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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

呼称の印象

2023年06月01日 | open



最近出てきた言葉で、どうにも
馴染めないものがある。
それは「バイカー」。
これ元々はアメリカンスラング
で二輪乗りギャング団の事を
指した。
だが、今、日本ではやみくもに
多用されている。
私は一つの傾向性に気づいて
る。
それは、二輪とは縁が薄い人た
ちが、さも知ってますよ、貴方
方に馴染んでますよ、というの
が見え見えのシチュエーション
で「バイカー」という単語を使
って来るのだ。これ、実に多い。
今、「その掲示板、カキコでき
るんだよね」という程に滑って
いると感じる。

では二輪乗りの事はどんな呼び
方が私自身はしっくりと来るの
か。

単車乗り?
それは首都圏では私の乗り始め
の時代の1970年代にはそうは
呼ばなかった。
単車という単語は西日本で主流
だった。おっさんも若者も全員
「単車」と呼んでいた。大阪含
めて自分をわし、わし言う地方
では。

自動二輪車運転者?
それはない。警察の手続きじゃ
ないんだから。

バイク乗り?
今も世間では真実と歴史事実が
広く知られていない。
バイクという単語は70年代前
期に登場し、主としてツッパリ
たちが使った新語だ。本来英語
では自転車の意味。
ツッパリたちが英語をもじって
モーターバイクを略してバイク
と呼び始めた。
そこにホンダがミニバイクという
造語でファミリー原付二輪路線
を76年に新造した。ヤマハは
ソフトバイクという呼称を使っ
たが定着しなかった。
だが、バイクという呼び方は
1970年代末期まで一般的では
なく、主として首都圏の不良
少年たちが好んで使用した単語
だったのである。
一方、地方は単車と呼んでいた。
1980年代に入り、「バイク」
という雑誌が登場し、二輪車=
バイクが市民権を得て普及した。
1983年あたりでさえ、まだ横浜
も年配の人たちは「バイク?
それ?」と私に尋ねたりして
た。これまじで。
オートバイ雑誌がこぞってバイク
という単語を使い始めたのも80
年代に入ってからだ。

私が一番しっくり来るのは、
モーターサイクルの事をオート
バイという和製語の日本語単語
呼ぶ事だ。
これは、警察も自衛隊も「オート
バイ」という日本語を使ってい
る。
欧米人にオートバイと言っても
通じない。日本語だからだ。
私が一番しっくり来るのは、
モーターサイクルの事をオート
バイと呼び、二輪乗りの事を
オートバイ乗りと呼ぶ事だ。
バイクとも呼ぶが、バイクと
いうのは響きが軽すぎる。

日本の古いレーシングライダー
たちはレーシングマシンの事
もオートバイと呼ぶ。
公道車両と競技専用車の区別
はつけていない。
そして、古いレーシングライダー
ほど同じ事を言う。
「どちらも同じオートバイだ」
と。
これ、かなり深い。




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