世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

メガコレクションの妥当性

2017-05-24 21:27:00 | 社会

論文の捏造を疑われた時に、メガコレクション(大量訂正)を行って結論は間違っていないと主張し論文撤回を回避し、不正をごまかす事がある。某国立研究機関研究所の例など、いろいろ例がある。

メガコレクションで撤回回避や不正の隠蔽を行って大きな損害を回避できたと不正行為者は思うのだろう。しかし、本当にそうか?ガチ議論サイトの顕名の議論などをみると逆だ。

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近藤滋氏

自主的にリトラクションした人と、明らかなコピペを指摘されても強制されるまで処置しない人や無理やりメガコレクションでごまかす人のどちらを信用する気になりますか?

たとえ、コレクションをジャーナルが認めたにせよ、読者はその論文のデータを信用しないので、その論文は「アカデミックな意味で」存在価値がありません。したがって、その論文に関する全てを代表する責任著者の義務として自主的にリトラクションをするべきだと、私は思います。

私がグラントや新規採用の審査委員であったとして、応募者の論文リストにメガコレクションの論文があれば、信用できない研究者と判断し大きなマイナス評価をします。中川さんもおそらく同じだと思います。逆に、リトラクションされていれば、リストにその論文がないので評価には影響しません。

Shinichi Nakagawa氏

これまでの論文に関しては悪質なもの(常習性やメガコレクション)に関して、個別に対応するほうが良い、という意見です。


Ponanza、佐藤天彦名人に2連勝! - 第2期電王戦

2017-05-20 19:39:56 | 囲碁・将棋

第2期電王戦はPonanzaが佐藤天彦名人に2連勝して終結した。現役の名人さえ1度も勝てなかった。コンピューター将棋はもう人間より強い。これからはコンピューター将棋をうまく使って研究し強くなっていく事が必要だ。

今回の対局は名人に2連勝したというだけでなくコンピューター将棋が人間の力を超えた事を示した点で歴史的かもしれない。


斎藤祐司が論文捏造、改ざんで日本麻酔科学会を永久追放!

2017-05-19 20:00:00 | 社会

斎藤祐司が論文捏造、改ざんで日本麻酔科学会を永久追放された。昨年5月に海外のエディター連合から斎藤祐司の論文に捏造の疑いがあると麻酔科学会に通報があり、約40編の論文を調査[1]。その結果、データの改ざん又は捏造がほぼ確実に判定できる論文が数編あり、研究倫理に著しく問題がある論文も数編見つかったという。

理事会声明によると斎藤祐司は調査開始段階で同学会に退会届を提出し、同学会は法令及び定款上受理せざるを得なかったが、調査結果を受けて同学会は麻酔科医および研究者全般の信用を多大に失墜させ、国民への安全な医療提供にも多くの悪影響を与えた斎藤祐司には、麻酔科医師、研究者としての資質に著しく欠けると判断し、永久に日本麻酔科学会への再入会を認めないこととした。

日本麻酔科学会理事会声明写し

斎藤祐司は藤井善隆写し)の世界記録捏造でも捏造論文の共著者で

『斎藤祐司氏 38 編(筆頭論文11,共著論文27)

藤井氏とは全く別に研究を行っており,研究自体に協力したことはない.それにも関わら
ず,共著者となっているのは,お互いに業績を増やすために論文に名前をいれあうとする約束を結んでいたからである.[2]』

と公表された。ギフトオーサーシップは不正。このような行為は慣行でも認められていない。さらに患者の同意を得ない研究で論文が撤回になった事もあった

不正を続ける者は倫理意識が欠如しているため、たくさん不正を行う。藤井善隆だけでなく斎藤祐司も同類だった。世界記録捏造が発覚した時、斎藤祐司は捏造の責任を免れるためにギフトオーサーを自白したのではないかと疑った。不正論文の数からいって藤井善隆の捏造に気づいていなかったのは不自然だと思ったからだ。

今回の調査で斎藤祐司も捏造、改ざんを行っていた事が判明した。疑義論文数が約40編だから、かなり多い。藤井善隆も斎藤祐司も麻酔科医で、世界2位の撤回論文数を持つヨハヒム・ボルドやSTAP事件で有名なチャールズ・バカンティも麻酔科医。なぜ麻酔科医にこれほど捏造犯がいるのかは不明。

2016年10月にいわき市の社団医療法人呉羽会 呉羽総合病院に麻酔科部長として着任した人で齋藤祐司写し)という名の人がいる。

斎藤祐司は日本麻酔科学会から麻酔科医、研究者としての資質が著しく欠けると判断され、同学会から永久追放された。永久追放されたのは藤井善隆続き二人目[3]。

学会から公式にこのように公言されてしまって医師を続けられるのかと思うかもしれないが、もっとひどい扱いだったは藤井善隆産業医や保健衛生のコンサルタントとして活動を続けている。だから斎藤祐司も何らかの形で活動を続けるかもしれない。

悪質な捏造で懲戒解雇になった松原弘明淀川若葉会病院の院長を務めたし北川浩史関連)はえばらサンクリニックの雇われ院長になり柳澤明子村山明子関連)は柳沢ファミリークリニックの院長になり岡嶋研二関連は名古屋Kクリニックの院長になり上原亜希子関連1関連2)はあおい杜在宅歯科クリニック仙台中央を開院した。

医師、歯科医師免許を持っていると捏造しても仕事を続けられる人が多いかもしれない。

参考
[1]リトラクションウォッチが疑義の詳細を報道。麻酔科医のJohn CarlisleとJohn Loadsmanが1993年から2012年に発表された31編と2015年に拒絶された1編、合計32編を統計的に調べた。うち23編で藤井善隆は著者でなかった。
[2]日本麻酔科学会の調査報告書概要 2012.6.28
[3]診療報酬詐欺で詐欺罪に問われ、懲役3年執行猶予4年を言い渡された元タレントの脇坂英理子関連)も永久追放したという理事会声明が公表された脇坂英理子と斎藤祐司の理事会声明は同日付なので、どちらも二人目といえるかもしれない。永久追放になったのは私の知る限り3人。

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(2017年6月7日追記)

リトラクションウォッチで報道写し)。本ブログが謝辞で紹介。


高カカオチョコレートで脳が若返るという研究が検証開始

2017-05-19 00:00:00 | 社会

NTTデータ経営研究所シニアマネージャーの山川義徳氏らの高カカオチョコレートで脳が若返るという研究について疑問が出されたこの研究の検証が始まった事が報じられた

江谷典子氏の薬の副作用の予測がほぼ100%可能という論文の信憑性も疑問が出て一部で報道された。これは予備的成果ではなく研究論文として発表された京大は研究成果を宣伝した

みなさんはどう思いますか。


ソウル大の院生、教授が改ざんで論文5編撤回!

2017-05-18 21:27:00 | 社会

ソウル大学の大学院生と教授が改ざんを実行し論文が5編が撤回された。強誘電体メモリーに関する論文。筆頭著者だった大学院生が改ざんを実行、教授は責任著者で監督責任があると判断された。リトラクションウォッチの報道。筆頭著者はJae Hyo Park、責任著者はSeung Ki Joo

ソウル大学というとあの事件を思い出す。改善を期待する。


池元茂、濱田泰以、高井由佳が二重投稿と著作権侵害で論文取消し!

2017-05-16 00:00:00 | 社会

池元茂 京都工芸繊維大学、濱田泰以 京都工芸繊維大学伝統みらい教育研究センター教授高井由佳Yuka Takai経歴大阪産業大学デザイン工学部情報システム学科講師論文が二重投稿と著作権侵害で取消された

二重投稿と取消し公告写し

池元 茂,濱田 泰以高井 由佳.
ソリッドカラーを用いた自動車修理塗装作業における熟練技術者の動作の特徴
人間工学 52(5),197-203, 2016(2016 年10 月15日発行)

原論文は

論文名   Expert’s common factor of painting motion in auto repair painting process.
著者    Shigeru Ikemoto,  Hiroyuki Hamada,  Yuka Takai
掲載誌   Advances in Ergonomics of Manufacturing: Managing the Enterprise of the Future (vol.490 Advances in Intelligent Systems and Computing ),23-33, (First Online : 10 July 2016), Springer International Publishing.
論文の種類  Proceeding (AHFE 2016) Paper

査読付論文とプロシーディングの重複。こういうのは二重投稿でないと主張する人がいるが、日本人間工学会理事会は投稿規定に違反する事を理由に二重投稿と判断し論文を取り消した。注意が必要だ。


査読や人事の審査は機能しているか?

2017-05-14 13:00:00 | 社会

査読と検証による淘汰に研究不正の抑止力はあるかという記事が出た。その1,2

『 だが査読を通過して論文が掲載されても、他の研究者が追試して再現されなければ学術的な成果として認められない。インパクトのある研究ほど世界の研究者を巻き込むため、追試が徒労に終われば、不正をした研究者は信用を失う。

 ある医学会理事長経験者は、「不正一つで悪評が立ち、積み上げてきた業績が吹き飛ぶ。科学は膨大な失敗の上に成り立つが、論文にしないため、(失敗は)研究室から外には出さない」という。』(ニュースイッチ 2017.5.14)

再現性がない事で信用を失う事が抑止力になるのだろうか。これまでの不正をみると査読は研究不正を見抜く十分な機能を持たず、不正論文を掲載してしまう。STAP論文や最近のプラ粒子のサイエンス論文はその例だ。

このような論文はまだ検証されるだけよく、誰にも読まれない論文は再現性が全く確認されない。

「まったく再検証されず再現性もない領域は、誰のための研究活動なのか説明するところから始める必要がある。」(ニュースイッチ 2017.5.14)

例えば医学や経済学の研究で現実の医療や政策に役立たせることを目的に研究をやったのに、誰にも読まれず検証されず、再現性もない研究は実際にあり、いったい何のための研究か疑問に思う。せいぜい論文著者が業績を作るために研究を発表したに過ぎない。本来は研究成果の利益を受ける人たちのための発表だが、そういう意味ではまあ・・・。端的にいうのは適切ではないので、この程度の表現にしておく。

査読や人事の審査では研究の信頼性や不正を見抜く力が十分ないと言わざるを得ない。実際上の論文やO 30代女性研究者を採用してしまった人事を見てしまうと、十分な審査をしていないのではないかと疑う。きちんと論文を読めば、ある程度研究の質や信頼性はわかり、不正論文発表などの実害を防げたはずだが、その点では全然審査をしていないのかもしれない。結局、害悪にしかならない者を採用し、不正論文を掲載してしまった。

それをきちんと認めて改善できるところはまだいい方で、不都合だから無視したり、隠蔽するところもある。

改善が必要だ。


高級なステーキの美味しい食べ方

2017-05-10 00:00:00 | Weblog

高級なステーキとしてすごく厚いステーキが出てくる事がある。厚いから高級という事なのだろう。

厚いステーキはうまく焼くのが難しいかもしれない。厚いと中までうまく焼くのが難しく、焼き過ぎると表面に近い部分は焦げてしまう。

適切な厚さに分けて焼いて、何枚か食べた方が美味しいだろう。


サイエンス、プラ粒子論文を撤回!捏造!!

2017-05-05 13:00:00 | 社会

サイエンス誌がスウェーデンのUppsala UniversityのOona LönnstedtとPeter Eklöv論文を撤回した。論文は微小プラスチックごみが稚魚の成長に悪影響を及ぼすという内容。

2016年12月にExpression of Concernが出され、2017年5月3日に撤回された

撤回理由

(1)実験に対する倫理承認の欠如
(2)論文で報告された実験のオリジナルデータの不存在
(3)実験がいかに実施されたかに関する広範な透明性の欠如

サイエンスのニュースによると実験を実施したOona Lönnstedtが十分な期間実験を実施した施設にいなかった事が疑われた。実験の実施が不可能であるから捏造が疑われた。調査でオリジナルデータの不存在、実験方法の広範な不透明さが明らかになったので捏造だった。現在でもUppsala Universityの調査は続いているようだ。

Oona Lönnstedtプロフィールによると2009年にオーストラリアのJames Cook Universityで学士を得たので、1986年頃の生まれ。不正行為時が約30歳、現在約31歳。約30歳の女性が著名学術誌で捏造をしてしまった事件というと小保方晴子を思い出す。著名学術誌ではないが、別のO 30代女性研究者の捏造も約30歳の時だった。

共同朝日も報道した。国際的に騒がれているのかもしれない。不正の動機はおそらく名声や地位、予算が欲しかったのだろう。環境系の捏造だから、著者、政府関係者、国際環境団体等が提言したい政策にとって有利な成果を出したかったという動機もあるかもしれない。放置されていたら間違った研究や政策の実施で大損害が出たおそれがあったから、迅速に撤回されて良かった。Oona Lönnstedtらは調査結果に同意していないようだが、実験が不可能などの証拠が出てしまうとアウトだ。「結果が正しくても疑いが残る限り信頼されない」と言ったようだ。

O 30代女性研究者のような事件は他の国でもあるんだなー。