アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

北教組「アイヌ民族の学習」を薦めるための指針

2010-09-27 08:49:34 | インポート
自由学校「遊」連続講座「アイヌ新時代~若者たちと語り合う、民族の現在と未来~」最終回が明日の28日にあります。山道陽輪さんをゲストにお迎えする予定が都合により変更。
新たなゲストは現在、北大アイヌ・先住民研究センター職員としてご活躍中の川上将史さん(Tukkantam)に、ご自身のアイヌ語・アイヌ文化との出会いや関わり、現在の活動や今後についてなどお話をうかがうとのこと。
この数年、よく頑張っておられる姿を拝見していました。先日の登別の銀のしずく記念館チセノミでも会い、少しお話しさせて頂きました。明日は楽しみです。

アイヌ新時代~若者たちと語り合う、民族の現在と未来~
第5回 川上将史さんを迎えて
日時:9月28日(火)18:30~20:30
会場:さっぽろ自由学校「遊」
参加費(単発):一般1,500円 会員・アイヌ民族1,000円 学生500円
●川上将史さんプロフィール
 平取町出身、札幌市在住。北海道大学アイヌ・先住民研究センター職員。チーム・ニカオプのメンバー。



瀬棚ファーム・ブレッスド・ウインド農場のイベリコブタ


北海道新聞(2010/09/22) のピヤラ「アイヌ民族の今」で、北教組のアイヌ民族に関する人権教育検討委員会報告「『アイヌ民族の学習』を進めるための指針」をはじめて作成し、組合員に配布したことが取り上げられていました。留萌の教会員のSさんからその資料を頂いていましたので興味深く読みました。
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/piyar/103911.html

この「指針」は8月20日に職場討議資料NO.1として発行されています。はじめにアイヌ民族の現状を3月に全道で行ったアンケートを元に分析。09年度にアイヌ民族に関わる学習をしたかの問いに対し、小中全体で40%がしていないと回答。う~ん、推進機構の学習資料が全員に配布されている小学4年生と中学2年生の個別の結果がほしいですね。
「していない」の理由トップは「時数確保が困難」が62%、「教科書に記述がない」36%ありました。しかし、どこの学校も忙しく教科書記述がないわけだから「もう少し追求の工夫も必要ではないか」と書かれています。その通りですね。

「差別の実態認識」については、「実態を認識していない」が小学校で97%、中学校で94%、全体の96%にもおよんでいます。差別がないのではなく、認識されていないことの問題が指摘されていました。
4%の「認識している」を回答した人の自由記述された差別実態として
・家庭で「アイヌの子と付き合うな」と教えていて、学校で指導してもいじめが再発することがあった。
・「○○さんはアイヌ顔だよね」という言葉を以前聞いた。
・裏で悪口を言っているケースがある。

他に身体的な指摘や、差別的な呼び方、アイヌと聞いただけでバカにするような空気を感じるなどがありました。ここに記されたのも32項目中の一部との添え書きがありましたから、4%の「認識している」先生たちはよくよく差別の現状に向き合わざるを得ないということでしょう。「指針」は「わたしたち教職員自身が差別を見抜く人権意識を高めていく必要が求められている」と加えています。

さらに、学習の到達点と課題について調査されていました。まずは各教科書での記述検討、次に副読本の検討。70の各市町村からの回答から副読本でのアイヌ民族に関する記述は平均では4,5頁。内容を見ると、文化についての記述のみが多く、歴史に関しては三分の一のみが「アイヌ文化期」以前の歴史に触れている。しかし、シャクシャインの戦いについての記述は12市町村のみ、コシャマインの戦いに至ってはわずか3市町村のみ。「商場知行制」「場所請負制」という言葉はほとんどないという結果が出ています。他、様々な指摘がなされています。留萌は分析に入っていないので副読本そのものがないのか?確かに息子達が持ってきた記憶がありません。今度、聞いてみようと思います。

課題に加えて学習方法も詳しく書かれて全体が59頁におよぶいい討議資料だと思います。北教組のみなさん、しっかり学んでください。


今夕は久しぶりのチ・カラ・ニサッタの集いがありますので札幌に行きます。


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