世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

愛知大学元研究員が盗用!

2023-10-29 15:16:01 | 社会

愛知大学元研究員が盗用を行った。中国語から日本語に翻訳して盗用。論文は撤回勧告。

大学トップ調査結果

調査結果によると「調査ノートのさらなる根拠としてフィールド調査時の手書きメモ(写し)が提出されたが、本調査開始後に調査対象論文の文章そのものが手書きメモに書き加えられたこと(手書きメモの捏造)を確認した。」

これが致命傷になり盗用認定。「手書きメモの捏造をしたことは、当人の研究倫理の欠如を物語っている。」と断じられた。

これと似た例は国立環境研究所・大阪大学事件で捏造指摘された直後に捏造を隠蔽するために意図的に嘘を記載して全結果と主たる結論を書き換えた非常に悪質な隠蔽があった。このような隠蔽行為は捏造などの有力な証拠になり、愛知大学では盗用を認定された。また特に悪質と断じられた。加藤茂明らの事件でも論文の捏造を把握していながら、撤回を回避するために実験ノートの捏造、改ざんを指示し、編集者に嘘の回答をするなど極めて不当な対応をとっていた事で特に悪質と判断され立証妨害などの理由で懲戒解雇になった。これが通常の扱いであるが、国立環境研究所・大阪大学事件では日本計画行政学会も含めて組織ぐるみで隠蔽しているため不正行為を認めようせず黒を白にする極めて悪質な状態が続ている。

研究機関が隠蔽するケースは特に悪質であり、必ず改善が必要だ。


岩手医科大学で改ざん、不適切なオーサーシップ!

2023-10-19 01:06:55 | 社会

岩手医科大学で改ざん、不適切なオーサーシップが認定された。論文は撤回勧告、被告発者は処分予定。

大学公表、トップ調査結果

岩手めんこいテレビNHK岩手岩手朝日テレビ

同じ細胞による実験結果の写真について異なる細胞のものである旨を記載。これを改ざんと認定された。被告発者は誤って記載したと主張したが『故意であるかを判断するのは難しいが、このグラフとこの写真は、当該論文の発表以前に行われた学会発表時点では別の細胞を使用した実験の結果として発表されており、実験ノートや写真データを確認すれば容易に防げた誤りであり、その結果生じた影響を考慮すれば、研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことにより「改ざん」の状態が生じたと判断せざるを得ない。』と判断された。


吉本昌広 京都工芸繊維大副学長、論文5本で自己盗用、調査!

2023-10-19 00:27:22 | 社会

吉本昌広(Masahiro Yoshimoto)京都工芸繊維大副学長が論文5本で自己盗用したとして調査中。

二重投稿も自己盗用の一種。これが不正行為になる理由についてはずいぶん前に執筆した2011年7月26日の公表だから、ずいぶん前だ井上明久の二重投稿が問題になり、東北大学の調査委員会が基準を出したころだったかもしれない

毎日

山崎茂明の著書で二重投稿を不正行為とする理由が言及されていて井上明久の二重投稿の調査の際にも言及された。昔は情報が伝わり難く複数の学術誌に出したが、情報がきちんと伝わるようになると学術出版へのエネルギーやコスト軽減などの要請で控えるようになったということだが、こんな理由ははっきりいって前時代的なもので現代においては全く適切でない。二重投稿が不正とされるのは新規性の重複主張、業績水増し、著作権の二重譲渡の違法性などが理由で、学術出版に対するエネルギーやコスト軽減などが理由ではなく、悪質行為、犯罪などを規制する事が趣旨である。山崎の説では軽微なことを規制するかのように思うかもしれないが、現代において二重投稿が不正行為とされるのはもっと悪質な事が理由である。二重投稿が軽微な事などと考えてはいけない。

2011年に執筆した事を12年以上も経過して再度言及したので、今更という感じもするのだが、二重投稿や自己盗用については未だにルールなどを理解していない研究者が多いのかもしれない。査読付き論文で公表しなければ二重投稿にならず、国際会議のプロシーディングスと査読付き論文の重複は二重投稿などの不正行為にならないとか、学術誌の投稿規定やポリシーを無視して独善的で勝手な考え方を主張する研究者は多い。そういう研究者は井上明久のように二重投稿の不正行為が認定されて論文撤回となる事がある。井上明久は国際会議のプロシーディングスと査読付き論文の重複で二重投稿の不正を認定され論文撤回された。井上明久が二重投稿した論文数は10報以上だったと思う。

松原靖子櫻井保志大阪大らの二重投稿時の主張のように倫理意識が欠如した異常な考え方で二重投稿する准教授、教授もいる。具体的には「論文誌によって二重投稿の基準が異なるとの理解の下、ごく一部の関係者でのみ通用する運用基準さえクリアすれば問題ないと認識している」、「学会発表と論文掲載を同一視し、二重投稿にならないと誤った認識をしていた」、「既に発表した研究成果であっても、当該論文に、一定程度の差分を加えれば二重投稿には当たらないとの認識を持っていた」という考え方。このような考え方の根底には論文を出すことが業績であり、そのためにできる限り有利な基準で発表しても許されるという極めて自己中心的で甘い考えがある。こういう人物が一流大学で学生を教育する教授、准教授だったという現実は危機的かもしれないが、事件からずいぶん経って忘れ去られたかもしれない。

業績を出したいからといって学術誌の投稿規定やポリシーを無視して独善的で勝手な考え方で二重投稿すると不正行為になり論文が撤回され公表されてしまうので注意が必要である。


将棋棋士の呼称・肩書のルール

2023-10-18 22:00:00 | 囲碁・将棋

将棋棋士の呼称・肩書のルールについて解説する。序列規定のように明文化された規則はなく慣習であり、原則は以下のとおり。

(1)名人、竜王を持っているかどうか

名人、竜王を持っている場合は呼称は必ず名人または竜王になる。両方持っている場合は竜王・名人とよばれる。現在藤井聡太は八冠を保持しているが、藤井聡太竜王・名人であり、藤井聡太八冠ではない。

他にも渡辺明が名人を含めて三冠だった時代は渡辺明名人であり、渡辺明三冠ではない。

なお、段位の免状は名人、竜王の順に署名され両方持っている場合は名人・竜王と署名されることが多い

(2)他のタイトルを保持しているかどうか<(1)に該当しない場合>

タイトルを保持してる場合はタイトルの呼称で呼ばれる。複数持っている場合は二冠、三冠などと呼ばれたり、王位・王座などと呼ばれる。王位・王座のように具体的なタイトルで呼称する場合の順番はタイトルの序列順になる。

例えば羽生善治が王位・王座の二冠だった時は羽生善治二冠又は王位・王座と呼ばれていた。タイトルの序列は棋戦の契約金額の順番。日本将棋連盟の棋戦一覧で上に記載されたものほど上位の棋戦

(3)永世名人を襲位しているかどうか<(1)(2)に該当しない場合>

永世名人を襲位している場合は、その呼称で呼ばれる。他にどれだけ永世称号を持っていても同様。例えば大山康晴や中原誠は永世名人の他にも永世棋聖などを襲位したが大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人と呼ばれる。

なお、永世名人は序列においても他の永世称号襲位者より上である

(4)他の永世称号を襲位しているかどうか<(1)(2)(3)に該当しない場合、例外あり>

他の永世称号を襲位している場合は、その呼称で呼ばれる。例えば米長邦雄永世棋聖などと呼ばれる。永世名人以外の複数の永世称号を襲位した場合の呼称のルールについては前例がなく不明。これまで複数の永世称号を襲位したのは大山康晴と中原誠だけで、どちらも永世名人を襲位したため。渡辺明が永世竜王と永世棋王の資格を取得している。呼称の例として、タイトルに準じる扱いをするなら、永世竜王を保持した場合は他に永世称号を持っていても永世竜王と呼ぶかもしれない。永世二冠、永世竜王・永世棋王などのように呼ぶかもしれない。具体的に永世竜王・永世棋王のように呼ぶ場合はタイトル序列の順に呼称されるだろう。

例外として追贈のタイトル称号を贈られた場合は、その呼称になることがある。塚田正夫は永世九段を持っていたが、名誉十段を追贈され、塚田正夫名誉十段と呼ばれている。

(5)実力制名人や追贈のタイトル称号を襲位しているかどうか<(1)(2)(3)(4)に該当しない場合>

実力制名人や追贈のタイトル称号を襲位している場合は、その呼称で呼ばれる。例えば升田幸三実力制第四代名人、土居市太郎名誉名人と呼ばれる。升田幸三は名誉名人を打診されたが「名誉名人は名人になれなかった者の称号だ。私は名人になった。」と言って固辞したという。塚田正夫は永世九段や実力制第二代名人を持っているのに追贈の名誉十段で呼ばれている。

たぶん塚田正夫は永世称号を持っているのだから、その称号で呼ぶべきだが、永世九段は段位としての九段の称号に似ていて呼称として権威に欠けるので避けたい。かといって永世十段の資格を持っていないので、そのように呼べず折衷案で名誉十段と呼ばれているのかもしれない。名誉九段も九段になれなかった人に対して追贈されるもので、「名誉」といっても余り名誉でないところがある。

(6)段位<上記以外>

タイトルをもたず永世称号、追贈の称号を襲位していない場合は段位で呼ばれる。例えば渡辺明九段、豊島将之九段などと呼ばれる。

原則は上記のとおりだが、状況によって呼び方が変わる。

(A)タイトル戦や一般棋戦の前優勝者

タイトル戦では必ずタイトルホルダーが棋戦タイトルで呼ばれる。藤井聡太は八冠でも棋王戦では藤井聡太棋王と呼ばれる。NHK杯では前回優勝した藤井聡太は八冠でも藤井聡太NHK杯選手権者、藤井聡太NHK杯などと呼ばれる。

(B)複数のタイトル保持を強調したい場合の報道

藤井聡太が八冠全冠制覇を達成したことを強調したい場合など、複数のタイトル保持を強調したい場合には藤井聡太八冠などと呼ばれることがある。

(C)署名するとき

署名する場合は場合によって正式な呼称以外の永世称号を署名することがある。永世称号を襲位していなくても永世称号で署名(signature)するようだ。たぶんサイン(autograph)するときにも永世称号を襲位していなくても、その肩書を記載することがある。

なお署名(signature)とは契約書や任命状などに自署するもの、サイン(autograph)は有名人などが色紙などに自署するもの。

(D)タイトルを失った直後や回想の場合

タイトルを失った直後は失ったタイトルで呼ばれることがある。例えば第71期王座戦第4局では永瀬拓矢がタイトルを失った直後は正式には永瀬拓矢九段だが、タイトル戦の中継時には解説で永瀬拓矢王座と呼ばれていた。

タイトルをとった直後に藤井聡太新王座などと呼ぶこともある。

過去の棋戦を振り返って「加藤一二三名人と谷川浩司八段の名人戦は・・・」などということもある。

(E)スポンサーの放送や報道の場合

スポンサーの放送や報道の場合に優勝者は棋戦の呼称でよばれることがある。例えばNHKの将棋番組や報道の場合、藤井聡太は八冠でも藤井聡太NHK杯選手権者、藤井聡太NHK杯などと呼ばれる。他、産経新聞でも藤井聡太竜王・名人、八冠ではなく、藤井聡太棋聖と呼ばれることがある。

以上。原則は上述のとおりだが、状況によって呼称はいろいろ変化するようだ。


女子美術大学元大学生が盗作で学士と卒業取消し!

2023-10-04 20:11:10 | 社会

女子美術大学 元芸術学部生が卒業制作で剽窃(盗作)を行ったため卒業と学士(芸術)が取り消された。

大学公表写し1写し2

学部の卒業と学士の取消しは非常に珍しい。前に埼玉女子誘拐事件で寺内樺風が千葉大学の卒業と学士を取り消された例があったが、これは卒業直後に犯罪行為で取り消されたもので、不正行為を理由に事後的に卒業と学士を取り消されたのは日本で初めてかもしれない。私の知る限り卒業と学士取消として2例目。学士は学位だが博士とちがって論文審査に合格して与えられるものでなく、必要な単位をとれば与えらえるものなので、卒業制作の盗作で学位と卒業を取り消してしまうのは博士の取消のケースとは違うかもしれない。学位規則としては学位の不正取得なら学士も取り消せるのだろうが、学士については現実にそれが適用されることはないと思っていた。単位の不正取得で遡及的に卒業要件を満たさなくなったということはあるかもしれないけど、再度単位をとれば卒業要件を満たすので、せいぜい猶予付き取消という気もするのだが、本当に学士と卒業が取り消されてしまうとは。

以前も牧真奈美 元愛知県立大学女学生大川沙也加 元お茶の水女子大学が卒論で盗用したという事例があったが愛知県立大学の盗用事件では牧真奈美が卒業しているとして無処分、お茶の水女子大学の盗用事件では大川沙也加の卒業と学士取消が行われた事を確認できない。卒論や卒業制作の盗用だと・・・学士や卒業の取消は厳しいんでしょうかね。女子美術大学の学位規則では学士取消になるので、こういう事も起き得るのだろう。

現実に不正行為で学士と卒業が取り消された前例として歴史に残る事件かもしれない。

参考
[1]埼玉女子誘拐事件での卒業と学士取消文献1文献2文献3