廃棄物彩生処

主にジムニーの廃品利用による改造、メンテ、及び4×4トライアル競技などを掲載する場として・・・・!

長期未走行車の燃料タンク劣化について

2013年06月27日 | 車パーツ
 今回、放置してあった4台のジムニーJA71、JA11の燃料タンク内部を確認したところ、以下のような状態であった。

○ガソリンが蒸発して空になった3台のタンクは、
  ・タンク内部の全面が異常に錆発生し、
  ・燃料ポンプ全面に錆が付着し、内部固着で使用不能

○ガソリンが10リットルほど残っていた1台のタンクは、
  ・タンク内部、ポンプともに異常なし

上記のようなことが、どうして起きるのか、自分には解らないが、以下のようなことなのか?

 ・内部にガソリンがあるうちは、内部がガソリン蒸発気体が充満して圧力が高く、湿気が入れない。
 ・内部にガソリンが無くなると、内部圧力が低下して温度上下による呼吸作用によって湿気を吸い込み、錆が進行する。
  しかし、内部につり下がっているポンプに錆が付着する現象は、どのようにして起きるのかは推測できずだぁ!

 

偏芯キングピン製作-その2

2013年01月20日 | 車パーツ
 ジムニーのフロント車輪に逆キャンバーを付けるための偏芯キングピンは、以前にも頂き物にピンを差し込むだけの製作をしたことがあるが、これはピンを数ミリ平行移動するだけの簡易型のため、構造的に好ましくないのでその後の製作はしていなかった。
 しかし、今回、この簡易型の製作依頼があったため、純正品を加工する方法で試作してみた。

 上部の棒は、φ16mm鋼棒

〔加工手順〕
①純正キングピンのピン溶接部をサンダーで削って、ピンを抜き取る。・・・図:左上
②φ15mmピン穴をφ16mmに拡大する。
③その穴にφ16mm鋼棒を打ち込んで穴埋めする。・・・図:右上
④中心から2mmずらした位置にポンチを打ち、ボール盤でφ15mmの穴明けする。・・・図:左下
⑤この穴に抜き取ったφ15mmピンを差し込み、裏側を溶接固定する。・・・図:右下

〔奮闘記〕
・①の溶接部の溶け込みが深く、サンダー削りが大変なため、可成り削った状態でプレス打ち抜きした。
・②の穴拡大にドリルを使ったが、炭素鋼熱処理されていて穴径1mm差ではドリルは食い付かなかった。
 このため、ガスバーナーで焼きなまし、ホールソーで穴繰りした。
 (新品購入したφ16ドリルが無駄になったぁ・・・)
・③のφ16鋼棒打ち込み後は、裏側で溶接仮止めした。
  なお、φ16鋼棒を使った理由は、φ15の手持ち材料がなかったためで、特段に意味は無い。
・キャンバー変化量を2゜とする偏芯量を計算し、2mmの値を算出したのだが、他人のHPによればこれは大きいようである。取付後に要確認。
・④のφ15ドリル穴明けには、③でのφ16鋼棒溶接による焼き入れ硬化で、鉄工ドリルでは明かなかった。このため、再度、ガスバーナーでの焼きなましを・・・。






ガラス管ヒューズの腐食トラブル

2012年11月10日 | 車パーツ
 ARBエアロッカー・コンプレッサ動作不良の原因はヒューズであったが、機器異常電流によるヒューズ断線ではなく、下図のようなガラス管ヒューズの腐食→焼損であった。

 腐食焼損したガラス管ヒューズ


 このヒューズを分解したところ、両端ハンダ付け部分が腐食して電気抵抗が増し、過熱してハンダが溶けてしまったものである。
 上段画像での褐色は、金属錆ではなくフラックスが溶け出したもの。

 このARBエアロッカーは平成13年3月にJA11Cに取付したもので、11年を経過しているのだが、これまで長年日本製品での電気機器を見てきたが、このような腐食ヒューズは経験したことがない。
 また、多くの経年ガラス管ヒューズを所有しているが、腐食進行したものはない。

 自分は、どうも外国製品の信頼性に疑問をもっているようだ・・・!

 いずれにしても、ガラス管ヒューズは時折、ホルダーを開いて点検しておくことが必要なのかも・・・!


 ところで、この機会にハンダ付けの腐食について調べた結果、ハンダの腐食進行ははんだ付け時に使うフラックスの種類によるようである。
 フラックスには、非腐食性のものと腐食性のものがあり、腐食性フラックスの場合は、ハンダ付け後によく洗浄することが必要とのこと。
 非腐食性フラックスの代表に”松やに”があり、また電子部品接続などに使う線状の”やに入りハンダ”は非腐食性で洗浄の必要がないようである。

 インターネットに詳しく載っているので、興味のある方はそちらをどうぞ!


 


セルモーターのオーバーホール

2012年06月14日 | 車パーツ
 ジムニー用スターターモーターを内部消耗パーツ確認を兼ねて、オーバーホールを行った。

素人による通常の分解は、電極ブラシの交換などでブラシ側カバーを外す程度であり、最大でも下図までであろう。

 JA71用の分解図

 しかし、今回はマグネットスイッチの接触端子の消耗程度を確認するため、マグネットSWを分解した。
このマグネットSWの純正パーツとしては、アッシとしてしか購入できず、よって接触端子など構成パーツを交換することはできない。

もっとも、小型車用のセルモーターは通電電流が少ないことから、接触端子消耗も少なく、これのメンテはほとんど必要ない、ということなのだろう。

これを分解するには、2本のボルトを外し、2ヶ所のハンダ付け部分(下図の矢印)を溶かすだけで容易に分解できるので、アッシ扱いとする必要はないと思うのだが・・・。



 下図はSJ30用で、接触端子はバッテリーからの入力+側の接触面が若干ざらついていたものの、機能的には問題ない程度であった。



 JA71用、SJ30用共にブラシ摩耗が少なかったので、回転部分と衝動部分を清掃し、グリースを塗布し、塗装して組立した。

 SJ30用

【注意事項としては】

 内部には電極としてのブラシ接触面などがあるため、導電性のグリース(リチュームグリースなど)を使う必要がある。


再生バッテリー

2012年03月13日 | 車パーツ
 今回、ランクル・プラド用バッテリーの寿命が来たので、購入品の選定について種々検討し悩んだ末、初めての再生品を使って見ることにした。

選定検討の対象は、以下の4種目(サイズ:115D31相当品)
 ・国産高性能バッテリー ・・・・・¥20,000程度以上
 ・国産普通バッテリー・・・・・・・¥12,000程度
 ・韓国製の低価格バッテリー・・・・¥7,000程度 送料込み
 ・再生バッテリー・・・・・・・・・¥7,000程度 送料込み
【注】上記の金額はインターネット販売価格で、カー用品店等での高性能batteryは¥30,000以上する。

 結果として、コストパフォーマスが優れていると思われる下図の再生バッテリーをヤフオクで購入した。

このバッテリー詳細は、
・(品名)新品未使用品を極板復活処理した再生バッテリー
・(メーカー・商品名)パナソニック Power COMPLETE
・(容量)105D31L
・(再生条件)電圧:12.75v以上、比重:1.28~1.29、CCA:サイズ基準値の100%以上
・(補償)15ヶ月 
・(価格)¥6,500 +(送料)\350 
・(その他)廃棄バッテリーの無料、着払い送付用伝票付き

 ところで、Panasonicカタログにはこの商品名での掲載はなく、OEM品として販売されているようで、一例としては宇佐美ブランドでガソリンスタンドで販売されている。 
 今回品は、これらの長期在庫品を再生処理して販売しているものと推測する。
 
 通常の再生バッテリーは、廃棄回収品の中から性能劣化の少ないものを選出して、再生販売してもので、製品バラツキが大きいのではないかと思われるが、これと比較して今回のものは新品再生であり、新品に近い性能と信頼性があるのではないか、と勝手な都合よい期待をしている。 

 これまでは、下図バッテリーを載せており¥13,000で約5年間使用したので、今回品は2年半以上保てばコスト的に同等となる。
 しかし、今回品はパナソニック製であり、5年程度は使えるのではないかと期待している。
 これまでのバッテリー、SMF115D31R

〔再生バッテリーとは〕
  鉛バッテリーは、充放電の繰り返しや経年により極板に発生する硫酸鉛が結晶化(サルフェーションという)して、電池容量が次第に減少する。
 この劣化したバッテリー電極に10~30kHzの高周波パルス電流を流して、サルフェーションを鉛イオンと硫酸イオンに分解して、蓄電能力を回復させるもので、近年、これの活用が拡大してきているようである。

〔自動車用バッテリーの種類〕
 自動車用バッテリー(スターターバッテリー)には下記のようないろんな種類があって、その価格も大きな開きがあるが、その違いがよく判らない。
・従前のキャップ付タイプ(開放型という)
・キャップの無い密閉型のメンテナンスフリー(MF)タイプ
・高性能極板による増容量(または軽量・コンパクト)、長寿命タイプ
・充電制御付車両用バッテリー

 ここで、高性能・長寿命といってもせいぜい1.3~1.5倍程度(カタログ値)、またMFタイプは比重確認ができず、自前での再生などには不向きであって、好きでない。

〔自動車用バッテリーの特徴〕
 鉛バッテリーの使い方による種類・区分としては、大きく分けて以下の2つに分けられる。
スターターバッテリー  ・・・・自動車などエンジン始動用
ディープサイクルバッテリー・・・電動フォークリフト、電動車両など動力用

スターターバッテリーは、セルモーターを回す時だけ大きな電流を取り出し、始動後すぐに充電することを繰り返す。
ディープサイクルバッテリーは、比較的少ない電流を流し続けて使い切り、その後充電することを繰り返す。

 以上のような違いから、バッテリーの作り方が違っており、寿命も違いがあり、自動車用が2~3年に対し、ディープサイクルバッテリーは7年超など長いようだ。
 自動車用のスターターバッテリーは、使い切りなど過放電すると著しく性能劣化し、再起不能となりやすい性質があるので注意が必要である。

 自動車の短い距離走行を繰り返す”ちょい乗り”使用は、充電が不十分でバッテリー寿命を縮めるため、時々、補充電するなどの配慮が必要である。
 ただし、お金持ちはバッテリーを頻繁に交換すればよいので、余計な心配はしないでよい。

 問題は、自分のような貧乏人のことである。
バッテリーに過酷なディゼル車でもって、2kmほど離れた自宅~ガレージ間を往き来しているので、今回のような交換バッテリー選定に悩んだのである。
(自分はバッテリー再生器をもっているのだが、近々寒冷地へ出掛けるため、止むなく購入した)


5速ミッション改造用の偏芯ピン製作

2012年01月21日 | 車パーツ
 SJ10/30用トランスミッションのケースに、JA11(orJA71)ミッションギヤを組み替えすることで前進5速化改造が可能であるが、これにはバック駆動用アイドラーギヤのシャフト位置に数mmのずれがあるため、このずれを補正するために何らかの対応が必要となる。
 この対応パーツとして考案された”偏芯ピン”という優れものが市販されている。

 先日、これをネットオークションで入手しようとしたら、開始価格¥4,000に対して何と\9,750の高額落札。これでは当分落札額低下は望めないとの判断から自作することとした。

 この偏芯対応には、必ずしも偏芯ピンでなくともシャフトを固定する片方を何らかの方法で固定できれば良いのである。この固定方法について、自作加工が容易、かつ簡易なパーツ製作を条件に数種類の案を検討したが、今回の改造は自分のミッションでないことから、ミッションケースに穴を明けるなどの手荒な方法は避けることとし、結果として偏芯ピンと同じようなものが出来上がった。
 以下にその製作品を紹介する。


 厚さ2mm薄板に位置決めピン(SJ10アイドラーギヤシャフトを使用)が入るφ14mmの穴と、振れ止め固定用のφ6mmボルト用穴を明ける。


SJ10ケースのアイドラーシャフト穴に通した位置決め用のピンと薄板のφ14mm穴を連結する。
 SJ10のケースにセットして

連結部を溶接し固定する。


溶接部をベルトサンダーで研磨し、これで偏芯シャフト(ピン)の片方を支持するプレートが完成。
 偏芯シャフト(ピン)を支持するプレート

 このパーツの偏芯シャフトを固定する位置に、φ14mmの穴を、深さが薄板厚み分の穴繰りする。
 穴底に数mmの偏芯量が見える

 このピンは焼き入れ処理品でドリル削孔できなかったため、ガスバーナーで焼き戻しして削孔した。


このプレート穴にJA11アイドラーギヤシャフト(ピン)の回り止め溝部分で切断したものを差し込んで、一応JA11-5速ミッションのアイドラーギヤをセットすることができる。

 しかし、この穴で支持するシャフトは、回転してしまうので何らかの回転防止を施す必要がある。
この回り止めの一例としては、ピン穴の一部をピンの回転防止溝と合致するような鉄片を溶接すればよい。

今回は、より堅固にするためプレート穴にピンを溶接固定することとした。 このため仕上がり形状は、市販品の偏芯ピンと同じようなものとなった。
 市販品と異なる点は、位置決め・固定プレートがあることで、市販品よりもピンを堅個に固定できるものである。

 完成品


 アイドラーギヤをセットした状態
 中間ケースをセットした状態

〔市販偏芯ピンの問題点について〕
 このアイドラーギヤ①は、カウンターギヤ②からメーンシャフト側ギヤ③へ動力を伝えるもので、この3個のギヤ配置上(3角配置)、偏芯ピンの偏芯段付部分には②と③からはじかれる方向へ可成り大きな力が加わり、またピンの片端がアルミケース穴に差し込んだ片持ち梁のような構造であることから僅かではあるがシャフト角度が揺れる筈である。その点で市販偏芯ピンの固定方法は、バック時だけで使用時間が少なく問題は少ないとは思われるものの、構造設計としては望ましい構造ではない。

 今回製作したものは、ピンの偏芯側がプレートで支持固定されているので、変形する事はない。

〔φ14mm削孔工具は〕
・削孔は硬いシャフト材と柔らかい薄板の固さの異なる2種類の材質に跨るため、大径ドリル削孔は中心が柔らかい方にずれてしまう。これを避けるためにホールソーを使うことにした。 
・穴位置は正確に芯出しする必要があるため、中間ケースをセットし、そのシャフト穴にφ14mmドリルを貫通させ、これで芯出し後に、ホールソーで穴位置を掘り下げ、その後にドリル仕上げを行った。
  なお、当初は硬くて刃が立たなかったため、焼き戻しをしたので、ホールソーは不要だったかも知れない。
 使った削孔工具

〔製作を振り返って〕
・もっと簡単なものを目標としたのだが、成り行きで立派な物となってしまった。
・正確な偏芯量と、プレートとピンの垂直度の確保が要求されるため、その加工方法に随分と悩み、またそれの達成に自己満足した。
・市販偏芯ピンにはプレートはないが、純正構造はシャフト(ピン)回転止め用の2mm厚プレートがギヤとケースの間に入っているので、これと同厚のプレートを入れることが好都合なのある。
 このプレート厚みは3~4mm程度としても、ギヤの余裕厚み分を削れば問題ないので、自分のものであれば、その方が加工し易いかもしれない。
・自分のミッションであれば、もっと簡単な方法で行う方法?が2案あるので、何時の日か試してみる積もりである。
 「高い市販品よ、さようなら」である。
・製作希望者には、紹介しますのでご連絡を!

おわり

ヒュージブルリンク

2011年08月11日 | 車パーツ
 子供の頃から車いじり(分解や整備など)が好きで、長年、車に係わってきたのだが、細かなことは分からないことだらけ!
趣味とは関心のあるもの以外は頭に入らない、入れない、入れる必要がない、ということである。

 その事例として最近、”ヒュージブルリンク”というパーツがあることを知った。
旧型ジムニーに変なものが付いていることは分かっていたのだが、ただのコネクタなのかと余り気にもしなかった。

旧型の車の配線には、バッテリーからの引き出し部にヒュージブルリンク(fusible link)というヒューズ線が使われている。

 手前の+端子から、太い線はセルモーターへ、細い線(矢印)がヒュウジブルリンク

 ヒュージブルリンクのパーツで、赤線が過電流で溶断する。

このパーツ概要
・「fusible link」を直訳すると、「溶けやすい接続品」?ということか。
・ヒューズは定格より過大な電流で溶断するが、その溶断時間が普通のヒューズより、長く切れにくい線状のヒューズ。
・心線は細い銅より線のようであるが、材質は不明。
・使用目的は、
 *バッテリーとヒューズボックス間でショートした場合などの配線保護や火災防止
 *モーター起動電流や発電機など、過渡的に大電流が流れる機器に、普通のヒューズを付けると大きな過渡電流で溶断してしまい、これを防ぐため電流容量の大きなヒューズをつければ、ヒューズの要を果たさないので、このような機器には瞬間的に溶断しないヒュージブルリンクを使う。

 我が愛車JA11のバッテリーからの引き出し線は、上記イラスト図と同じでセルモーター電源線(ヒューズなし)と、ヒュージブルリンク付のメーン電源線(白/黄)のみで、このメーン電源線はその先で以下のように分配されている。
 ①ヒューズボックスへ
 ②イグニッションSWを経由してヒューズボックスへ・・・・この間はヒューズなし
 ③発電機B端子へ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヒューズなし

 なお、セルモーター起動用回路はイグニッションSWから直接セルメーターへ接続されており、ヒューズは入っていない。

 以上のとおり、ヒュージブルリンクは重要な保安パーツなのだぁ!


 最近の車はヒュージブルリンクに代わるものとして”スローブローヒューズ(slow-blow fuse)”というものが使われている。
 バッテリーの近くにヒューズボックスを配して、そこに収められているが、このパーツの形に数種類あって車両メーカーによって異なり、厄介物である。

 スローブローヒューズの例

 スローブローヒューズの例


 ところで、ヒューズの溶断特性について調べようとしたが、まとまった資料が見つからなかった。

なお、普通のヒューズ(A種)の溶断特性は(周囲温度5~35℃)
定格電流に対しての溶断時間が
 ・110%では溶断せずに
 ・135%では1時間以内、
 ・200%で2分以内
とされているようだが、ヒュージブルリンクやスローブローヒューズの特性との違いがよく解らなかった。




ボール盤で円盤パーツ自作

2011年07月21日 | 車パーツ
 高強度の特殊円盤パーツが必要になったのだが、数が1個であり旋盤加工を依頼するのは時間・費用など厄介なので自作することにした。

製作したパーツは下図のもので、寸法は
 ・外径:47φ
 ・内径:22φ
 ・厚さ:4.5

製作した工程は以下のとおり。
 ・t=6mmのリーフスプリング(ばね鋼)をサンダーでカット
 ・ガスバーナーで焼きなまし・・・灰の上で加熱→灰の中で冷却
 ・中心に6φほどの穴を明け、サンダー等でおおよその円盤に切削成型
 ・高速カッター切断砥石の側面での研磨で厚みを調整
 ・中心穴にボルトを通し、そのボルトをボール盤にセットして、平ヤスリで真円盤への研磨加工
 ・所定のサイズのホールソーで中心穴をくりぬく
 ・ガスバーナーで加熱→焼き入れ

 自作した円盤(焼き入れ前)と焼きなましたリーフスプリング

 以上のとおり手間がかかり、旋盤屋さんに依頼した方が安上がりかも知れないが、急ぎの時などはこの方法もあるのでは・・・!

 旋盤がないので、このような簡単な形状のものはボール盤とヤスリで加工しているのだ・・・!




偏心キングピン製作

2011年06月17日 | 車パーツ
 P車フロントへエアロッカー組込のついでに、サスペンション、ハブ関係を少し手を加えることとし、その一環として逆キャンバー用の偏心キングピンを作ってみることにした。

 とは云っても、自作ではなく以前に知人から試作品を頂いたものがあったので、これのピンを溶接しただけである。





画像の
・上左2個:今回製作品
・上右:ジムニー純正品のベアリング中心ピンを抜いてもの
・下左:ジムニー純正品
・下右:試作品を頂いたもので、ピン無し

 純正品の溶接されているピンをサンダーで削って抜き取り、そのピンをピンなし試作品に差し込んで溶接固定しただけである。

 この試作品は、画像でも分かるとおり、偏心量が大きいため実用的でないとして、不要品としたそうである。物好きな当廃棄物彩生処が宝物として頂いてきたものである。


 なお、市販されているこの種の偏心キングピンについては、その原理を以前から考え続けているのだが、どうしても理解できない。
 ピンを平行移動して偏心させただけのキングピンをセットすると、上下ピンのセンター軸がずれてしまうので、ピン同士が向かい合わない。これではステアリングナックルが回転できない筈なのだが・・・?

 溶接する前に、アクスルにセットして確認したところ、世間で使われているように動くのである。これを確認できたので、納得しがたいのだが製作に踏み切った次第である。


 自分が設計したものは、偏心量に応じたキャンバー角度分だけピンに角度を付けて、上下ピン同士が向かい合うようにするものであるが、これは製作がし難いため、保留していたのである。
 角度を付けずにどうして動くことができるのか、今後、死ぬまで考え続けていく積もりである。





オルタネータのコイル焼損

2011年05月16日 | 車パーツ
 フォークリフトの発電機修理を頼まれ、原因は大方ブラシかレギュレータだろうと分解したところ、コイル焼損でした。更に内蔵レギュレータ整流素子のハンダ付け部分が全て溶解していた。型式も年代物であり、これでは検討するまでもなく再生不能だぁ!



 所有者の話では、24Vバッテリーをつないだんじゃないか?、とのこと。 この発電機は+B端子とバッテリーとの接続線にヒューズが入っていないので、24Vバッテリーでは2倍の電流でもって焼損するかもしれない。
(車の発電機とバッテリーとの接続線のバッテリー端子部には、必ずヒュージブルリンクという配線保護用ヒューズ線が入っている)
 
 自分はオルタのコイル焼損は初めてだが、ネットで見てみると結構あるようであり、コイル地絡など原因かも知れないが、配線に異常はないので原因追及は省略し、発電機を交換することとした。

 依頼主から発電機をいただいたが当然ながら、ブラケットが合わず簡単には取り付かないが、この種の加工は得意とするところであり、それゆえに頼まれたのであろうと推測する。
 各端子接続にも老化頭脳に鞭打って、どうにか交換完了したのだが、充電せず

 やむなく自分のジムニーJA71用発電機を持ち込んで、これまたブラケット加工に生き甲斐を感じつつ見事?に取付けた。レギュレータ端子の丸型ソケットがないので、邪道ではあるが依頼主了解の元でギボシ♀端子をそのまま差し込んだ。
(正直なところ、年代物フォークリフトなので、これで十分かと

 交換したJA71用発電機

 コマツ製の年代物フォークリフト

 なお、摩耗したファンベルトを交換しようとしたが、クランクシャフト・プーリーから先へシャフトが延びて、油圧ポンプにつながっており、これを外さないとベルトが交換できない。
 スペースが狭く、低地上高、重量はバカ重くさすがにこの作業はお手上げでした。自分は営業目的ではなく故障修理が趣味でやっているので・・・・。
 幸いこの依頼主は車屋さんなので、何の気兼ねもなく即決断った。


エンジンオイルフィルタの価格

2011年04月27日 | 車パーツ
 我がトランスポータとしての三菱キャンター4D35型エンジンのオイルフィルタを交換するため、カー用品店へ行ったら何と¥3,690。これは定価である。次の店へ回ったがここでも¥3,200。

 ヤフオクを覗いてみたら、1個で¥1,450、3個で¥3,980(単価¥1,327)、送料は¥600であり、当然ながらこれにすることにして3個口を購入した。



 なお、カー用品店のオイルフィルタ価格は、ホームセンターとの比較で遙かに高額である。

 この高額設定の理由は、カー用品店はオイル交換する客が多いため、同時に交換するフィルターを高く設定しているものと推測する。
 そうだとすれば、客をだました商売である。それにしても高過ぎである。






モーターのブラシについて

2010年08月05日 | 車パーツ
 知人の車整備屋さん訪問の際に、セルモーターの純正ブラシが無いんだが修理出来るか、との問いに「簡単にできるよ!」と安請け合いをした。

これはアメリカ製ジェットスキー用セルモーターで、電装品屋さんに修理を依頼したが2ヶ月経ってもパーツが揃わなかったとのこと。(プラス側はあったが、ブラケットと一体となっているマイナス側が手に入らなかった)
 このため、怪しいつぎはぎ仕事が得意な廃棄物彩生(再生)処のお出ましとなったのである。

 ジェットスキー用セルモーター

 早速、ホームセンターで電動工具用ブラシを調達し、さて削って取り付けようとしたら、ビックリ・・・

 リード線サイズが全く異なることに気付いてのである。それもそのはず、セルモーターの電流の大きさは半端じゃないんだ・・・・!
 また、材質も異なり電動工具用は黒色、セルモーター用は銅色である。

やむなく、ジムニーJA71セルモーターのブラシを切削整形して、はめ込んだのだが、黒色のカーボーンブラシは柔らかく削るのが容易であるのに対し、セルモーター用は硬くて整形が大変であった。

 ブラシ交換修理完了状態。

 ジムニーセルモーター用ブラシを整形した状態

なお、このモーターは国産デンソー製で、スズキ大型バイク用モーターのブラシアッシーと同型のようである。(価格は6千円弱で高額だが)


今回、Webでモーターブラシについて調べた結果、材質の種類が意外に多く、某メーカーでは材質種類が100種以上あることを知りビックリである。

ブラシの要求事項としては、
・電気抵抗、電流容量、接触抵抗、火花発生特性、摩擦抵抗、耐摩耗性、耐衝撃性、耐熱性、静粛性などがあり、適用条件に応じて素材とその配合比率を変えた製品を製作しているようである。

材質区分はメーカーによって変わるが、一例を挙げると以下のとおり。

○カーボンブラシ   炭素質     
             炭素黒鉛質   
             電気黒鉛質 ・・・コークス系、黒鉛系     
             黒鉛質
             樹脂結合質

○金属黒鉛質ブラシ  銅黒鉛質  
              銀黒鉛質

いずれも、滑りを良くするために鉛を混合しているようだが、一部に無鉛ブラシも製作されているようだ。

今回のスターターブラシは、銅色をしていることから、銅黒鉛質なのかもしれない。

 銅色のスターターブラシ:端子仕様により異なるが1個¥1,500以上する

 黒色の電動工具用ブラシ:極めて安価、2個セットで¥300~500程度


電磁ポンプの修復

2010年03月18日 | 車パーツ
 これまでのエンジンF6Aはインジェクション式だったので、キャブ式G10エンジンへの載せ替えには、燃料供給系統を全て替えねばならない。
燃料タンクも高圧電磁ポンプ内蔵だったことからタンクも替えねば・・・。

 以前に使っていた電磁ポンプを捜し出し、念のためバッテリーにつないで試験した結果、”ポコッ”と音がするだけで大きな電流が流れる。 これは故障だぁ・・・!


 ダメもとで分解ダイヤフラムを振動させるロッドを動かしてみると、これがスムーズに動かない。 内部構造が分からないがどうやら上下するロッドとガイドとの間がさびているようなので、手動でスライドを繰り返せばさび落ちするだろうと、動かしたが一向に効果がない。
 そこでCRC5-56をひと吹きしたところ、一発で修復した。



これはミツバ電磁式フューエルポンプのFP-3型(燃圧0.3kg/c㎡)で、これの分解はピス4本で簡単に2分割する。
 画像左側(上部)がコイルで、右側のダイヤフラムに連結したロッドを電磁力で振動させるようだ。

 CRCは右側ロッドのスプリングのところに吹き込んで修復した。

 燃料ポンプは長時間使わないとこの種の障害がでるが、このポンプのように分解できる構造であれば、自分のようなド素人でも何とかなる場合もあるが、密封式の場合はどうすることもできない。

 一件落着・・・・!

オルタネータ-その3

2010年02月23日 | 車パーツ
 いよいよオルタネータ(ACG)ブラケットの製作だ!
このVリブドベルトのプーリー据付位置は精度が要求され、ベルトメーカー仕様によれば、プーリー間の向かい合う方向の許容角度は1/3度となっている。

 まして今回の場合は、4リブプーリーに対し3リブベルトを掛けるため、高精度で据付する必要がある。

 しかし、実際この角度を精度よく測定をすることは、計測器具を持たない素人には難しい。

今回行った方法は、
・先ず、クランク、ウォータポンプ、ACGのプーリー溝が目視で一直線となるようにテンションアジャストアームを製作・仮付けした。---上から見下ろして3個の直線状態を確認。溝付きのため確認し易い。
・次に、ACGプーリー側面に金尺を当ててクランクプーリーへ延ばし、クランクプーリーとの関係をプーリー外周の上下2点について確認し、テンションアジャストアームの水平角度を調整してACGプーリーの向きを確定した。
・この仮付け位置に合わせて、ACG下部のブラケットを製作した。
・この下部ブラケットの溶接加工は、精度を確保するため現物セット状態で仮付け(点付け溶接)してから本溶接した。

 なお、ベルトを掛けて確認しながらやればよいのだが、残念ながら3リブベルトの手持ちが無いのでできなかった。

 位置出し(この画像では右側へ2mm程ずれているが・・・)

 現物セット状態での仮付け

 加工完成

 塗装してセット

 この製作では、ブラケットボルト穴の反対側には、メンテ性を考慮してナットが溶接してある。 よってフロント側からスパナ1丁で作業できる。
 
 また、ACG下部通しボルト(M10)穴の片端は、穴径が大きかったためΦ12.5mmのドリルで拡大し、パイプを打ち込んでボルトとのクリアランスを縮小した。でないとベルト締め上げによりプーリー角度が変わってしまうので!



【テンションアジャストアーム製作について】・・・・自慢話 

このアームは以下の2要素を必要とする。
1.プーリー水平位置合わせ
2.下部ブラケット固定ボルトを支点とする円周摺動できる形状(必ずしも、これでなくともよいが・・)

 この2要素を精度よく確保する製作は大変なことであるが、今回は下の画像のように、2枚の板をボルトで合わせる方法を採った。

この利点は
 ・この2枚の板の合わせ角度を変えることで、高さ(円の半径方向)が連続的に調整できること。
 ・水平方向位置は、2枚の板の間にワッシャーを入れて調整できること。
  ワッシャ厚みを替えること以外に、2枚の板のとじ方を裏表を替えること、ACG摺動面への取付を裏、表を替えること、などで50mm程度は調整可能である。 (純正品はアーム根本を曲げて水平位置決めをしているが、自作で正確な曲げは大変だ)

以上で形状が確定したら、溶接固定する。  

 位置出し段階でのテンションアジャストアーム(材料はJA71用を活用)




オルタネータ-その2

2010年02月22日 | 車パーツ
 カルタスG10エンジン用として購入したオルタネータは、シャフト径が違うと思ったが再度確認したら、同じだった。
 となれば、プーリー溝が違うが4列に狭い3列ベルトは使えないことはないだろう、ということでこのVリブドベルト用プーリーを使うことにした。

 ところが、このプーリーが外れない。プーリーを万力でくわえてナットを回すが、シャフトとナットが一体となって空転し緩まない。スパナを大ハンマーでたたいても緩まず、挙げ句の果てに、くわえたプーリーが傷だらけ・・・・

 オルタ分解についてネット検索確認の結果、インパクトレンチを使うとのこと。
ホビー用のインパクトだが早速試してみたら、何と簡単にナットが回った。なんでぇ・・・と驚きであった。

プーリー回転防止はベルトと万力を用いて・・・!

 そうこうするうちに、スズキアルト用オルタがあることに気付き取り出してみると、なんとこれはJA71用より軽量だ。

 この軽量アルト用に溝付きプーリーを組み付けた。



各機の重量は
・ラパン用(左) : 4.0kg (2002年K5A デンソー製)
・JA71用 (中) : 3.4kg (1988年F5A 三 菱 製)
・アルト用(右) : 2.8kg (1998年F6A デンソー製)


このプーリー交換は簡単ではなかった。シャフト径は同じだがベアリングが奥まっているため、プーリーがケースに当たってしまう。またプーリー軸部の凸径が大きくケースにあたる。
 対応として凸部を削り、ベアリングとプーリーの間に1.5mmほどのワッシャーを挿入した。

 プーリー交換ができたものの、G10純正のブラケットでは、オルタ下部ボルト取り付け部の形状が異なるため取り付かない。またベルト連係するクランクプーリーの線上に納まらない。

よって、精度よく据え付けるブラケットを製作しなければならない。


なお、ついでにブラシ点検をした結果、十分ある残量があることを確認した。

 2本のブラシはホルダーに納まっており、ビス2本で簡単に着脱できる。

 
今回のオルタネータ交換につて判ったことは、

・ACGVリブドベルトの仕様に、リブ(溝山)3列と4列があること。
・プーリーは、他メーカー品へも取り付くこと。(若干加工を要することもあるが)
・ACG本体下部ボルト取り付け部形状は、メーカー、年代により種々あり、ブラケットは使えない。
・接続端子形状がメーカー、年代により異なること。(変換パーツが市販されているが、ソケットを捜して交換すればよい。)
・プーリー着脱は、インパクトレンチが非常によいこと。(これを使わない場合は、分解してシャフトを固定して)
・今回のVリブドベルト用プーリーの材質は、シャフト穴とベルト溝部が鋼鉄、それ以外はアルミとして軽量化されており、市販品されている高価なアルミ製プーリーへの交換メリットは少ないこと。


つづく