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クロス豚がゆく

やりたいことは増える一方、しかし自分の時間は減る一方。
そんな中での悪あがきと迷走の日々。

ポータブルラジオ用のアッテネーターを自作

2010-01-20 01:47:09 | Weblog
ラジオに外付けのアンテナを繋ぐ話…というと、それだけで
今の世の中で普通に暮らす人たちには99.93%の確率で
”ドン引き”されるはずだが、あえて今回はその話で進めたい。



ラジオ好きであることは、すでに過去の記事でご紹介のとおり。
ICF-SW55という長年の旅の相棒であったBCLラジオを修理してもらった
こと
を機会に、
「高層マンションだし、外部アンテナを出せばきっと面白かろう…」などと
考えて、ベランダにさりげなく303WA-2という外部アンテナを出したところ、
国内外の放送が予想以上に良好に受信できることが分かった。

これは面白い!と、ベランダの一角に2年間かけてじわりじわりとアンテナを
建て続け、今や冒頭でご覧いただいた写真のとおりとなった。

さて、これらの外部アンテナとBCLラジオを繋ぐには、下の写真の赤丸部分の
コードが必要になる。

このコード、昔風ボリュームの親戚のような外形をしているが
実はなかなかの優れものなのである。
通常、我が家にあるようなアンテナを普通のBCLラジオにそのままつなぐと、
ラジオに入る放送電波が強くなりすぎ、特にNHKやAFNのような強力な放送が
受信周波数のどこにでも現れてしまう現象が起こってしまう。
そのため、外部アンテナが捉えた電波を適切な強さ(ラジオごとに異なる)まで
調節してラジオに送り込むことが必要になるが、その役割を担うのがこのコード。
正式には”アッテネーター付きアンテナ変換ケーブル”と言うらしいが、
ややこしいので”件のコード”と以後呼ぶことにして話を続けたい。

”件のコード”は、要するにラジオに外部アンテナをつなぐ場合に必要になる
部品なのだが、既製品はこれまで通販でしか見かけたことがない。
しかも、それだけを買おうとすると、製品価格に対して送料の割合が高く
なってしまうため、通販で買う場合の心理抵抗はかなり大きい。

写真のものは、最初に買った外部アンテナと一緒に買った。
当時は外部アンテナは1本、アンテナをつなげられるBCLラジオも1台しか
なかったので、それで不便を感じることはなかった。

しかし、それから通信型受信機のIC-R75や中国製BCLラジオのGrundigG6
さりげなく手に入れ、寝室でもICF-2001DというBCLラジオを使うようになった。

通信型受信機は高性能ながら外部アンテナをつながないと全く聴こえないし、
BCLラジオも本領を発揮させたいなら、外部アンテナ接続が望ましい。
しかし、”件のコード”は相変わらず1本で、自室と寝室を移動するたびに
”件のコード”を持ち歩かなければならない状態になった。
また、せっかくラジオとアンテナは複数備えたのに、複数のラジオを同時に
稼動させ、同じ放送の受信状態を機材別に比較するような(マニアックな)
使い方はできないなど、次第に不便を感じる状態になってきた。

せめて自室用と寝室用には”件のコード”を各々1つずつ置きたい。

秋葉原あたりの無線屋になら、製品もあるんじゃないか…と思いながらも、
なかなか探しに行くチャンスには恵まれなかった。

そんな中、突然にチャンスは訪れた。
相棒が珍しく「たまには一人で出かけたら?」と言ってきたのだ。

こんな機会はめったにない。
”件のコード”問題に、今日こそけりをつけてやる。

”あわてる乞食はもらいが少ない”というから、こんな機会にこそ
準備が肝心だ。
まずは”件のコード”の実体を見極めるため分解してみた。

便利で高機能(たぶん中身は複雑と想像していた)にも関わらず、
意外にも単純な構造。
コンデンサはインターネットで類似情報を検索して、可変抵抗は
テスターを使って部品の規格を特定した。

それだけの準備の後にクロスライダーで秋葉原へ出かけたのだが、
それでも往生際悪く、無線専門店を探して、”件のコード”が
販売されていないか探してみた。(自作に自信が無いんで…)

しかしやはりというべきか、今や秋葉原でも無線専門店は絶滅寸前。
ようやく見つけた店にも”件のコード”は売っていなかった。

「それならば、やむなし」である。

パーツ店を2軒回って、事前の下調べで確認した部品と同等のものを
集めた。


調達したパーツ類(いずれも各1個)
 ABSプラケース 100円
 可変抵抗1kΩ 50円
 つまみ30円
 積層セラミックコンデンサ50V0.1uF 10円
 BNC-Pコネクタ丸座 180円
 3,5mmミニジャック差込口 40円 
 スピーカー用コード1m 40円
 はんだ 100円

クロスライダーをすっ飛ばして帰宅し、早速作業に着手。
はんだ作業も久しぶりだが、組み立てで一番難しかったのは、
ABSケースの穴あけだ。
ドリルを持っていないので、安物のドライバセットの千枚通しを
バーナーで焼いてから、ABSプラケースの穴あけ箇所を突き通し、
丸やすりで目的のサイズに仕上げるやり方でやっつけた。

テスターで確認した可変抵抗の信号入口側に、BNC端子の信号側(中央)をつなぎ、
信号出口側にはコンデンサを介して、(一部のラジオのアンテナ端子から出る
電圧をカットするため)ミニジャックの信号側へ配線。
BNC端子のアース側は、可変抵抗のアース端子を経由させて、ミニジャックの
アース端子側に配線した。

配線に使ったスピーカーコードは切り売りの最小単位の1mで買ったが、
使う長さは5cmほど、コンデンサの”足”の端切れの流用では届かない
ミニジャックへの配線だけだ。

写真撮影とABSケースの穴あけ加工を含めても1時間ほどで完成。

テスターで意図通りの導通であることを確認してからラジオをつなぎ、
1669kHzの灯台放送と短波の中国国際放送をターゲットにして
受信テストを行い、十分に機能していることも確認できた。

自作した”件のコード”は寝室に配置。とりあえずは満足。

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