2日はさっぽろ自由学校「遊」の講演、田澤 守さん(樺太アイヌ協会会長)「樺太アイヌの歴史と現状~先住民族の『越境権』を考える」を聞きました。
田澤さんも言われていましたが、「樺太アイヌ」にとっては樺太での「先住権」があることが前提としてあって、その上で「越境権」があるのだ、ということは納得しました。
樺太千島交換条約の際の「強制連行」に関することなどは樺太アイヌ史研究会編「対雁の碑」 (北海道出版企画センター)を読んだりして、過去ブログにも書きました(ブログ内検索で「対雁の碑」で調べたらいろいろ出てきます)。
しかし、「強制連行」後に樺太に戻ってのことや、道内に残った人々のこと、戦後の樺太からの引き上げ者の中のアイヌ民族のことなど、知らないことだらけだと分かり、もっと知りたくなりました。
佐々木蔵書の中にも中村善太郎著「千島樺太侵略史」(創元社)など資料もありますので読んでみます。
エゾリスが人前で平気で食事していました(嵐山にて)
数年ぶりの友人とも一緒に「遊」の講演を聞きました。友人は「(社)神奈川人権センター」の人権研修で来道し、前日から静内のアイヌ民族フィールドワークや浦河べてるの家を見学。明日は道庁に行って道庁と北海道アイヌ協会から説明を受けるというので、無理を言って一緒に参加させて頂くことにしました。
他県からの研修に対してどんな説明がされるのか興味を持ちつつ、翌日はいざ、かでる2・7へ。
道のほうは環境生活部総務課の方が来て、資料「アイヌ関連施策の体系」や、「生活向上に関する推進方策予算の状況」などを配布して説明されました。
道がどのような流れで施策を行なっているのか(いないのか)が少し見えたような気がします。
アイヌ民族に対しては「福祉対策」としての施策であり、しかも、道内に限定されたということ(道外に住む人は対象外)。予算もこれだけ使っており、その半分は国から出ているということ(足りているのかどうかについては言及せず)など。
先日も紹介しましたが、北大実態調査の結果が発表され、いくつかの新聞にアイヌ民族の皆さんの所得が依然と低いことが報じられています。以下、引用。
アイヌ:依然低い所得、5.2%が生活保護受給 年収は平均の6割--北大実態調査
毎日新聞 2009年5月30日 北海道朝刊
道内のアイヌ世帯の生活保護受給率は5・2%と道内平均(06年度)の3・5%を上回ることが北海道大のアイヌ生活実態調査で分かった。29日に首相官邸で開かれた政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長、佐藤幸治・京都大名誉教授)に報告された。一般道民に比べ、格差が依然として残る実態が浮き彫りになった。
調査は08年10月、道アイヌ協会の協力を得て実施。3438世帯と個人7306人(18歳~85歳未満)が対象で、回収率は世帯が84・4%、個人が78・1%。
調査結果によると、「生活保護を受けている」と回答した世帯は5・2%。「以前受けたことがある」(4・8%)を含めると、1割が受給世帯だった。
世帯の年収は200万~300万円未満が19・5%と一番多く、平均年収は約356万円。全国平均567万円(06年国民生活基礎調査)の約6割にとどまった。大学進学率は4・4%。高校進学率は55・1%だった。
一方、現在の生活ぶりを聞いた調査では、33・5%が「苦しい」と答えた。道のアイヌ生活実態調査(06年度)では「苦しい」が0・3%で、アイヌの生活は向上しているとされたが、有識者懇委員で調査を担当した北大の常本照樹教授は「今回の調査は全世帯調査に近く、道の調査より正確に実態を示している」と話している。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090530ddr041040005000c.html
関連ニュースは(http://blog.goo.ne.jp/ivelove/)
現実の実態把握がきちんと出来ていなかったことも問題ですし、きちんとした対策も求められています。もちろん、これらを含む諸課題は今後の有識者懇談会のまとめ報告によって変わっていくでしょうとも言っていましたので有識者懇に期待したいですね。
さて、今日は初山別の家庭集会のため往復し、明日ははたまたアイヌ民族関連の研究会で札幌。
その翌日は、お楽しみの世界先住民族ネットワークAINU「ウコ イソイタク 2009」
パネルディスカッション「先住民族として認められた意義とは?」です。
パネリストとして、佐々木利和さん(人間文化研究機構・国立民俗学博物館教授)、上村英明さん(市民外交センター代表・恵泉女学園大学教授)、阿部ユポさん(北海道アイヌ協会副理事長)が話されます。3月末のパネルディスカッションに比べ、有識者懇のまとめも進んでいる中、修正要望など具体的な審議ができることを願っています。
その後のマウコピリカ音楽祭も楽しみですな~~
アイヌ・レブルスも東京から来られるようです。
日時:2009年6月6日(土) 18:00~
場所:ヤマハミュージック北海道 ヤマハアベニュー(2F)
入場料:当日¥2,500 前売¥2,000
嵐山カムイノミのあとのリムセ(輪踊り)
田澤さんも言われていましたが、「樺太アイヌ」にとっては樺太での「先住権」があることが前提としてあって、その上で「越境権」があるのだ、ということは納得しました。
樺太千島交換条約の際の「強制連行」に関することなどは樺太アイヌ史研究会編「対雁の碑」 (北海道出版企画センター)を読んだりして、過去ブログにも書きました(ブログ内検索で「対雁の碑」で調べたらいろいろ出てきます)。
しかし、「強制連行」後に樺太に戻ってのことや、道内に残った人々のこと、戦後の樺太からの引き上げ者の中のアイヌ民族のことなど、知らないことだらけだと分かり、もっと知りたくなりました。
佐々木蔵書の中にも中村善太郎著「千島樺太侵略史」(創元社)など資料もありますので読んでみます。
エゾリスが人前で平気で食事していました(嵐山にて)
数年ぶりの友人とも一緒に「遊」の講演を聞きました。友人は「(社)神奈川人権センター」の人権研修で来道し、前日から静内のアイヌ民族フィールドワークや浦河べてるの家を見学。明日は道庁に行って道庁と北海道アイヌ協会から説明を受けるというので、無理を言って一緒に参加させて頂くことにしました。
他県からの研修に対してどんな説明がされるのか興味を持ちつつ、翌日はいざ、かでる2・7へ。
道のほうは環境生活部総務課の方が来て、資料「アイヌ関連施策の体系」や、「生活向上に関する推進方策予算の状況」などを配布して説明されました。
道がどのような流れで施策を行なっているのか(いないのか)が少し見えたような気がします。
アイヌ民族に対しては「福祉対策」としての施策であり、しかも、道内に限定されたということ(道外に住む人は対象外)。予算もこれだけ使っており、その半分は国から出ているということ(足りているのかどうかについては言及せず)など。
先日も紹介しましたが、北大実態調査の結果が発表され、いくつかの新聞にアイヌ民族の皆さんの所得が依然と低いことが報じられています。以下、引用。
アイヌ:依然低い所得、5.2%が生活保護受給 年収は平均の6割--北大実態調査
毎日新聞 2009年5月30日 北海道朝刊
道内のアイヌ世帯の生活保護受給率は5・2%と道内平均(06年度)の3・5%を上回ることが北海道大のアイヌ生活実態調査で分かった。29日に首相官邸で開かれた政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長、佐藤幸治・京都大名誉教授)に報告された。一般道民に比べ、格差が依然として残る実態が浮き彫りになった。
調査は08年10月、道アイヌ協会の協力を得て実施。3438世帯と個人7306人(18歳~85歳未満)が対象で、回収率は世帯が84・4%、個人が78・1%。
調査結果によると、「生活保護を受けている」と回答した世帯は5・2%。「以前受けたことがある」(4・8%)を含めると、1割が受給世帯だった。
世帯の年収は200万~300万円未満が19・5%と一番多く、平均年収は約356万円。全国平均567万円(06年国民生活基礎調査)の約6割にとどまった。大学進学率は4・4%。高校進学率は55・1%だった。
一方、現在の生活ぶりを聞いた調査では、33・5%が「苦しい」と答えた。道のアイヌ生活実態調査(06年度)では「苦しい」が0・3%で、アイヌの生活は向上しているとされたが、有識者懇委員で調査を担当した北大の常本照樹教授は「今回の調査は全世帯調査に近く、道の調査より正確に実態を示している」と話している。【千々部一好】
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090530ddr041040005000c.html
関連ニュースは(http://blog.goo.ne.jp/ivelove/)
現実の実態把握がきちんと出来ていなかったことも問題ですし、きちんとした対策も求められています。もちろん、これらを含む諸課題は今後の有識者懇談会のまとめ報告によって変わっていくでしょうとも言っていましたので有識者懇に期待したいですね。
さて、今日は初山別の家庭集会のため往復し、明日ははたまたアイヌ民族関連の研究会で札幌。
その翌日は、お楽しみの世界先住民族ネットワークAINU「ウコ イソイタク 2009」
パネルディスカッション「先住民族として認められた意義とは?」です。
パネリストとして、佐々木利和さん(人間文化研究機構・国立民俗学博物館教授)、上村英明さん(市民外交センター代表・恵泉女学園大学教授)、阿部ユポさん(北海道アイヌ協会副理事長)が話されます。3月末のパネルディスカッションに比べ、有識者懇のまとめも進んでいる中、修正要望など具体的な審議ができることを願っています。
その後のマウコピリカ音楽祭も楽しみですな~~
アイヌ・レブルスも東京から来られるようです。
日時:2009年6月6日(土) 18:00~
場所:ヤマハミュージック北海道 ヤマハアベニュー(2F)
入場料:当日¥2,500 前売¥2,000
嵐山カムイノミのあとのリムセ(輪踊り)