井沢満ブログ

後進に伝えたい技術論もないわけではなく、「井沢満の脚本講座」をたまに、後はのんびりよしなしごとを綴って行きます。

連ドラ

2014年09月30日 | ドラマ

今日は午後からの再放送で、「ドクターX」と、「相棒」を見た。

私は書く側なので、一般とは多少違う見方をする。

単純に面白い面白くないという価値観だけで見るわけではなく

脚本その他八方に目を配りながらなのだが、

この2作に「科捜研の女」の、とりわけ脚本には感心することが多い。

私は長いこと、医療ドラマのシリーズをほぼ一人で書いていたので

調べが必要なドラマの大変さはよく知っている。

テレビ朝日の3作共に、大変調べが入念でどうやっているのかなあ、と

いつも思いながら見ている。

むろん専門家がつくのだが、そもそも発想段階で知識を知らなければ

この物語は浮かばないのではないかと思うことも多々。

いったい、どういう仕組みなのか。

専門領域に詳しい人達を雇って、アドバイザーを兼ねたグループが用意

されているなら納得は行くのだが、よそさまの現場のことはわからない。

ただ、作家はその都度交代交代なので、私のように一人で書き通していた者とは

置かれた状況も違う。

私はほぼ文芸ものしか書かなくなって久しいが、それでもサスペンスや医療ものの

出来のいいのに遭遇すると、学ぶところがある。

「ドクターX」は、私が書いていた当時の(医療ドラマの先鞭をつけ、また題名に主人公名を

つけるドラマの走りであった、と当時のスタッフの皆さんと自負しているが)作劇とは違って、

かなりリアリズムから劇画寄りになっているが、

それも時代であろう。

米倉涼子さんと、水谷豊さんの主役の張りぶりは、これぞTHE 主役という

個性と華とを兼ね備えていて、さすがである。

ところでCMで、やたら滑舌のいい女優さんがいるなあと思ったら

倍賞千恵子さんだった。

あの時代の俳優さんは浅丘ルリ子さんもそうだが、口跡が良い。

もっと遡って、市川雷蔵、高峰秀子、若尾文子さんによる「紀の川」など

見ていると、画面を見なくてもお三方のメリハリの効いた、いい声音を聴いているだけで

楽しめる。

今どきあんな、くっきりしたエロキューションと美しい声で芝居を演ったら、日常感は失せる

けれど。


フィクションでも最小限やってはならぬこと

2014年09月29日 | ドラマ

韓国で、もしいまだ韓国が日本の植民地であったら、どうなのか
という演劇が賞を得たりして、話題だと報じられている。

「今日、植民地で生きる」というタイトルだそうだ。

面白い着想だが、しかしフィクションでも絶対曲げてはならない
史実がある。

同劇中、こんなくだりがあると報じられている。

“植民支配が今まで続き韓国人が言語や文化はもちろん、さらに名前までなくして日本人として生きる状況を仮定した”

教えられるまま、日本が韓国の人々の言葉まで奪った、と日本人でさえ
信じ込んでいる人々がいるが、その事実はない。
韓国の人々はそう教えられているが、ある日家の中を整理していたら
日帝時代の教科書が出て来て、ハングルが書かれてあり、
混乱する韓国人のエピソードを読んだことがある。

注意深くその当時の教科書は排除されたのだろうが、まだ
残っているようだ。いくつも画像でチェックしてみたことがあるが、日本語と
ハングルの併記が主要パターンのようだ。
併合により朝鮮の人々の識字率は飛躍的に上がり、というより
それまで貴族階級の寡占状態であったハングルを庶民に開放、
普及させたのは日本である。
真逆のことが韓国では教えこまれ、困ったことにそれを額面通り
受け取り信じこんでいる日本人がいる。

これは何度も書いたが、日韓併合はいわゆる「植民地」の概念には
当てはまらない。植民地というのは、言わずもがな搾取・被搾取の関係で
成り立つが、日本がやったのは本国から持ち出しての半島寄与であった。

学校も病院も日本が建て、平均寿命は急速に伸びた。
韓国初の聾学校も日本の建設である。この種の福祉に
関わる学校を搾取国が作るものか。

それまで世界の最貧国の1つであった韓国が、急速に近代化への
道を歩んだのは日韓併合なってからのことである。

韓国側から合邦の要請もあった。その時の電文も数通、
残っている。
そう、植民地ではなく合邦が実態には近い。
併合していなければ、そのまま清の属国として、奴隷扱いに
苛斂誅求を受けていたであろうし、あるいはソ連に取り込まれ
文字通り植民地化されていただろう。

もうさんざん、これらは書いてきて資料もそのつど提示して来たが
いささか言い飽きた。

でも、韓国が自らを被害者化、日本をあくまでも加害者に仕立て上げるするその手口を信じこんでいる日本人がまだまだいるので、芝居の情報を得たのをきっかけにわずかながら書いておく気になった。

文化も日本が弾圧した事実はない。ただ、言うにはばかる因習を
禁じた事実ならある。それを“文化”と称するなら、だが。


物忘れ

2014年09月28日 | 日記

人の名前は昔から全く記憶できない欠陥脳だったので、

今更改めて人の名を思い出さない、と嘆くこともないのだが、

仕事で組んだ有名俳優さんの名が、どうかすると出て来ない。

鯛茶漬けを食べたくなって、外出。食べて表に出たら、隣の店に

本●●●●とクレソンの茶漬けとあり、これは明日来ようと

固く決意したのだったが●●●●の部分が記憶から欠落。

季節の白身の魚で、上品な味が予想されるのだが、

はて、何だったろう。

あ、本スズキだ! ●の数が1つ多かったか。

本スズキとクレソンの茶漬け。

だった。


大量CM

2014年09月27日 | 日記

爪が弱いほうで、人の忠告でベースコートを塗ってみたりしたが光りすぎ、

バージンオイルに、爪強化に良いというレモンの精油を

垂らして塗っているうち、爪の先端が欠けることは

無くなったが、相変わらず薄い。

すると、テレビのCMでこれでもかと爪強化の“何とかネイル”という名称の

商品のCMが流れる。

当然買ったのだが、使い始めたばかりで効果の程はまだ不明。

どれだけの期間使えばいいのか、ずっと使い続ける必要が

あるのか、そこら辺のガイダンスが皆無。

ドイツ製だったか、とにかく海外の製品だった。

それにしても、これでもかと流れるCMは、採算が採れるのだろうか。

いっとき、2度洗いするための石鹸2個セットのCMが

ハリウッドの人気女優を使って、物凄い回数、流れていた。

ハリウッドの女優の前は日本の女優だった。

いずれにしても宣伝に莫大な費用をかけている。

それが、ある日を境にぱったり流れなくなった。

宣伝しなくても売れるようになったのか、宣伝しても

採算が採れるほどでもなくなったのか・・・・

何十歳以上の人のための薬用クリームは

昔から今までコンスタントに、そしてわりに頻繁に

CMが流れている。

商品の質と売れ筋とCMの回数との関係がよくわからない。

分かっているのはCMがやたら多い商品は当然

製品にその価格が乗っているだろうことで、イメージ勝負の

化粧品にその傾向が強いように見受けられる。

だから製品の種類によっては産地からブランド名でないのを

直接取り寄せるほうがうんと安い場合もある。


バナナで顔を拭く人

2014年09月27日 | 日記

美輪明宏さんの音楽会に、岩下志麻さんと出掛ける約束だったのだが、

岩下さんが「ドクターX」の撮影で行けなくなった話は

書いたが、それを美輪さんにお伝えしたら、

「昔、博品館劇場で演った『愛の讃歌』を見に来てくださったよ。くれぐれも

岩下さんによろしく伝えてちょうだい」

という伝言だったので、メールでお伝えして、

「ドクターXの撮影中で、お忙しくしていらっしゃることと思います。

どうぞ、ご返信のお心遣いはご無用にお願い申し上げます」

そう末尾に添えたのだが、律儀に打ち返しがあり、

「美輪さんが私のことを憶えてくださっていたこと、嬉しいです」

とあった。

博品館の『愛の讃歌』はもう遠い昔、岩下さんがたぶん

まだオンタイムで極道の妻をお演りになっていた頃では

なかろうか。

『愛の讃歌』という洋物に、極道の妻が現れたら、そりゃあ

忘れはなさらぬと思う。

岩下さんはその性格もそうなのだが、銀幕のよき時代の、

それも、おっとりした松竹の出身なので、のんびりしてらして

極道とは縁遠い方。

私が気に入っている逸話がある。

目がお悪いのだが、ある日ある場所に出かけたら、

テーブルに黄色いおしぼりがあったので、顔を拭いたらバナナだった。

・・・・という。

と、実はこれ私の脚色で、本当は黄色いおしぼりを見て、

「あら、なぜテーブルにバナナを転がしてるのかしら」

と思われた、というのが真実である。

でも、おしぼりだと思い込んで顔を拭いた、というほうが

面白いので、そうしている。

ネタはバラすので、怒られないと思うが。