9月11日、ゴルフ幹事の「最大の仕事」

2005-08-31 16:11:51 | 市民A
20人位のメンバーのゴルフコンペの持回り幹事になったのは、半年ほど前で、首都圏のとあるゴルフコースを5組予約したときには、まさかその日が総選挙及び最高裁裁判官の国民審査日になるとは、夢にも想像困難であった。日本で一人だけ予想していた人物がいた可能性はあるのだが・・

そして、ゴルフ幹事の現在の最大の仕事は、優勝者以下に進呈する数万円の金塊セットの手配でもなければ、取引関係の企業への托鉢でもないのである。「期日前投票・不在者投票」のアレンジなのである。そして、単に自分のことだけだったら、20時までに間に合えば投票、間に合わなければ棄権。ということになるのだろうが、幹事ともなればそうはいえない。第一「今度だけは選挙に行く」などと生意気なことをいう人についていえば、「前回の結果が今回につながり、今回の結果が次につながる」ということだ、と説教したいが、まあ無駄だ。

そして、そういうイレギュラーな投票法を調べるが、やっと解明できた。第一、各選管が、自由にHPを作っているから不明な点もあったのだが、ほとんど出揃ったので、読み比べてみるとほぼわかった(特に東京都のHPは、投票する人、立候補する人、立候補者の選挙事務所、選挙を手伝う人たちなどのためにランダムに書かれていて、文字通り、理解に苦しむ)。そして、発見したことが何点かある。

まず、ここから先は「普通の人」を対象に書いてみる。例外的に、犯罪行為で有罪になって、公民権停止状態の人には選挙権がなかったり、特定の老人ホームや病院では、投票箱がやってきたり、離島の投票日が早かったり、長期海外赴任者及び家族は比例区のみの投票権で在外公館でのみ投票可能だったり、洋上勤務者にはファックス投票が認められたりしているのだが、今回は省略する。

まず、そもそも選挙権なのだが20歳以上と規程されているのだが、調べていたら大きな例外があった。今回の選挙権は、昭和60年9月12日以前に生まれた人間で13日以降の生まれはダメということ。つまり昭和60年9月12日に生まれた人は、ぎりぎり19歳だが選挙権があるということだ。
次に、選管側の選挙権の考え方は、「選挙人名簿」ということになる。公示前日の8月29日に選挙人名簿に記載された人間をもってその選挙区にいると見なされる。そして公示されると、1日間だけ、名簿は公開され、異議のある人は申し立てることになる。(この選挙人名簿の人数で、選挙活動費の上限が規制されることになる)

そして、3ヶ月ルールというのがある。転居者の扱いだ。市外から転入してきた場合は、6月1日以前に転入した場合は現住所の選挙権で、それ以後の場合は前住所での選挙権になる(市内や区内の移動の場合は8月7日がターニングポイントになる)。ただし、前住所を転出して4ヶ月を過ぎると、転入していない場合、選挙権はなくなる。そして、以前は前住所に戻って投票することなどコストパフォーマンスから言っても無理なので、多くは棄権票となっていた。

そして、以前、選挙は必ず、選挙区で当日行うものであり、不在者投票も「きわめてやむを得ない事情」に限られていた。が、投票率の低下や社会の多様化といった事情もあり、さらに米国大統領選挙のように国民の祝日にするほどのこともなく、不在者に対する投票の利便性向上が図られてきているのだ。

まず、こういったイレギュラー投票をする理由だが、何でもいいことになっている。もちろん、ゴルフでも競馬でもOKだ。そして、投票する場所も全国各地で認められている。つまり3ヶ月以内の転居者も事実上投票可能になっている。

そこで、ここから個別説明だが、まずいきなり問題があるのは、今回は、総選挙と国民審査の2本立てということだ。総選挙(衆議院)の期日前投票が認められているのが、8月31日から9月10日までなのに対し、国民審査は9月4日から9月10日となっていてずれている。したがってお勧めは9月4日以降だが、行けない人はそれより前に衆議院だけ済ませることになる。

期日前投票の場所は、基本は自宅近くの指定投票箱で、郵便で届く入場券を持っていくと早くできるが、持っていなくても可能だ。

次に、不在者投票である。自宅とは違う場所で投票したい場合で、長期出張や、旅行、そして3ヶ月未満の転入者が元の住所での投票を別の地で行う時などだ。この場合、元の住所の選管宛に、請求書(兼宣誓書)を提出する(郵便)必要がある(メール、FAX不可)。そうすると、投票用紙とそれを入れる封筒を郵送してもらえる。そして、別の地の選管(普通は市役所・区役所内)へ行って、投票した用紙を封筒に入れ、封印を確認したあと、提出する。そうすると、その封筒は、開封までに正しい選挙区へ転送されることになるわけだ。途中で中を読まれたり、書き換えられたりしないように封印するわけだ。

と、ここまで書いたエントリを多少直して、コンペ参加者に配布するのであるが、実際には役に立つのだろうか。もう一人の幹事は、「当日は、選挙の日なので、各自、自己責任でお願いします」と一行書けばいいといっていたのだが。

もう一つ、よくわからなかったのは、立候補に伴っての、ホリエモンの転居であるが、「国会議員の住所は関係ない」はずではなかったかと思い、調べると、やはりどこの選挙区でも立候補できるはずだ。地方議員や知事選挙はダメだ。では、ホリエモンはといえば、パフォーマンスなのだろう。そして、1月1日をまたいで住所を尾道においておくと、来年度の市民税の納付義務が移転する。どうなるのだろう?


さて、実は、私が今、勤めている小さな会社は、どうも「選挙準備が間に合わず、投票率が低い方がいい、と内心思っている方々」を支持する、あるグループに所属している方々が多いらしいのである。したがって、このエントリのような詳しい投票方法を紹介することまではするのだが、実際に投票所に行くように呼びかけることは、残念ながら避けるしかないのである。

選挙運動を見ていると・・

2005-08-30 16:19:00 | 市民A
選挙が近づいてきたが、どうも個人的には盛り上がらない。なぜなら、実際に投票するとなるとなかなかぴったりとした候補者がいないからだ。そのあたりを考えてみる。

まず、自分の選挙区だが、横浜のある大規模ニュータウンを中心としたエリアである。やや民主党が強いところだが、それほど差はない。だいたい都市部ではどちらの政党に属する候補者も同じようなことを言っている。そして、人口が多く投票率が高い選挙区で、自民・民主の両党が票を二分するため、小選挙区で落選しても比例区で復活することになる。つまり、選挙のたびに、自民と民主が小選挙区と比例区の席を交換している。普通、日本式コスタリカ方式は同一政党内での出馬調整が目的だったのだが、なんと二党間のコスタリカ方式になっている。(念のため、書き添えると、コスタリカではこんなことはやっていない。汚職防止のため、議員の再選が禁止されているため、1回おきに立候補することを言う。日本に導入したのは、ほとんどの人が名前を忘れてしまった、前首相だ。)

そして、自民党の候補者A氏は、実は大地主なのだが、それを隠して「改革派」を打ち出している。そして民主党のB氏は、実は大学教授で、社会主義者なのだが、それを隠してこちらも「改革が中途半端」と主張している。

土曜日に近くのショッピングモール前の広場で民主党のB氏が、演説していたが、まったく聴衆はいなかった。そして帰り際に元の場所を通ると、こんどは自民党のA氏が演説していたがこちらも聴衆はいない。しかしA氏は妙な小道具を使っていた。「郵政民営化アンケートボード」だ。賛成と反対と、バラの花の数が違う。95:5くらいに見える。誰がバラの花を刺したのかな??まあ、都会では郵政は争点にならない。どうせ自由化されれば、嫌というほど郵便局が乱発されることは目に見えている。


さて、出遅れ感がある民主党は「岡田党首」がやってくるのだが、隣区の候補者はそのポスターをこちらの小選挙区に掲示している。これじゃダメでしょ。出雲市長のときは大雑把で良かったかもしれないが・・?ということだ。そして、自民党は、「小泉首相」がやってくるそうだ。神奈川県の自民党には、首相と衆議院議長が所属しているため、応援演説は便利だ。改革路線でもハト派路線でもチョイスできる。

そして、こちらの小選挙区の民主党候補は「郵政問題」を「中途半端な改革案で、道路公団の顛末と同じ」と批判している。つまりもっと過激に改革しろ!ということだ(そんなこと言っていいのかな、と心配になるが、落選したら休職中の大学に戻るのだからいいのか・・)。野田聖子と同じ主張だ。そして、隣の選挙区なのに、こちらの選挙区民の利用する駅前で演説している島根県出雲出身の民主党前議員は、「郵政民営化」は「アメリカ従属の政策」と完全に保護主義的だ。(もちろん、アメリカの郵便局は民営ではないのだが、と付け加えている。)

つまり、民主党は「郵政民営化だけが、争点ではない」といっておきながら、こちらの選挙区では郵政問題ばかりを”中央からの指令系統無し”で、素手で論争している。この分では、選挙後の党内抗争は避けようもないだろうとしか考えられない。


このあたりで、私見としての「郵政民営化」だが、もちろん賛成でしかない。郵便事業の方からいうと、アメリカほど広い国ではないので、国営でやってる必要はないだろうし、それほど地域格差があるとも思えないし、チェーンサービスというのはヤマトの宅急便でもマクドナルドの価格だって全国同一ではないか。それに今や郵便制度は読み切れないDMの配達システムになっているだけではないのだろうか。米国が積極的賛成していないのは、ドイツポストのように、民営化して巨大企業になり、フェデックスやUPSのライバルになると困るからなのだ。

金融部門は、もはや市中銀行ですら、融資先が見つからず国債の購入に追い込まれている状態では、すぐに効果は出ないとは思うが、民営化しておけば、少なくとも戦前のように郵便貯金のほとんどが戦時国債にすりかえられ、国民の総資産が戦場で消えてしまうような「おおぼけ政策」がとられることは防げるのだろうと思う。


さて、また政党の話に戻るが、現在の自民・民主という枠組みは、おおむね政策的(政治的)保守、革新という二元論になっている(例外はいるが)。しかし、現実的には日本をとりまく諸課題は、国内事情とは関係なく次々と発生していて、誰が政権をとっても大きく舵を切るわけにもいかない。そうなると、内政問題になるのだが、超経済大国であるから、そのほとんどの政策は経済的な考え方によるわけだ。ミクロかマクロか、厚生経済か成長優先か、多国籍化か純血主義かとかとか。つまり経済政策が保守か革新か?という分類になるわけだ。

そして、現在の政治的保守/革新と経済的保守/革新を組み合わせると、2×2=4ということになる。
政治的保守&経済的保守=亀井静香
政治的保守&経済的革新=小泉純一郎
政治的革新&経済的保守=菅直人
政治的革新&経済的革新=小沢一郎
実際は、それぞれ中道という選択もあるのだが、そうなると3×3=9の政党が必要となるので政治的には不安定になる。
さらに、こういう問題から超越した政党があり、キャスティングボードを持っていたりするのだが、現状勢力が精一杯であるのだろう。

そういう意味だと、有権者としては、選択肢が4択であれば、もっと素直に投票所に足が向かうのではないのだろうか。もっとも小選挙区制度のまま、多党化すれば、いわゆる「死に票」が増加してしまうのが難点なのではあるのだが・・

ただし、自民党が分割を始めるまでには長い日数が必要であったのであるから、民主党が分裂するにもまだ時間が必要なのかもしれないとも思うし、「政権」に就いていなければ、案外、すぐに分裂するのかもしれないとも思える。ただ、民主党内では、こういった問題はまだ煮詰まっていないし、このまま分裂すると、またも空中爆発になりかねないような可能性もうかがわれるのである。

ベルナール・ビュフェ展に滑り込む

2005-08-29 22:20:54 | 美術館・博物館・工芸品
6da49c36.jpg新宿で行われている、ビュフェ展に駆け込む。損保ジャパン美術館。8月28日まで。ただし、静岡県長泉町にあるベルナール・ビュフェ美術館から50点を拝借してきているものだから、そちらに行ってもいいのだ。本家ビュフェ美術館のホームページを見ると、沼津インターから行くことになっていて、時々いくゴルフ場の近くのようだが、美術館の地図にはゴルフ場の記載はないし、ゴルフ場のホームページにも美術館の記載はない。まあ、それぞれ違う人種というのが相場なのだろう。

パリ生まれのビュフェは大戦終結の1945年から制作をはじめる。経歴を読んでいて、驚いたことがある。絵画の勉強をどうやってしたのかという点だが、「ルーブル美術館」に毎日通って、レンブラント、ドラクロア、クールベを勉強したそうだ。本来、「勉強」は美術館の機能の一つだが、あまり例を聞かない。芸術は「術」という字が使われていることからも、構想や情熱も重要だがテクニックに負うところは大きい。ピアノ曲をたくさん聴いても、ピアノがそううまくなることはないし、ゴルフトーナメントをテレビ観戦してもスコアは改善しないものだ。そして、やはりビュフェはビュフェであり、どうみてもレンブラントとは違う。

そして、彼の絵画は何か既視感を覚えるのだが、なぜなのだろう。世界の構造や人間の精神にかなり近づいたところで表現しているのかなと思うのだが、ちょっとテーマは深いのかもしれない。

6da49c36.jpgとここまで書いてから、ネット内を歩いていたらヒントがあった。はろるど・わーどさんが指摘されているのだが、画風の特徴として、
「決して剛胆さこそありませんが、クッキリとした線でハッキリと描き塗る。これが事物に強い存在感を与えるのです。」
との評である。
そう、描かれる物体が線で囲まれているわけなのだが、このあたりに特徴があるのだろう。こどもの頃に絵を描き始めると最初はこういうやり方になる。案外、その技法のまま、美術館通いで巧くなったのかもしれない。

そして、この線で物体を区別するというのは、レオナルド・フジタにもつながっているように思うのだが、フジタはあくまでも曲線の連続を使うのに対して、ビュフェは直線的である。技術的には筆の持ち方やキャンバスの角度とか細かに調整しながら描くのが秘訣なのだろうと勝手に想像してみる。


さて、実は、使ったチケットは損保ジャパンの販促品流れなのだが、損保ジャパンからの情報では、「この次の展覧会がすごいのですよ」と気をもたせることを言うのだ。調べてみると次は9月10日から「プラート美術の至宝展」というのが開かれる。不勉強であまり知らないのだが、ざっと見ると、「フィレンチェに挑戦した都市の物語」というサブタイトルがついている。

が、美術なんか、何が好きかは個人の自由なはずだ。日頃、自動車事故の傾向分析とかしている社員から「コスト論」で言われるのも釈然としない。個人的にはあまりイタリアものは好きとも言い難いので・・ ただし、作品の輸送費だけは大幅に異なると考えられる。かたや静岡、かたやイタリアだ。JAL??

そんなに警察官がいないのか?

2005-08-29 16:24:15 | 市民A
自宅近くで事件があった。いつもの散歩コースのすぐそばで遺体が発見されたのだが、毎日新聞の記事は奇妙だ(もちろん事件はいつでも奇妙なのだが)。

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死体遺棄:公園の雑木林に。不明の48歳女性か

28日午前8時35分ごろ、横浜市都筑区荏田東3の鴨池公園内の雑木林で、女性が死亡しているのをジョギング中の男性(71)が発見、110番した。遺体に目立った外傷はなく、神奈川県警都筑署は死体遺棄容疑で捜査を始めた。

調べでは、女性は50歳ぐらい。公園内の遊歩道から約30メートル入った雑木林にうつ伏せで倒れており、着衣に乱れはなかった。同区内に住むパートの女性(48)が25日夕方から行方不明になっており、関連を調べている。

同署によると、発見者の男性は、公園付近で行方不明の女性がいると聞き、仲間とともにジョギングをしながら捜索していたという。

現場は横浜市営地下鉄「センター南駅」から西に約1キロ、周辺には住宅地が広がっている。毎日新聞 2005年8月28日 15時42分
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記事では、雑木林などと書かれているが、単にニュータウン内の保存林というだけ。死体遺棄場所としては、はなはだ不適切としかいえない。問題は、なぜ一般市民が町の中をさがすことになってしまったかだ。どうにもよくわからない・・

闇討ちから三ヶ月

2005-08-28 22:27:24 | 市民A
25c56fbf.jpg三ヶ月前、暗鬱な五月闇の雲の拡がる深夜、都内某所で不意の闇討ちを受けた。そして見事に斬られた。

場所は、東京都と神奈川県の境に流れる多摩川に近い、ある私鉄の駅前。そして時刻は深夜24時を少し回っていたか・・

当日、所用でクルマで外出。ちょっと複雑な道を走っていて、方向感がなくなっていたのだが(ナビなし)、主要国道に近い私鉄駅に接近したので、駅前を通って国道へ出て、後は・・と考える。そして、もう人気の少ない駅前に出て、真っ暗なバスターミナルに紛れ込まないように、ゆっくりと見回すと、50メートル先に国道が見え、信号がある。問題ない。

そして、信号は赤なのでゆっくりと交差点に近づくと、右側から小柄な男が二人飛び出してきた。あぶないな、この酔っ払いめ!。あやうく止まる。と・・・

その小柄な男たち、なんとある種の地方公務員なのだ。そう別名○○官。最も必要なときに、最も必要な場所にいない職業である。そして「あなた、ここはツウキンですよ。」って言うのだ。ツウキン?何とか冷静になると通行禁止のことかと思い出したわけだ。

葉:通禁?信号があるじゃないの
官:あれはバス専用だから
葉:バスなんかもう終わってるじゃないの、なら信号消しなさいよ
官:通行禁止は時間指定じゃないから

らちがあかないのでここで作戦を変える。

葉:ちょっと道に迷い込んじゃって・・はじめてきたのでわからなかったのだけど・・
官:そんなの関係ないですよ、標識見えたでしょ。いくつもついてるんだから。
葉:標識?あっ、そこにあるけど、ここまで来なけりゃみえないでしょ。
官:後ろにもあるんだから・・クルマを止めて交番で手続きにきてくださいよ。

実は、この時、かなり怒りがこみ上げてきたわけだ。小学生の頃にあやうく無実の罪を着せられるところを完黙で耐え忍んだ時以来の怒りだ。”こんな小男の二人くらいボコボコにして多摩川に放り込んでしまえ”と、思わずドアポケットにいつも忍ばせている緊急脱出用の頭の先の尖ったハンマーを握りしめようかと考える。が、

よく見ると、小型公務員のうち一人は、交通専門ではなく、腰に三角形の皮ホルダーが見えるではないか。ハンマーでは武力不足だ。サマワの自衛隊のようなもの。しかたない、降伏する。

そして、とぼとぼと皮ホルダーと一緒に交番に向かうと、酔っ払った若い女性の先客がいて、わめきたてている。サイフを落としてカードを無くしたのでどうしたらいいか聞いているのだが、公務員がでたらめを答えているからだ。わめいていると酔いがさめてきて、さらに矛盾を攻め立てて口撃が高まる。そして、交番の中は規律違反の警察官だらけなのだが、権力とはこういうものだろう。

で、ごちゃごちゃ話したあと、青色切符の記入を始める。もうすぐ退職風の皮ホルダー氏は巡査長と書いていた。やたらと字を書くのが遅い。気長に付き合うことにするが、ちょうどその時に私が持っていた免許証は、大変複雑な裏書になっていたのだ。まず、書換中で臨時期限延長。そして住所変更、さらに、本籍の地番変更。特に、東京と神奈川ではこの期限延長の仕組みが違うのだが、交通でない皮ホルダー氏には理解されていない。しきりに期限切れでないか気にしている。そして思い出したように「酒は飲んでないか」と変化球を投げたりするが、もちろん飲んでいないが、こんな聞き方では誰も捕まえられないだろう。自転車泥専門だ。そして再三の書き間違えの訂正の末、30分後に一応完成。本当は、まだ間違っていたのだが実害がないので黙っている。そして拇印を押してくれと、「左人差し指で薄く」と言われたので、べたっと朱肉をつけ、紙の裏側までしみこむように押してあげた。ちょっと泣きそうな顔になったが、もう一度書き直す気力はなかったようだ。

25c56fbf.jpgそして、容疑者はただちに釈放され、巡査長の見送りに従って、クルマに向かうのだが、一体、どこに一枚目のツウキン標識があったのだろう、と探すと、高さ15メートルほどの上空に、光輝く標識があったわけだ。そして、クルマは駅の横の路地からこの標識の下に出てきたため、どうしても見ることはできないわけなのだ。またしてもムラムラと怒りが湧き上がってくる。巡査長に、葉:「いい月が出てるね~」と輝く標識を見上げて呟く。彼は、背伸びをして、もとより見えるはずのない五月闇の空に、虚ろな目で月を追うのだが、顎が伸びきったその一瞬をとらえて、皮ホルダーのちょっと上をポンとたたいてあげた。緊張して50センチほど飛び上がったように見えた。

後日、7,000円を支払い、領収書代わりに+2点を頂戴したのだが、しばらく違反歴がなかったので、点数を帳消しにするため3ヶ月ということ。順法運転をすることにした。40キロ道路では、後続車の白い眼を気にしないで35キロで走り、特にパトカーが後続の場合、さらに速度を25キロまで落として交通安全に協力してあげたのだ。

ちょっと不思議な放送博物館

2005-08-27 22:30:01 | 美術館・博物館・工芸品
ae1a856b.jpg東京は、もともと関東平野の沖積地で、さらに関東一円に降り注いだ富士山や箱根の火山灰の上に成り立っていて、その上、徳川家康以降、東京湾を埋め立て続けている。そのため、僅かに残った高台を削っては海を埋めた関係で、山がほとんどない。そして上野と同様にニキビのようにちょっと高い場所の一つが、愛宕山である。山と言っても階段を二分ほど上れば頂上に到達するのだが・・

そして、東京の高台ということで、ここに国営放送局があったわけだ。NHKの前身。大正14年から昭和14年の14年間だ。そして、現在はここに放送博物館がある。地上4階地下1階。昭和14年には、この建物を使っていたような、いないような。その頃の建物としたら、結構頑丈だ。そして入館料は無料。場所が不便なので来訪者は数少ないが、実は展示品は充実している。放送開始当時からのさまざまな機器や、ラジオ、テレビなど多数。どちらかと言うと、放送の「ハード」についての博物館である。

特に、テレビについては、日本がずっとトップ技術だったことが感じられるような、機器が展示されている。ラジオからテレビになった時にソニーという企業が現れたというのが日本の幸運だったのだろう。

ae1a856b.jpgそして、日本現代史の上で重要な展示品がある。一つは、昭和11年に発生した226事件に関するもの。事件当日、朝日新聞社は襲撃の対象になったが、なぜか愛宕の放送局は襲撃を免れている。この辺も反乱側の戦術の甘さなのだろう。結局、この放送局のアナウンサーの横で、書き上げられた「兵に告ぐ」という鉛筆書きの放送原稿がマイクに向かって読み上げられることになり、乱は終結した。その原稿の複製が展示されている。(余談だが、展示品を読んでいるうちに、現在、試写会などで行くことのある九段下の九段会館は、当時、軍人会館という名前で、戒厳本部が置かれた事を知る。皇居をはさんで北側が軍人会館で、南側に反乱軍が対峙するころになる。南側の建物はその後、米軍の山王ホテルとなり、現在は取り壊されてNTTドコモの本社になっている。)

ae1a856b.jpgそして、もう一つの重要展示物は、昭和20年8月15日に使用された「玉音盤」である。14日に国民向けに裕仁天皇がスピーチした録音盤で、この1枚の盤をめぐって近衛師団がミニ反乱を起こし略奪を狙ったが失敗したのは史実のとおりだ。それが展示されている。歴史を調べると、ポツダム宣言を受諾したのはこの盤による放送によるのではなく、日本時間で14日の夕方に、海外向けの短波による英語放送によるわけである。したがって、逆に玉音盤が紛失してしまった場合、前線では大変に困ったことになった可能性がある。ラジオ放送では降伏したのに、現場には伝わらないということだ。真珠湾攻撃に宣戦布告が間に合わなかったことのリピートになったかもしれないのである。

そして「災害時のNHK」にふさわしい最新技術だが、事故現場からの中継方法の一つとして、携帯電話による動画配信という方法が完成したそうである。つまり何か突然の事故があった場合、近くに在住しているNHK関係者が現場に携帯電話を持っていき、その携帯で撮影した画像を、NTT回線だけに頼らずに、画質を落とさないようにテレビ局まで送信する技術だそうだ。が、なんとなく釈然としないのは、(1)社員を大量にかかえているから、そういう人海戦術がとれるのだろう。(2)この技術は、NHKの社員専用の携帯電話ネットワークを構築したようなものではないのか。との思いがするからなのだ。

そして、これらの貴重な資料が入館料無料で、しかも愛宕下通りからは、「愛宕神社の出世階段」を上っても、あるいは無料のエレベーターを使っても簡単に見ることができる、と締めくくるのは簡単なのだが、ずいぶんと引っかかるものがあるのだ。

それは、なぜ、受信料不足に混迷するNHKが、これだけの施設を単独で運営しているのかということである。これと似ている施設は、東京大手町の逓信博物館(テーパーク)にもある。そこは郵政3事業ならぬ郵政省3事業ということで、「NTT、NHK、郵便局」の総合博物館で、もっと小規模だが同種の展示がある(入館料100円)。さらに原宿のNHK本社にはスタジオ関係の展示物がある。さらに調べていて驚愕したのは、最近、埼玉県川口市に巨大なNHKアーカイブセンターが完成している。要するに過去の放送データをすべて保存して、希望者には見てもらおうということなのだが、コストパフォーマンスは完全に無視だ。相当巨額だと思う。

そして、NHKについてのパンフレットを手に取り、決算書を眺めていたのだが、考えるのをやめることにしたのだ。何しろ、株式会社と違い、個人事業者が税務署に提出するようなものなのである。つまりバランスシートが存在せず、どんぶり勘定なのである。当該期の獲得受信料とコストとして使用した金額の差が、翌期回しということになるので、まるで町内会費の決算と同じだ。しかもコストの中には減価償却費という項目があるので、たとえばアーカイブセンターの資産価値はわからないし、総額のうちどれくらいの償却が終わっているのかなどもわからないのである。そういうことで、NHKがキャッシュリッチの無借金経営なのか、資産倒れの問題会社なのかよくわからないのである。

そして、この愛宕山の頂上の地面と建物の所有権はそれぞれ一体誰なのだろう。法務局にまで行って調べる気力はないが、「日本国」か「NHK」かどちらかなのだろうが、余裕ありすぎなのではないだろうか。

ボトルラインの話

2005-08-26 21:20:16 | マーケティング
ec18ebc5.jpgボトムラインではない。それでは私の生活水準の話になってしまう。「ボトルライン」の話だ。聞いたことがない単語だろうが、それもそのはずで、2分前に考え付いたことばだ。

少し前に、時々行っていたバーがある。赤坂。主にカウンター方式で、中に入っているマスター(経営者)とか、雇いの女性と雑談可能で、簡単なツマミ(といってもカワキモノではない)もでてくる。普通は2~3人で行き、2時間ほどの無駄な時間(有益な時間ともいう)を過ごしたあと、三々五々に帰っていく。ウィスキーのボトルをキープしておく。一杯ずつ頼んでもいいが、面倒の極みだし、早い話が高くなる。ボトルキープすると、普通は追加コストはほぼなく、3回に一回位は5,000円位支払いは高くなる。(経営学的に言うと、割高な変動費か、割安の固定費かの選択)。

店舗形態は、いたって、あいまいで中途半端な経営であるといえばそれまでだが、各テーブルに女性がやってくる銀座方式でもなければ、古典的なBAR方式でもない。そして、最大のポイントは経営者が元銀行員であることだ。聞けば、元の店がつぶれて担保で押さえたものの、売却するにできず(随分焦がしたのだろう)困っていたのを、ちょうど早期退職でやめる行員が経営を引き受けたということ。まあ、この種の経営は、なかなか帳簿のタテヨコが合わないだろうが、そういう意味だと、銀行員はお似合いかもしれない。そして、客単価はほぼ5,000円くらい。要するに、そのクラスの店ということ。

しばらく足を運んでいたのは、こういうあいまいな店は、「二軒目にちょっと寄って」に便利というのであったのだが・・・

ところが、ある時、ふと気が付いたのだが、いきなりテーブルに置かれるボトルの中のウィスキーの残量が少し減っているのではないだろうか?と疑いがよぎる。まさか、銀行員が?いや元銀行員だからこそか?とか色々な疑問が頭の中をカラー渦巻きで回る。そして、思いついた検証方法は、帰り際に、液面のラインに合わせ、ラベルに小さな目印の線を書き入れる。そして次回に確認したのだが、驚くことに約7ミリほど減っている。私の知人が来て勝手に飲んだとは思えないし、新たなボトルを入れ直したとするとこのラインそのものも消滅しているはず。自然蒸発か?ありえない。そして、二度三度にわたり、不自然な蒸発が確認された段階で、人為的行為として確信したわけだ。

ボトルキープシステムでは、すでに顧客が代金を払っているのだから、店舗側は顧客の商品を保管しているということであるのだから、保管料のつもりなのだろうか。逆日歩か?。おそらく、スポット客がシングルの水割りでも注文した時のため、少しずつ掠めているのだろう。

当然ながら、その後、ボトルを空にした後、「しばらく来なくなるから、次のボトルは入れないでいいから」と自然なお別れをしてしまった。例は悪いが、付き合っている異性がちょくちょく自分の財布から1,000円札を失敬するような話だ。

ところで、この話を、もう少しだけ高級(予算8,000円/人)店のチーママに意見を求めたところ、意外な答えだったのだ。「逆」、というのだ。基本的にボトルキープシステムであると、何らかの理由で期限切れとなるものが出る。そして、保管場所に余裕がある間はとっておけるが、それにも限界はあるし、1年近くたてば、所有権放棄とみなしてもいいし、もとより会社のカネをつかって交際費にしている人たちの場合、サイフの痛みを感じないわけだ。その結果、処分すべきウィスキーが溜まるとどうするかというと、キープしている現在の顧客の液量に足してしまうということだそうだ(品質劣化はないから)。

つまり、もともと顧客毎に来店パターンがあって、1本のボトルを小刻みに使う人とか、無造作に使う人とかいろいろなのだが、ボトルが最後の1センチとかなると、次に来なくなったりするそうなのである。つまり、次にくると残り1センチまで減りそうなボトルには、あらかじめ注ぎ足しておくそうなのだ。酒屋ではないのだから利益の源泉は、ボトル販売個数にあるわけではなく、累計顧客数にあるというわけだ。奥は深い。元銀行員敗れたり!(かな?)

震災時、歩いて帰る帰宅支援マップ

2005-08-25 22:36:14 | 書評
c99dce76.jpg最近のベストセラーである。630円。目的は、題名のとおり。何らかの都市災害があったときに東京在勤者は、とりあえず都内の避難所に向かうか、郊外の自宅に歩いて帰るかの選択を迫られるわけだ。もちろん、大地震の最初の一撃で、事務所内を飛んできた重さ200キロの耐火金庫に頭を打ち付けたり、仕事をサボって遊んでいたパチンコ屋で感電したりしたら、地図はいらない。そして、各会社の経理部長は会社の金庫番として、金庫と運命を共にしなければいけないので、本書は不要だ。(私は、緊急時食料調達係りの大命を持っているので、会社の金庫から札束を掴んで、となりのローソンに走ることにしている。運がいいと領収書ももらうことにしているのだが。)

添付の1枚の基本脱出ルート図でわかるように、実はこの地図自体はそれほど凄いわけではない。まず、裏道は避けよと言う。ようするに危険というわけだ。都内から放射線状に伸びる幹線道路を歩けということだ。そして、自宅近くまでいけば後は何とかなる。その主要道路ごとに、別のページで詳細が記載される。ベンチや公衆トイレなどの情報だ。

実は、私は横浜北部の港北ニュータウンに住んでいる(地図の青丸エリア)。普段乗っている田園都市線は、国道246号線とほぼ同じコースなので、これを基本ルートと考えていた。三宅坂の社民党本部から渋谷までは青山通りとも言う道だ。多くの人は、この段階で、何だ、ということで地図を読まないだろう。しかし、私は、もともと、この246を「逃げ道」にするのには、若干の危惧を感じていたのだ。そのあたりがさらに解ってきた。そして、南ルートとして中原街道というのが浮上してきたのである。

まず、246コースの問題点の1は、特に世田谷区では道路の両側に中層ビルが立ち並んでいることだ。さらに道路の上には、蓋のように東名高速が乗っかっているわけだ。火災発生時には、果たして地上に酸素が残るのだろうか?東京大空襲の時も、川の中にもぐっていてもなくなった人の多くは周辺部での火災のために酸欠になったからと言われる。

そして、問題点の2は、もっと複雑なのだ。つまり、何気なくみているこの地図上では、逃げ道のない場所がある。赤丸で記載した場所である。多摩ニュータウンである。人口は20万人。ようするに京王線や小田急線方面の住人は、電車はあっても道路がないわけだ。となれば、彼らはどこを歩くかといえば、南側にあたる、246を中心に考えているのだろう。つまり、246は大混雑になると予想される。

そう考えると、ちょっとマイナーだが、中原街道という選択になる。こちらも大田区が火災になると、苦しいが、道路の幅が広いので246より酸素状況はいいかもしれない。ただ、実は246は単純にまっすぐな道なのだが、中原街道はあちこちに岐路がある。また直角に曲がる場所も数箇所ある。いざと言うときに90度間違えると本当に最悪になる。文字通り、事前調査が必要ということになる。

そして、やはり多摩川という大問題がある。どこかでこの幅広の川を横断しなければならないのだが、水量は日によってまったく違う。橋が通れれば問題はないのだが、最悪の備えとしては、浮き輪を用意しておくべきかとも思っているのだ。ポータブルライフジャケット。

ところで、自分のことから離れて、地図を見ていると、千葉ニュータウンの人には逃げ道が用意されていないことがわかる。おそらく、水戸街道で松戸に入り、そこから松戸街道で千葉県内陸部に向かうというのが最短コースだが、その道が指定・推奨をされていないのには、何か理由があるのだろう。

さらに、東京から半径50キロを環状にとりまく国道16号線より外側の人は、簡単に都内から放浪するわけにはいかないのだろう。


さて、実は最も重要なのは、下見ということはわかっていて、246と並行する田園都市線を、時に1駅間ずつ歩いて、定期券だけで「逃げ道下見ブログ」にでも仕立てようかと思っていたのだが、中原街道ルートだと、下見もえらいことになる。電車は複雑に横切ったり、斜行したりと気ままなので、下見ツアーは大変な時間と労力と電車代が必要だ。ということに気が付いたとこまでなので、今後、どうなることやら・・

ボトルラインの話

2005-08-25 22:34:46 | マーケティング
ec18ebc5.jpgボトムラインではない。それでは私の生活水準の話になってしまう。「ボトルライン」の話だ。聞いたことがない単語だろうが、それもそのはずで、2分前に考え付いたことばだ。

少し前に、時々行っていたバーがある。赤坂。主にカウンター方式で、中に入っているマスター(経営者)とか、雇いの女性と雑談可能で、簡単なツマミ(といってもカワキモノではない)もでてくる。普通は2~3人で行き、2時間ほどの無駄な時間(有益な時間ともいう)を過ごしたあと、三々五々に帰っていく。ウィスキーのボトルをキープしておく。一杯ずつ頼んでもいいが、面倒の極みだし、早い話が高くなる。ボトルキープすると、普通は追加コストはほぼなく、3回に一回位は5,000円位支払いは高くなる。(経営学的に言うと、割高な変動費か、割安の固定費かの選択)。

店舗形態は、いたって、あいまいで中途半端な経営であるといえばそれまでだが、各テーブルに女性がやってくる銀座方式でもなければ、古典的なBAR方式でもない。そして、最大のポイントは経営者が元銀行員であることだ。聞けば、元の店がつぶれて担保で押さえたものの、売却するにできず(随分焦がしたのだろう)困っていたのを、ちょうど早期退職でやめる行員が経営を引き受けたということ。まあ、この種の経営は、なかなか帳簿のタテヨコが合わないだろうが、そういう意味だと、銀行員はお似合いかもしれない。そして、客単価はほぼ5,000円くらい。要するに、そのクラスの店ということ。

しばらく足を運んでいたのは、こういうあいまいな店は、「二軒目にちょっと寄って」に便利というのであったのだが・・・

ところが、ある時、ふと気が付いたのだが、いきなりテーブルに置かれるボトルの中のウィスキーの残量が少し減っているのではないだろうか?と疑いがよぎる。まさか、銀行員が?いや元銀行員だからこそか?とか色々な疑問が頭の中をカラー渦巻きで回る。そして、思いついた検証方法は、帰り際に、液面のラインに合わせ、ラベルに小さな目印の線を書き入れる。そして次回に確認したのだが、驚くことに約7ミリほど減っている。私の知人が来て勝手に飲んだとは思えないし、新たなボトルを入れ直したとするとこのラインそのものも消滅しているはず。自然蒸発か?ありえない。そして、二度三度にわたり、不自然な蒸発が確認された段階で、人為的行為として確信したわけだ。

ボトルキープシステムでは、すでに顧客が代金を払っているのだから、店舗側は顧客の商品を保管しているということであるのだから、保管料のつもりなのだろうか。逆日歩か?。おそらく、スポット客がシングルの水割りでも注文した時のため、少しずつ掠めているのだろう。

当然ながら、その後、ボトルを空にした後、「しばらく来なくなるから、次のボトルは入れないでいいから」と自然なお別れをしてしまった。例は悪いが、付き合っている異性がちょくちょく自分の財布から1,000円札を失敬するような話だ。

ところで、この話を、もう少しだけ高級(予算8,000円/人)店のチーママに意見を求めたところ、意外な答えだったのだ。「逆」、というのだ。基本的にボトルキープシステムであると、何らかの理由で期限切れとなるものが出る。そして、保管場所に余裕がある間はとっておけるが、それにも限界はあるし、1年近くたてば、所有権放棄とみなしてもいいし、もとより会社のカネをつかって交際費にしている人たちの場合、サイフの痛みを感じないわけだ。その結果、処分すべきウィスキーが溜まるとどうするかというと、キープしている現在の顧客の液量に足してしまうということだそうだ(品質劣化はないから)。

つまり、もともと顧客毎に来店パターンがあって、1本のボトルを小刻みに使う人とか、無造作に使う人とかいろいろなのだが、ボトルが最後の1センチとかなると、次に来なくなったりするそうなのである。つまり、次にくると残り1センチまで減りそうなボトルには、あらかじめ注ぎ足しておくそうなのだ。酒屋ではないのだから利益の源泉は、ボトル販売個数にあるわけではなく、累計顧客数にあるというわけだ。奥は深い。元銀行員敗れたり!(かな?)

日本人が絶対にかなわない国

2005-08-24 22:39:21 | 愛・地球博
万博は、地域ゾーンごとに「グローバルコモン」というブロックを作っている。そして、その一つであるグローバルコモン3は、地中海沿岸とヨーロッパ地域からなる。実は、一つの興味は「トルコ」だった。あと数ヶ月で、EUにトルコを参加させるかどうかの討議を始めるべきかどうかについてEU委員会が検討を開始するそうだ(話が複雑だが、要するに入会までに3段階あるということだ)。お見合いクラブで、まず希望の異性のデータを検討し、次に交際を始めたらプロポーズを受けていいかどうか検討し、さらにそのプロポーズに合意するかどうか、親戚一同家族会議をして、全員賛成なら家族に迎えるというようなものだ。

トルコ側は、サッカーのワールドカップの予選で欧州ブロックに入ったり、NATOの重要なメンバー(本当は米軍基地の確保のため)になったりして、もうEUに入ったつもりだが、そうはいかないだろう。ドイツでのトルコ人移民との摩擦とか、イスラム教への嫌悪感、もうすぐドイツを抜いて域内最大人口国になるといった不気味さや所得の低さなどがあり、どうせ断るなら、早いほうがいいとこれまた縁談のような話になるかもしれないのだ。

そして、この万博で、トルコは、どの地域にいるのかというと、ここだ。そして、他にはイタリア、ギリシア、スペインなどに加え、フランス、ドイツなど。そして、困ったことにヨルダンやチュニジア、モロッコ、そしてあの大変節のリビアも一緒なのだ。つまり、それらの国もEUに入ろうと隙を狙っている。15bb324d.jpg

そして、このメンバーの中で、本気になっているのは、ヨルダンとイタリアかな。ヨルダン館の目玉は「死海体験」。といっても宗教儀式ではなく、希望者は抽選で、死海と同じ塩分濃度の人工プールに入ることができる。そして見物人は、プールの上から、水面に浮かんだ人間を観察することができる。残念ながら、海パンの男子中学生ばかりだ。見るだけなら六本木プリンスの円形透明プールの方が楽しい。

そして、注目はイタリア館。あまり人気はない。が、この国は二つの特徴がある。デパートなどでの大イタリア展などでも同じだが、イタリア国中の各県(州)ごとにバラバラに、お国自慢をすること。
そして、これでもかと美術品やファッションで攻める。まず、お国自慢の話だが、日本よりずっと地域性が残っている。日本では青森と岩手の差は僅かだし、鹿児島と宮崎だって差は僅かだ。しかしイタリアはもっと格差が激しい。(さらに一人当たり所得格差は1:3という話もある。)しかし、それでも、お国自慢の物産はそれぞれ世界水準なのだ。

そして美術品の目玉は、1998年に海底から見つかった2400年前のブロンズ像である「踊るサティロス」だ。これはすごい迫力。ミロのビーナス並だ。修復に4年かかったそうだ(そういえば、「冷静と情熱の間」も美術品の修復の話だった)。15bb324d.jpg


さらに山のような展示品の装飾品は一級品。さらにファッションの山。バブルの頃は日本人でもイタリア製のスーツとか靴とかネックレイスなどしていたりした。しかし、どうみてもイタリア人以外には似合わないのだから、今、思い出しても恥ずかしいのだが、バブルの時は、その他にも恥ずかしいことだらけだったので気にしないことにする。それにしても、イタリア人が本気でアートを始めると、誰もついていくことができなくなるということを思い知らされるわけなのだ。15bb324d.jpg

そしてトルコ館は空振り。代わりに「ドネルカバブ」というハンバーガー風の昼食を食べたのだが、すばらしく量が多い。700円。さらに、ドイツ館で特筆すべきは、付属のレストランのビールなのだが、それしかないとも言うべきなのだろう。

「将棋まつり」の意外なゲスト

2005-08-23 21:30:48 | しょうぎ
ea27e573.jpg週末、土日の二日間、横浜南部のあるデパートで行われた夏の「将棋まつり」の「手伝い」に行った。英語では、「スタッフ」と呼ばれる。デパート10時開店の1時間前にスタッフ証を胸にぶらさげ、百貨店社員と一緒に通用口から入店。デパートの裏側が見える。

まず、暑い。9時半まで冷房なし。冷房代は相当の金額になるらしい。涼みに行くなら朝10時からはやめた方がいい。そして土曜日の出勤者は特に男性社員は上下とも服装コードなし。カジュアル。つまり職場でユニフォームのように上下ともスーツに切り替えるわけだ。ところが翌日の日曜になると、出勤者の年齢が高くなり、ほとんどの男性社員はネクタイ通勤となる。おそらく、日曜の社員シフト表は管理職が多いのだろう、と憶測。

実は、この大会の手伝いをするハメになったのは、私が作った「私的将棋ファンによる支部」が神奈川県に登録しているからである。「神奈川県支部連合会」というどうみてもヤクザの組のような名前の組織の理事などやっているからだ。そして理事というのは、幹部でもなければ、下っぱでもないわけで、頭を使うか体を使うかということになるが、深入りしたくないので体を使う「将棋大会の運営係」という仕事の方を行う。先月、ちょっとした足のケガをしたのだが、今週は万博での入館待ちで2日間、将棋大会運営で2日間、立ったままだ。

そして、この将棋まつりのゲストは多士だ。もちろん将棋関係では有力棋士(男女)多数のほか、米長将棋連盟会長があいさつする。さらに某政党所属の前衆議院議員がきて、一言二言しゃべる。横浜南部を地盤としているのだが、隣は小泉氏の地盤なので1から10まで、「改革派」と自称している。ちょっと前までの自分のホームページには郵政民営化については何も記載されていなかったのだが、急に改革的主張を始めた。そして選挙前なのでこれ以上は書けない。

そして、最後に和服の老人が登場。かの小説家、団鬼六先生だ。最近は自ら執筆しなくても、女優杉本彩が、映画で全身運動を繰り返すだけで、自動的に鬼六先生におカネが入ってくることになっているらしい。では、なぜ、この「こわい」・「いたい」専門の先生が登場したかというと「将棋ファン」だからなのだ。そして、この大会のビッグスポンサーの一人だ。

ではどういうところでSM作家が将棋が好きなのかというと、私は「駒音」に秘密があるのだろうと思っている。「ピシッ」「パシッ」という乾いた音が、あの音に似ているのではないだろうか。つまり「ムチ」の音。そして、たまには出るうめき声。パチッ、ウー。とかだ。そして鬼六先生は、和服に下駄履きというスタイルなのだが、なぜか歩くと、カランカランとカン高い音が響く。この音は、天井の梁に取り付けられた吊るし用の滑車が獲物を上下させる時に快活に鳴き出すカラカラという音と同じなのかもしれない。

この先生の棋譜は見たことがないのだが、局面が有利になると、さぞかし陰湿な攻撃をするのだろう。攻めると見せては、手を緩め、じっくりと盤の隅っこに王様を追い詰めていき、すべての駒を奪ってから、投了(ギブアップ)に追い込むとか。


そして、楽屋裏では、生臭い話ばかりが聞こえてくる。(時期的にふさわしくないので内容は省略。)この大会の幹事は不動産会社の社長が仕切っているのだが、大会参加者からの参加料や将棋連盟からの支援料や地元企業からの寄付金というような現金の収入とスタッフの交通費や飲み物といった現金支払いなど、すべて社長の財布の中でどんぶりになってしまう。そして、司会役の未婚の女流棋士の方に当日支払う謝礼金は、さきほど団鬼六先生がご祝儀として10枚位を包んだ封筒の中から数枚を抜き取っただけで、そのまま渡されてしまったように一瞬見えたのである。ちょっと、ばっちいかな。

しかし、そのまま伊勢佐木町のホストクラブで散在すればいいのかもしれない。(が、たぶん違うだろう)

「礫川」って読めます?

2005-08-22 21:32:29 | 美術館・博物館・工芸品
16dbfebb.jpg今回は、礫川浮世絵美術館へ行く。石偏に楽と書いて、「礫」。”こいし”とか”つぶて”と読む。つまり現代の小石川である。東京ドームのちょっと裏手、地下鉄、春日駅あるいは南北線後楽園駅のそばである。もともと個人の所蔵品を展示する目的で、ある細長いビルの5階が美術館になっている。テーマを換え、色々な趣向をこらしている。現在は夏納涼の浮世絵展ということだ。2ヶ月毎に展示はかわる。原宿の太田美術館も同様なテーマ展方式だ。

浮世絵自体、あまり詳しくもないのだが、知らないだけ、見ているとそのつど発見がある。夏、納涼と言うと、江戸の常識では、「美人、妖術、怪異」ということだそうだ。なぜ、美人かはよくわからないが、何しろ江戸は何でも「美人」で騒ぐ。どこの茶店の看板娘とか煙草屋の娘とか・・おそらく美人が少なかったのではないかと想像するが、こればかりは明確にならない。また、妖術、怪異と江戸っ子の関係はどうだったのか知るのも面白いところだが、平安時代の藤原氏のように妖怪を本気で恐れていたのではないだろうと思う。おそろしく現実主義だったのではないだろうか。

話を芸術に戻すと、今回展示されているのは、春信、歌麿、英山、英泉、国芳などだが、作品として額の中に入った現物を鑑賞するというのも、なかなかのものがある。美術選集とかテレビの画像のように作られた作品ではなく、紙質や、色彩の微妙な経年変化などは本物に勝ることはできない。個人コレクションであるわけだから、この膨大な作品群の所有者である、松井英男医師(館長)および夫人の晴江歯科医の二人に限っては、手で作品に触れても一向に構わないのである。(もちろんきちんと本業で税金を払っていなければ、後で人手にわたる可能性もあるのだが、そんなことはないだろう、たぶん。)

以前、北斎の話を当ブログで触れた時に、ベルリンブルー(べろ藍)という顔料を北斎が多用したと書いたのだが、やはり、初期・中期の浮世絵の色彩の中心は、赤、緑、黄色という順に色彩が増えてきている。そして、江戸末期において、藍色が加わり浮世絵の世界が完結したということかな?なんてちょっと思ってしまう。

そして、実感がわかないのだが、こういう個人コレクションを始める動機というのは何なのだろう、私の知っている医師はみんな不純な趣味ばかりなのだが・・さらに、最初は一人で眺めるというところから始まり、ある収集点数を超えると、もうみんなで見てもらいたい、ということに変わるのだろうか?縁がない話なので、思考停止もいいとこだ。

そして、この美術館を攻略する上でもっとも重要なことがあるのだ。それは、エレベーターから出るとすぐ左側に受付があり、入場料500円を払うのだが、そのまま、右側の展示室に入ってはいけないわけだ。靴を脱いで、スリッパに履き替えなければならないのだ。

そして、もし仮に靴を脱ぎ忘れても運良く(不運にも)注意されずに、展示室で鑑賞していると、後続の来館者が入口で「靴を脱いでください」と注意される声を聞いてしまうかもしれないわけだ。そうすると、方法は二つしかない。
1.正直に靴を脱ぎ忘れたことを申告して、頭を5回、前後上下運動させ、入口に戻ってスリッパに履き替える。
2.あわてて鑑賞を中止し、そそくさと下りのエレベーターで逃げるように帰る。

そして、私の場合は、「1」を選択することにしたのだ。入館料はもったいないし、かと言って、妥当な言い訳が思いつかなかったからだ。

航空機の機体トラブルが続く仮説

2005-08-21 16:25:54 | 市民A
航空機の事故や重大トラブルが急増している。以前から。航空機の事故は平均的ではなく集中的に発生すると言われていて、それには理由があるとされていた。たとえば、国際線での航空ルートの過密化によるパイロットへの心理的圧迫とか、異常気象とかである。

ところが、最近の事故(トラブル)を見ると、特異点があることがわかる。まずは列挙する。

8月12日 JALウェイズ (日本) 福岡  B737 エンジン1基破損
8月14日 ヘリオス航空 (キプロス)ギリシア B737 機内異常減圧
8月16日 ウエストカリビアンエア(ベネゼラ)コロンビア MD82 エンジン2基故障
8月19日 フライエア(トルコ) ブタペスト A300 エンジン1基停止
8月19日 NW(米国) グアム       B747 機首車軸折損

このリストの前に起きたエアフランスのトロントでの炎上事故は、着陸時の速度オーバーらしいので人為ミスに近いかもしれないが、この5件は機体トラブルである。今まで、航空機事故はなんらかの操縦上の人為ミスに起因することが多かったのだが、最近の5例は異なる。では、なぜ続くのかということに、仮説を立ててみた。

まず、遠因として、最近の原油価格高騰による、ジェット燃料油価格の高騰がある。しかし、だから収益減のつけを整備費カットで捻出したということではない。一方で、エアバス、A380、B777といった新鋭機へのシフトが起きているのではないかと思うのである。つまり、B737、B747、A300といった旧型機は、燃費が悪く、効率がよくないわけだ。さらに特にJALは新型機への転換が遅れたこともあり、新型機への切り替えを急ぐわけだ。もちろん、海外の航空会社とて同様であるが、彼らも新型機を買ったり、リースしたりするだけでなく、G8諸国の航空会社からの中古機を使うこともあり、中古市場ながらも機体の入れ替えが行われるわけである。

そして問題は、機体整備の件である。普通に考えると、もうすぐ海外へ転売する古い機体と買ったばかりの新型機の整備は異なる。定期検査での部品の交換なども、転売時期までもてばいいという思想になりやすい。私の個人的イメージでは、そういった思想で整備をすれば、古い機体には様々な問題が発生するのだろうと思ってしまう。

ただし、そういった整備の簡素化の話を私が想像してここに書いたからといって、事実、そういう行為が行われているのかどうかは知るすべはない。つまり、新型機の発表は航空事故を増やすということになりがちなのだろうというのは、単に、よくありがちな推測なのであるということを強調しておく。

from A to B

2005-08-20 21:36:08 | 愛・地球博
愛・地球博の感想をいくつか。
98c9f539.jpgリニモ(リニアモーター電車)による来場を基本コースと考えると、万博会場駅の前にある北ゲートが正面玄関ということになるのだが、そこを入るとトヨタ館と日立館という二大人気パビリオンがある。さらに、電力、ガス、東芝、三菱、JRといったパビリオンがあり、自社こそが未来の先端企業だ、と主張している。もちろん、ここに出展していること自体、おカネに余裕がある(と考えている)のだから、未来企業の候補であることは間違いないが、本当の企業秘密が展示されるわけでもないので、あまり信じないほうがいい。(企業パビリオンシリーズは後日。それに、一部しか覗いてないので・・)

ということで、会場内には、普通の万博と企業広告宣伝会場が一緒になっているわけで、普通の万博の観るために西ゲートから入る。そして、右のほうへ向かう。時計で言えば9時のところから入り8時の方向へ向かう。そして、最初に入館したのは、アフリカ共同館。もちろん不人気の極みだから待ち時間は0分。まず気付くのは、参加各国が、まったく隣の国とバラバラなこと。ほとんど同じような楽器や木工品などの展示があったりするが、おかまいなし。そして言葉もバラバラ。強烈な臭いの料理を作っていたり、金細工が並んでいる。エジプトや南アフリカは別に1棟構えている。さらにリビアは全然別の地中海組の方に行ってしまって欧州のつもりだ。常任理事国問題でAUがまとまらないのもわかるような気がする。自国中心もいいところだ。そして、早くもいくつか小物のおみやげを買ってしまった。さらに、大物の木彫(3メートルの魔よけとか)などは、万博終了時に処分していきそうだ。すでに一部はネットショップに現れているらしい。もう・・

そして、広い会場に多くの国が潜り込んだため、乱雑になり、どこにどの国があるのかわからなくなってしまったのだが(まさにアフリカ大陸の地図的)、やっと、お目当ての人物に会えた。「ルーシー」さんだ。タンザニアのブースだ。特に宣伝していないのだが、とりあえず猿人ということで上野の国立科学博物館に、生前の姿が再現されている。発掘隊が掘り当てた時に、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンド」を聴いていたからルーシーと名前をつけたというのだ。例の「LSD」疑惑の曲だ。余計な話だが、この話は眉唾と思っている。あんな冗長な曲をタンザニアで聴くかな?ということと、骨を発掘した段階では、まだオスかメスかわからないじゃないか。

実際350万年も前の猿人が我々の祖先かどうかはわからないが、今のチンパンジーよりも知脳が上らしい。もちろん、現在はいないのだから、なんらかの原因で絶滅したわけだ。たぶん暴力的に排除されたのだろう。

そして、次に向かったのは、その少し南、つまり時計の8時から6時の方向だ。北欧共同館。ここは5ヶ国の共同館。ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマークそしてアイスランド。こちらは5ヶ国が完全に融和している。展示を見てもよく読まないとどこの国のことかよくわからないほど、個性を消している。ふと、極東のことを考えると、日、韓、朝、中、台が共同館を作るような話は3000年たっても実現しないだろう。そして、見たかったのは、我々の未来を先取りしているという噂の「アイスランド」。

98c9f539.jpg

だが、ちょっと空振り。先進的ということは秘密らしい。簡単には理解されないからだろう。例えば、アイスランドは全国民のDNAを登録している。遺伝子情報を国が保有することによって難病を防止するのだろうが、日本では「納税者背番号」だって理解されないのだから、とても実現しない。さらに、ありあまる水力発電や地熱発電で逆に電気で水を分解して燃料電池用の水素を大量に作って輸出しようとしている。電気の輸出というのと同じ意味になる。さらに全家庭をブロードバンド化しようとしていたりしている。直接民主主義へ向かうのだろう。

世界で2つの理解できない国といえば、アイスランドとシンガポールなのだろう。管理型高度集約社会。そしてアイスランドは、世界で最初に女性大統領を生んだ国だそうだ。なんでもすばやい。

しかし、繰り返すが、それらの「ちょっとアブナイ部分」は包み隠されている。この国は一体どこに、世界の普通の国を連れて行こうとしているのだろうか。

お土産は、超反文明的なものにした。アイスランドの溶岩。タンザニアの渓谷が人類のA点なら、火山島の溶岩の上に乗っただけのアイスランドはB点だ。われわれは、その二点間のどこかにいる。

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そして、さっそくスモーガーズボード風に盛り付けられた魚介のオードブル盛り合わせを注文し、ニシンの酢漬けをつまむ。ビールがうみゃ~。が、飲みすぎるとすぐにA点に近づいてしまう。