ヘヴン(川上未映子著)

2015-09-30 00:00:00 | 書評
先日、中原中也記念館に行った時に、すぐれた詩人(詩集)に贈られる中原中也賞の受賞者の列の中に、芥川賞受賞者の川上未映子氏の名前を見つけた。ミュージシャンでかつ女優。できる人はなんでも持っている。一つだけでいいから、わけてほしいな。

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わけてほしい一番は「詩作」かもしれない。「女優」は困るし、唯一の使える楽器である「声帯」が変型したのか使用禁止なのでミュージシャンは無理。「小説」を書く根気がない。

それで、数冊読んで見ることにした一冊が「ヘヴン」。小説である。2010年に芸術選奨新人賞と紫式部文学賞をダブル受賞している。

中学2年生のクラスで起きていたのが、いじめ。男子と女子と二組のイジメが発生していて、いじめられている二人の間に「連帯感」が生まれる。二人の交換手紙という小説としては高度なテクニックが登場する。

そして、ふとしたことから、二人のいじめられているシチュエーションのほんの少しの違いから連帯感が崩れはじめる。

そして、この物語は、唐突に大爆発して終了することになる。唐突とはいえ、本の残りページから推定し、「もうすぐ小説は終わってしまうのに、作家はどうやって結末をつけるのだろう」と心配になるので、唐突感はないわけだ。電子ブックだったらそういう本の厚みで考えたりしないだろう。

「ヘヴン」とは、ある画家の描いた絵で、あるところの美術館で展示されていることになっていて、作家のコトバを総合するとシャガールになる。

ところで、イジメといえば、私も今、「無能な部下」を与えられて、苦痛に顔が歪んでいる。神様からのイジメだ。しかし、本書を読んだ結果。あしたから、いや近い将来から、神の与えてくれた「試練」であると考えようと思っている。

国指定史跡「猿島砲台」へ

2015-09-29 00:00:33 | たび
猿島は横須賀の米軍基地の裏側にある三笠公園から1.7キロ沖にある小さな無人島だが、明治時代以降は、横須賀の軍港を守るため、この島に砲台を並べたそうだ。もっとも米軍による空襲の時にはB29号には砲弾は届かなかった。ペリーに対するお台場の砲台のようなものだろうか。

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そして、その砲台のための弾薬庫や兵士が潜伏する場所が決められている。

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指定史跡になったのは、自衛隊(軍)と国民の間を縮めようということなのだろう。

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島のあちこちに、砲台が残っている。そして、弾薬庫と兵士用トーチカには無残なまでの落書きが。西沢俊彦さん・・永久保存の落書き。

ところで、いまさらながらだが、1852年にペリーが黒船で脅迫行動を興した時、日本の前に琉球で一暴れしている、日本にきても、東京湾内の浦賀から都心方向へ測量を行っている。思えば、沖縄も横須賀も当時から狙われていたわけだ。

横須賀で軍港めぐり

2015-09-28 00:00:30 | たび
シルバーウィークの中盤に、横須賀に行って、軍港の中を遊覧。当日券は売り切れ。予約していなかった人は、海辺のスターバックスへ行ってから、近くで海軍カレーを食べ、ドブ板横丁で買い物して帰るしかないが、アブナイものを買ったりしないように・・

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ところで、海上自衛隊の基地なのに、”YOKOSUKA軍港めぐり”というのは、日本軍の総帥になりたい現首相にゴマすっているからではない。自衛隊の面積の約5倍の面積をアメリカ海軍が占めているからだ。クルーズは左側が自衛隊で右側が米軍。クルーズ船はまっすぐ進むのだから、左側の艦船の説明と右側の艦船の説明が交互に繰り返されるのだが、基本的に日米とも同種の艦船が並んでいる。

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まず、最新鋭の空母『いづも』。全長248m。一応、ヘリコプター空母ということになっているが、じゃあ、甲板上の長い滑走路はなんのためなのだろうと考える人が大陸の方にいるのだが、考えているうちに「かが」という2隻目が続いている。

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そして、潜水艦もいるが、大きいというか小さいというか。オーストラリアは潜水艦を日本から買うか中国企業と合弁を組むかと考えているようだ。中国と組むということは、日本と戦争する気なのかもしれない。

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そして、イージス艦。日米両軍がずらりとイージス艦を並べている。世界の約100隻の中、約10%が横須賀にいるようだ。日本側のイージス艦は横須賀からほぼ本州全体をカバーしている。米軍が、何のために横須賀にイージス艦を配備しているのかは不明だが、日本の西からの本土向けミサイルを打ち落とすためなのだろう。案外、日本を警戒しているのかもしれない。米国に先制攻撃をしかけて痛い目に合わせようと考える動機は十分にある。原爆のお返し。1隻1500億円だそうだ。「較べてみると、東京ディズニーランド」とガイド(というか、遊覧船のキャプテンが航行中にマイクを握る)が説明。たとえるなら、新国立競技場かと思ったが、イージス艦とディズニーランドと国立競技場。本来、それぞれをたとえてはいけないものじゃないのだろうか。

そして、米軍の第12バース。今は別の大型艦船が係留されているが、ここが原子力空母の定位置になっている。古くはエンタープライズ。最近までは、ジョージワシントンだったが、老朽化のための工事で米国へ帰り、空白だったのだが、10月の第一週に、あらたにロナルド・レーガンの母港になる。全長350m。もちろん原子力空母だ。ツアー参加の某女性が「えっ、原子力積んでくるんですか?」と驚愕の質問を同行者にしているのが聞こえた。正解には、ほど遠いな。

12バースは、米軍の敷地以外の陸上からは見えない場所に作られている。唯一、海上からしか見えない。もっとも最近の陸自は砲弾がスライスとかフックというように曲がる砲を持っている。

そして港内には吾妻島という秘密のエリアがある。もともと陸地から突き出していた陸地を明治時代に島に改造し、軍の機密漏えいを防いでいた。現在は、日米両軍の高官しか入れない場所になっていて、この場所で、作戦の共有化をしていることになっている。

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島の先には、海自の司令部がある。司令長官は、いざ戦争になった場合、山本五十六のように戦争の現場に行くのではなく、ここで指揮をとる(いや指揮は首相だ)。

つまり、戦争になったら、海外で米軍を支援するだけではなく、こういった基地には直接攻撃が加えられることがあるということだ。日米開戦も米軍基地への攻撃から始まった。またミサイル防衛はできたとしても、風船爆弾なんて、もっとも防御しにくいだろう。

剣豪 宮本武蔵の水墨画

2015-09-27 00:00:00 | 美術館・博物館・工芸品
羽田空港美術館で開催中の『宮本武蔵の水墨画』。細川家が晩年の武蔵に期待したのはなんだったのだろうか。細川家の美術品を保管する永青美術館では、「春画展」の準備中というのに、姉妹館では「武蔵」である。もしかしたら、熊本の隣にある薩摩藩が200年後に討幕運動を始めることを予想していたわけではないだろう。剣術の師範だが、武蔵の剣は、間違いなく殺人剣だ。

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そして、もう一つの武蔵の顔は「画人」。水墨画のプロである。

musashi4達磨の絵や、走る馬の絵は人物や動物の心をよくとらえた作品である。動くもの、考えるもの、それらを紙の上に固定する技術にすぐれていたのだろう。


ちょっと興味深かったのが、「木刀」。武蔵自身が削ったとされている。細川家の家老から「巌流島」で使った武器の話題になり、「では、せっしゃが一本作るべし」ということになったのだろう。

しかし、巌流島の決闘自体には、いまだに現実かどうかはっきりしていないのに、その伝説に基づく木刀を武蔵が削ったと言うなら、「事実」か「とんでもない食わせ者」かということになる。

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遺された武蔵像より、彼の眼は四白眼であったと言われている。黒眼の上下左右に白眼が見えることを指す。この四白眼の人物には、大物が多いのだが、ジャンルは様々である。

一般には、情緒不安定でひがみや疑いを持つとか、目的のためには手段を選ばないということで邪悪性が高いと言われるが、実在人物の中に、家康や武蔵の他、M天皇も含まれるということで、裏声で話されることが多い。

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実は、先日のパーティで、同テーブルだった某損保の女性社員が、これだったのだ。最近は女性はカラーコンタクトを付けるので、ますます四白眼の比率は下がっているのだろう。女性社員本人が気にしているとまずいのだが、つい「四白眼には大物が多くて、家康、武蔵の他、明治●●もそうだし、キャリーパミュパミュもそうみたいだ」と言いそうになったが、じっと我慢した。

晩成してしまった人

2015-09-26 00:00:48 | しょうぎ
将棋ペンクラブ大賞の文芸部門優秀賞に選ばれた今泉健司氏のインタビューを読んだ。受賞作にちなんで『大器じゃないけど晩成しました』と表題がついているものの、インタビューの中では、そんな話は書かれてなく、三段リーグに二回もいて、上がれずに、介護の仕事に夢中になっているうちに将棋が強くなったと奇妙な感想を述べている。

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おそらく、将棋の研究から離れたことにより、不要な筋や時代遅れの定跡などを忘れる、あるいは整理することができて、脳が効率的に使えるようになったのだろう。パソコンのメモリーの整理のようなものかもだ。

また文芸賞の「ルポ 電王戦」を書かれた松本博文氏も、自分や今泉氏や、昨年名人挑戦した行方八段も昭和48年生まれで、そろって晩成型と表現している。松本氏の場合、一時、将棋会の首領に睨まれていたから活躍できなかったのだし、行方さんの場合は、羽生世代が一人を除いて、ピークアウトしたため、おいしい席に座れるようになったのではないだろうか。

今泉四段、棋士としての戦歴は4勝4敗。少し心配だ。


9月12日出題作の解答。

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行ったり来たりの図。

動く将棋盤は、こちら


今週の出題。

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変な図だなあ。こういうのを考えると、将棋が弱くなるかも。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ、正誤判断。

三笠公園で海軍カレー

2015-09-25 00:00:55 | あじ
連休中に、横須賀方面に行っていたのだが、きょうは軽い話題。三笠公園のベンチで海軍カレーを食べることになった。なんとなく、海軍カレーと一言で言っても、商標登録とかないのだろう。門司港の焼きカレーのようなもので、基準があるわけじゃないだろう。あまり味はピンとこなかった。缶詰やレトルトで色々な種類があるので、食べ比べるのが海軍ファンということなのだろう。




海上自衛隊の中でカレーコンテストがあるらしいが、基本的には潜水艦のカレーが一番らしい。理由は、潜水艦に乗ると、まったく楽しみもないし、食事が唯一の気晴らしということで、食費が多く支給されているそうだ。さらに、腕のいい調理長から順に潜水艦から配乗になるそうだ。

ということで、カレー問題は未解決として、目の前に置かれているのは、戦艦三笠。110年前にロシアバルチック艦隊を日本海海戦で撃破した時の旗艦だ。東郷平八郎大将の考え付いた攻撃法は、味方の艦隊を横向きに並べるもの。普通は腹を見せると攻撃目標が大きくなり不利なのだが、攻撃的にいうと、艦の横についている多数の大砲を一度に激射できるわけで、ある意味、一か八かということになる。タテ向き×ヨコ向きの戦いということ(ただし、異論あり)。

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その結果、北千島と交換した南樺太を再度手に入れることになったが、わずか約40年で南樺太も北千島も南千島も全部占拠されることになった。それから70年経過。

しかし、三笠はその後、不運なことに事故などにより二度も海中に沈むことになり、都度引き揚げられたもののワシントン条約による軍縮により退役することになり、老艦に鞭打ち、やっとの思いで横須賀の岸壁に到着し、記念館となる。

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記念館になった後も、敗戦後、荒れ果てたものの、なんとか、竣工時の船体を残し、甲板より上は多くの部分は複製だが、現在に至っている。

海戦の愚かさを後世に残すためのものか、もう一度海軍王国を復活させたいという祈りのためのものか、と言えば、後者だろう。呉にある大和の巨大レプリカもみたが、そちらは微妙だ。やはりレプリカでは伝わらない何かがある。

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ちょっとしたエピソードだが、軍艦旗は終戦後行方不明だったが、最近、旗を持ち去った元米軍海兵隊員が自己申告し、返還されるようだ。日本の時効制度を確認したのだろう。盗んだ元隊員はたぶん来日しないだろう。

その他の横須賀案件は、来週に。

新大阪駅で2番ホームを探す愚を

2015-09-24 00:00:25 | たび
先日、岡山方面から奈良へ行く時に、事前にネット検索したところ、岡山から新大阪まで新幹線に乗車し、そのあとJRで大阪へ一駅移動し、2番線で環状線外回りに乗り換え、鶴橋駅で、近鉄に乗り換えるというようになっていた。

そして、新大阪駅について、環状線に乗り換えようとして、2番線を探すのだが、見当たらない。といって品川や上野のように複雑な駅かもしれないと思って歩きまわるが、新幹線は20番線以降になっていて、別の階の在来線は11番以降しか目に入らない。環状線も見つからない。

捜索15分後に、プリントアウトしていた行程表を再度見較べているうちに、気付く。ここは、大阪駅ではなく、新大阪駅だ。そもそも環状線はこの駅じゃない。

ということで、すべてのスケジュールは15分遅れになってしまったが、大阪駅でやっと2番線を発見する。こちらは在来線のほとんどが一桁の番線である。

ということで、大阪駅と新大阪駅とは在来線の番線を共通化している、という結論に至り、本日のブログを書き始めたのだが、念のため、ネットで調べてみると、大きな間違いだった。

確かに、大阪駅の在来線は1番線から始まり、新大阪駅の在来線は11番線から始まるのだが、実は大阪駅には11番線があるようだ。

美しい推論が崩れてしまった瞬間だ。

実は、新大阪駅では新幹線に1、2、3、4番線を与え、在来線には11~18番線を与えていたのだが、新幹線のホームが増える時に、新幹線を20番以降に再編成したようだ。そのため、1番から9番に穴が開いたということのようだ。


そして、今回の失敗に先立つこと数十年前に、やはり失敗したことがあった。というか、忘れていた事を思い出してしまう。

大阪で仕事をした後、東京へ帰る新幹線との間に2時間ほど時間があり、大阪駅の近くをブラブラして、さあ乗ろうと、新幹線ホームを探したが見つからない。駅違いであることに気がついたのは、列車発車後だったのだ。

長谷寺(奈良)を訪れる

2015-09-23 00:00:05 | たび
奈良県のことは、ほぼ知らない。数十年振りに県内に仕事で行ったついでに長谷寺に立ち寄ることを思いつく。理由は、最近、檀家であった真言宗のある派から別の場所に御先祖の墓を移動することになり、その墓地は無宗派であるのだが、真言宗豊山派の寺院とある石材店のジョイントビジネスで、豊山派の本山が長谷寺であるからだ。そのあたりの事情は、まさに面倒なことを10回位しなければならないし、まだ道半ばなので書きようがないのだが、とりあえず部分的に長谷寺のこと。

宗教のことはあまり知らないので、間違いだらけかもしれないが、真言宗は、大天才の空海のコトバが難し過ぎて、弟子が様々な理解をしてしまったため、沢山の派が生じてしまったと、知人の浄土真宗の僧が語っていたが、あちこちに総本山がある。

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長谷寺についても、寺の歴史は空海より前の時代からなので、今に至るまでには色々あったのだろう。

近鉄の長谷寺駅から、一気に目の前の谷に下りていくと、そこには商店街がある。途中の細い路地を曲がると、別の小寺院があるのだが、まず誤ってそこに到着し、宗派違いであることを確認し、Uターン。素直に歩いていくと、大寺院に到着。

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今まで、都会にある大寺院ばかりを訪れていたので、森林を背にした寺院には圧倒される。ミニ高野山といった趣である。足腰には、日頃の運動不足のつけが溜っていく。1センチほどある蚊も襲ってくる。寺院内では蚊を叩いてはいけないはずだったが、思わず一匹を、もう一人の私が叩いてしまう。

寺院に内に書かれていることから判断すると、奈良市よりもかなり南のこの地を京都の有名人がよく訪問してご機嫌になっていたようだが、京都-奈良だって近いとはいえないのに、さらに遠いわけだ。近鉄特急も平安時代には存在しない。

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和歌の世界では神様の藤原定家や藤原俊成の碑や塔も残っている。

そして御札を書いてもらって郵送するようにお願いし、思わぬ金額をお布施としておさめたのだが、後日郵送された御札には、効き目は1年で1年後には更新にきてほしい旨のお手紙付きである。仏の道はなかなか遠いものだ。

007ゴールデンアイ(1995年映画)

2015-09-22 00:00:19 | 映画・演劇・Video
007シリーズ第17作。1995年の公開である。前作と6年も間があり、かなりシリーズの方向が変わった。なにしろ1990年に東西冷戦が終わってしまったわけだ。スパイの失業時代だ。スパイ小説を書いていた作家たちもモデルチェンジが必要なように、007も一新しなければならなかったのだろう。

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ボンドを演じるのは、ピアース・ブロスナン。代々の中では若造りだ。そして、やたらに銃を発射する。ロシアにとって苦難の時期だったのだろうが、お構いなくコケにする。サンクトペテルブルグ市街地で、カーチェースではなく戦車でタンクチェースをする。実際に戦車が市街地でどれだけ強いか見たことはないが、大変な破壊力だ。住宅の解体なんか戦車でやれば1分間で仕事が終わるだろう。見ていると、実際に戦車を操縦して、何発か発射したくなるものだ。

そして、ボンドガールがやたらに活躍する。殴る蹴る撃つ。16作まで続いていたセクハラシーンは激減した。

1995年といえば、WIN95が世に出た年だが、本作でもハッカーが登場。金融システムを破壊して一儲けを狙う。そんなことはできないだろうと思うのだが、実際にそういう事案を経験したことがある。振込入金横取り事件。

まあ、冷戦国家はなくなっても犯罪組織がなくなることはないだろうから、シリーズがなくなることはないだろうが、犯罪組織といっても国際宝石泥棒程度の規模では映画にならないわけで、そうなると実在の大犯罪組織を探すことになる。

例えば、アメリカ。いつも戦争をしている。9.33の加害者を破滅させるため、潜伏国の隣の国を攻撃し政権撲滅した。たとえばFRB。一声口を滑らすと世界中が金融危機になる。

集団的自衛権はどこまで拡大するか

2015-09-21 00:00:57 | 市民A
まず、なぜこうなっちゃったかという点だが、国際情勢的に大きく二つあるだろう。そして内閣の問題。

まず、国際情勢的には、中国の軍事拡張。そして、アメリカの軍事費抑制ということ。

中国は、なぜ軍備拡張するのか、ということになると、一つは経済力の拡大。そして、そういう国家であるということだろう。経済力が増えれば国家としての財政が豊かになる。そして、共産党の存在を末永く続けようとすれば、領土問題で紛争を起こすのが一番だ。

ソ連がロシアに戻る過程では、ゴルバチョフという柔軟政治家がいたが、中国共産党が何か他のものに変わる時にそういう柔軟政治家がいるかどうか未定だ。

ただし、戦後の中国はほとんどの近隣国と戦争を行い、ほとんど勝てていない。

一方、アメリカの軍隊は上層部のほとんどがMBAである。要するに戦争経済学。効率的な軍隊をめざしている。ただし、現下の状況では、米軍の効率化をめざしているものの、軍事産業まで含めた効率性まではめざしていないと考えられる。

そして、イラク戦争がうまくいかなかったこともあり、中東は欧州におまかせということになってしまう。要するに軍事費を少なくしたいのである。ということで、必然的に力のバランスが崩れてしまっているわけだ。

東アジアでのパワーバランスの算式を書くと、

A+J=C 

つまり、米国が極東での戦力を減らすと日本の負担が高くなるし、中国が戦力を増やせば、AかJのどちらかが負担を増やすことになるが、それは日本になるだろう。

となると、JとCが軍拡競争ということだが、なにしろ無いそでは、の状態である。軍事国債を乱発して日本郵政が買うのだろうか。なにもかも破滅的な感じがある。

帰去来-蔡國強(ツァイ・グオチャン)展

2015-09-20 00:00:18 | 美術館・博物館・工芸品
世界を代表する現代美術家、蔡國強氏の大規模個展が横浜美術館で開催中(~10/18)。

現代美術とひとことでいっても彼の製作分野は、まさに独自のもので、「火薬」である。各種の火薬の粉を爆発させて、たとえばキャンバス上に着色していく。

展示会場の最初の部屋は、巨大なキャンバス上に男女交合の図が4枚。春夏秋冬をあらわす。日本の春画をもとにした構図に、日本製の火薬で着色。

春画はともかく、いったい火薬でどうして絵が描けるのか、という大疑問を皆が持つらしく、遠くからみないと全体がわからないのに、近づいて調べている人多し。

実は、途中のシアターで、製作過程の映像が放映されていて、線や面を書くため、型紙(紙じゃないだろうが)をくりぬいて、横倒しにしたキャンバスに各色の火薬の粉を撒いて、全部の仕掛けを作ってから、不燃性の布をかけ、着火。ぼうぼうと燃え上がったところで消火して完成。

驚くことに、美術館内で製作。消防署も真っ青だ。

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そういえば、スタローン主演の「スペシャリスト」という映画で、少量火薬での殺人請負人が主人公だったのだが、実際に可能とは思えなかったのだが、可能だったわけだ。

火薬ドローイングは、彼の技の一つで、やはり空に火花で美術を作るというのが、十八番なのだろうが、さすがにそれは、映像で表現されていた。

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蔡氏は、中国泉州の生まれで、30歳ごろからの約10年を日本で過ごす。そこで、火薬をはじめ日本の技を取得。そのNYに住み、米国、中国、日本を中心に活躍している。

特に北京五輪での花火で一躍世界のメジャーになる。日本では、在住していたいわき市、横浜(トリエンナーレ)、広島に拘っている。

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現代美術の中心地は「明」が極東で、「暗」が西欧と思っているのだが、それなら彼はなぜNYにいるのかというと、日本か中国かの選択をするのが政治的に嫌なのだろうと推測してみた。ビデオの中で、「芸術は政治とは対決するもの」という意味の発言をしている。

日本で言えば、元禄文化といったところだろうか。

将棋の駒に新説!ありか?

2015-09-19 00:00:34 | しょうぎ
将棋ペン倶楽部2015年秋号を読んでいて、メイン記事ではないが、注目すべき推論が書かれていた。前田知弘氏による『妄想の将棋事始め』の中に、昔は駒を立てていたことがあったという記録を考えると、チェスのように立ち駒だっただろうとする説である。

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ただ、氏の推論では、チェスのような立ち駒は、素材が石や木材にしろ高価になるため、海外からは僧侶や船乗りが持ち込んだとしても、日本国内で庶民のゲームとして普及する間に、平らな板状の駒になったのではないかということだ。

私の推測はもっと簡単で、日本は他国と違って、海外が遠かった多くの僧侶や商人が亡くなったはずだ。それは海が荒れるからだ。ここから単刀直入に結論に行くのだが、揺れる船中では立ち駒では指せないわけだ。ゆらゆらバタバタとなる。それで、最初から平面駒が使われ、そちらの方が指しやすいことに気付く。もちろん一部の立ち駒は日本にもたらされたが、主流にならず、なくなってしまう。


さて、9月8日出題作の解答。

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 まで13手詰。

合駒探し問題は、一題で何題分も楽しめるのだが、なぜか嫌がられるものだ。

動く将棋盤はこちら


本日の問題。

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ちょっと駒数が多過ぎるような気がするが、狙いは単純。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ、正誤判断。

マッサマン

2015-09-18 00:00:03 | あじ
無印良品でよくレトルト食品を買う。似て非なるカレーが多数あるのだが、あまり辛いのは苦手だ。マッサマンという上から読んでも下から読んでも似ているカレーがストックに残っていた。時々10種大人買いをしたりする。在庫処分だ。

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しかし、減量のため、ライスの摂取量を減らしたうえに、タイのカレーをかけたところ、不謹慎ながら水害地のような状態になった。さらに驚異の色だ。

地獄の食事だ。閻魔大王から食べることを強要され、善人はなにごともなく食べ切って天国に向かい、悪人の喉は焼け焦げ、地獄に落ちる。

また、服に付いたら洗っても落ちないだろうことは予測がつくので、服を脱いでから食べ始める。

かなり辛くて辛いが、見た感じほどではない。天国か地獄か。どうもまだ保留のようだ。

ところで食器がなかなか白くならなかったし、部屋の空気も入れ替えなければならない。次はグリーンカレーかな。

日本の方言地図(徳川宗賢編)

2015-09-17 00:00:45 | 書評
hogenまず、編者の徳川宗賢氏だが、姓名より想像できる通り徳川御三卿の一つ田安家の第十代目の二男。また社会言語科学の一人者として徳川宗賢賞が設立されている。質の高い論文が受賞対象なので、本ブログは参加資格なしだ。

本書の目的は、日本各地の方言を使われているコトバと地域を重ねていき、言語の伝播の過程を調べようという壮大な話になる。主に、沖縄地方、西日本、近畿、関東、東北といった場所や歴史が見えてくる。

たとえば宗賢氏が書いた部分に、「薬指」というコトバがある。関西では「べにさしゆび」と呼ぶ場所がある。

もともと薬指というのは、何のためにあるのかわからない指だ。ゴルフのグリップ論でも薬指の使い方は書かれていない。

そういうところから古来日本では、「ななしのゆび」と呼ばれていた。名前をつけられない指ということで、指としてはバカにされている。五人兄弟の4番目で、どうでもいいような呼び方。

しかし13世紀になって突然に重要な名前が与えられる。それが「薬指」なのだが、その薬という意味は、「薬師如来」様の指に起因しているそうだ。その4番目の指を曲げていることが多いらしい。ということで、一気に高貴な名前になる。そして17世紀になり西日本では紅指し指といわれることになる。場所は近畿地方。口紅を4番目の指でさしていたそうだ。

そして、京都大阪方面からの紅指し指は全国制覇の前に薬指が標準語となり、徐々にエリアを狭めているようだ。沖縄では、今でも「ななしゆび」らしい。

二台目のX-Trail

2015-09-16 00:00:55 | 市民A
パーティーの抽選会で、バラエティグッズの袋をもらい、好きに持って行ってもらったのだが、残ったのがボールペンとボックスティッシュと自撮り棒とスマホ用三脚、そしてこの自動車の模型のようなものが最後の一つだった。

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日産X-Trailの模型だ。実は、X-Trailを持っているので、二台目ということになる。

もう一台はシルバーなのは、洗車が面倒なので汚れが目立たないようにという長年の経験から生まれた知識なのだが、本当は赤いボディもいいなと思っていたのだが、夢がかなった。

で、なんとなく説明書を読んでいたら、先進技術がついているようだ。

自動ブレーキ。

グレーのX-Trailにもついているが、障害物が前方にあると、一定の条件で走っていれば自動的に障害物を察知して自動停止する。米国ではもうすぐ標準装置として装備されるようだ。

それをミニチュアカーに付けたらしい。にわかには信じられない。


さっそく実験する。

壁に向かって走らせると手前10センチ程度で急停車する。

こんなものにも付けるのだから、クルマに付けても安くしてもらいたいところだ。
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犬もビックリ!
sora