世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

白橋伸雄がNagoya Heart Study、VARTのバルサルタン論文でもノ社所属を表記せず統計解析者として名を連ね

2013-04-30 22:13:33 | 社会

バルサルタン論文撤回問題が騒がれているが、京都府立医大と慈恵医大以外にもバルサルタンの臨床研究としてNagoya Heart Study(代表者 室原豊明 名古屋大学大学院医学系研究科循環器内科教授)とVART(代表者 小室一成 東京大学医学部循環器内科教授、桑原洋一)の論文でも統計解析責任者として白橋伸雄(Nobuo Shirahashi)ノバルティスファーマ社社員がノ社の所属を表記せず名を連ねている[1]。どちらの論文でもKyoto Heart StudyやJikei Heart Studyと同じく白橋は大阪市立大学の所属だけを表記していた。これだけ同じことを続けた様をみると、白橋や論文著者は白橋のノ社所属を表記するつもりはないのだろう。


画像1 Nagoya Heart Studyの論文([2])の統計解析者

VARTの論文([3])については無料のPDFを見つけられなかったので画像を出せないが、確かに統計解析者として白橋の名があり、ノ社所属が表記されず大阪市立大学の所属だけ表記されていた。論文[3]のreadcubeで「Nobuo」、「Shirahash」、「Statistical」、「Osaka」などで検索するとわかるだろう。

Nagoya Heart Studyは主に名古屋大学、VARTは主に千葉大学のグループが研究を行った。小室一成は論文[3]の発表時は大阪大学医学部教授、現在は東京大学医学部教授。本ブログの読者で千葉大、阪大、東大という言葉を聞いてピンとくる人がいるだろうか。小室一成は現在ある分野で注目を集めている人だ。ある分野というのは・・・わかる人にはわかる。そのうち新聞やテレビで報道されるかもしれない。今の話題もVARTとは別だし最近新聞等で話題になった同じ循環器内科のM元教授と似た体質のような気がする。研究界自体がそんな体質が珍しくない世界なのかもしれない。

さてNagoya Heart Studyに研究不正の告発があったとは確認されていない。今のところは疑惑は浮上していないということでいいだろう。VARTについては京大の由井芳樹のJikei Heart Studyの不正疑惑の告発で少し触れられている。これらで不正疑惑があるのかはわからないが、白橋はバルサルタンの臨床研究にはすべて統計解析者として参加している。Kyoto Heart StudyやJikei Heart Studyで利益相反を指摘されているので、それと同様に考えればNagoya Heart StudyやVARTの研究に白橋を参加させたことや論文中でノ社の所属を表示しなかったことを不適切と考える人は多いだろう。

今のところ何の動きも確認されていないが、Nagoya Heart StudyやVARTもどうなるのか。

参考
[1]Nagoya Heart Study、VARTの代表者はこの資料から。
[2]Kunihiro Matsushita, MD, PhD,    Takashi Muramatsu, MD,    Takahisa Kondo, MD, PhD,Kengo Maeda, MD, PhD,Satoshi Shintani, MD, PhD,Toyoaki Murohara(責任著者), MD, PhD on behalf of the NAGOYA HEART Study Group

"Rationale and design of the NAGOYA HEART Study: Comparison between valsartan and amlodipine regarding morbidity and mortality in patients with hypertension and glucose intolerance"

Journal of Cardiology  Volume 56, Issue 1, July 2010, Pages 111–117

PDF

[3]H Takano(責任著者), H Hasegawa, H Narumi, S Shindo, H Mizuma, Y Kuwabara, Y Kobayashi and I Komuro on behalf of the VART investigators

"Effects of valsartan and amlodipine on home blood pressure and cardiovascular events in Japanese hypertensive patients: a subanalysis of the VART"

Journal of Human Hypertension (2012) 26, 656–663

readcube

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画像2 上昌広(内科医、東大医科学研究所特任教授)のツイート(2013.5.1)

上昌広がVARTが報道された件についてツイートしている。K教授というのは小室一成のことに違いない。知人記者が「本丸に近づいて来た」と言っているらしい。何かつかんでいるのでしょうか?本丸は小室一成に関する何かだと推測されるが、いったい何だろう?VARTに関するものか、それとも・・・。最近小室一成グループの研究について、このようなサイトがオープンした。それと関係があるのだろうか?本丸が報道されることを期待する。

(2013.5.6 追記)


白橋伸雄(Nobuo Shirahashi)・ノバルティスファーマ社社員のバルサルタン不正疑惑への関与について

2013-04-30 01:00:35 | 社会

京都府立医大や東京慈恵医大のバルサルタン論文不正疑惑ではノバルティスファーマ社の社員が大阪市立大学の所属だけを表示して統計解析に加わっていたことが毎日新聞の報道でわかっている[1][2]。まずはじめにこのノ社の社員は端的にいって白橋伸雄(Nobuo Shirahashi)。あるサイトによればノ社の部長という表記がある。現在は定年を迎えて契約社員になっており、大阪市立大学には所属していない(日刊薬業 2013年4月25日より。写し)。

断っておくが、この記事では論文等で不特定多数に対して白橋の実名が公になっているので、プライバシーとして保護する必要はないと考え実名を扱うことにした[9]。また実名の方が読者にはっきりとわかるし信用性の点で、実名の方がいいという理由もある。匿名の一般ブログなので新聞等に比べて信用性が低く証拠を出さないと信用性が十分でない。特に後に執筆するNagoya Heart StudyやVARTでKyoto Heart Studyと同じノ社社員が統計解析者だったことは新聞等で報道されておらず信頼性のある形で執筆するには論文の記載を示す必要があり、実名を出す必要があった。

不特定多数に対して白橋の実名が公表されていることの証拠だが、まずKyoto Heart Studyの論文([3])で統計解析者として白橋の名前がある。確かに所属は大阪市立大学だけ表記されていてノ社の記載はない。

 
画像1 Kyoto Heart Studyの論文([3])の統計解析者

ではJikei Heart Studyはどうか?[2]では京都府立医大の論文と同じノ社社員がJikei Heart Studyの論文でも名を連ねていると指摘されている。前も言及したが、Jikei Heart Studyの不正疑惑はランセット誌で京大の由井芳樹から告発されている[4]。この告発には参考文献としてJikei Heart Studyの論文([5])が紹介されている。この論文の統計解析者を見ると、

 画像2Jikei Heart Studyの論文([5])の統計解析者

毎日の指摘([2])のとおり、この論文も白橋の所属は大阪市立大学とだけ記載されノ社の記載はない。では本当に白橋がノ社の社員なのかというと、別の論文を見るとわかる。


画像3 JACCの論文の記載 - [6]

2002年時点では白橋はノ社の社員だった。


画像4 武庫川女子大学の教員名簿 - [7]

武庫川女子大学の教員名簿を見ると、2007年(平成19年)12月に白橋伸雄がノ社サイエンスティフィクオペレーション部マネージャーだったことがわかる。この時は確かにマネージャーだったようだ。

このように新聞等が白橋の実名を端的に公表していなかったとしても、すでに公になっている情報からKyoto Heart StudyやJikei Heart Studyのノ社の統計解析者が白橋伸雄であることは事実上公表されているといえる。

実名がきちんと公表されているためプライバシー保護の必要はないことを説明するために長々と説明してきたが、本記事で述べたいのはバルサルタン問題のノ社社員が白橋だということではない。

Kyoto Heart StudyもJikei Heart Studyもノ社社員の白橋が統計解析の責任者として関わっていたことが論文の信頼性に疑問を呈される原因となっている。端的にいってしまえば京都府立医大や慈恵医大がノ社と癒着し不正な研究成果を発表したのではないかと疑われている。

[1]では『3月に取材に応じたノ社の三谷宏幸社長は「どんな統計方法がいいかについてアドバイスしただけ。試験内容や、試験の組み立て方などデザインに関わる相談を受けたことはない。社員は大阪市立大の非常勤講師を兼任していた。統計の世界では有名な人物だ」と説明した。[1]』とノ社社長が回答したようだが、本当にアドバイスしただけなのか。

それになぜノ社社員の身分を隠して論文に所属を記載していたのか。利益相反がばれないように隠したのではないかと推測する人は多いだろうが、真相はさておき不適切な所属表示だったと言われても仕方ないだろう。想像にすぎないが、疑惑研究で必要とされる統計解析の専門家は少なく、他に適切な人が見つからなかったので仕方なく白橋が統計解析者になったのかもしれない。[3]の統計解析者を見ると白橋の他に八木克巳(Katsumi Yagi、財団法人、ルイ・パストゥール医学研究センター)が加わっている。白橋は加わらず、八木だけ加われば何も問題なかったのではないか?撤回された論文で八木だけが統計解析者になっていたものもあった。なぜ白橋は統計解析に加わったのだろうか?


画像5 Kyoto Heart Studyの撤回論文([8])の統計解析者

Kyoto Heart Studyで指摘されている疑惑の内容はバルサルタンと他の薬の結果で患者の血圧値が不自然に揃っていること等だが、詳しいことはわからない。だから、そもそも白橋が不正に関与しているかどうかは今の時点では何ともいえない。

ただ、今の時点で思うことは白橋のノ社所属を表記しなかった点や八木だけでも統計解析できた論文があるのに他では白橋が統計解析に加わっていた点で不自然さを感じる。

スイスのノバルティス本社は第三者による調査をはじめたし、京都府立医大、慈恵医大も調査を開始しているので、これらの団体が事実を歪めない限りそのうち事実は明らかになるだろう。白橋がどのように研究に関わったのかわからないが、バルサルタンの販売会社社員が自ら研究に加わったら立場上公正さを害する危険もあるから慎むべきであった。

正直いってこれまで研究不正の調査は責任を減免するために意図的に不正としなかったり、不正としても事実より小さく判断する等不当な扱いを数多く見てきたので、今回の京都府立医大等の調査でも公正な調査が実施されるか心配しているが、決してそういうことがないようにしてほしい。

また、今後の研究不正の調査制度や研究の実施、管理体制、資金提供団体との関係も改善を図る必要があるだろう。

参考
[1]"クローズアップ2013:降圧剤 京都府立医大の論文撤回騒動 製薬社員も名連ね" 毎日新聞 2013.3.28 その1,その2,その3
[2]"京都府立医大元教授の論文不正疑惑:慈恵医大も調査へ 論文に京都と同じ製薬会社員名" 毎日新聞 2013.4.24 その1, その2
[3]Sawada T, Takahashi T, Yamada H, Dahlöf B, Matsubara H; KYOTO HEART Study Group."Rationale and design of the KYOTO HEART study: effects of valsartan on morbidity and mortality in uncontrolled hypertensive patients with high risk of cardiovascular events." J Hum Hypertens. 2009 Mar;23(3)
[4]Yui Yoshiki:"Concerns about the Jikei Heart Study" The Lancet, Volume 379, Issue 9824, Page e48, 14 April 2012
[5]Mochizuki S, Dahlöf B, Shimizu M, et alfor the Jikei Heart Study group. ”Valsartan in a Japanese population with hypertension and other cardiovascular disease (Jikei Heart Study): a randomised, open-label, blinded endpoint morbidity-mortality study.” Lancet 2007; 369: 1431-1439
[6]Wataru Shimizu,et.al.:"Differential effects of beta-blockade on dispersion of repolarization in the absence and presence of sympathetic stimulation between the lqt1 and lqt2 forms of congenital long qt syndrome" J Am Coll Cardiol. 2002;39(12):1984-1991
[7]武庫川女子大学の教員名簿 写し
[8]Sawada T, Yamada H, Dahlöf B, Matsubara H; KYOTO HEART Study Group.:"Effects of valsartan on morbidity and mortality in uncontrolled hypertensive patients with high cardiovascular risks" Eur Heart J (2009) 30:2461-2469。 撤回公表
[9]実名を扱う場合プライバシー権が問題となる。プライバシーとして保護される法的要件の最高裁判例はない。現在判例として存在するのは「宴のあと」事件(東京地判昭和39年9月28日)であり、それによると

(1)私生活上の事実または事実らしく受け取られるおそれのある事柄であること。(私事性)
(2)一般の人々にいまだ知られていない事柄であること。(非公開性)
(3)一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合、公開を欲しないであろうと認められる事柄であること。

がプライバシーに当たる3要件である。実務でも使われているし判例でもある。従って本ブログではこの基準で実名の扱いを判断するのが適切だと考える。

実名は(1)私事性を満たさないと思うが、仮に満たすとしても本件では論文等で実名が不特定多数に対して公にされているので明らかに(2)非公開性を満たさない。

よって実名を扱うことは許容されると判断した。
[10]バルサルタン事件の統計解析者だったノ社社員が白橋伸雄であることはフォーブスが報じた写し)。


こざかしいとは?

2013-04-29 00:51:46 | Weblog

2年前に大河ドラマ江を見たとき、江が初対面の徳川秀忠に対して"こざかしい"と言っていた。

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(秀忠が江にいろいろ悪口をいう。)

秀忠 「もう二度と会うことはないでしょう。」

(その後江は秀忠がいないところで)

江 「なんじゃ、あやつは?こざかしい。」

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正確ではないかもしれないが、こんな感じの会話だった。私はこの時の会話をみて秀忠はこざかしかったかな?と思った。

それまでの私のこざかしいの印象は虎の威を借る狐の狐やドラえもんのスネ夫のようなやつというもの。つまり、ずる賢い感じをこざかしいと思っていた。上の江のシーンの秀忠はずる賢い感じだったかというと、江に対して悪印象を与える態度だったが、ずる賢い様は感じられなかった。なのになぜ江はこざかしいといったのだろう?生意気な感じをこざかしいといっていたのだろうか?

国語辞書によると、

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こざかしい 【小▽賢しい】

[1]    利口ぶっていて、生意気だ。
[2]    わるがしこくて、ぬけめがない。ずるくて小才が利く。

(三省堂、大辞林 より)

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漢字で「小賢しい」と書くと意味が少しわかりやすい。こういう漢字を書くことから考えても、こざかしいとは単に生意気ということではなく、利口ぶっていて生意気な様をいう。例えば幼い子供が学んだばかりの知識を偉そうに大人に話す様などがこざかしいという。

上で話した狐やスネ夫は上の[2]の意味で私の理解は正しかった。虎の威を借る狐やスネ夫についてわからない人のために説明する。

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虎の威を借る狐

意味 権勢を持つ者に頼って、威張る小者のこと。

由来

『戦国策・楚策』にある、下記の話に基づく。
虎が狐を食おうとしたときに、狐が「私は天帝から百獣の王に任命された。私を食べたら天帝の意にそむくことになるだろう。嘘だと思うなら、私について来い」と虎に言った。
そこで虎が狐の後についていくと、行き合う獣たちはみな逃げ出していく。
虎は獣たちが自分を恐れていたことに気づかず、狐を見て逃げ出したのだと思い込んだ。

(故事ことわざ辞典のページより)


画像1 虎の威を借る狐の由来図解 - このサイトより

スネ夫


画像2 スネ夫 (テレビ朝日のドラえもんより) - 画像はこのサイトより

『ナルシストかつイヤミ、口が上手くウソつき。強者には徹底してへりくだる虫のいい選択しかしない。』 (Wikipedia , 骨川スネ夫 2013.4.20閲覧)

このような性格からキツネのような顔をしているのだろう。口がうまくお世辞やウソは十八番。少年期も成人期も金持ちなのは世の中をうまく渡っているためか。こざかしいやつの典型例。

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こう考えてみると本来は上の狐やスネ夫のような人物や様をこざかしいといったのではないかと思う。小賢しいと漢字で書くと意味がわかりやすくなってよいと思う。


ネイチャーが生命科学系論文の審査強化!非再現性を減らす提言を公表

2013-04-28 00:00:51 | 社会

『英ネイチャー誌:生命科学論文の掲載審査強化へ

2013.4.27

 英科学誌ネイチャーは27日までに、生命科学の論文掲載の審査体制を5月から強化することを明らかにした。信頼性に疑問がある論文が世界的に増えているため、対策が必要と判断した。チェックリストを作り、図やグラフの元データについても著者に詳しい説明を求めるなど、厳しく審査するという。

 同誌によると、昨年1~5月に、ある生命科学に関する論文のデータベースから取り下げられた論文2047件を調べたところ、約4割に不正行為かその疑いがあった。

 今後は、研究に使われた試薬の特性など、実験方法について著者に詳細な説明を求めるほか、実験データの統計的な処理や手法などについても確かめる。

 論文の信頼性を巡っては、国内でも京都府立医大の松原弘明元教授(56)が関与した01~11年の14論文で、計52カ所の不正があり、うち5本の不正論文を臨床試験申請時の研究実績として示していたことなどが判明している。【斎藤有香】

[1]』

「同誌によると、昨年1~5月に、ある生命科学に関する論文のデータベースから取り下げられた論文2047件を調べたところ、約4割に不正行為かその疑いがあった。[1]」というのは以前も紹介したがこの件。オリジナルのネイチャーの記事はこちら。以前も紹介したが、ネイチャーはK元東大分生研教授らの事件で真実捏造だったにも関わらず最初は過失による大量の訂正で済ませたことを考えると論文の審査を厳しくするだけでなく事後的な調査でもきちんとすべきだと思っていた。

査読を厳しくするという点はよいと思うが、事後的な調査もきちんとやってほしい。非再現性を減らすための努力もアナウンスされたし、これに関してはよい方向ではないか。

参考
[1]毎日新聞 2013.4.27


京都府立医大の研究不正を大学の自浄作用に任せる旨の下村文科相の発言は適切か?

2013-04-27 00:21:33 | 社会

京都府立医大M元教授らの研究不正事件を受けて下村文科相は「研究活動の不正行為への対応は、研究者や大学の自浄作用が基本で、まず大学で徹底的に調査を行うべきだ。文科省としては今後、大学の調査を踏まえ、適切な対応をしたい[1]」と回答した。

これは研究不正の対応の一般論を述べ、京都府立医大の問題もそれに該当する旨の発言だが、同大の事情を考えると本当に適切か疑問に思う。毎日新聞を中心に報道されているように、今行われている調査はノバルティスファーマ社の看板商品であるディオバン(バルサルタン)の臨床研究の不正に関するもので、ノ社と京都府立医大の癒着が疑われている[2]。

いわば京都府立医大は当事者で、調査を自浄作用に任せるのは公正さを害し不適切ではないか。被告人が裁判官を兼ねて裁判するようなものだ。学問の自由(憲法23条)との関係で国の機関が主体的に調査するのはまずいかもしれないが、第三者調査委員会を大学内部又は学協会に設置するように指示する等して残りの対応を学術界に調査を委ねれば学問の自由を侵害したといえないだろう。

当事者が調査主体を兼ねるという構造上の不公正さは改善すべきだ。皆さんはどう思いますか?

参考
[1]毎日新聞(web)の記事 2013.4.12
[2]毎日新聞 (web) 2013.4.24


京都府立医大はデータ流用事件の共犯者を全員見つけたのか?東大分生研事件はいつ調査結果を公表するのか?

2013-04-26 00:01:15 | 社会

京都府立医大M元教授らのデータ流用事件の共犯者は?

今月の中旬にようやく京都府立医大M元教授らのデータ流用事件の調査結果が公表され14論文で改ざんが認定された。調査報告書は報道陣に公表されたようだが、未だにネット等で一般向けに公表されておらず、詳しいことは不明[1]。一番気になっているのはM以外に改ざん等の不正を行ったのが誰で、その共犯者達もきちんと処罰されるのかということだ。

[1]のMの言い分だと改ざん等を実行していないし、指示もしていないという。不正は正式に認定されたのだから嘘の可能性が高いと思うものの、犯人がMだけとは信じ難い[2]。なぜなら、不正論文数は14編で、このページによるとMを含めて筆頭著者は10名以上、その他の共著者もたくさんいる。さすがにM以外に誰も改ざんを実行していなかったとか、不正を知らなかったという言い分けは信じられない。

通常論文のデータや文章は誰が作成したのかわかるから調査すれば改ざんデータの作成者が誰か特定できるはずだし、その者も責任をとらせなければならない。改ざんデータだと知っていて放置していた者も同様である。それができなければ学術の公正さを害し、今後の不正防止のためにもならないから甚だ不適切だ。

考えたくはないが、Mをトカゲの尻尾切りにして他が逃げ延びるようでは絶対いけない。独協医大のH元教授の同様のデータ流用事件ではまさにそれを実行した。筆頭著者はH以外に6名もいて「H元教授の指導を仰ぐ立場にあったので、論文について口を挟めるような状況ではなかった。」とし不正を認定しなかった。他の共著者も「17 名の共著者は、論文の基本的な内容については服部研究者に任せていたので、特段、改ざん等に該当するという認識もなかった。本件のケースは、いずれも真正 な結果に類似する見栄えの良いデータを代用又は流用したものであることから、論文の結果から特に疑念を抱くことはなかった。」とし不正を認めなかった。

(詳しくは"研究不正調査制度の問題点について"(2013.3)を読んでいただきたい。)

京都府立医大は必ず改ざんデータの作成者を特定し公表し、その者の責任を追及しなければならない。改ざんデータだと知っていて放置していた者も同様である。「調査したが、各著者が口をつぐんでいたので特定できなかった。改ざんを知っていたかどうかも不明。」などというような言い訳は絶対に許されない。仮にそのような形で逃げ得を許すようなならば、別途逃げ得を許さないような制度が必要だろう。いいか悪いかは別として、例えば共著者すべてに論文等のチェック義務を課し、不正が発覚した場合は全員の連帯責任とする制度などが考えられる。

学術界の公正さ、今後の不正防止のためにもMをトカゲの尻尾切りにして他が逃げ延びるような対処だけは絶対に避けなければならない。

東大分生研事件の調査結果公表の遅さについて

東大分子細胞生物学研究所のK元教授らのデータ流用事件は調査開始(2012年1月)から1年以上経過し、日本分子生物学会が中間報告でもいいので迅速に調査結果を開示するように要求してから5ヶ月以上経つが、いまだに調査結果は公表されない。これはいくら何でも遅すぎではないか?F医師の世界記録捏造は2012年3月10日に調査特別委員会を設置して同年6月28日に調査結果が公表されたのだから調査期間は約3ヶ月半。

研究機関の規定なら通常本調査の期間は3~6ヶ月と定められているから、遅すぎるといえる。上で言及した京都府立医大の改ざん事件も2011年12月に調査開始で今月結果が公表されたのだから調査に約1年4ヶ月もかかったことになる。各研究機関は慎重にやるのも結構だが、もっと迅速に調査してほしい。

この事件も責任者のK元東大教授以外に群馬大、筑波大などに共犯者がいると疑われていて、きちんと調査や処罰が行われるのか注目している。以前の記事で筑波大の研究者の論文に訂正が出たことを紹介したが、調査が行われているのか不明。

もうそろそろきちんと明らかにしてほしい。そういえば大分大学医学部前学長らの不正疑惑も調査委員会設置決定からもうすぐ1年だから調査結果が出ていなければならない時期だ。

迅速な調査結果の公表を望む。

参考
[1]Yomiuri Online 記事の写し 2013.4.12

[2]Mの改ざんをしていないという弁明は報道だけを見て以前の供述と比べると矛盾している。この事件は昨年3月に米国心臓協会(AHA)から告発された旨の報道があったときMは『朝日新聞の取材に「図を使い回したり、誤って上下を逆にしたりしたことはあったが、認識不足や単純なミスだ。意図的な改ざんではない。調査には協力している」』(asahi.com 2012.3.15)と答えており、Mは少なくとも疑惑論文の一部についてデータの使いまわしや上下反転を行ったと判断できる。

にも関わらずMは調査結果公開後に「画像などを捏造(ねつぞう)、改ざんなどした事実は絶対にない」(日経新聞、2013.4.12、オリジナルは共同通信)と答えており、矛盾している。(あくまで報道だけを見た場合の判断で、調査すれば違った結論になるのかもしれない。)

調査ではM「が直接捏造に関わったり、指示したりしたのかという点は確認できなかった[1]」としているようだが、上の供述矛盾や論文14編で不正が認定されたことを考えるとMが関与していないという話は信じられない。

調査ではなぜかM「が直接捏造に関わったり、指示したりしたのかという点は確認できなかった[1]」らしいが、私はMが保身のために嘘をついている可能性がかなり高いと思う。京都府立医大だけでなく他の研究機関もそうだが、論文のデータや文章を誰が作ったのかということは著者たちは通常知っているのだから、こういう本質的なことを曖昧にせず、実行者を特定し不正を認定し、責任追及をしなければならない。

Mが否定しても状況証拠は十分あるのだから、Mが不正に直接関与していたときちんと認定しなければならない。それをしなかった京都府立医大の調査はその点で不十分だったと評価する。


慈恵医大のバルサルタン不正疑惑も調査へ!ノバルティスも調査!

2013-04-25 00:23:35 | 社会

『<降圧剤臨床試験>慈恵医大も調査へ 京都府医大論文問題で

毎日新聞 4月24日(水)2時32分配信

 降圧剤「バルサルタン」の臨床試験を巡る京都府立医大の論文撤回問題に関連し、東京慈恵会医大は23日、同大学でも実施されていた類似の臨床試験の経緯を調査すると明らかにした。薬を販売する製薬会社「ノバルティスファーマ」(東京)の社員が、いずれの試験でも論文に統計解析の責任者として名前を連ねていた。バルサルタンの臨床試験を巡っては、専門家の間に試験結果を疑問視する声があり、関係者の積極的な説明が求められている。

 慈恵医大の広報担当者は「臨床試験を疑問視する週刊誌報道があったため調査する」と説明している。

 同大のチームの臨床試験は、高血圧患者約3000人を対象に2002年開始。バルサルタンを別の降圧剤と併用して服用すると、バルサルタンを併用しない場合より脳卒中が4割減少したという。この論文は07年に英医学誌「ランセット」に発表された。

 ノ社は取材に、この論文に記載された「試験の統計解析の責任者」は、ノ社の社員であることを認めた。だが論文には、この社員の所属は当時兼任していた「大阪市立大」とだけ記載されていて、ノ社の明示はされていない。この社員は、京都府立医大の試験の統計にも関係していた。

 ノ社は「当時、社員は大阪市立大の非常勤講師だった。統計手法の相談に乗っただけで、データの解析には関与していない」と説明している。

 論文には、試験費用がノ社から提供されたと明記されているが、金額は記されていない。大学側は、担当した研究者にノ社から奨学寄付金があったかについては、「開示を控える」としている。

 一連の臨床試験を巡っては、京都大病院の由井芳樹医師が昨年4月、ランセット誌で「薬を使った患者と使わなかった患者の群で、試験終了時に血圧の平均値や(データのばらつきを示す)分散値が一致しているのは奇妙だ」と、複数の大学の論文について指摘。

 その後、京都府立医大チームの6論文全てが、学術誌から撤回された。府立医大でも調査チームが検証している。【八田浩輔、河内敏康】

 【ことば】バルサルタン

 ノバルティスファーマが商品名「ディオバン」で、00年に国内販売を始めた高血圧治療薬。11年度の国内売上額は約1192億円。世界約100カ国でも承認されている。京都府立医大と東京慈恵会医大が各3000人を対象にした大規模臨床試験では、血圧を下げるだけでなく、脳卒中や狭心症のリスクも小さくする効果があり、同種の別の薬より優れているとの結論が出た。他にもバルサルタンの臨床試験をしている大学がある。

[1]』

やっぱり慈恵医大のバルサルタン不正疑惑も調査することになった。Jikei Heart Study(統括責任者 望月正武 武蔵野大学メディカルセンター 院長、元東京慈恵医科大学教授)の不正疑惑は京都大病院の由井芳樹医師がランセット誌で告発した。[1]では週刊誌報道があったため調査開始と言及されているが、具体的にはおそらく19日に発売されたフライデーの記事だろう[2]。今の問題は慈恵医大や京都府立医大の調査結果によってはもっと大問題に発展するかもしれない。京都府立医大のバルサルタン論文はすべて撤回された[5]。

さらにノバルティス(スイス)も京都府立医大のバルサルタンの試験の経緯について外部の専門家らによる調査を開始したという[7]。

[1]によればディオバン(バルサルタン)の販売元であるノバルティスファーマ社の社員が京都府立医大、慈恵医大のいずれの試験についても統計解析の責任者として関わっていたらしく、ノ社は多額の奨学奨励金を京都府立医大に渡していたことも判明した。統計解析の責任者はノ社の所属であることを隠し兼任していた大阪市立大の所属だけを論文で示していた。端的にいって研究者・研究機関と企業の癒着が疑われている。研究界の暗黒面が徐々に明らかにされている。

それにしても毎日新聞は熱心に報道する。京都府立医大M元教授らのデータ流用の改ざんや動物実験をせずに臨床した件も「人体実験との批判は免れない」と端的に言及して報道した[3]。特に動物実験をせずに臨床した件は一面で取り上げた[3]。私は研究不正事件が全国紙の一面に載ったのをはじめてみた。毎日新聞にはこの問題をとことん追究してもらって、研究界の公正さの改善に尽力してほしい。

最近ネイチャーが"A record made to be broken. "[ Nature 496, 5 (2013.4) ] で日本の研究不正に対する自浄作用がない様を報じた。私は何度も研究不正の問題は主張した。詳しくは"研究不正調査制度の問題点"(2013.3)を見てほしい。下村文科相は京都府立医大の事件を受けて「研究活動の不正行為への対応は、研究者や大学の自浄作用が基本で、まず大学で徹底的に調査を行うべきだ。文科省としては今後、大学の調査を踏まえ、適切な対応をしたい[4]」と述べている。

京都府立医大の問題は現状ではまず研究機関の自主性に任せるのはいいとしても、さすがに東北大I前総長やF医師の世界記録捏造等の事件やNatureやJSTの第三者調査機関を作るべきという提言を考えると、文科省が研究不正の改善に自主的に取り組まない様は不適切だろう。学問の自由(憲法23条)との関係で自主的な調査がまずいとしても、例えば日本学術会議の内部など学術界の中に米国研究公正局(ORI)のような第三者調査機関を常設したり、実効的な規則を作るなどの対策は迅速にやらないと不適切だ。

尾崎美和子(アジアメディカルセンター 代表)は

『多様性が重要と言いつつも審査委員、評価委員はいつも同じ、採択される研究者も委員会委員グループかその関係者(事業目的に合わせた専門性があまり考慮されていない)、報告書は実体のないものでも平気でとおる。調査、修正、訂正を求めても聞き入れられない。偽りの報告書に対し、評価委員会を設け評価し(もちろんここにも公費が費やされているだろう)、そこにSやA評価が下る。何のための事業であったのか、その目的が頻繁にぶれ、事後評価は『やったふりをしている』だけのことも多い。これは紛れもなく日本で起きている現実である。[6]』

と日本の評価法の不適切さを指摘し、

『科学技術分野全体を俯瞰し、健全な運用を促す、監査局(OIG)や研究公正局(ORI)あるいはそれに相当する利害関係から独立した第3機関の存在が必須である。そこには、どの団体からも均等な距離が保て、職業的責任、地位としての責任という言葉の意味、重みが理解できる人材が配置されるべきであり、同時に、組織の役割が骨抜きにならない仕組みが兼ね備えられることが絶対条件である。[6]』

と述べている。

今後の改善を期待している。

なお、慈恵医大は『論文に疑義があるわけではないという認識だが、臨床試験を疑問視する報道があり、事実を入念に確認する必要があると判断した[8]』と話しているが、京都大病院の由井芳樹医師がランセット誌で告発していても、「論文に疑義があるわけではない」と述べている。論文に疑義があるとして慈恵医大に正式に告発した方がいいかもしれないと少し思った。もう調査されているのだから告発の必要はないけれど。

世界記録捏造のF医師の時は学術誌で不正を告発しても当時の所属機関だった筑波大学は無視したし、不当なことでも平気でやって研究不正の問題を避けようとするのが現在の研究機関だから明らかな疑義を呈されても「論文に疑義があるわけではない」と慈恵医大が発言したのも自然かもしれない。無論、間違った判断だ。

尾崎美和子がORIが必要で組織の役割が骨抜きにならない仕組みを兼ね備えることが絶対条件だと提言した理由がわかったでしょうか?

参考
[1]毎日新聞 (web) 2013.4.24
[2]フライデー p86 2013.4.19 発売
"ドル箱降圧剤の論文撤回、京都府立医大有名教授と製薬会社ノバルティスの闇
   ◆     松原弘明・京都府立医科大学元教授、降圧剤「バルサルタン」 "
写しその1, 写しその2, 写しその3

[3]毎日新聞 (web)動物実験をせずに臨床 その1, その2 , データ流用(改ざん) 2013.4.11
[4]毎日新聞(web)の記事 2013.4.12
[5]京都新聞 の記事の写し 2013.4.22
[6]尾崎美和子:"監査局や研究公正局の設立の必要性 ~科学者の心と言葉を取り戻す為に~" 日本の科学を考える 2013.4.10
[7]毎日新聞 (web) の記事 2013.4.24
[8]日刊薬業 2013年4月25日 記事写し


同級生、同期生、同窓生

2013-04-24 00:28:48 | Weblog

先日友人との会話で「同級生と会った。」という話が出た。その同級生と友人は一度も同じクラスになったことがなったらしく、友人は同級生という言葉を同じ学校で同じ学年の卒業生という意味で使っていたようだ。現代社会ではそういう意味で同級生という言葉を使うこともよくある。しかし、国語辞書を調べてみるとどうだろうか?

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同級生

同じ学級の生徒。クラスメート。

同期生

同じ年度に入学あるいは卒業した学生。同期。

同窓

同じ学校で学んだこと。また、その人。

(三省堂、大辞林 より)

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大辞林によれば同級生は違う学級の同期生を指さない。同級とは同じ学級ということだから、同級生とは同じ学級の生徒を示すわけだ。字義的にとらえればそういう理解になる。違う学級の同学年生を言う場合は同期生が正しい。おそらくもともとはこのように区別されていたのだろうが、違う学級の同期生でも同級生の意味で使われることが多くなり社会で定着したのだろう。その意味を載せている国語辞書もある。

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同級生

同じ学級の生徒・学生。同じ学年の生徒・学生。

(小学館、大辞泉 より)

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字義のとおりに言葉を使い分けるなら、大辞林のような意味で使い分けるのが適切だろう。同期生とは同じ学年という意味、同窓とは同じ窓、即ち同じ学校や師から学んだという意味だ。そういう使い分けの方が言葉の表記を考えると適切だと思う。だって、違う学級なのに同級生というのは言葉の表記として不合理でしょう。

まあ、大きな問題ではないけれど。


現代女性の結婚観について

2013-04-23 00:00:00 | スポーツ・芸能・文芸

最近いろいろな人と話して女性の結婚観について再認識した。

まずはじめに恋愛漫画を紹介する。「めぞん一刻」(原作、高橋留美子、1980年)は1980年代の恋愛漫画の金字塔として名高い作品である。知っている人には説明無用だが、主人公は五代裕作と音無響子という男女二人。また五代のライバルキャラに三鷹瞬という人物がいる。人物の説明をすると次のとおり。

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五代裕作


画像1 五代裕作 - めぞん一刻(原作) より, 画像はこのサイトから

一言でいうと善良だが落伍者のような人物。善良でトラブルに巻き込まれやすく優柔不断。1浪して三流大学に進学し、就職浪人。最終的には保育士となったが、赤貧を覚悟しなければならないほど低収入。最終的に響子と結婚。娘、春香をもうける。

音無響子

画像2 音無響子 - めぞん一刻(原作) より、 画像はこのサイトから

五代の住む一刻館の管理人。美人で明るく快活な性格、料理も上手だが、非常にやきもち焼きで、鈍く、思い込みの激しい性格。もっとも重要な特徴は未亡人であり、亡き夫、惣一郎を一途に想い続けていること。この悲しみを乗り越えて、新しく五代との愛に生きる様が本作品の核心。最終的に五代裕作と結婚し、娘、春香をもうける。

三鷹瞬

画像3 三鷹瞬 - めぞん一刻(アニメ)より、画像はこのサイトから

容姿端麗、スポーツ万能、一流大学卒業、高収入(家賃20万円ほどのマンションに一人暮らし)、快活で闊達、実家も資産家、料理も上手で女性に持てるプレイボーイ。当初は犬恐怖症だったがそれを克服したので完璧に近い人。どういうわけかわからないが、親族含めて歯が光るのが特徴。余裕を表した表現らしい。

五代の恋敵役として登場。三鷹のアプローチで響子は少し心が揺れていた描写はあったが、犬の妊娠事件を見合い相手九条明日菜を妊娠させた事件と勘違いして明日菜と婚約し結婚。また響子は三鷹を必要としていないと悟り響子を断念したことも明日菜と結婚した理由だった。それが本質的な理由であろう。

響子を断念した後はきっぱりと諦め一切引きずらず二人を応援していた。恋敵役として登場したので役柄的に損な評価を受ける立場かもしれないが、私は好人物だと思う。

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さて、みなさんが響子さんなら、五代と三鷹のどちらと結婚するだろうか?

私は少し前まで現実には三鷹を選ぶ女性が多いのではないかと思っていた。人柄は五代も三鷹もどちらも問題ない。二人の決定的な違いは収入である。五代は甲斐性なしで、係累を持てる余裕はない。結婚するなら共働きが必須で、経済面でいろいろと苦労するのは覚悟しなければならない。子供の養育、老後の生活資金などで不安を抱えながら生きていかなければならない。最悪生活保護を受けるおそれもあるだろう。その点三鷹は高収入なので不安は全くないだろう。

どちらの男性にも愛されていて、人柄も申し分ないが一方が甲斐性なしで他方が高収入なら高収入の男性を選ぶのが現実の選択であると思っていた。統計的にいっても、低収入の男性は結婚していない人が多い。私も三鷹の方を選ぶ。

では、なぜ響子は三鷹でなく五代と結婚したのかといえば、五代を愛していたからに他ならない。作中で経済性について「愛情が同じならお金があった方が。」と響子が述べる描写はあったが、作品を読む限り響子にとって経済性はあまり重要ではなく、最も重要なのは愛する人と共に生きるという点だ。

音無響子という人物はおそらく愛情がものすごく深い人なのだろう。一度人を好きになると、その人以外全く見ず、その人で心をいっぱいにしてしまう。

「私は世界中の誰よりも惣一郎さんが好きだった。惣一郎さんだけを見て、惣一郎さんの背中を追いかけて、惣一郎さんで心の中をいっぱいにして。しあわせ・・・だったわ・・・」

「正直言ってあなたがねたましいです・・・遺品返したところで響子さん・・・絶対にあなた(惣一郎)のことを忘れないと思う。・・・忘れるとか・・・そんなんじゃないな・・・あなたはもう響子さんの心の一部なんだ・・・」

相手が本当に好きで何年たっても絶対に忘れないという気持ちは私はわかる。響子がこういう人物だから、五代のことが好きでも長年結婚できなかったのだ。

「あの人生真面目で融通利かなくてね。亡くなった旦那さん(惣一郎)のこと、本っ当に好きだったのね・・・。世の中には本当のことはいくつもあるのに、彼女はね、それがひとつしかないと、思い込むタイプなのよ。だからもし誰かを新しく好きになったら、だんなさんへの思いはウソだったってことになる・・・」

響子の母校の先生がこのようにいっていたように、惣一郎の存在が二人の愛の最大の障害であった。

こういうタイプの人物は経済性が劣っていても愛する男性を選ぶのは当然だろう。お金があって裕福な生活をするより、貧乏でも愛する人と一緒にいることで何よりも幸福を感じる人物だからだ。

そして作品を読めば、響子が五代と三鷹でどちらを愛しているかは明らかだろう。五代に決まっている。響子の気持ちは作中の初期の頃からはっきり決まっていたのだから、現実の話なら三鷹ははやく解放してやるべきだったが、それは漫画の都合上仕方ない。

現実には係累を持つ余裕がないほど貧乏な男性と結婚してもいいと考える女性は少ないだろうから、五代にとって響子は本当に良い女性だったろう。

現実の結婚理由として経済性は重要だと思う。貧乏だと苦労が多いし、日々の生活でも不安がつきまとうし精神的に辛いと思う人たちもたくさんいるだろう。そういう生活でもいいと思う人は少ないのではないか。だから収入の低い人と結婚する女性は少ない。私は最近までこのように思っていたのだが、いろいろ人の話を聞くとそういう人ばかりでもないとわかった。

近年は女性が社会進出し、働く女性が増えたし、結婚して仕事を辞めるのは嫌だという人がずいぶん増えた。多くの女性が一流大学を卒業し、一流企業等で働き高収入を得ているのが現代社会だ。正直言って、そんな女性はごく一部で大部分の女性は低収入という人も多いのだが、昔に比べれば収入が多い女性がずいぶん多くなったのは間違い。

だから、結婚するにしても相手の経済性をあまり重要視しない女性も以前に比べて増えたように思う。経済性よりも結婚しても仕事を続け、それに協力してくれることが結婚の絶対条件だと考える女性は多い。主夫をやってほしいという人すらいるようだ。

子供も必ずしももたなくてもいいと考える人も少なくなく、結婚しても仕事のために子供をもうけないという夫婦はたくさんいる。そういう結婚観の女性が増えた。

また、話を聞くと経済性が低くても好きな人と一緒にいることを選択し、相手と助け合って生きていく方がよいと答える女性も多くいた。そう考えると、五代のように貧乏を覚悟しなければならない相手でも好きなら結婚するという女性は私が思っていた以上に多いのかもしれない。

現代では多くの女性が働き、仕事を続けられる人生でないと結婚しないという人が増えたので、男性の経済性は昔ほど重視されていないのかもしれない。私の認識は古いものだったのかもしれない。

バブル経済だった1980年代末は三高といって高学歴、高収入、高身長の男性が結婚相手の条件とされたが、3K([1])が結婚相手の条件とされているようだ。

これからの男性は収入より価値観が合うことや料理や掃除、子育て、奥さんへの助けなどに努めた方が幸福な結婚生活が送れるかもしれない。

そういえば私も料理等はずいぶん長いことやっている。どれも簡単で、やればできる。やっぱりこうでないとね。

参考
[1]3K:2010年にアクサ生命保険の調査した女性の結婚の条件の1位~3位、「価値観が合うこと」、「金銭感覚が一致していること」、「雇用形態が安定していること」のこと。最初がKからはじまるので3Kという。
[2]めぞん一刻は純愛物語で青年誌で連載していたので高橋留美子の作品の中では対象年齢が高い方で特に男性の人気が高いそうです。私は女性が見ても面白いと思います。まだ見てない人は一部紹介します。私が面白いと思うところを集めた部分です。動画を見てウエディングロードを楽しんでください。


動画1 アルコール・ラブコール、複雑夜・・・・・・


動画2 桃色電話


動画3 ギンギラギンにさりげなく(初デート)


動画4 あなたのソバで


動画5 落ちていくのも、愛の骨格


動画6 二人の旅立ち、同行二人


動画7 シルエット・ロマンス、夢一夜


動画8 戸惑いロマンス、大逆転


動画9 出たとこ勝負、いきなり管理人


動画10 やましい関係


動画11 ラブホテル事情、好きなのに・・・


動画12 契り


動画13 約束 (プロポーズ)


動画14 形見


動画15 桜の下で、P.S.一刻館 (ラスト、クライマックス)


ボンクラーズ評価関数の謎

2013-04-22 02:11:20 | 囲碁・将棋

20日のGPS将棋-三浦弘行の対戦の終盤でボンクラーズ評価関数の数値がCPUが650くらい優勢だったところから一手でいきなり三浦が約100優勢になったり、評価が互いにゼロでイーブンになったりしたことがあった。聞き手の矢内もあまり当てにならないというような口調でしゃべっていた。これはいったいどういう原因なのかよくわからない。

わかる方がいたら教えてください。


GPS将棋がA級棋士の三浦弘行に勝った。コンピューターのレベルは?

2013-04-22 00:08:26 | 囲碁・将棋

20日にGPS将棋がA級棋士の三浦弘行八段に勝った。コンピューターの棋力がどの程度なのか関心を持っている人は多いだろう。これについては先日の記事でも書いたが、コンピューターと現役プロ棋士の公式対局は5局しかないので、正確な棋力を判断するには情報が足りなさ過ぎる。団体戦で3勝1敗1分だったのだからプロレベルにあることは有力だと思うが、実態はプロの下位レベルで上位に偶然勝てたという可能性も否定できない。

将棋を知らない読者に少し説明するとA級棋士は名人戦の予選である順位戦の最上位クラスで定員10名の狭い枠。ここに所属する棋士は一流とされ、各種イベントで将棋界の代表として出演することがある。相撲でいえば三役クラスの実力者と考えていいだろう。三浦は今期A級2位の結果を出したし、A級は12期も在籍しているので、一流棋士の実力を持っているのは間違いない。ただ、何度もギリギリで残留したことがあり、タイトル獲得も棋聖1期だけで、A級棋士の中では下位の実力だと思っている。

またデビューしたばかりの佐藤天彦四段(現七段)と当時A級棋士だった高橋道雄九段との対局を見たことがあるが、佐藤天彦は高橋相手に快勝していた。最近の新人を見ていると有力な人はA級棋士に勝つことも珍しくない。さすがに新人だからA級棋士との対戦勝率はそんなに高くないと思うが、1回A級棋士に勝ったくらいでコンピューターがA級棋士に相当する棋力と考えるのは早計だろう。

ただ、アマや女流は新人プロの有力者やA級棋士にはまず勝てないし、そういうレベルの棋士に2勝したことを考えると、コンピューターのレベルは現役プロの中堅以上に相当する力があると考えるのが一つの候補だろう。持ち時間が短ければもっと強いと思う。

今回の電王戦は相撲でいえば三役格の三浦が登場して負けたので、次は名人、竜王以外のタイトルホルダーが登場するのも面白いかもしれない。最終的には羽生とコンピューターが名人戦と同じ条件で七番勝負をしてほしい。

1997年5月のチェス世界チャンピオンのカスパロフ-ディープ・ブルーのように人間最強の実力者とコンピューターの戦いは一度見てみたい。羽生が1996年の七冠独占時のような全盛時代の強さだったらもっと面白いと思うが、そういう対局は後に現れる天才棋士によって実現されると期待したい。

仮にコンピューターが人間以上の実力を持ったとすると、人間がどこまで強くなれるのかという挑戦を人間以上の存在を相手に実行できるようになるので、人間より上がいなかった時代とは違った挑戦ができるようになるだろう。きっとそれは人間にとってもよい状況ではないだろうか。私はそう信じたい。


第2回電王戦を見た感想

2013-04-21 00:21:06 | 囲碁・将棋

第2回電王戦は5局とも結果だけは知っている。実際に見たのは1,5局だけだった。結果はコンピューターの3勝1敗1分なので立派な成績といえる。プロにとっては厳しい結果だった。昨年の米長永世棋聖との対戦だけでなく、女流トップの清水市代が負けるなどコンピューターの棋力が上がっていることはみんなが認めていた。今回は現役のプロ棋士との公式の団体戦だったので史上はじめて現役プロ棋士が公式の場で負けることがあるのではないかと思っていた。

3月30日に佐藤慎一四段がponanzaに敗れ史上初めてコンピューターが現役プロ棋士に勝つことが実現した。続く4月6日に若手の有力者とされる船江恒平五段がツツカナに敗北、4月13日に塚田泰明九段もPuella αに劣性に立たされギリギリ引き分け、一流棋士とされるA級棋士の三浦弘行八段までも昨日の対局でGPS将棋に敗北。何十局と戦ってみないと正確な強さはわからないが、5局戦って若手の有力者やA級棋士にまで勝ったのだから、少なくともコンピューターの実力はプロ棋士のレベルに達しているといえるだろう。アマや女流レベルでは若手の有力者やA級棋士に勝つのは難しい。

渡辺は『ここまでの3戦で棋士側が2敗したこと、若手の中でも上位に位置する船江五段にも勝ったことから現役棋士約160人の半分(80)、いや3分の1以上 (50)に相当する力がある、という見方をせざるを得ないと思います。第2戦、第3戦の内容から見ても「相当する」であって「超える」ではありませんけど も。最終戦でA級棋士の三浦八段が負けるとこの数字がグッと減るのでここは大注目の一戦になります。[2]』といっている。これに従えば現役プロ棋士の3分の1よりずっと上の力に相当する実力をコンピューターは持っているということになる。

塚田がPuella αとの対戦を終えた後に事前にコンピューターと戦ったが短い時間では勝てなかったと言っていたので持ち時間が短ければコンピューターはプロと比較してもかなり強いのだろう。私は最後の三浦弘行-GPS将棋の対局を見ていたが、持ち時間に差があり過ぎる決着だったし、持ち時間が短ければ三浦はもっと悪い指し手になっただろうから、持ち時間が長い方が人間にとって有利という点は確かだろう。

Puella αの開発者伊藤英紀が塚田との対局後に言っていたのは現在のコンピューターはお金をかけて演算能力を上げてやればいい手を指せるので、名人を超えているということだった。それを実証するのは今後の電王戦の内容次第だろう。

今回はA級棋士が負けたので、次に登場するのはより強い人ということになる。例えば現役のタイトルホルダーとか羽生、渡辺、森内といった最強格の棋士たちだ。主催のドワンゴは連盟に早速来期の開催を申し込んだようだが、「これ以上、プロのイメージを汚さない方がいい[1]」という反対論もあるらしく、開催決定は簡単にはいかないようだ。

『現役最強棋士の一人、羽生善治棋聖(42)は「相手がソフトだと予想できない手を指してくるので、対戦するとすれば十分な準備・対策を立てて臨まないといけない」と慎重姿勢。森内俊之名人(42)も「自分が出ると影響が大き過ぎる」と、現時点では出場に否定的だ。平成19年に「ボナンザ」と対戦し、コンピューターの実力を熟知する渡辺明竜王(28)も、「もう一度対局するかどうか、自分の一存では決められない」と話す。[1]』

と報じられているので、最強格の棋士の登場も簡単にはいかないだろう。渡辺は自分のブログで『電王戦が創設されて、昨年は米長先生が負けた。今年は現役棋士が出るとは言え、自分のところに回ってくるのは当分は先だと思っていました。来年以降のことはもちろん何も決まっていませんが、その見解は甘過ぎたようです[3]』と言っているので、自分の出番は意外とはやいと思っているようだ。

将棋ファンの中にはコンピューターと人間の対局を見たいと思っている人が多いかもしれないが、[1]を見る限り今後の展開は予想が難しい。私はコンピューターにも人間にもどちらもがんばってほしいと思っているので、コンピューターと人間がライバルとしてその力を競うのは良いと思うし、そういう対局を見たいと思う。

ただ、プロの将棋界は権威を売り物にしているところがあり、アマなどに負けるのは辛いものがあるだろう。プロにも経営事情やプライドがあるし、無理強いはできない。そういう意味で今回コンピューターと対戦した現役プロの5人には大きな勇気と真剣な対局の姿に敬意を表する。塚田が対局終了後に泣いたように、プロ棋士のプライドをかけた戦いでプレッシャーも相当なものだったはずだ。そんな対局を引き受ける勇気と大きなものを背負って戦うプレッシャーは賞賛に値する。結果は残念ながらプロ棋士にとって厳しいものだったが、コンピューターには出せない人間固有の強さを見せてもらった。それはとても嬉しかった。

今後電王戦があるのかどうか、あるとしてどういう内容になるかわからないが、仮に続くとしてコンピューター、現役プロ棋士の両者にとって良い対局になり、将棋ファンを魅了してくれることを願っている。

参考
[1]産経ニュース web 2013.4.20
[2]"電王戦第3局。" 渡辺明ブログ 2013.4.6
[3]"電王戦終わる。" 渡辺明ブログ 2013.4.20


コンピューターのGPS将棋、A級棋士三浦弘行に勝利!団体でも勝利! - 第2回電王戦

2013-04-20 18:28:13 | 囲碁・将棋

第2回電王戦最終局はコンピューターのGPS将棋がA級棋士三浦弘行に勝利した。公式の場でトッププロであるA級棋士がコンピューターに敗れるのははじめて。団体戦でもコンピューターが3勝1敗1分となり勝利が決まった。残り時間はGPS将棋が1時間53分、三浦は1分。ずいぶん時間に差がついた。コンピューターの強さを見せつけた対戦だった。来年はもっと強い人が出ないとだめだろう。すごかったなー。


万波佳奈と万波奈穂が今期のNHK囲碁フォーカスを担当

2013-04-19 00:22:00 | 囲碁・将棋


画像1 万波奈穂(左)と万波佳奈(右) - このサイトより

今期のNHK囲碁フォーカスは前期(4月~9月)が万波奈穂が担当、後期(10月~3月)が万波佳奈が担当する。講座名は「万波姉妹の明日は勝てるマジカル手筋」。本当にこの姉妹は人気がある。姉妹棋士というだけでなく多くの囲碁ファンからルックスがいいと思われているからだろう。少し前になるが2008年5月の日本棋院の棋士プロフィールアクセスランキングでは両者とも高順位だった。井山や張のように実力トップの棋士だけでなく梅沢(現、吉原)、万波姉妹などメディアによく出る棋士のアクセス数が高いことがわかる。

普及で大きく貢献している万波姉妹。彼女達見たさにNHKEテレにチャンネルをまわす人は結構いるんじゃないですか?(笑)

この姉妹は奈穂の方は結婚したという話は聞かないのでたぶん独身。佳奈は2年前に小学校の同期生と結婚し昨年長女を出産した。幸せそうでなによりだ。囲碁の実力と実績は今のところ佳奈の方が上。

囲碁の放送に出演する女性棋士はいつも決まっている印象を持っている。吉原由香里、万波姉妹・・・。人気が高いということもあるけど、他に人材がいないということでもあるのかな?正確なことはわかりません。

もし普及関係で決まった人しか採用してないということなら、吉原とか万波姉妹は忙しそうだ。囲碁フォーカスだけでなくタイトル戦の聞き手役とか囲碁教室とかイベントなど普及関係の仕事は多く、吉原はタレントでもあり囲碁のトーク番組で司会から大変忙しいという趣旨の話が出たので多忙なんだろう。思えばテレビCMで見たことのある囲碁棋士は吉原だけだ。現在六冠の井山もテレビのCMで見ない。羽生が六冠の時は公文式のCMに出ていたけど囲碁はそういうのはないのだろうか。

普及の関係で忙しい万波姉妹は囲碁ファンには知名度が高いと思うが、一般ではどうか?2009年にSMAP×SMAPの名刺ゲーム(名前や職業を名乗らず、本人に質問して職業を当てるゲーム)に万波奈穂が登場した時、当時NHK杯戦の司会でテレビ出演していたがSMAPのメンバーは奈穂を知らなかったし、解答も不正解だった。そういう様を見ると一般の知名度はそれほど高くないのかもしれない。


動画 万波奈穂(小学6年)-井山裕太(小学2年)の対局 - 全国少年少女囲碁大会(平成9年、1997年)

万波奈穂は平成9年(1997年)の全国少年少女囲碁大会の決勝で井山裕太と戦い敗北。後のNHKの放送で「井山さんに勝てる唯一のチャンスを逃した。」と言っていた。当時の動画は上のものだが、奈穂は眼鏡をかけているので現在はコンタクトレンズをしているということだろう。子供の頃は眼鏡、成人の時はコンタクトというのは矢内理絵子と同じだ。

画像2 子供の頃の矢内理絵子 - このサイトから

画像3 矢内理絵子 (2013年4月14日放送のNHK杯戦) - このサイトから

なぜコンタクトにしているのかというとルックスが理由?そういう女性は多いからねぇ。しかし、正確な理由は不明。

最近LPSAの対局放棄事件で話題の渡部愛は通常眼鏡を使用しているが、コンタクトの時もあるようだ。そのうちコンタクトを常時使うようになるのかな?

画像4 眼鏡使用の渡部愛 - このサイトより

 

画像5 おそらくコンタクトを使用した渡部愛 - このサイトより

以上、万波姉妹の紹介等はここまでです。

ここから先は著者の本音と執筆方針の話で、この記事は万波姉妹のよさを伝える点と読者の好みを考慮して執筆しました。万波姉妹のよさと読者の好みは何かと考えると、ルックスではないかと思う。読者も彼女たちの囲碁の実力や司会能力よりもルックスを求めているのではないかと思う。ルックスがいい点や囲碁ファンの人気が高い点は彼女たちのよい点だと思う。

読者の様子を見ていると、ルックスがいい女流棋士の写真等を求めてHP等を見ている人も多いのでこの記事では読者要望に応えるために写真等を使用しています。おそらく奈穂や矢内、渡部はルックスのためにコンタクトを使用していると思うので、眼鏡時とコンタクト時で印象がどう違うのか感じてもらうために上のような画像等を用意しました。奈穂と矢内の比較は年齢が大きく違うのでその要素も大きいでしょうが。

こういう話がどれだけ読者に受けるのかわからないが、万波姉妹についてもルックスだけでなく別の視点でも記事を執筆したかったと思います。彼女たちのよさはルックスだけではないでしょうから、そういう点を紹介できなかった点は著者である私の取材不足です。そこまで趣味のブログで時間を避けないからですが。

万波姉妹の囲碁の実力や司会進行力等読者の皆さんはどうお考えでしょうか?

今後も万波姉妹の活躍を期待しています。