渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

夜の音

2024年08月19日 | open
 


富士山麓拠点ベースでは、夜
は虫の声以外は無音。喧騒な
どとは無縁だ。
だが、その無音の中だからこ
そ微細な音でもよく届く。
 
夜中、誰もいない筈なのに、
シャンシャンと鈴の音がして
ゆっくりと施設建物の周りを
歩くように通り過ぎる音がす
る時があるという。
「登山客?」と私が訊くと、
そのエリアには夜に登山客
いないとの事。
「鹿が鈴つけてるんじゃない
の?」と別な者が冗談を言う
と「ト
ナカイじゃないんだか
ら(笑」と。
そりゃそうだ。
そして、カウベルやクマよけ
鈴のような音ではなく、まる
で神社の鳴り物の音のように
シャン、シャンと一定の拍子
を取りながら道なき場所を通
り過ぎていくのだという。
まあ、その手のモノノケの類
かも知れない。
本人は空耳ではないと言う。
他にもいろんな怪現象がある
そうだ。
 
その手の話は、山深い山岳渓
流では日中でもよく聞く話だ。
私も何度か経験した。
誰もいない山奥の渓流なのに、
すぐ後ろから「おい」と呼ば
れるのだ。
振り向いても誰もいない。
空耳かなと思いまた前を見る
と後ろから「おい」と。
その手の実話は私だけでなく、
多くの山岳渓流釣り人たちから
もよく聞く。もっとえぐい話
まで。
まあ、ごく普通に山には何かが
いるのだろう。

件の夜に徘徊する音については、
私は修験者の錫杖の音ではなか
ろうかと踏んでいる。
まあ、物の怪君でも別によいの
だが。




 


 

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