今日(23日)は大阪場所千秋楽。ここ明石方面の気温は21度で暑いくらいだったが、
大阪場所も毎日熱戦が続き非常に面白く、 大関大の里が 高安との優勝決定戦を制し3回目の優勝となった。

14日目、それまで先頭に立っていた高安は美ノ海に負け、大の里が勝ったので、共に並んで千秋楽を迎えた。千秋楽、高安も大の里も勝って12勝で優勝決定戦に持ち込んだが、振り返ってみると14日目で優勝の行方は決まったように思う。と言うのは、初優勝を狙う35歳の高安にとって14日目に負けたことが一瞬にして緊張の糸が切れたような痛い黒星だった思う。一方対照的に、14日目の大の里は良い相撲を取った。かち上げで当たって大栄翔の上体を起こし、左喉輪で押し込むと、そのまま押し切った。馬力のある大栄翔に何もさせない完勝だった。この勢いの差が千秋楽の相撲に影響したように思う。
実は、今場所の優勝は高安だろうと、何時も良いところまで行くのに、決定戦で敗れたり、調子の良い場所ほど怪我に襲われ、悲運の相撲を取り続けていた高安、結局、「9度目の正直」もならなかった 。しかし個人的にはファンの一人として、今場所の高安は違うと、今場所は高安の優勝だと信じて、その筋書きで高安の優勝を前提に資料を集め、当ブログも途中まで書き進んでいたが没になって少し残念だった。その高安だが、8年前、高安が大関になった際、嬉しくなって当ブログにはこう書いていた「新聞紙上には『先代師匠の故・鳴戸親方(元横綱隆の里)は「悔いを残すな。後ろ指をさされるようなことをするな。日々稽古するのが我々の仕事だ」とまな弟子に繰り返し説いてきた。師匠の教えを守り、高安は再び稽古場で地力と自信をつけた。覚悟が実った大関昇進だった』と書いてある。同じ部屋の横綱稀勢の里とともに元横綱隆の里から中学卒業と同時に指導をうけた両力士の体形はよく似ているが、相撲運びは必ずしも同じには見えない。遇直なまでのひたむきさ、頑固さが信条の稀勢の里の相撲ではなく、高安には稀勢の里とは異なる強い大関になってほしいと思っている。その強さとは、張り差しやカチ上げなどの有無を言わせぬ打撃技、立ち合いの駆け引き等、荒い相撲を、相撲の美学からすると真逆のとんでもない相撲を高安には期待している。それを大いに期待すると言っても、稀勢の里とおなじ教育・指導を受けた高安ができるのか多少疑問には思うが、高安がこんな相撲を取りきれば数場所で横綱を張れる。気は優しくて力持ち、真面目で潔い金太郎のような相撲取りは稀勢の里一人で十分だ。勝つことへのどん欲さ、稀勢の里からは決して期待できない、良くも悪くも狡さを高安が身に付けたら、我々相撲ファンが期待する勝って憎たらしい程に強い日本人横綱が遠からず誕生するはずで、モンゴル力士なんのそのと思えるほどに強さがあふれ出る大関、横綱と昇進し続け、相撲人気は不動のものになるはずだ、と一相撲ファンは信じている」、と書いていたが、高安が優勝すれば、8年前のブログを付けて優勝を祝いたいと思っていた。