サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

ミリキタニの猫/ジミー・ツトム・ミリキタニ(路上画家)/92歳

2012年10月26日 | 毎日がメメント・モリ

ジミー・ツトム・ミリキタニさん死去

時事通信 10月26日(金)9時36分配信

ジミー・ツトム・ミリキタニさん(日本名三力谷力=みりきたに・つとむ=米日系2世画家)が21日夜、脳出血に起因する機能不全のためニューヨーク市内の病院で死去した。92歳だった=09年7月撮影

(時事通信社)

ミリキタニさんを知ったのは、 彼を主題にしたルポルタージュ風の映画である『ミリキタニの猫』を見たことによる。
ミリキタニこと三力谷さんは、アメリカで生まれたが、日本の教育を受けるために、三歳で広島に戻り18歳まで過ごした。
軍国主義がいやで絵描きになるために再度アメリカに渡り、アメリカ国籍もとったが、第二次大戦で強制収用所に送られる。
そこで市民権を勧められるままに放棄したため、5年間の収容後も定職につけず、晩年はニューヨークに流れ着き、路上生活をしながら絵を描く路上アーチストとなった。
ドキュメント映画作家のリンダと出会い、ふたりは9.11以降に奇妙な同居生活をしながら、そのことが映画となって結実するのである。
ミリキタニはアメリカからも日本からも見放されたが、彼が書く絵は、自分の両国に対する複雑な感情があふれるのである。
ミリキタニは路上生活者であるが、物乞いをしているわけではない。
自分の絵を認めた人に売って、生活をしている。その矜持を忘れない。
何十年ぶりかで日本を訪れた彼は、広島の原爆記念碑の前で、死んでいった級友や恩師を偲び、「仰げば尊し」を精一杯の音量で歌うのだった・・・合掌!

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ミリキタニの猫

 

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