発売直前で突如中止に
くま川鉄道は先日、「くま川鉄道応援きっぷ」を販売する予定だったのですが、昨日突如その発売が中止(公式サイトやツイッター告知では「見合わせ」となっていますが、実際には販売自体が”なかった”ことにされたようです)になってしまいました。
これは、Loseのシナリオライターさんである進行豹さんが存続の危機を迎えているくま川鉄道のためにボランティアとして提供・企画されたもので、声優さん、イラストレーターさんたちとコラボレーションし、ARアプリと連動した1日乗車券とCDをセットにしたものを販売する予定のものでした。うまくいっていれば来月初めにはイベントやくま川鉄道公式オンラインショップで販売される”はず”でした。
キャラデザインは熊本をモデルにした”隈元”が登場する「まいてつ」のキャラを起用したものの、原作が現状18禁ゲームであるため、キャラ設定は原作ゲームとは別人(彼女たちが鉄道を動かすための端末”レイルロオド”であるという設定もなし)でキャラ設定も存在(双子と三つ子という設定だったようです)し、ボランティアであることも踏まえLoseや原作ゲームのロゴは一切入れないなどかなり配慮したものだったのですが・・・
悲劇は、繰り返される。
当初このコラボレーションをLose公式が専用ページを設けて告知したため、これが問題になった(あくまでくま川鉄道の社長さんは「イラストレーターさんはいるが、諸事情により誰かは明かせない」という趣旨の発言をしていた)のかと思われたのですが、どうもそうではなく実際には「第三者がエロゲのキャラクターを流用していることを熊本市の議員に通報し、それが熊本市議会で問題となってしまったために企画自体が中止になってしまった」というのが真相のようです。リンク先は「市民が通報」とありますが、おそらくこれを通報したのは熊本市民ではないんじゃないかと思われます。同時期にTwitterではイラストレーターさんのアカウントを「児童ポルノ」として通報してアカウント停止に持ち込む輩が存在したようですが、これとの関連は不明。
市議会の「普通のゲームじゃない」発言(普通のゲームって何だ?議員さんの頭の中ではアタリの「Pong」とかタイトーの「スペース・インベーダー」あたりで止まってないか?)も残念なのですが、あくまでボランティアで金銭的なものは一切発生せず、18禁ゲームであることがわからないようできるだけ配慮されたにもかかわらずこのような結果になってしまったのは個人的にも無念な限り。この通報でこの企画に参加した方のすべての行為が無に帰されてしまったとおもうと怒りすら感じています。
このような事例は実は14年前にも起きており、D.C.シリーズで現在は有名となっているサーカスが「水夏」という作品のキャラを登場させた「水夏~おー・157章~」を埼玉県内の学校に配布しようとしたところ、県会議員の「18禁ゲームのキャラを使うのはAV女優が授業に出てくるようなものでふさわしくない!やめさせろ!」発言から流れてしまったという事件が起きています。(製品自体はのちに全年齢向けパッケージ製品として発売されたので企画自体がつぶされてしまった今回の件よりは救いがあると思いますが…)
議員といわれる人の認識がこのころから全く変わっていないのも残念ですが、この悲劇が2016年になって再び繰り返されてしまったこと自体も非常に残念です。18禁ゲームはたしかに偏見の目で見られがちとは言え…
まだチャンスはある。
とはいえ今回は企画自体が中止ということになってしまったものの、まいてつにかんしていえば先日発売したビジュアルブックの座談会の内容からアニメ化も視野に入れていることやおそらくPS Vitaなどのコンシューマ移植もほぼ確定(Hシーンが独立したアタッチメント式になっており、現状でもそのまま全年齢化が可能なつくりになっている)でしょうから、全年齢版をリリースした暁にはふたたびくま鉄とのコラボを実現してほしいところです。全年齢版が出れば(それでも原作はエロゲだろ!とか偏見行ってくる香具師入るでしょうが…)何も問題なくコラボできるはずですから。
非常に残念な結果にはなってしまったものの、いずれまたこの乗車券がちゃんとした形で、くま川鉄道や熊川県に支援できる形で販売されることを、管理人かのあゆは強く願っております。