世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

学位論文の不正での学位取り消し基準について

2015-11-30 00:00:05 | 社会

学位論文に不正があった場合に学位を取り消すべきかは議論になるかもしれない。O 30代女性研究者(以下 O)の博士論文は序章の部分に約20ページほどの盗用があり、世間は取り消し相当と批判したが、某有名大学の調査委員会は学位維持と結論した。その後、総長が猶予付きの取り消し処分とし、先月末あたりで取り消しが決まった。

Oの博士論文の調査を行った委員会は取り消しのためには、不正と学位授与との因果関係がなければならず、序章の部分のみに剽窃があったから取り消しとしないと判断した。もう一つの理由は学位の取り消しは就職や学歴の基礎の破壊になり影響が大きいので条件を厳しくしたという事だった。

世間は某有名大学の判断を猛烈な批判したし、私もOの博士取り消しは相当だと思うが、学位取り消しが就職等に大きな影響を与えるので条件を厳しくするという考えは少し理解できる。学位取得は学部や大学院の卒業と同等の意味があり、それの取り消しは卒業取り消しと同じだ。大概の人は学歴を基礎に就職しているので、不正による学位取り消しは最悪の場合解雇になり得る。実際に某国立大学では不正取得の博士号をもとに採用された事を一つの懲戒事由として某トルコ人助教を懲戒解雇相当にした。

学位論文に不正があれば相当の懲戒処分を受けても仕方ないと思うが、少しの不正で学位取り消しにしてしまうと罰と不正が釣り合っていないと思う。よく入試や資格試験で不正があれば不合格、合格取消しになるから、学位審査も同様にすべきだという主張があるが、これからは主に現行犯かそれに近い状態で不正が取り締まられ、その後に積み上げた要素がなく、キャリアを台無しにするおそれのある学位取り消しとはその点で質的に異なる。事後的な学位取り消しの方がもっと条件を厳しくした方がよいのではないか。

それに少しの不正なら相当の処分を受けるかもしれないが、その時の審査は不合格になっても、大概は書き直して再提出し、再審査される。だから、少しの不正なら学位論文の事後的修正でもいいかもしれない。

では、学位取り消しになる不正とはどのようなものか。Oの出身大学や某国立大学の例を見ると、論文の結論に影響が出てしまった場合は取り消しの一つの基準かもしれない。某国立大学は不正のあった複数の博士論文のうち、不正で論文が成り立たないものに限って博士取り消しとした。この考えはOの出身大の考えと基本的な部分が共通する。一般の査読付き論文でも結論に影響があると撤回になるので、この場合は取り消し相当かもしれない。

ただ、Oのように結論に影響がなくても大量に盗用したり、重大なデータや結果に不正があった場合は取り消し相当だと思う。

実際にどの程度で取り消しになるかは調査委員会が不正の態様に応じて判断するしかないが、取り消し相当でない不正の範囲を広げ過ぎない事は重要である。そうでないと不正な方法で学位取得する危険が増す。

私は学位論文の不正をよいと思わないが、不正による事後的取り消しは要件を少し厳しくした方がいいのではないかと思う。


佐藤能啓、岩本潤らの論文疑義の追加報道

2015-11-29 15:50:17 | 社会

佐藤能啓Yoshihiro Sato医療法人 昌和会 見立病院 副院長元弘前大学教授)、岩本潤Jun Iwamoto、慶應義塾大学非常勤講師)らの論文疑義についてリトラクションウォッチで追加報道された写し)。本ブログも前に報じた。その1その2。日本の研究機関でどれほど調査が進んでいるのか、そもそも実施しているのかは不明。


ディオバン事件の風化

2015-11-28 19:50:17 | 社会


NHK クローズアップ現代、2013年放送

この事件は現在臨床研究の統計解析を担当した白橋伸雄元ノバルティスファーマー社社員の公判が行われている。動画では誰が操作を実行したかわからないと述べられているが、検察は白橋伸雄氏のUSBメモリーのデータを特殊な技術を使って復元し、改ざんした証拠を押さえた。他にも大学の医師が改ざんに関わったと報じられた。現在まで日本の研究不正で刑事事件で起訴された唯一の例。

NHKが白橋伸雄氏の自宅に直撃取材した様子が動画の8:19頃にある。O 30代女性研究者の時もそうだが、どうやって自宅を調べたんだ?マスコミの調査力はすごい。

動画のとおり、詐欺的な販促で巨額の売り上げを達成したが、その返還の話は消えてしまっている。営業を担当した藤井幸子氏()や青野吉晃氏などの責任追及も消えてしまっている。

ノ社は白橋伸雄氏だけをトカゲの尻尾切りにして逃げ切るつもりだろうか。


韓国教授、他人の著書の盗用で約200人が摘発!

2015-11-26 19:35:18 | 社会

韓国教授約200人が他人の著書の盗用で摘発された。韓国は大規模不正でも摘発するからまだいい。日本ではO 30代女性研究者の出身大で大量のコピペ博士論文が見つかったのに、ほとんどの人が学位取り消しにならなかった。他にも某国立大学などで大量不正を認定しなかった事件があった。

思えば、世界三大研究不正だって犯人と故意の捏造を公式認定していないのはO 30代女性研究者の事件だけだ。

いかにも日本らしいやり方だ。改善しないといけない。


韓国の天才少年ソン・ユグン、論文盗用、撤回!

2015-11-26 19:19:07 | 社会

韓国の天才少年ソン・ユグンは韓国の最年少博士になると報じられた。しかし、論文盗用が指摘され、撤回に他の報道論文撤回公表リトラクションウォッチの記事

才能があるかわからないが、最初から盗用で研究者生命が絶たれたら悲しい。

そういえば天才といえば少し前に韓国で天才少女の誤報があった韓国の盗用だと教授約200人が他人の著作を盗用して摘発された事が報じられた


研究不正が指摘されて論文の結論に影響がある事が判明したら?

2015-11-25 22:50:05 | 社会

結論は間違っていないから、不正ではないと説明される事がある。昨年の山中伸弥氏の時もそうだった。

では研究不正が指摘されて論文の結論に影響がある事が判明したらどうなるのだろうか。

論文の結論が間違っていたら撤回が当然だ。

一般的に科学界では、不正を指摘された上で論文を取り下げることは、研究者生命にもかかわるという。」(0テレニュース 2014.4.10)

 研究不正が指摘されて論文の結論に影響がある事が判明したらどうなるのだろうか?


論文の結論が間違っていなければ不正は許されるという態度について

2015-11-25 00:00:00 | 社会

O 30代女性研究者の研究や調査は会計検査院から無駄と指摘された。それは某国立研究所が不正をうやむやにするために調査を先送りしたり、分子生物学会から検証の凍結を提言されたのに無視した事が影響した。この時のO 30代女性研究者らの態度を見ると、あたかも論文の結論が正しければ研究不正は許されるという感じだった。彼女に限らず、論文の結論が間違っていないから特に問題ないという感じの主張をしばしば見る。

論文の結論が正しくても、研究不正は許されず、不正が認定され、相当の罰を受けるのが自然だと思う。


上からの研究不正圧力

2015-11-24 00:00:05 | 社会

研究不正が起きる原因の一つに上からの圧力がある。東大分生研事件、琉球大学の事件が例。国立環境研究所30代女性研究者の事件もそうかもしれない。

上からの圧力で不正をやってしまった人たちがいる。琉球大学の事件は上の不正の要望を聞くと賞に推薦されたり、論文の共著者になったりしたらしい。

これはどうやったら解決できるのか。


ファンウソク氏への韓国国民の支持

2015-11-22 22:08:51 | 社会


ファンウソク氏への韓国国民の支持

人クローン胚ES細胞の捏造事件で著名なファンウソク氏は韓国国民の英雄だった。上の動画はたぶん捏造事件が発覚した時のものだと思う。こんなに支持する人たちがいるとは。すごいなー。

ファンウソク氏の事件は世界三大不正の一つ。残りはヘンドリック・シェーン事件とあの事件。

ファンウソク氏とヘンドリック・シェーン氏の事件は所属機関がきちんと彼らの捏造と断定したが、あの事件だけそうでない。

悪い意味で日本的だ。