渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

カワサキ

2023年06月21日 | open




「カワサキが好きなの?」
と母が訊く。
「そうだよ。中学の時から」
と答える。
「ヤマハが好きなのかとずっと
思ってた」
と言う。
よく言われる(笑
ヤマハはマシンが素晴らしか
ったのでヤマハに乗っていた。
コースも公道も。高校の時に
所属したチームにもよった。
だが、完全にプライベートの
個人的なところで好きなメー
カーはカワサキだ。ずっと。
カワサキは他の国産3社とは
毛色が違う独自路線なので
好きだったし今でも好きだ。

昔のカワサキはよく壊れた。
作りも雑(笑
カワサキクオリティなどと呼
ばれていた。
車だけを比べたら、ホンダの
品質性やヤマハの操安性、
スズキの剛性などには遥かに
劣るのがカワサキの車だった。
だが、一点突破の全面展開的
な尖った車を突如パッと作る
カワサキの姿勢が大好きだっ
た。
そして、16才ですぐに免許を
取り、晴れて公道デビューの
時に乗り出したのがカワサキ
だった。イトコの兄貴から貰
ったお古のMS90だった。
よく走った。
壊れたけど都度直しながら乗
った。


ただ、二輪の親しむ楽しみを
私に教えてくれたのは、ヤマハ
でもホンダでもスズキでもなく、
手の焼けるカワサキだった。
だが、やはりカワサキがいい。
これは完全に個人の好みとして。

最近はカワサキもホンダみたい
に壊れない二輪を作るという。
昔のカワサキ乗りはしどいもん
で、不具合が出ても「カワサキ
だから」で笑って済ませていた。
また、オイルにじみもカワサキ
病だったが、「オイルがにじむ?
そりゃあ、オイルが入ってるって
証拠よお」てな事言ってカワサ
キ乗りの先達たちは笑い飛ばし
ていた。
それがカワサキ乗りだった。
そして、マシンをとても大切に
する。乗りっぱで飽きたら乗り
換えのポイ、というのはカワサキ
乗りとスズキ熱烈ファン=スズ菌
たちにはあまり見かけない。
カワサキ乗りたちにはカワサキ
乗りたちの独自のアイデンティ
ティがある。
これ、他には見ない一種独特の
世界観がある。
そうしたものは、実際にその
領域に足を踏み込まないと、
実体感覚は理解できないだろ
う。

かといって、カワサキ乗りた
ちはチーチーパッパの仲良し
おともだちクラブではないの
で、時にいがみ合ったり、時
にこの上なく腕(かいな)を結
んだりもする。個々の魂が独
立している。
私が言うカワサキ乗りとは、
古い時代からこんにちまで
絶滅していないカワサキ乗り
たちの事を指している。
単にカワサキ製に乗っていれ
ばカワサキ乗りというのでは
ない。

てことで、やっぱ俺はカワサキ
がいいよ。
モーターサイクルはカワサキ、
タバコはショッポ、酒はバーボ
ン、刀は斬鉄剣康宏、ってね。
こだわる訳ではないが、自然体
でふと思う時、やはりカワサキ
がいい。






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