世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

研究公正の分野であまり有名になりたくない。他の分野で人気が出る事を期待

2016-03-29 00:00:00 | Weblog

本ブログは研究公正の分野である程度有名になったかもしれない。この分野のHP等があまりないからかもしれないが、研究公正の分野に関心のある読者にある程度読まれていると思う。wikipediaでもいくつか紹介されている。

ただ、私は余りこの分野で有名になりたくない。有名になると影響力が上がるが、負の影響も大きくなる。理不尽に嫌がらせにあったり、恨まれる。今もある程度そういう影響があると思う。リトラクションウォッチのように顕名で活動すると尚更だ。この分野でブログ等がいくつも閉鎖されたのはその影響だと思う。

リトラクションウォッチは何度か法的脅迫を受けたことがあったと思う。それでも顕名の活動を続け、大きなグラントを獲得した。すごいと思う。私は彼らのような活動を続けていく自信は全くないので、今後も匿名のままだと思うし、この分野をいつまで扱うかわからない。

本ブログはもともと研究公正を扱っていたわけでなく、最初は時事問題ばかり扱っていた。最初から匿名だったが、それは顕名だと理不尽な嫌がらせを受けるおそれがあるから。研究公正を匿名で扱うのも同じ理由。

匿名での研究公正の活動に対して批判は前からあるが、この分野は匿名、顕名、メディアがそれぞれの良さを活かして活動する事が必要だと思う。どれが欠けても十分な公正さが実現しないだろう。

現在はPubPeerがあるから、不正疑義を紹介する活動は余り必要ないかもしれない。それが必要なのは文系の分野かもしれない。本ブログは研究不正の紹介に特化したブログではなく、研究公正の問題点や改善案なども紹介した。音楽、将棋などの分野も扱っている。

音楽や将棋等の分野でもっと人気が出るといいなと思います。


ES細胞窃盗、小保方晴子と特定できず捜査終結

2016-03-28 18:21:00 | 社会

STAP細胞事件でES細胞が盗まれたとして刑事告発されていた件で、神戸県警は容疑者不詳の窃盗事件として神戸地検に書類送付し、捜査を終えた関連)。強制捜査でES細胞混入犯を特定してほしかったが無理だったようだ。小保方晴子が故意に混入したと思うが、彼女は「あの日」で若山照彦氏が混入犯であるような事を述べた。これで終わってしまうのか。


抜本的な文科省ガイドラインの改定が必要か

2016-03-27 00:00:00 | 社会

STAP細胞事件を受けて文科省ガイドラインが改定されたばかりだから、すぐに改定するのはまずいと思うかもしれない。私は研究不正の定義や規定に拘束力を持たせること、違反した場合の制裁など、もっと抜本的に改定した方がいいのではないかと思う。

例えば米国政府の規定と文科省ガイドラインを比べると不十分な定義だと思う。解釈で同義と考えるのかもしれないが。詳しくはリンク先。STAP細胞事件を受けた改定は問題になったところと関連した部分を中心に改定したという感じで、少し良くなったと思うけど、不十分だ。

ガイドラインの改定時にいろいろ意見を出したけど全く反映されなかった。ガイドラインを作る側は保守的という感じ。もっと抜本的に改定した方がいいと思う。


沖林洋平(Yohei Okibayashi)山口大が公的研究費不正使用で停職76日!

2016-03-25 22:19:00 | 社会

沖林洋平(Yohei Okibayashi)山口大学教育学部准教授(39)が公的研究費174万円を不正使用して停職76日になった山口大学の公表写し)。「大学は、生活費や研究用の書籍の購入などに使用したとみている。」(産経新聞 2016.3.25より)

これは私的流用だ。業務上横領罪。それで停職76日は甘いと思う。全額返済の意向を示してるから刑事告訴しないという。甘いなー。

 


小室一成氏が日本循環器学会の次期代表理事に!

2016-03-24 23:00:00 | 社会

小室一成氏が日本循環器学会の次期代表理事に選出された。下川宏明氏との一騎打ちで勝利。日本循環器学会は2012年にKyoto Heart Studyの論文を告発し撤回。ディオバン事件が大事になったのは同学会が京都府立医大に再調査を依頼し社会的責任を果たすよう要求した事が大きかった。小室一成氏が責任者だったVARTもデータ操作の可能性が公式認定され、論文の撤回が要求され、一部強制撤回となった。小室一成氏はこの件で虚偽説明があり、基礎研究の方でも大量の論文捏造、改ざん疑義がある。

学会誌の編集委員長として連名で調査依頼した下川宏明氏も論文改ざんで米国政府と3年間の不利益処分

日本循環器学会や発行学会誌で不正がないといいですね。


奇面組の紹介と感想その1

2016-03-22 00:00:00 | スポーツ・芸能・文芸

1月にうしろゆびさされ組の曲を紹介して奇面組を思い出したので執筆する。奇面組やうしろゆびさされ組といっても今の若者は知るまい。奇面組は新沢基栄が原作のギャグコメディ正確には「3年奇面組」、「ハイスクール!奇面組」というタイトルで1980~1987年まで週刊少年ジャンプで連載アニメは1985年10月12日~1987年9月26日にフジテレビ系列で放送。最高視聴率24.3%、平均視聴率は全86回で19.2%で、ジャンプのアニメでは「Dr.スランプ アラレちゃん」、「マジンガーZ」、「ドラゴンボール」に次ぐ高視聴率

奇面組とは名前のとおり奇妙な顔の5人組男子の事で主人公の一堂零がリーダー、ナンバー2が冷越豪。登場人物の名の多くは語呂合わせで、彼らはそれぞれ「一同、礼」、「レッツゴー」が由来。奇面組は顔だけでなく人格や行動が風変りで、よく言えば個性的。作中では変態と表現されている。ただ、変態は変態性欲の意味ではなく普通と違うという意味。具体的には顔を光らせる、二頭身になる、筋肉を移動させる等の行動ができ、変態というより荒唐無稽非現実的超常的と表現した方が適切。

うしろゆびさされ組とはおニャン子クラブに属していた高井麻巳子岩井由紀子(ゆうゆ)の二人で結成されたアイドルユニットの事。名前からわかるとおり奇面組のテーマソングを歌うために結成され、シングルはほぼ全て奇面組のオープンニングとエンディング曲。念のため説明すると奇面組は一言でいうと劣等生で勉強、運動、容姿、行動、性格など常識面では良い点が全くなく、悪い事をしている集団ではないが良く評価されないので「うしろゆびさされ組」と名付けられた。即ち、うしろゆびされれ組とは奇面組の事。ただ、奇面組は超常的な行動ができるので、見方によっては極めて優れた集団。例えば筋肉を足に移動させて超人的なスピードで走ったり泳いだりできる。対戦者は人間ではなく神様化け物を相手にしているようなもので、彼らに敵うはずがない。

うしろゆびさされ組は2人の女の子で結成されたが、それはヒロインの河川唯と準ヒロインの宇留千絵という2人の女性主要キャラに雰囲気が似ているから。名前の由来は「かわゆい」、「うるちぇ(うるさい)」。

うしろゆびさされ組は女の子のアイドルユニットなので曲は恋愛をテーマにした歌詞で河川唯と宇留千絵の想い人(好きな人)がシルエット等、明示されない形で登場し、歌詞にあわせたアニメーションとともに曲が放送された。例えばファーストシングルの「うしろゆびさされ組」(動画)だと次の画像。

画像1 ハイスクール!奇面組 OPより

奇面組を知らない人は河川唯の想い人は誰?と思う人がいるかもしれない。それは役の構成を考えれば自然とわかるだろう。当然、主人公とヒロイン、ナンバー2と準ヒロインの結びつき。即ち、一堂零の相手役が河川唯、冷越豪の相手役が宇留千絵。

画像2 ハイスクール!奇面組のEDより

ちなみに、画像1の河川唯の想い人が一堂零だというのは画像1の想い人の影の髪型と画像2の一堂零の髪型の酷似を見ればわかる。画像1ではなぜ影なのかといえば、作中では明確な恋人関係ではなく、お互い好意を持っていて将来に恋人関係に発展していきそうな関係だから、想い人を明示せず暗示した方が視聴者の関心をひける事が理由の一つだろう。明示すると物語の結末を最初から明かすようでつまらない。アニメでは唯は零に最初から明確な好意を持っているという態度だが、結論は出ていないので、そうしたのかも。恋愛を描く作品は途中で恋愛の結末を描くと面白さが激減するので、はっきりしない関係を続け恋が発展する様子を描き最後の方で結末を描く事が多い。奇面組もこのパターン。

また、曲の内容にあわせたアニメーションを作るから、歌詞によっては想い人が零や豪でない時もあるので、明示すると作品の内容と矛盾しまずいという理由もあるだろう。

 

画像3 3年奇面組 2巻より

画像3-A ハクスクール!奇面組 12巻より

画像3の、3-A説明のとおり、唯が零に好感を持っているのは最初からの設定。大辞林によると好意と好感は同じ意味で使われる事があるが、原作の唯は最初から顕在的な愛情を持っていたわけではなく、好ましく思っているという感じ。画像4で唯はまだ愛情を持っていないと述べている。

画像4 ハイスクール!奇面組 8巻 より

では豪と千絵はどんな感じかというと、次が例。

画像5 ハイスクール!奇面組 第35話後編より

状況を説明すると、みんなでお祭りにでかけ、豪が金魚すくいをしている最中に「千絵ちゃんって意外と浴衣姿にあうよね~」という他のメンバーのセリフに対し、千絵が後ろにいるのに気づかず「あのタレ目ズン胴女に似合うわけねーだろ。」と言ってしまった。これは愛情の裏返しだが、千絵は字義通りに受け止めて怒り、豪の背中を踏んづけて水の中に顔を沈ませてしまった。その後、似蛭田妖(にひるだよう)に「こいつ(豪がとった金魚の入った袋)を持って黙ってあいつを追いかけな。花火のところにいるはずだ。そして、ありがとうっていってやんな。」と言われ、千絵は豪を追いかけ「ありがとう。」と言い去ろうとするが、「やっぱりもう少しいるか。」と言って一緒に花火を見る。

豪「暇だな、おめーも。」
千絵「花火がみたいだけよ。」

なかなかいい感じのシーン。もちろん最後の二人のセリフは字義通りの意味ではなく、愛情の裏返しの表現。互いに好感を感じ花火を見る時を一緒に過ごしたかったのが二人の本音。二人の恋愛関係が発展する様子を描いたシーン。この場面は原作と大筋が同じ。

ところで豪は千絵を「タレ目ズン胴女」と言った。作中では千絵がそれを気にするシーンがあるので設定としてはそうかもしれないが、本当にそうか?

画像6 ハイスクール!奇面組 OPより

タレ目は目尻が下がっている事で、ズン胴はウエストのくびれがなく、胸から腰にかけての太さが同じであること。画像5,6をみると、私はそう見えない。作者がアニメスタッフに渡した資料によると千絵は少しタレ目という設定。だから、作製側としてはそういう作りにしているはずだが、”少し”だからそう感じないのかもしれない。

原作の零-唯、豪-千絵は上のような感じだが、アニメでは原作より恋愛色が強い。原作とアニメを比較するとよくわかる。

画像7 三年奇面組 2巻 より

画像8 ハイスクール!奇面組 第2話ラスト

画像7だと零と唯は並んで歩いているだけだが、画像8では零が唯の腰に手を添えて、唯が寄り添って歩いている。そして零に対して「零さん素敵~」と言う。こんなのどう見ても恋人同士にしか見えません。普通、女の子は好きな人でなければ腰に手を添えさせ、寄り添って歩きません。さらに相手に「素敵~」と言うのは「好きだよ~」と言ってるようなものだ。これがアニメの第2話だから、アニメの唯は最初から零に愛情を持っているという感じだ。アニメが放送された頃、原作は結構後半の方で二人の恋愛関係をある程度はっきり描いても原作に支障がなく、そっちの方が面白いと思ったのかもしれない。私もこっちの方が面白いと思う。

他にもたくさん例がある。

画像9 ハイスクール!奇面組 8巻

画像10 ハイスクール!奇面組 第18話後半

画像9,10は若人蘭(わかと らん)が事代作吾(じだい さくご)とデートする事を知った要田ヨネ(ようだ よね、若人蘭の使用人、ヨーダがモデル)から二人のデートの様子を報告するように頼まれ、変装し尾行するシーン。正体を隠すため零と唯、豪と千絵は仮のカップルになった。画像9では零と唯は並んで歩くだけだが、画像10では腕を組んで歩いている。

画像11 ハイスクール!奇面組 第18話後半

ちなみに事代作吾が「若人先生。」といって腕を組むように促すと、若人蘭は「何もほころびてませんわよ。」と回答。名前のとおりわかっていない様子。それを見て豪が「千絵。」といって腕を組むように促すと、千絵は豪を殴って「気持ち悪い事しないでよ!バカ~」と言い、怒る。まだ時が少し早すぎた。ただ、千絵の言葉は字義通りの意味ではなく、素直でない彼女は裏返し表現してしまったという事だろう。

このデート恋愛的な意味はなく、若人蘭が父親のプレゼントを選ぶために肩幅が同じ事代作吾に協力してもらうため一緒に出かけただけだった。二人が結ばれた描写は原作もアニメも最後までなかったと思うし、若人蘭のわかっていない性格のため大分時間がかかると思うが、この二人は将来結婚すると思う。

恋愛色が強調されているのは零と唯の関係だけでなく、豪と千絵も同様。

画像12 ハイスクール!奇面組 第44話後半

例えば画像12はアニメのオリジナルで、青春を題材にした写真をとるという回。画像12は零の罠にはまって二人がおでこをくっつけるシーンで、これを写真にとられた。タイトルは「愛は青春である」。二人は恥ずかしい思いをした。その仕返しにとったのが画像13。タイトルは「青春のあやまち」。

画像13 ハイスクール!奇面組 第44話後半

画像13は偽写真だが、見ると零と唯が本当に夫婦になり、子供が複数いて、唯が妊娠しているように見える。超常的な彼ららしい荒唐無稽な展開。ちなみに、このシーンは千絵が零と唯に対して「やっぱりウチのクラスじゃ、あんたたちがベストカップルなのよね。そんな二人にふさわしい写真をとりたいの。青春のベストカップル。ねっ、いいでしょ。協力してよ唯~」と言って、新郎新婦顔出し看板の写真を撮らせてくれるように頼み、画像13を騙しとったのだが、零と唯は二人ともベストカップルと言われても否定しなかった。本当は相思相愛でそれに互いに気づいていない、いわゆる両片思いの設定のはずだが、本当に気づいていないのか。

画像14、15、ハイスクール!奇面組 第11話前半より

画像14、15もアニメオリジナル。アニメでは唯が零に好意を持っている態度が明確に描かれていると思う。でも、画像3-Aによると零が鈍感だからそれに気づいていないという設定。ものすご~くもったいない。

少し長くなったので続きは次回。


Naruemol Kaewjampa、島崎一彦 高知大らの論文が二重投稿、削除!

2016-03-19 00:00:00 | 社会

Naruemol Kaewjampa(タイ人高知大学博士)、島崎一彦Kazuhiko Shimasaki経歴)高知大学農学部教授らの論文が二重投稿で削除された。筆頭著者のNaruemol Kaewjampaは島崎一彦の元学生で現在は博士号を得たようだ。

重複論文は

Naremol Kaewjampa(責任著者), Kazuhiko Shimasaki, Nahar Syeda Jabun
African Journal of Agricultural Research Vol. 8(28), pp. 3731-3734, 2013

削除公告なく削除されたのでリンク先では論文を確認できないが重複論文の分だけページが抜けている事は確認できる。

原論文

Naruemol Kaewjampa, Kazuhiko Shimasaki(責任著者), Syeda Jabun Nahar
Plant Tissue Culture and Biotechnology  22(1), 59-64 , 2012
アブストラクト.

オリジナルの指摘はPubPeer。重複論文はもう削除されたので、どのような重複かはリンク先を参照。重複論文を掲載した学術誌の出版社Academic Journalsオープンアクセス誌のブラックリストBeall’s Listに掲載されているBeall’s Listは掲載料や編集方針が不明確、意味不明な英語の論文などを掲載するオープンアクセス誌のリストAfrican Journal of Agricultural Researchは削除を公表しなかった。ブラックリストに載る雑誌は基本的な事さえ守っていないのか。

最近急増したオープンアクセス誌は実質的に査読を行わず、金さえ払えば論文を掲載する悪質なものがある事を前に紹介した。業績稼ぎで発表するのだろうが、そんな悪質な学術誌に高い金を払って重複発表しないと業績を稼げないのは非常に悲しい。

投稿先をきちんと選ばないとまずいだろう。業績だけ稼げればそれでいいと考えると評価を落す。


井上明久名誉棄損裁判、元教授らの上告棄却

2016-03-18 21:08:56 | 社会

井上明久名誉棄損裁判で最高裁は元教授らの上告を棄却した。日本の司法に失望した。立証責任の問題や証明程度の問題はどうなるんだ。本日告発者の追及ページが削除されたのは、この影響か。最初は強制削除かと思ったが、敗訴による自主削除?名誉棄損裁判の対象でない不正疑義もあったから残ってほしかった。


ショーン川上、学歴詐称!報道ステーション降板!!

2016-03-16 21:05:00 | 社会

ショーン川上が学歴詐称を認めた報道ステーションを降板する

『学歴詐称をしていたのは、公式サイトの英文プロフィル(現在削除)。「テンプル大学で学位、ハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得。パリ第一大学 に留学した」と掲載していた。週刊文春の取材に川上氏は「テンプル大の学位はない」「パリ第一大はオープンキャンパスで経済・経営だけ聴講した」と説明。 同誌によると、ハーバードMBA取得者名簿にも名前はないという。

 川上氏はサイトで「大変な誤解とご迷惑をおかけしました」と謝罪。発端となったプロフィルについて「急ごしらえのベータ版のまま、長い期間、誤りが存在するまま放置されてしまった」と釈明した。

 会社の経歴にも詐称疑惑が浮上した。会社ホームページでビジネスパートナーとして外国人2人と日本人1人が紹介されているが、同誌は外国人2人の顔写真が別人であると指摘。川上氏は2人とも実在する人物と主張した上で、顔写真は別人であることを認めたという。[1]』

ショーン川上は学歴詐称を認めただけよい。慶應なんて誤記といって黒を白にしてしまった。慶應みたいなところでは不正は認められない。

それにしてもまた週刊文春のスクープか。すごいなー。

参考
[1]スポニチ 2016.3.16


アルファ碁、李九段に勝利!4勝1敗で圧倒!

2016-03-16 00:00:00 | 囲碁・将棋

アルファ碁が韓国の李世●(イ・セドル)九段(33)に勝利し、4勝1敗で圧倒した。(●=「石」の下に「乙」)ネイチャー誌もこの件を報じたサイエンス誌の記事トップ)。

イ・セドル九段は世界最強棋士の一人。アルファ碁はイ・セドル九段を圧倒したから、もはや人間はコンピューターに勝てないという事かもしれない。日本では井山裕太六冠が七冠独占目前で、100年に一人出るか出ないかの天才の全盛時代という好機だが、日本のトップ棋士は国際棋戦で勝てないので韓国のトップ棋士より弱いと思う。そういう意味でイ・セドル九段が世界最強棋士の一人というのは間違いなく、アルファ碁がイ・セドル九段を圧倒したのは衝撃的。

日本でも数年前からコンピューター対プロ棋士の対局があり、コンピューターがプロ棋士を圧倒した。もう成績的にはコンピューター将棋の方が羽生善治名人より強いという。囲碁は将棋より場合の数がずっと多いらしいから、コンピューターが人間の実力を上回るのは囲碁の方が後だと思っていたが、最強棋士を倒したのは囲碁が先だった

もっとも、人間の実力をコンピューターが追い抜いたのは囲碁、将棋でどちらが早かったかは不明。先に書いたとおり成績的にはコンピューターは既に羽生善治名人の実力を上回っており、囲碁に先を越されたのは将棋連盟が悪影響を避けるため羽生善治名人との対局を避けたから。1年くらい前に対局が実現していればコンピューター将棋が先に最強棋士を倒していただろう。

上で述べたとおり、現在は井山裕太六冠が七冠独占目前で、100年に一人出るか出ないかの天才の全盛時代という好機だから、アルファ碁はぜひ井山裕太六冠と対戦してほしい。

数年後には将棋も囲碁も人間が全く勝てなくなる時代がくる。知人がターミネーターの世界みたいになったら嫌だと言っていた。


誤りを訂正しないのは不正とすべきという主張がネイチャー誌で公表!

2016-03-15 00:00:00 | 社会

9日、NatureのCorrespondenceに「Scientific record: Class uncorrected errors as misconduct」というタイトルのレターが公表された[1]。誤りを訂正しない事を不正にすべきというレター[1]。

論文等に誤りがあった場合、訂正、撤回をするのは当たり前で、放置するのは研究倫理違反だ。誤りを放置するのは故意に誤りを発表し続けて研究者を騙し損害を与える事でもあり、捏造、改ざんと同じ性質がある。訂正、撤回の放置と捏造、改ざんは研究倫理や学術コミュニティの信頼を破壊するという点で同じだから、訂正、撤回を不正とすべきという考えかもしれない。

リトラクションウォッチでは「訂正等の放置を不正とすべきか?」が投票中で、不正とすべきが約6割、不正とすべきでないが約4割(14日閲覧)。

私は訂正等の放置を不正とする事に賛成。ほとんどの研究者にとって不正にしても関係ないと思うが、少数の無責任な研究者の不適切さを改善するのに効果があると思う事が理由。

私の経験では、ほとんどの研究者は撤回はともかく誤りを指摘されたら訂正は行う。訂正しない事が研究者にとっても不利益になる事を知っているからだ。訂正しないのは解雇や定年退職で辞め、放置しても損害がないので無責任に逃げたケースがほとんど。だから、訂正等の放置を不正としても、ほとんどの研究者にとって効果がないと思う。

ただ、少数ではあるが、研究者を続けるが、学会等から誤りを指摘されても訂正しない研究者も実在する。なぜ放置しているのかは理解不能だが、現実にこのような研究者がいる以上は訂正等の放置を不正とし、改善を図るのは意味がある。

でも、罰されないと訂正、撤回しない研究者は余りに悲しく末期的

参考
[1]Sophien Kamoun, Cyril Zipfel "Scientific record: Class uncorrected errors as misconduct"   Nature 531, 173  (10 March 2016)