、シシトウのフリット、トマトとチーズ、車海老味のパエリア、ビスタチオ入りのジェラートと食べ進んだのだが、素材も味も日本料理風に感じたのだが、たぶん味覚異常と言うことではないと思う。

よく考えると、南欧料理ではなく南欧風料理ということに気付いた。

細かいことをとやかく言うような時節じゃないわけだ。悪口は控えめに。

ときめきに死す(1984年 映画)

2020-09-24 00:00:07 | 映画・演劇・Video
シネノアールというかニューシネマというか、そういう感覚の映画だ。評価は平均3点だが、1点と5点に分かれている。


主演は沢田研二。孤独で、対人関係が築けない工藤を演じる。ナイフ愛好家で、暗殺の実行犯を期待されている。

工藤は、ある目的のため北海道の海の近い町の別荘にやってくる。管理人は故杉浦直樹氏演じる大倉。元は歌舞伎町の医者。実際にストーリーは彼の眼で進められていく。

そして、二人の元にパーティガールの梢ひろみ(演:樋口可南子)が派遣されるが、工藤は女性の体には興味を持たずに来るべき決行の日に備えてトレーニングを続けるが、梢はそんな彼に徐々に親近感を持ち始める。

そして襲撃決行の日、3人を操る黒幕組織が指示したターゲットは新興宗教の教祖である谷川会長。海辺の町に会館を建てるための講演会に訪れた会長の周りは、襲撃者を待ち構えていたかのように警察をはじめ警備陣が固め、事は工藤の思い通りには進まない。逮捕された工藤を乗せたパトカーや谷川会長を乗せて逃げ去る車列の前に、別のクルマが現れ、全車が緊急停止した時に、離れた陸橋からの狙撃者の一撃が会長を捉える。

つまり工藤は、釣りで言えば、生餌だったわけだ。そこで、血が噴き出して上映終了となる。

沢田研二氏は、来年公開のキネマの時代では代役出演で主演に決まっている。久しぶりの映画出演で少し心配する。樋口可南子氏は、やはり名優といっていい。樹木希林亡き後の性格女優の女帝の座を狙ってもいいと思う。

この人は、今

2020-09-23 00:00:51 | 市民A
まず、2013年9月7日、アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスで撮影された画像だが、出典を明らかにしたいのだが、同じ画像がネット上に溢れていてよくわからない。数秒の差の何種類かの画像が存在する。

gorin


7年後の今、それぞれの方々の現在位置を確認してみた。

さらに、本来、招致に至ったのは、これらの人物だけではない方々の尽力があったということもあるので、その方々の現在位置を確認してみる。

まず、画像版の方。左の方から

荒木田裕子さん:当時は日本オリンピック委員会理事。(バレーボール)。
 現在は東京オリ・パラ組織委員会理事他

滝川クリステルさん:当時はタレント。招致委員会プレゼンター(おもてなしスピーチ)。
 現在は大臣夫人他。

太田雄貴さん:当時はフェンシング選手。五輪銀メダリスト。
 現在は、国際フェンシング協会副会長。

小谷実可子さん:当時は招致委員会理事。五輪銅メダリスト(シンクロ)
 現在は、JOC理事他。

猪瀬直樹さん:当時は東京都知事。この画像の10か月前に、5000万円を持って走り回る。
 現在は、作家に戻るも、執筆の速度は遅い。

安倍晋三さん:当時は総理大臣。任期中の最大の功績といわれるが、就任一年目。
 現在は、衆議院議員、元首相夫人の夫。

森喜朗さん:当時は招致委員会評議会議長。元首相。
 現在は東京オリ・パラ組織委員会会長。

佐藤真海さん:当時はパラリンピック出場選手(陸上)。招致委員会プレゼンター。
 現在は、パラトライアスロン選手として東京五輪出場を目指す。

他の貢献者。巷間言われている招致重要貢献者は4人とされる。
 竹田恒和さん:当時は招致委員会理事長。IOC委員。オリンピアン(馬術)。票集めを差配。
  現在は、旅行会社経営。

 水野正人さん:当時は招致委員会事務総長。元ミズノ会長。世界を回り根回しをした。
  現在は、IOCスポーツと環境委員会委員、JOC理事・副会長

 高円宮妃久子親王:高円宮妃。開催地決定投票の前にIOC総会で東日本大震災救援活動に対しての謝辞を述べた。
  招致に失敗した場合、皇室のイメージダウンになるとのおそれから、招致委員会とは別行動となった。
  現在も、高円宮妃久子親王

 滝沢クリステルさん:総会での、おもてなしスピーチ。略歴は既出(上記)。

なら国際映画祭に河瀬直美監督登場

2020-09-22 00:00:31 | 映画・演劇・Video
多くの映画祭が中止されている中、「なら国際映画祭2020」が9月18日に始まった。この映画祭の生みの親ともいえる河瀬直美監督もオープニングに登場。

ところで、河瀬監督といえば、今回の東京五輪の公式映画を手掛けることになっていて、本来ならば今が一番忙しい時期だったはず。ところが、ご存知の通り、とりあえず1年間延期。しかも、来年に確実に開催されるかどうかもはっきりしない。

それで、公式映画だが、五輪が開催された場合は、コロナ禍によって一年遅れてしまった顛末(つまりコロナの世界での拡大状況と一年延期になった事情)を映画に組み込むことになるだろうから、コロナ関係の撮影をしたり、一年間、代表を先延ばしにされたアスリートたちの日常の撮影も必要だ。

しかも、実際に開催されないこともありうる。撮りかけの映画はどうなるのだろう。あるいは、開催されなくても開催されなかった顛末を含む映画を作ることになるかもしれない。(というか、製作費を政府が支払うかも問題だろうが、開催中止の場合、そういう費用問題があちこちに山積みになる)

とはいえ、「五輪ができて、よかったね」という方向の映画になるのか、「五輪ができずにガッカリ」という方向の映画になるのかわからないまま撮影を続けていくのは、至難の業だろう。

木暮荘物語(三浦しをん著 小説)

2020-09-21 00:00:23 | 書評
三浦しをん氏の小説をずいぶん読んでいる。読みやすいわけだ。といって、展開がわかっている間抜けなミステリー的ということではなく、読者の予想の範囲の上限のようなストーリーの意外性はある。何を読もうか悩んだ時には、彼女か吉村昭を読むことにしている。(吉村昭氏の方は、大量の著作があるので、読み切れるわけはない)



本作は、世田谷の代田にあるボロアパート木暮荘の住人たち(一部はストーカー関係者)がそれぞれ主人公になる。短編が七編。少し前に読んだ吉田修一「パレード」は、5人の共同生活者が一つずつの短編の語り部になるのだが、本作の登場人物は、別の部屋に住んでいて、それぞれに関係はあるが、いわゆる濃厚接触者ではない。

せいぜい、壁や天井の穴から私生活をのぞき見したり、のぞき見させたりという程度だ。

あえていうと、大家さんの飼い犬ジョンのための短編も書いてもらえたらよかったのにと思う。のぞき見し合っているような住人の倒錯性を犬の目で見るとどうなのか。

登場人物はどこか人間的に弱さが目立つように書かれているのだが、究極的に不幸になる人はいない。もっとも可哀想なのは、5年に一度しかトリミングしてもらえないジョンのような気がする。

バンクシー展で観た次の展望

2020-09-20 00:00:14 | 美術館・博物館・工芸品
先週日曜に引き続きバンクシー展のこと。バンクシーのことを単なる壁塗りアーティストと思っている人もいるだろうが、前回も書いたが、れっきとした芸術家だ。絵もうまいし、壁に描くだけではない。

さらに、昨今は壁に描こうにもすぐに警察に見つかるようだ。さらに監視カメラが街中にある。そもそもテロリスト対策だったはずだ。壁の絵がテロを起こすわけない。さらに、反バンクシーといった人たちがいて、バンクシーが書き終わるとすぐに消しに来るらしい。


それが理由かどうかはわからないが、近年の作品の一つが、2015年8月から9月にかけて母国英国のブリストル市の近郊で開かれたのが、『ディズマランド(Dismaland)』。


明らかにディズニーの裏返しだ。テーマは、悪夢と絶望。廃墟のような城や、転覆したカボチャの馬車から転がり落ちた姫を撮影するパパラッチ。シンデレラ城の回りの池には、難民船が浮かぶ。


とはいえ、バンクシーは「ディズニーランドを否定するものではない」と言っているそうだ。ディズニーの裏返しのような悪夢と絶望のような世界が存在することを描きたかったということのようだ。このディズマランドだが、大盛況だったそうだ。

ところで、横浜市は市の北部の米軍返還地をテーマパークにしようと候補先を選定している。浦安にディズニーランドがあるのだから、東京を挟んで反対側にディズマランドがあってもいいのではないだろうか。


さらに2017年には、パレスチナにあるベツレヘム市にザ・ウォールド・オフ・ホテルを開業している。直訳すると、壁で塞がれたホテルということでホテルの隣にはイスラエルが入植地を作って、壁を立てたということで「世界一眺めの悪いホテル」として有名だ。


ドアボーイはチンパンジーらしい。


各部屋はバンクシーが意匠を決めたそうだ。


横浜の奥地にディズマランドを誘致し、オフィシャルホテルとしてバンクシーホテルを建てればいいだろう。もっとも壁は不要だろう。


なお、バンクシー展は横浜の後、大阪に行き、さらに香港ということだそうだ。香港では一悶着あること間違いないだろう。

将棋ペンクラブ大賞の不思議感

2020-09-19 00:00:15 | しょうぎ
将棋ペンクラブの機関誌である『将棋ペン倶楽部2020年秋』号が届く。メインの記事は32回ペンクラブ大賞(昨年度発表作)の決定。すでに将棋ペンクラブのホームページで発表されているのだが、

観戦記部門:大賞  諏訪景子「77期名人戦第三局/佐藤天彦-豊島将之」(朝日新聞)
      優秀賞 椎名龍一「77期名人戦第三局/佐藤天彦-豊島将之」(毎日新聞)

文芸部門 :大賞  北野新太「木村の二十一秒 不撓の河を渉れ」(将棋世界)
      優秀賞 新井政彦「時空棋士」(マイナビ出版)

技術部門 :大賞  若島正「盤上のフロンティア」(河出書房新社)
      優秀賞 佐藤慎一「1手ずつ解説!将棋の筋がよくなる棋譜並べ上達法」(マイナビ出版)


まず、特記事項だが観戦記部門の大賞と優秀賞が同じ対局の観戦記。つまり朝日・毎日共催の結果だから。タイトル戦はたくさんあったのに、どうなのだろう。候補作には6作あったのだが。

技術部門大賞の「盤上のフロンティア(若島正著)」。私も少し解いて多くは並べてみたが、斬新的である一方でわずかに筆に自己満足感が含まれているように感じたが、それよりも将棋ペン倶楽部誌に通常は詰将棋関係は一文字も登場しないし、詰将棋の問題もないので、少し唐突感がある(1999年に「看寿賞作品集」、2011年に「月下推敲」が特別賞を受賞)。

特筆すべきは、今や絶頂の藤井聡太二冠関係がゼロである。一昨年は観戦記部門の大賞(藤井×増田)と文芸部門大賞に師匠の杉本八段の「弟子・藤井聡太の学び方」。昨年(2018年対象)は文系部門大賞に野沢亘伸著「師弟(表紙が藤井聡太氏)」と技術部門は杉本八段の「入玉の極意」だったのだが、今年度(2019年度対象)は、まったく脱藤井である。なんとなく棋界内では春風から秋風に変わりつつあるということなのだろうか。棋界に流れ込む新しいおカネは棋界関係者各位への配分が不均等なのだろう。


そして、重要なことに気が付いたのだ。

今回の受賞の大賞になった昨年の名人戦は豊島名人誕生となったが、一年後には失冠。文芸部門の「木村の二十一秒」の題材となった初タイトルの王位だが、一年後に失冠。

念のため、1年前の受賞作は、
観戦記部門大賞 「叡王戦決勝第一局(高見-金井)」、同優秀賞 「棋聖戦5番勝負第五局(羽生-豊島)」、文芸部門優秀賞 「最終局(王座戦:中村-斉藤)」

昨年受賞作の名人戦の勝者は豊島、王位戦の勝者は木村、一昨年の受賞作の叡王戦は高見、棋聖戦勝者が羽生、王座戦勝者は斉藤といずれもタイトルが移動しているのだが、その五人とも、翌年にはタイトルを失っている。

つまり・・・・・・・・・・・・・



さて、9月5日出題作の解答。




途中の▲4五角が中心なのだが、その角も移動する。飛車と金を見捨てて頭金の平行移動で詰ませる。最後の3手がもっと美しければいいので改作を検討すると思う。

動く将棋盤は、こちら。(flash版、edgeは不可)

gif版。


今週の問題。



軽薄問題で失礼、といったところかな。

手数のヒントは、上記の本日の記事の中の最終行に含まれています。


わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見を頂ければ、正誤判定します。

セスジスズメってどんな雀?

2020-09-18 00:00:54 | 市民A
狭い庭の鉄柵に大きな枯葉が絡まっていたので、無意識に手を伸ばし取り除こうとしたのだが、あと0.1ミリのところで、気が付いた。

枯葉ではなかった。みるからに枯葉の擬態なのだが、これが三角翼の戦闘機型の生物だ。



名前はもちろん知らないが、蛾の一種であることに違いはない。

ゆっくりと調べると、スズメガの一種でセスジスズメというそうだ。スズメガの仲間は1200種類ほどいるようで、セスジスズメは日本では最もポピュラーの種のようだ。

スズメの語源だが、まず大きいことと、アゲハチョウのように飛ぶのではなくスズメのように羽根を動かし続けて、成虫になると空中に体を浮かせたまま、花の蜜を吸ったりするようだ。幼虫の時は、いわゆる黒色の芋虫で、かなり不気味な姿だ。大食漢で、植物を選ばず葉をムシャムシャと音を立てて食べる。食べ続けると、いくらでも大きくなるそうで、その結果、成虫になっても大きい。

成長が早く、芋虫が増殖を始めると、畑一枚が一夜で食い尽くされることもあるそうで、農家には大敵で、見つけ次第駆除しないと、一家壊滅となる。

大きな昆虫なので、農薬で駆除しようとすると植物を傷めることになるので、葉の裏側を確認しながら卵、幼虫、さなぎなどを鉄箸で取り除き、ビニール袋に入れて捨てるということになる。

一方、スズメガの一種は色鮮やかだし、基本的には触っても無害なので、手に載せたり愛玩することができるそうだ。

大きな声では言えないが、食用にしてもクリーミーだそうで、鉄箸で駆除しながら、幼虫をビニール袋に入れるのではなく胃袋に入れてもいいらしい。

箸を取りに室内に入り、戻ってみると、既に姿をくらましていたのである。

カットスロートアイランド(1995年 映画)

2020-09-17 00:00:09 | 映画・演劇・Video
海賊映画である。さらにパイレーツ・オブ・カリビアンとは異なり、徹底的にアナログ撮影にこだわり、港町や大型の海賊船(何隻も)などを作って、それを大砲でぶち壊してしまったり、大砲の前に、監督が、「気に入らない」といって、撮影の前に作り直しになったりしたようだ。


そのためか、あることでギネス記録になっている。

赤字額の新記録、だそうだ。製作費が9800万ドルで収入が1000万ドルということらしい。そのために制作スタジオは、公開前に倒産してしまう。

映画自体は、爽快だ。何もかも破壊する。主演はジーナ・デイヴィス。海賊王の娘で宝島の地図の三枚のうち一枚を親から譲り受ける。三枚の地図を合体させると宝島があきらかになるはずだが、二枚でも行けてしまう。さらに尾行していたグループは地図がなくてもお宝を発見し、横取りしようとするわけだ。

しかも、女海賊は強すぎる。女子レスリングで金メダル3個獲得した女性のように強い。殴る蹴るの大暴れだ。さらに、この映画の監督は、この主演女優の夫だった。堅苦しいことを言わないで大砲の打ち合いとか派手なリアルなセットだからこそ楽しめる。

そもそも海賊映画って、こども向けの題材ではないだろうか。海賊の宝物というのは、要するに略奪品のわけだ。秘匿していた宝が発見されたところで、本来の所有者に返すべきではないだろうか。

ところで、妻が主演女優、夫が監督というのは伊丹十三、宮本信子もそうだった。実生活では悲劇的なことがおきたが、作品はそこそこ上手くいっていた。本作の夫妻は数年後離婚した。映画の失敗と関係があるのだろうか。

ドコモ銀行騒動

2020-09-16 00:00:40 | 市民A
本人確認を意図的におろそかにして、口座数を増やそうとしたドコモ銀行の発想は、1980年台のようだ。当時は、マル優とかあって、一人300万円の非課税枠を、一口300万円と読み替えて、銀行主導で架空名義口座を作っていた。愛犬ポチの預金口座とかあったらしい。

危ない口座と知りながら、ドコモ口座と無審査で連携していた銀行(地銀だけでもない)の方も無責任としか思えない。本人がドコモ口座を開設していると、原則的には本人名義の口座が作りにくいようだが、例外もあるようだ。事件の手口が明解になっていないため、各人が確認するしかないが、きょうが安全でも明日被害に遭うかもしれない。PCR検査のような話だ。

一方、自分の口座Aから同じく自分の口座Bに振り込む(移動)必要があり、メガバンクMのネットバンキングを使うことがあった(ところで、3つのメガバンクは、すべてMで始まるというかMiで始まることに気付く)。

本件を受けてだろうが、手順がいつもと違っていた。

今までは、自分の口座から振込先口座に振り込む金額を所定の操作で指定すると、ワンタイムパスワード(あるいはパスワードカードが示す数字)を入力すればよかったのだが、今回は、登録している電話番号に、電話がかかってくる。自動音声で、今、振込み行為が行われようとしていることが通知され、指定番号ボタンを押すと、振込みが実行される。(私の場合は、一回の振込上限額を備忘価格にしてあるので、振込の前後に上限額を上げたり下げたりしているのでさらに手間がかかる)

そして、通帳のないネットバンク口座は入出金を確認し、さらに通帳のある銀行は久しぶりにATMで記帳することにした。

で、ゆうちょ銀行なのだが、何か月分も印字することになり、結局6月の途中まで印刷した時にページが一杯になる。他の銀行は自動的に新通帳が出てくるのに、窓口で交換することになり、窓口に行くと、20人位が待っている。結局、あきらめて後日、町の郵便局に行って発行してもらったが、デジタル印鑑にしたいので、さらに後日、印鑑持ってきて下さい、と言われた。

ところで、銀行の窓口の人数を減らすためにATMを大量に設置したのに、今度はATMを減らしたり、通帳を廃止しようとしているのだが、無理な感じが漂う。

また、ドコモ口座とPayPayを連動させて最終的に預金を引き抜いた事例もあるそうだが、そういうので足がつかないというのも不思議な話だ。というか、すぐ捕まるとも思える。

PayPayの使い方も人さまざまで、あるスーパーで、前の客がレジ前でやっていたのは、買い物の支払い金額が確定したら直ちに同金額をチャージし、それで支払い、残高を常にゼロにしておく技だ。PayPayグループが破産しても1円も損をしないための工夫なのだろう。