私のカワサキオールドミド
ル空冷4発はフロント周り
の振動はほぼ全く無い。
超低速から190km/hメータ
ー遥か振り切りまで、フロ
ントステアはビタリとして
一切揺れず、路面に貼りつ
いたように安定している。
これは別モデルのKR-1にお
いても全く同じで、超高速
で片手離ししても前輪はピ
タリと安定したままだ。
これ、本来のモーターサイ
クルのあるべき姿。
ビッグシングルや古いバー
チカルツイン等のモデル以
外では、そうした操縦の安
定挙動を示すように二輪車
は作られている。
いわゆる「操安性」という
二輪車の課題の一つとして。
二輪車のフロント周りの振
動は、発生原因の真因をき
ちんと冷静に見つめないと、
パーツを交換したり対策部
品を追加装着しても抜本的
な解決にはならない。
元々振動が出る作りのモデ
ルでない限り、これは二輪
の鉄板だ。
多岐に亘るモデルでフロン
トの振動に悩む声を世間で
は多く見聞きする。
実は、二輪界では原因はほ
ぼ判明している。
だが、その正しい知見は存
外世の中では共有されては
いない。ネットなどにも思
い付きの出鱈目情報が溢れ
ている。
シミーやチャターやヨーイ
ングやピッチングとも異な
る一般公道市販車の二輪に
おけるフロントの揺れには
根本原因が大別して二つあ
る。
フレームの歪みやステムの
変形不具合等を除けば、そ
れは状態としては前輪その
ものに問題を抱えているケ
ースが殆どなのだ。
主としてタイヤの真ん中し
か減らない走り方を続けて
いて、前輪のホイールバラ
ンスが大幅に崩れているの
にそのまま同じ乗り方で乗
り続け、さらに状態を悪化
させているのが殆どのマシ
ンの同症例の現実状態とし
て看取できるのである。
これ、かなりの確率で高い。
いくら振動対策としてタイ
ヤメーカーとタイヤの種類
を替えてみたりして、新品
タイヤを履かせてホイール
バランスをレーシングマシ
ンのようにきっちり取った
としても、乗り出し初期は
振動が収まっても、タイヤ
を偏摩耗させ続けていたら、
やがてじきにフロントもリ
アも回転バランスは大幅に
崩れる。
それは加速度的に増す。
つまり、きちんと二輪の機
能として存在している「バ
ンクさせて旋回させる」と
いう乗り方をする時間が少
なすぎて直立走行ばかりし
ていると、タイヤはどんど
ん中央部のみが偏摩耗して
行き、ホイールバランスま
でもが大幅に崩れる。
それは乗れば乗る程助長さ
れる。
対策は、いくらパーツ交換
やパーツ追加装着しても駄
目だ。結論からいうと良結
果は得られないし、場当た
り的療法でしかなく、根本
的な根治とはならない。
タイヤを新たに履かせた時
に、きっちりとタイヤ装着
状態でホイールバランスを
取り(機械よりもレーサー
のように手作業バランス取
りが最良)、その状態を長
い期間保持できる適正適切
な乗り方=「直立のみでは
なくバンクもさせる乗り方」
をするのが最適であり最良
の対処方法だ。
もしくは、タイヤはオイル
と同じく消耗品なので、ワ
インディングを殆ど走らず
直線ロングツーリング主体
でマシンを使用しているな
らばタイヤは真ん中しか減
らないので、スリップサイ
ンが出ていなくとも、タイ
ヤが偏摩耗していたらどん
どん次のタイヤに交換して
やってフロントやリア周り
の初期性能状態を維持する
という対策を取る。
(タイヤをまんべんなく使う
には、走行方法においてサ
スペンションはフロントも
リアも十分に沈ませる)
タイヤを綺麗にまんべん
なく使っていると、タイ
ヤ交換時にセットアップ
したホイールのバランス
はほぼ崩れない。
そして、モーターサイクル
のタイヤは、そのように
設計されている。偏摩耗状
態になっても車両の適正挙
動を担保する領域まではタ
イヤ設計は範疇としていな
い。
例えば、これはレーサーで
も公道市販車でも全く同じ
事がいえるが、同じ機種で
同じセットアップで二つの
別な挙動例が出る場合には、
別なファクターが絡んでき
ているからであり、これは
マシンの根本的な設計によ
る物だったり、あるいはそ
の機種が持つ元来の特性と
いうものではない。製造誤
差等は当該案件には該当し
ない。
そこの識別、弁別、区別は
二輪という乗り物に接する
時にはとても重要な人間側
の要件となってくる。
「なにが、なぜ、どのよう
に、どうすれば」というの
が二輪車に対して接する側
の中心幹となる揺るぎない
思考基軸であるからだ。
二輪はマシン自体も乗り方
もすべて、物理的な事柄に
規定されている。
そして、メーカーはどのメ
ーカーでもその事に徹底的
に人間たちの頭脳を使って
開発者たちは車作りをして
いる。ぞんざいな二輪車と
いうのはまず無い。特に国
産車の場合には。
一例として「ギアが入りに
くい」とか新型車両に関し
て言う件がネットなどでは
見られるが、精査してみる
と、欠陥車でない限り、ほ
ぼ全域、乗り手の側に問題
があるケースが殆どだ。
セパハンは手がしびれる、
という言辞が実は乗り手側
に大きな問題がある事に類
似している。マシンのせい
ではないのだ。
タイヤの場合は、履き替え
てバランス取りもした初期
の適正状態の段階をどのよ
うに長く維持できるかの
「適切走行」を乗り手が継
続させたか、にかかってい
る。
これは情念や思い入れなど
は関係なく、やった事の事
実の物理的現象として。
そして、振動があるのは何
か原因が必ず絶対にあるの
で、それをきちんと目を逸
らさずに見つめて、見抜い
て、的確に対処をすれば、
絶対に二輪車は人を裏切ら
ない。
人は人を平気で裏切ったり
するが、オートバイは人を
裏切らない。
タイヤは端っこのここまで
使う必要はない。
(私のゼファーχのフロントタイヤ)
(リアタイヤ)
(ステップをこするまでフ
ルバンクなどはさせていな
い。私は重心移動によりバ
ンク角は浅い乗り方をする
ほうだ。ただ、面圧乗りを
していると、危険なフルバ
ンクなどせずともタイヤは
ごく自然にここまで路面と
接地してタイヤ本来の効力
を発揮する)
これは極力タイヤを偏摩耗
させず全体をまんべんなく
均等に使いたいというケチ
ケチ乗りの結果だ。
通常はここまではせずとも
きちんと適切なバンク旋回
走行をしていたらタイヤは
綺麗なRで摩耗して、歪み
もなくまんべんなく減って
行く。
だが、基本路線はそれこそ
がフロントの不正振動を乗
り手の側が誘発させない乗
り方なのである。
つまり、こうした二輪への
アプローチと接し方の実際
が二輪車では「適正」であ
り「適性」であるのだ。
これは物理的な事であり、
思いや情念や感情的な事は
一切作用しない「現象」で
ある。
さらに適性の中にはレベル
があって、最適性というの
を頂点にして良適正や通常
の適正という区分けがある。
それらの識別認識も二輪に
接する場合には乗り手とい
じり手の側に要求されてく
る。安全に二輪車に乗ろう
乗らせようと人がするなら
ば。
実例としては、ハンドルの
振動が激しくて、と言う地
元の知り合いが何人かいた。
タイヤの状態を観察したら
(あ~、これかも)と感知で
きた。
「タイヤ替えてホイール
バランスをきっちり取れ
ば?」
と言ったが、それをやって
もらったらハンドル周囲の
振動はピタリと収束したと
の事だ。どの事例も。
それはたまたま、振動の要
因がホイールとタイヤにあ
っただけで、別な要因の場
合もあるので、診断は慎重
に。立ちゴケ(これかなりダ
メージが大きい)などによる
フレームの歪みやフロント
フォークの歪み(曲がりでは
なくとも左右が真っ直ぐに
突き出している事が無い状
態等)、ステム周りの歪みだ
ったりしたら、それはそれ
なりの処置をしないと振動
はまず消滅しない。
ハンドルの振れはある特定
の「共振点」で最大になる
のが常で、それも状態から
原因を推察する重要な情報
となる。エンジン回転域や
速度によっても振動出現具
合が異なる場合には、それ
を正確に乗り手が直し手に
伝達しないと、補修する側
も判断がつかない。
まず乗り手の側が物理的な
状態を把握しないと、直す
人にも伝わらないので、つ
ぶさにありのままの物理的
な挙動を伝達したほうがよ
いだろう。
また、自分で適正化させて
直すのであれば、現実状態
の現出事実と対策案を絞り
込み整理したフローチャー
トで作り、それをさらに自
分の頭の中で正確に把握す
る必要がある。
そのアプローチの際に重要
な点は、アルゴリズムより
もヒューリスティックを重
視して取り掛かるほうが実
践的であり効率が高い、と
いう面が存在する事を認識
する事だ。
その重要なポイントを見誤
ると、二輪車は車作りや補
修修理の方向性がとんでも
ない方向に向かってしまう。
而してそれは人が乗る事が
前提である道理を捨象した
「人間不在」の物体と二輪
車が成り果てる事を惹起せ
しめてしまうのである。
そのことは、まさしく二輪
車が「人間疎外」のただの
タイヤが二つ着いた物体で
しか無くなる事を意味する。
なお、走法について付言す
ると、タイヤは面圧をかけ
ずにただ車体を寝かせるの
は非常に危険。
タイヤはサスを沈ませて、
タイヤを「潰して」走行す
るのが適切な二輪の乗り方
だ。
これはほんのやや高度な技
法を採る事により実現でき
るのであるが、基軸はこれ
も二輪車の基本中の基本に
属する事だ。
この二葉からサスを適正に
沈めてのタイヤの「潰し」
の状態の違いが判るだろう
か。
あと、空気圧パンパンは
ダメっすよ。全方位的に。
過日、あるバイク屋に行っ
たら、バイク初心者に対し
て、メーカー指定空気圧よ
り1割以上多めに空気を入
れるのが良い、空気圧の点
検は1年に1度位でよい、と
言ってるのを目の当たりに
して耳を疑いました。
根本的に✖。
危ない嘘を初心者に教えた
ら駄目だろに。
現代のバイク屋のレベルっ
て、これが実像なの?とび
っくりした。
高度とか低レベルとかの範
疇を超えて、論外。危険だ
し。
根底から何か勘違いをして
いるみたい。
そのバイク屋だけでなく、
他の別シティ内のバイク屋
も内実は似たり寄ったりと
いうのが現実だったりする。
往年の大バイクブームの時
の超高度な視点と取り組み
をしていたバイク屋さんと
いうのは、現代では本当に
ほんの一部になったのだな
と実感する。
世の中の二輪屋さんが全て
横浜瀬谷区の横田輪業さん
や多くのレーシングチーム
系のショップみたいな訳で
はないからね。
昔は結構そうした的を外さ
ない頭抜けて腕の良いショ
ップが多かったけど、今は
乗る側もいじり手の側の力
量を推し量る力量というの
が問われる時代になった模
様。
現代は玉石混交時代だ。