ホワイトデーでも嬉しさゼロか

2016-12-31 00:00:00 | しょうぎ
将棋連盟が第三者委員会に調査を依頼した「三浦九段のスマホカンニング事件」だが、結局、証拠はまったくなしということで、12月26日が三浦九段にとってのホワイトデーになったのだが、せっかくの竜王戦挑戦権を奪われ、三ヶ月間の出場停止になった損害については、まだ賠償金の合意には至っていないようだ。

三浦九段はもう一度竜王戦をやり直してもらいたいようだが、主催者(読売)の了解が得られないのだろう。そもそも、竜王戦の開始が近づいてきて、竜王は相手を変えてほしかったということや、文春で暴露されそうになり、竜王戦主催者及び将棋連盟が真偽を確認する前に水鳥の羽音に驚いたのだろう。結果としては対応策は大失敗だった。

そして、第三者委員会が、連盟の処置について、「しかたがなかった」という妥当性を認めた件だが、少し冷静に考えてみた。

まず、第三者委員会は三浦九段に会って話を聞いているのかどうかがよくわからない。だからこそ、27日の三浦九段の会見で「竜王戦がなくなったのだから休場してください」と言われOKした、ということになったのではないだろうか。

そもそも、三浦九段が否定していて、それをくつがえす証拠はすべてあいまいな状況証拠だったのだから文春が何を書こうが構わないわけだ。実際に、出場者交代という措置だって大スキャンダルだし、仮に三浦九段が登場してから記事が出たって、否定すればいいだけで、どちらかというと、連盟が自分から「不正行為があった」と発表したということ自体が大間違いなわけだ。


証拠がなく「棋士の勘」とか「噂」で即刻処分ということでは、組織的反社会的勢力と同じではないかという気持ちになり、悲しい。



さて、12月17日出題作の解答。

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最後の11手はお決まりの手筋である。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題だが、1日早いが、お正月バージョン。

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簡単だが、王手を続けると「一」の字になる。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

では、次の一年の間に詰将棋創作までもがAIの支配下に入らないことを祈りながら、新年を!

兎(金井美恵子著)

2016-12-30 00:00:04 | 書評
今年読んだ本が、100冊目になったのが『兎(金井美恵子)』。もっと早く100に到達するはずが、ぎりぎりになった。本作は1970年から72年の間に発表された短編小説15編をまとめたもので、彼女の単行本としては3冊目の小説ではないだろうか。

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この15編の短編は、その後の彼女の作品の母体ともいえるのだろう。特徴としては「耽美と滑稽」「主観と客観」という対立軸を濃厚に表現しているといえるのではないだろうか。

主人公は男の場合もあれば女の場合もあるのだが、美しい舞台背景の中にどこかねじのはずれた滑稽な人物が登場する。それは主人公にしてみれば小説の中で、必死に自分の論拠によって行動するのだが、読者あるいは作者の立場で見ればどこかおかしい。

著者あとがきによれば、「小説を書く快楽を求めたのだが、読者も快楽を感じてくれればいい」ということなので、いかにも楽しそうに筆が走っている。一方で最大の問題は、これだけ書き飛ばせる作家が、その後、大遅筆家となったのだろうかということだ。快楽ではなく苦痛を覚えながら書いているのだろうか。

小説を書く苦痛でのたうちまわったので、読者も苦痛を感じてくれたらいい、ということなのだろうか。もっとも世界が平和で美しいのなら、耽美主義の出番はないのだから、彼女の最近の執筆がなかなか困難なことは日本の平和の結果と考えれば、悪いことではないのかもしれない。

クロノゲート見学

2016-12-29 00:00:15 | 市民A
ヤマト運輸の羽田クロノゲートを見学した。株主でもあるのだが、そちらの見学会は落選したが、見学のあと会社の社員の人と懇談し、感想文を書くという面倒な企画で参加した。

実は20年ほど前に経営セミナーで、「クロネコヤマトの宅急便」の生みの親である小倉昌男氏の講演を聞いたことがあって、1970年代はM越デパートの配送が売り上げの中核であったのに、一方的に商売打切となり、倒産確実状態に追い込まれたそうだ。そして、以前からアメリカのフェデックスという宅配形態のことが気になっていて、急遽渡米し、調査の結果、社運をかけることにした、という話だった。

当時の日本は国鉄が駅をつかった個人向け運送をしていたが、駅から駅まで運ぶだけだったので、そこから先は利用者は自力でなんとかしなければならなかった。しかし需要があるからといって、フェデックスは「魔法の箱」といわれる立方体の段ボールを統一し、顧客はその箱に荷物をつめなければならない。立方体なら向きがどっち向きでも隙間なくトラックに積むことができて、コストダウンになる。(AMAZONのすかすかの箱はその思想なのだろう)

ところが、日本のお客さんの荷物は、袋に詰めたり、スーパーでおすそわけしてもらった段ボールにつめたり、カバンだったり、形はバラバラだ。需要があっても方法に行き詰るわけだ。つまり、荷物がなくなって運転員とトラックが余った状態だからこそ第一歩が始まったということだろう。

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ところが、見学コースにある社史には、そういうことは全く書かれてなく、もうすぐ100年というように何事もなく自然に宅急便が始まったかのようになっている。忘れたい過去なのだろうか。

そして、羽田のクロノゲートは配送エリアとしては世田谷、大田、渋谷、目黒、品川というまさに富裕層エリアを担当しているそうで、ガラス越しにベルトの上を位置を自動的に微調整しながら配送エリアごとに仕分けられていく荷物をみると、時節がらほとんどがお歳暮といっていい状態だ。物流基地を見学しているのか、日本のお歳暮状況を見学しているのかよくわからない。

お歳暮状況で驚いたのは、ある特定の商品が非常に多いのだ。それは「愛媛みかん」だ。段ボールに詰まった普通の愛媛みかんは、全体の約1割といった感じだが、高速でベルトの上を移動するミカン箱はきわめて目立つ。みかんは他の県でも作っているのだろうが、なぜか全部が愛媛産といっていい(少なくとも箱には愛媛と書かれている)。自宅に届くミカン箱があるかなと目を凝らしたが高速すぎて行き先を読めない(というか上記配送エリアには住んでいないので)。

意外なのは社員数と構成。総従業員が20万人で、うちセールスドライバーが6万人(30%)ということだそうだ。残り14万人もいるわけだ。

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そして、昨年から稼働しているANAの那覇空港の貨物ハブ空港化だが、ANAとヤマト社が提携しているそうだ。ANA側の情報では、あえてヤマト運輸の名前は目立ってなく、ANA自体が物流を行っているのかと思っていたのだが、ヤマトの方はおおっぴらにANAとの提携を公開している。

最後に「クロノゲート」ということばだが、普通は「クロネコ」からの連想と思うだろうが、ギリシア神話の時間の神であるクロノスとゲートウェーの合成語だということだそうだ。もし信じればの話だが。

大揺れの上峰町からの牛肉返礼

2016-12-28 00:00:44 | あじ
ふるさと納税の返礼品の本命は牛肉らしい。一昨年から昨年にかけては黒毛和牛のステーキというのが多かったが、毎日ステーキを食べるわけでもないので、今年はもっと普通の黒毛和牛切り落とし〇〇〇グラムで1万円というのが流行っている。それで、さがしてみると、重量と価格の比率が最も有利なものが1万円で1.2キロということだった(無限に捜索するわけにはいかないので、これ以上有利なものがあるかもしれないが)。

それが佐賀県の上峰町の提供になっていた。

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躊躇なく発注したのが11月の初めだが、寄付受領書(確定申告用)はすぐに届いたのだが肉が来ない。なんとなく日露交渉でしばしば登場する単語「食い逃げ」を想像してしまう。あるいは、寄付より原価が高く破綻したのではとも心配になる。

そして、12月になるとついに上峰町のふるさと納税が問題を引き起こした。町会議員たちが、納税額で利益が出たので議員の報酬を増やそうとしたわけだ。大きな勘違いだ。全国ニュースになると、全国から牛肉目当ての寄付をした人から抗議殺到。もっとも金を返せていっても肉は食ってしまっているのだから強いことは言えない。

といっても寄付をするときに使用目的として「教育」とか「福祉」とか目的を指定してあれば議員の懐には回らないのだが「町長一任」と書くと何に使われても文句は言えない。

さらに調べると、上峰町は年度別寄付金額でいうと、2014年度は40万円だったのが2015年度は21億2996万円となっている。5325倍だ。2016年度も同様のペースらしい。何しろ肉盛り度ナンバーワン。

さらに上峰町は「ふるさとチョイス」に登録されているのだが、町役場では、商品入れ替えと称して画像の微調整投稿を続け、一日何回もアップしていたようで、その都度サイト最上位に登場してクリックチャンスを増やしていたらしい。

本件との関係は不明だが、もう一つの大ニュースが副町長失踪事件だ。副町長には前任者の時から文科省からの出向者が就任していたのだが、今年4月からの30歳代の女性副町長が2か月後に東京出張に行ったきり失踪してしまう。文科省からの説明では「病気」ということだが、失踪というと「持ち逃げ」という単語を思いつくことになる。


そして、年内には肉は届かないだろうと日露首脳会談の談話を聞きながら確信したのだが、首脳会談の最終日に肉が届けられる。600グラムが2皿のはずだが、計量したところ650グラムずつだった。

料理といっても思い出すのは青椒肉絲ぐらいなのだが、もっと簡単なのが牛肉ともやしのバター炒めかな。

在日(姜尚中著)

2016-12-27 00:00:14 | 書評
姜氏は、いわゆる在日韓国人である。1950年に熊本に生まれ、その後、日本国内で生活し、色々な運命の結果、大学教授になるのだから、どちらかというと成功者と言っていいだろう。もちろん、こどもの時代にはまだ強い差別を受けたのかもしれないが、成人したあとは、時代の推移からして、徐々に差別は減っていただろうから、日本的感覚でいえば、まあ、やや親日的な人なのかな、と思っていたら、どうも彼の内心はそうではなかったようだ。

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そもそも、日本人には、在日の人たちがどうして集団化することを好み、どうして半島の人と同じようにすぐ怒るのか、ということが理解できないことが多いのではないだろうか。

本書を読むまでは、そもそも総連というのは北朝鮮の代弁者ということになっているが、親戚が北朝鮮で人質になっている以上、総連寄りの態度を示し、なんとか日本国内での稼ぎを送金しなければならない被害者であり、総連という組織がある以上、民団という対抗組織が必要というように解していた。どうも違うようだ。

姜さんの論理では、姜さんの両親が半島でも日本でも差別を受けたのは、すべて日本国の責任であり、恨みが積もっているということらしい。

ところが、現代の日本で、親が虐められたから親を虐めた日本国は糾弾されるべきである、というようなことを言う人は見たことはない。親の敵討みたいな話だ。

また、姜さんの著述を読むと、日本への強い抵抗心があるようだが、ちょっとそのエネルギーがどこから出てくるのか知りたいところだ。

映画「八月の蝉」が名作となった2011年

2016-12-26 00:00:53 | 映画・演劇・Video
8semi原作は2007年刊行の角田光代氏の小説である。モデルと思われる事件は1993年に起きた日野OL不倫殺人放火事件と言われる。不倫相手の男性夫妻が二人の幼児を家に残して十分間外出した隙に留守宅に侵入し、ガソリンをまいて放火。二児がなくなっている。犯人の女性は今も無期懲役で服役中。

小説では放火殺人ではなく、不倫女性が女児を誘拐し、四年間子連れで全国を転々とし、ついに小豆島で逮捕されることになる。そう書くと、丸谷才一氏や吉村昭氏が得意とする逃亡小説に思えるが、確かにそういう部分が上手く書き込まれているのがベストセラーの一因なのだろうが、焦点は逃亡女性ではなく、女児が成人した後の家族との葛藤である。母と娘、男と女、過去と現在と未来、生と死というきわめて人生に重大な意味をもつ対立軸を、すべて盛り込んだような映画で、主役の誘拐された女児の成人後を井上真央が演じ、誘拐犯を永作博美が演じる。

本作で大きな意味を持つルポライター役を小池栄子が演じるのだが、彼女はただの脇役ではなく、存在意義は偶然ではなく必然だった。

男性陣は影がうすく、劇団ひとりがヘラヘラ有害男として登場。

八日目の蝉、というタイトルは、地上では七日しか生きられない蝉が、八日目に生きていたらという問いに対し、否定的だった主人公が、最終的には肯定的に考え方を変える意味が問われているようだが、確信はない。

どこをとっても暗いばかりで最後のシーンだけが、わずかに未来の展望がみえるだけという映画が名作となったのはなぜかと思うと、公開日が2011年4月29日。東日本大震災の1ヶ月半後ということなのだろう。GWに公開されるには、まったくふさわしくないような重い映画の中に、人々は「人間たちの絆」を見出したのだろうと、こちらには確信を持っているのだ。

なお、主題歌「DEAR」を唄う中島美嘉はマイクを持つ左手首にタトゥーを入れたために紅白歌合戦に出場できなくなり(というか原因と結果が逆かもしれないが)、台湾の紅白に出場するようだ。

俵壷

2016-12-25 00:00:45 | 美術館・博物館・工芸品
壷というのは、普通は縦に長い形状であるのが普通だ。元々は、酒や油などの液体を入れたり、穀物の貯蔵用だったのだから、縦に長い方が保管に便利だ(場所を取らない)。

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ところが、俵の形をした横長の壷というのがある。実家にあったのだが、どうも縁起物らしい。俵というのは米俵ということで、富力の尺度になっていた。まあ、米一俵でいかほどの長者かというと知れているのだが。

それで、比較的新しそうなこの壷は、いわゆる染付(染からくさ)で口には金彩がほどこされている。金彩が残っているというのは、未使用の証であるのだが、壷のもう一つの意味は、鑑賞にあるわけだ。

造形的には、全体にふくよかに提灯型の曲線で構成される。緊張感を伴なう直線はどこにも見当たらない。豊かさを示すための俵なのだから鷹揚としているのがいいという判断なのだろうが、一方で緊張と弛緩という対立した要素を組み合わせるという芸術の常道からは離れているようだ。

時間をかけて調べたところ、「たち吉」の「青嵐シリーズ」ということで、まったく同じ物のように見える壷がオークションサイトに認められ、ややがっかりプライスが付いている。

国宝級の前座に登場した棋士のお宝は?

2016-12-24 00:00:38 | しょうぎ
テレ東の『開運なんでも鑑定団』の12月20日放送分では、戦国武将三好長慶のご子孫から流出した世界に三つしか発見されていない『曜変天目』が、合法的所有者の徳島ラーメン店の店主と一緒に登場するということで夜9時からテレビを観ていたのだが、最初に登場した前座1は神吉宏充七段だった。

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鑑定品は父親の所有していた流木工芸品。なにやら人面のように見える部分もある超大型作品で、本人査定額200万円に対し、鑑定の結果は5万円ということで、大笑いとなる。要するに人面に似た流木ではなく、流木を人面に近く加工した物ということだそうだ。自然を装った加工物。相続税の心配は一切不要だ。収録終了後、流木の運命はどうなったのだろうか?


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本命の『曜変天目茶碗』の方は、渋く怪しくしかも心を動かすなにかがある。静嘉堂文庫にある家康由来(稲葉天目)の青く輝く一品が随一とは思うが、それに少しも負けない妖力をもっている。静嘉堂が「美」なら、ラーメン店主所有品は「妖」だろう。もともと「窯変」の文字を輝きから「曜変」と読み替えているのだが、『妖変』と書くべき怪しい光線を感じる。本来は10億円程度らしいが相続税対策で2500万円と箱代だけの評価となる。


さて、12月10日出題作の解答。

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飛車を捨てるのではなく取らせるという技を使う。重い手と軽い手を組み合わせて作った。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題は、「本筋より変化の方が難解」という残念な評判のある作。

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わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。

困った問題がまもなく東北で

2016-12-23 00:00:00 | たび
仙台に行っていたのだが、『光のページェント』が開催中だった。

仙台は日本屈指の大都会で、新幹線で東北方面に行くと、その帰りに新幹線の車窓より仙台の街の明かりを見ると、もう東京に帰ったような気がする。札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡は独立した文化を持つ大都市というべきなのだろう。

仙台に行ったのは、ある集まりがあってのことだが、夕暮れの街を走る車の助手席から眺めていて、この光の電飾は、日本国内では最高だなあと思う。たとえば神戸のルミナリエは公園が主たる開催場所なのだが、仙台では公道である。さらによく観察すると、両側の街路樹が道路の真上でつながっている。

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上でつながらないのは表参道のイルミネーションだが、街路樹が上でつながるというのは、手ごろな道幅で、さらに街路樹が広葉樹で冬になると落葉するという条件が加わる。仙台はけやき並木で、冬になると落葉している。

神戸ルミナリエは阪神淡路大震災を記憶するために開始されたのだが、仙台の場合は、大震災のもっと前から続いている。むしろ東日本大震災の時は、保管中の電球の多くが破損し、一部は表参道から借りて数を足したそうだ。


地震といえば、来年の3月11日で満6年が経過する。ちょっとした集まりでも集まった人たちの家族の中には犠牲者が含まれることが多いようで、今回もそういう方が無念そうに語っていた。

そして、来年の3月11日を前にして、大きな声で言われることはないのだが、ある問題が予想されている。犠牲者の方々の七回忌である。

6年過ぎて7年目に入るときに仏教では七回忌が行われるのだが、執り行うべき僧侶(ご住職)の数がとうてい足りないということだそうで、各寺院も宗派ごとの本山に応援を求めているのだが、なかなか進捗しないようだ。6年前には、合同葬もあり、発見を待ちわびていた人もいたりして、今回ほど集中することはなかったはずで、僧侶にしてもボランティアとして各地から集まっていたが、さすがに七回忌にまでのボランティアはそうはいないようだ。

こと宗教行事に公的機関が援助することもないだろうから、問題は年明け早々に始まり、かなり長い期間にわたって進行するのだろうと思われる。私が手伝いをしようにもニセ坊主になりすますというのは、なかなか難しいような気がする(わざわざ小さな声で念仏を唱える宗派もあるそうだが)。

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そういう難しい問題に、もやもやしながら、仙台を離れる。仙台名物の牛タンはほんの少しだけ車中で食べてみる。最近は舌の芯を使った「芯タン」というのが流行っているようだ。

薄墨のハガキ

2016-12-22 00:00:24 | 市民A
そろそろ年賀状の準備でもしようかと思い始めるころに不意打ち的に届くのが、「薄墨のハガキ」である。いつも50枚くらいしか書かないのだが、今年は8枚も届いた。

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原因の内訳は、父2、義理父1、母2、義理母1、夫1、兄1。年下が年上を超えて・・というのはなさそうなので、まあしかたないといったところだ。長寿社会とはいえ、自分の親戚にも90前後が5人ほどいるので、何か月も先の旅行の予定とか組みにくいのだが、どこの家にも同じような悩みがあるのだろう。

ところで知人の中に、『薄墨はがきが届いたら、その家には年賀状を送らない』という暗黙知を知らない方がいて、その方の身内に不幸があったときに、葬儀会社から渡された案内キットを年末に送ったあと、「なぜか正月に年賀状がほとんど来ない」と驚いていらして、それ自体が大きな驚きだったのだが、その事件を解明するために8通の薄墨はがきの文面を調べると、やはり想像通りの内容だった。

こまかな文面は異なるのだが、大きく二つに分かれる。

1. 喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます
このタイプが8通のうち3通である。
意味は、〇が亡くなったので、年賀状を送らないでほしい、という内容だ。

2. 喪中のため新年のご挨拶は失礼させていただきます
このタイプが8通のうち5通である。
意味は、〇が亡くなったので、年賀状は送らないのでよろしく、という内容だ。

考えてみれば、1のパターンでは、年賀状は要らないが、自分が出すか出さないかは明示されていない。逆に2のパターンでは文法的には年賀状は出さないが、送ってほしいのかどうか不明だ。北方領土は返さないが経済協力したいのかどうかは不明みたいなあいまいな書き方だ。

まあ、郵便局からいえば、相互2通の売り上げが薄墨はがき1通となり売上げ半減になって残念だろうがアルバイトの配達員にとっては、半減はうれしい話となる。


ところで、手刷りの版画でも作ろうかと思うだけで数十年間(というか幼年時の芋版以来)着手すらしたことはない。これこそ締切厳守の作業だしね。

トゥームレーダー(2001年 映画)

2016-12-21 00:00:31 | 映画・演劇・Video
アンジェリーナ・ジョリー(アンジー)だけのための映画だ。考古学博士だった父親の遺産を頼りに世界の骨董品を集めるアンジーのもっている時計が、5000年に一度の惑星列伝を目前に動き始める。どうも5000年前にシベリアに落下した隕石から製作されたいくつかの宝物を組み合わせると、時を自由に操れるようなパワーを身に付けるようになる。

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しかし、そのパワーは必ずしも正義というわけではない。犯罪行為に用いられると、人類の厄介になる。

その悪のスーパーパワーを狙う暴力集団とほぼ一人で戦うのだが、どこかでみかけた俳優が登場する。ダニエル・クレイグ。そう007のジェームズボンドだ。最初見たときは、顔はプーチンに似ているし、正義の味方とは言えないグレーゾーンの007シリーズになるのだが、本作でもアンジーの元カレ役のようだが、平気であっち行ったりこっち来たりと信頼に欠く演技を行う。

ところで、原題の「Tomb Raider」だが、直訳風にすると「墓荒らし」ということになる。いかに目的が地球の平和だとしても、古代王朝の墓場で撃ち合い、殺し合いをする行為こそ墓荒らしとも言えるではないかという皮肉なのだろうか。

菓子引売り男に再会

2016-12-20 00:00:42 | 市民A
今年の1月に岡山県倉敷市の繁華街の一角で、夜になってお菓子の引き売り男の「鎌倉ばうむ」という奇妙なお菓子を売りつけられた話を「2016年1月12日 倉敷の引売りが鎌倉で、さらに」に書いたのだが、約1年経ち、再発見した。

場所は、横浜市の市営地下鉄の仲町台駅前。昨日の夜7時頃、用事があって地下鉄をこの駅で降りて歩きだしたら、その男はいた。1年前は「僕のこと知ってます?」と意味不明なフレーズで近づいてきたのだが、今回は「こんにちは、どうも」の連呼である。リヤカーに発泡スチロールの箱が二つ。

去年との大きな違いは、コスチューム。今回はサンタ帽を被っている。そして、目が合ったのだが、まさか覚えていないのだろうと思うのだが、ちょっと慌てたような感じにも見えた。全国巡業だったのだ・・あるいは追い出されたのか。

数分間、観察していたのだが、まったく売れていないように見えた。

軟弱になり過ぎた結果が

2016-12-19 00:00:18 | 市民A
日露交渉が散々なものとなり、本来は日本ペースに引き込んで部分的返還を期待していたものを、実現の可能性すら不明な経済協力というところに至ったという失敗に陥ったのは、総合的に考えれば現在の総理大臣の責任だけということではなく、戦後続いてきた軟弱政策の結果と言っていいのではないだろうか。

軟弱の裏側には4島と言っておけば3島ぐらいになるだろうという甘い見解があったのだろうが、それでは引き分け感にはとうていならないのだろう。

ということは、もっともっと大きな要求を用意すべきだったのだろう。

例えば、領土で言えば、南樺太も返せとか。

例えば、人権問題で言えば75万人ともいわれるシベリア抑留者に対する非人道的扱いや死者に対する補償。

ところで、うまくやったと思っているP大統領だが、こういう時こそあぶないことになるのが常だ。

晴天の青空を見上げると、そこには

2016-12-18 00:00:45 | 市民A
昨日の昼間、正確には13時44分のこと。

横浜市の自宅の敷地内に生えている桂の木の剪定をしていた。というと大邸宅風だが、極小庭園に木らしいものはこの一本だけ。手の届くところはハサミを使うのだが、5メートルも上の方を切るには高枝切りを使う。使ったことがない人が多いだろうが、伸縮式の棒の先に小さなハサミがついていて手元の操作で、先端部でチョキチョキできるわけだ。

そして、下から切っていき、樹木の頂上部分を切ろうという時には、もう空を見上げて仕事をするのだが、その時、青天に目を奪われるようなものが見えたのだ。残念ながら墜落寸前の米軍機じゃない。

天頂からみてわずかに北東にずれた場所に、白い粒々がおよそ100個程度見える。そして動いているように見える。高さは飛行機よりずっと高い位置、つまり10,000Mよりかなり遠い場所のように見える。

眼の病気ではないかとあれこれ位置を変えたりしたがやはり空のそこだけに、小さく白く光る粒がある。そして動いていて合体するように見えたりする。見える方向には東京湾の奥の方があるので、海の波が反射したのだろうかと思うがそんな話は聞いたことがない。

となると、・・・「U」「F」「O」? いかにもそういう動きだ。あわてて、ポケットのスマホを取り出し、ニュースを見るがなんの記載もない。

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私にしか見えないのだろうか。やはり前々から霊能鑑定士になろうかと思っていたので適性があることがわかった。数万メートルの物体が撮影できるとは思わないが、スマホのカメラで写してみた。あとで拡大すると、どうもそれらしいのが写っている。

UFOを見るのが先か、ゴルフでホールインワンをするのが先か自分でもわからなかったがやはり可能性の高い方が先になったのか。

たぶんハワイ島で星空観測したので、遠くのものがよく見えるようになったのかもしれない。(近くの物はますます見えないのだが)

そして、この現象はなんだったのか、調べているうちに、ついに原因に行き当たったような気がする。

「しし座流星群」なのだろう。日本では毎年12月の13日ごろによく見えるということになっている。昼は見えないし、月夜の時も見えにくいということになっている。まさか真昼から星空観測する人はいないだろうから、星は昼には見えないことになっているのだろう。

AIだけではなくロボットアームも進化中

2016-12-17 00:00:53 | しょうぎ
先月、デンソー(株)の企業説明会があり、株主になろうかと考慮中だったので、説明を聞きに行く。売上の45%が大株主のトヨタということで、今後起こりそうな日米自動車摩擦のことを考えると、長期保有向きじゃないとも思うが、政治家がこの株を多く持っているらしいことがわかった。

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自動車以外の分野でもいくつかの事業展開があり、そのうちの一つがロボットということで、元々工場の中で使うロボットを自分で作ってみたらうまくいったということから発展して、医薬系の分野(試験管を振る動作とか)が得意だそうで、その応用が将棋指しロボット「電王手くん」だそうで、多くのプロ棋士を一ひねりにしている。AIがどんどん発達して知能の点でも人間を上回る時代になり、ロボットもさらに滑らかな動きができるようになったのが、「新電王手さん」。デザインも曲線が多くなった。女流棋士いじめ用か?

そのうち、対戦相手の人間の不正行為を見抜くような機能が追加されるかもしれない。腕が伸びて、怪しい手には、相手の駒をつまんで元の位置に戻したり、あるいは指そうとする相手棋士の指をつまんで痛い目に合わせる機能とか。


さて、12月3日出題作の解答。

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初手に打った香が邪魔になり、5手目に捨てる。なお2手目に△1二玉と逃げれば、▲1三銀 △同玉 ▲1四飛まで5手で詰む。

動く将棋盤は、こちら


今週の問題。

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最初の方がごちゃごちゃしているが、最後の方は手数の長い割りによく見る手筋に落ち着く。

わかったと思われた方はコメント欄に最終手と総手数とご意見をいただければ正誤判定します。