大学時代の友人と19年ぶりに再
会したのは瀬戸内海に浮かぶ島
だった。
待っていると、待ち合わせ時刻
にやって来た。
奴はゆっくりとマシンを停めた。
俺は言う。
「よお」
奴は言う。
「おう」
学生時代に苦楽を共にした友と
の再会はそんなもんだ。
離れていた時間など無いが如し。
まるで先週あたり一緒に飲んだ
ような空気だ。
これ、高校から同大学時代の親
友と久方ぶりに再会した時もそ
うだった。
何度か幾人と同じパターンがあ
ったが、全部が全部そんな感じ
だった。
いつも「よお」「おぅ」てな感じ。
気の置けない奴らとの邂逅とは
そういうものなのかも知れない。
サラッとしている。
でもそれがスッと来てストンと
腹に落ちる。
腹に何もないからスカッとして
いる。
互いに東京風味なのかも知れな
いが。
学生時代ってのはいいもんだよ。
そこで得られるものは、計り知
れなく大きい。