先日借りたドキュメンタリー『バグズ・ワールド』を鑑賞。
オオキノコシロアリ VS サスライアリ。
ミクロカメラが大好きで、昆虫が大好きで、こりゃあおあつらえ向きかと思ったけど、純粋なドキュメンタリーではなかったのがちょっぴり残念。
でも、ただただ、衝撃の連続。
何度も「おぉ…」とか「うぉ…」とか「すげぇ…」とか声が漏れた。
完璧な「社会」の中に生きているのは、人間だけではないことに改めて気付かされます。
まず、虫がちょぉぉぉっとでも苦手な人は、開始1分で吐くと思う。
最後の頃にはゲロが詰まって窒息死すると思う。
完全なグロ画像です。
例えば――。
●開始早々、デッカイ羽をつけた無数(何百)の蟻が、夜空を埋め尽くしている。もやは「空」ではなく、「蟻」。なめたらアカン、結構デカイ。
●それらが死骸となり、地面を覆い尽くしている。もやは「地面」ではなく、「蟻」。何度も言う、結構デカイ。
●その死骸を、カマキリがムシャムシャと食べるドアップ。ドアップって、等身大ね。ちゃんと手で持ってカブって口で噛んで、むしゃむしゃって音が鳴っている。
●何千万という大軍のサスライアリがヘビを覆い喰らい尽くす(一番新しいインディ・ジョーンズにも出ていた。悪党死んでた。インディは間一髪セーフ)。
●見た目がヤバすぎる、シロアリの女王。頭とお尻以外、お腹の辺りが、柔らか~いような固~いような、白く肥大化する様を“出産製造器”と表現。ちなみに大きさ10cm以上。お尻から絶えずプチプチした透明の卵を産み続ける。
(※画像参照)
●シロアリの兵隊アリの頭はあずき色の半透明。頭デカイ。目がない。
●蟻柱。木から地面まで、約5mにも及ぶ蟻柱。お宅ののれんにいかがですか♪
●想像してみてください。あなたの使っている羽毛布団、実は羽蟻布団かもしれませんよ……ということを喚起させるような、羽蟻の寝床。
狭すぎる空間に密集したソレ、その上で寝たらフッカフカなことうけあい!
寝つきが悪い、寝相が悪い、な~んてことでお困りのあなた!
当社の羽蟻布団はそれらが改善されることが実証済みなのです!
今ならセットで幼虫シロアリ入り枕をおつけして、19,800円!!
「わぁ~お買い得!!」
いえいえちょっと待って下さい。
今回はなんと、羽をもいだ羽蟻入り敷布団、もいだ羽を縫い合わせたシーツ、そして夏にぴったりシロアリ卵で出来たタオルケットをおつけして、お値段据え置き19,800円!!
「すごぉい!!」
とうきょうゼロッサ~ン♪ さんにーまるまるっ♪ ニーニーニーにぃ~(にっほ~ん)ぶんかっセンッタぁ~♪
どうですか? 見たくなるでしょう。
私のように、納豆ご飯をむさぼりながら食べると、もっと臨場感が味わえます。
納豆ご飯の全ての要素が、観ている映像とリンクします。
口の中にシロアリの卵を産み付けられたような、ネバつきが成人シロアリの内容液のような、苦味がサスライアリの女王の固い甲羅(節)のような。
げひひひひひひひひh
虫好きな私でも、全身が痒くなり、部屋の床が真っ黒になってよく見ると蟻が敷かれている、という幻覚を見た。
これがカメ○シだったらどうだろう、私、確実に泡吹く。
心停止してもおかしくない。
Iさんだったら、ダンゴ○シ(ワラジ○シでも可)ver.でLet's想像♪
そんなこたぁどうでもいいんだけど、とてもとても面白かったです。
サバンナの森の中に無数にある、蟻塚と呼ばれるオオキノコシロアリの要塞。
そこらの“巣”なんてもんじゃあない、ホント“要塞”。
働きアリが土に唾液を混ぜながら積み上げて城を築いていく様は、太古の昔にピラミッドを建設していた奴隷と重なる。
だって、他の人たちは造ってないんだもの。
生まれたときから身体の仕組みが決まっていて、おのずとカースト制が決まっているんだもの。
女王アリ(超デカイ)×1人
オスのトップのアリ(二番目にデカイ)×1人
姫・王子アリ(羽蟻)
兵隊アリ(頭デカイ)
働きアリ(造ったり食べさせたりする係)
幼虫(女王お世話係)
(合計200万人)
この順番でカースト制になっていて、全部形態が違う。
姫・王子のみに生殖機能がついていて、未来の女王・王はこの人たち。
その他は自分の子孫を残せず、一生闘ったり働いたりお世話するはめになる。
もえちゃんのように「努力☆」でお姫様になったりは出来ないのだ。
この世界に潜入しているのは「ボロスコープ」という驚異のミクロカメラ。
カメラワークと編集と、大げさな効果音が煽る煽る。
どんなアクション映画や戦争映画だって敵わないくらい。
そのカメラが要塞の内部を詳細に追うんだけど、機能性や暮らしやすさ、それぞれの部屋の構造をドラマティックに映していく。
中でも目を見張ったのが、「女王の部屋」。
要塞の奥深い場所にあるんだけど、照明違うの使ってるのか!? つうか、照明あるの!? というくらい、神聖なオーラびんびん。
なんかそこだけ青いんですよ。
FFのクリスタルの部屋みたいになっているんですよ。
その部屋の真ん中で、例の白い塊(女王アリ)が卵を産み続け、回りをお世話アリが蠢いている。
この映画、「ドキュメンタリー・ドラマ」と銘打っているように、純粋なドキュメンタリーではなく、絶対に創り手が編集以外の手を加えている。
嵐の夜、“たまたま”雷が要塞の隣の木に落ち燃え折れ、それが要塞に倒れ込み、ぐしゃあぁ。
要塞の中に濁流が流れて、色んなシステムが壊滅状態。
そこに、“たまたま”サスライアリ(肉食)の大軍が押し寄せてくる。
サスライアリの潜入の仕方がまた秀逸で、蟻柱になって、連なりながら木の上からどんどん潜入してくんの。
木の上では女王(黒くてデカイ。ゴキブリを長くした感じ)が待機して司令出してる。
ここからはもう戦争映画だよ!
ガキッとか、ピシッとか、ムシャッとか、グシャッとか、音を立てて大軍同士が戦う。
声出して笑っちゃったのが、女王の部屋にいるお世話係たち。
パニックになっちゃって、女王の周りをぐるんぐるん周っちゃってるの。
ああー俺たちどうすんのどうすんのやばいよやばいよ、となっている。
周ってる間に戦えよ。
役者を蟻でキャスティングした、立派な戦争映画です。
ギャラも出さなくて良いし、保護団体も蟻まで感知する余裕ないから「ひどい! 動物が可哀想YO!!」というプロ市民が来ないし、監督は合法的に本物の殺し合いをさせたド変態野郎だと思います。