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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ステア

2023年08月30日 | open



オートバイは前輪の内向性を
得て旋回する。物理的な事象
を発生させる事で曲がる。
二輪車は四輪車とは全く物理的
な旋回
構造が異なる。
二輪車は極低速以外は、車体を
傾ける事で前輪が曲がる為の
要素をその構造から構成し始め
て旋回する。


誤用されて転倒されては困るの
だが、オートバイは車体を傾け
ているバンク中でもハンドル
を切っている。それは二輪の
前輪が勝手に。
いわゆるセルフステアという
もの。
それがバンクとずれなく連動
してナチュラルな動きをする
オートバイは「ハンドリング
が良い」とされる。
メーカーの車種によっては、
ある程度以上バンクさせると
急に内側に切れ込んだり、逆
にステアが効かずにどんどん
外にはらんでいくような車も
あるし、過去には多くあった。
1980年代初期の16インチ前輪
などは最悪で、ホンダはインに
急激に切れ込み、スズキはレー
ル走行のような定常円しか描
かずにラインが変更できない
車だった。
16インチに懐疑的で採用を回避
して
いたヤマハの車はナチュラル
ステアを保有しており、「ハン
ドリングのヤマハ」と呼ばれる
ようになった。

オートバイは走行を始めたら、
広義には「ハンドルは切らない」
で運転する。バンクにより自然
な前輪の内向を得て旋回する。
だが、実は意図的に乗り手が
ハンドル操作=ハンドル切りを
する走法がある。
これは超高速度走行時に使う。
微細な調整をハンドルにより
行なっているのである。
ただし、超低速では二輪は右に
ハンドルを切れば右に曲がるが、
一定速度以上では曲がりたい
方向にハンドルを切るとかえっ
て曲がらない。車体が立つ。
これは自転車で実験してみれば
よく判る。
ハンドルを右に切ったら自転車
は左に倒れるのだ。

この二輪車特有の原理を利用して、
コーナーの突込みの寝かし込みの
きっかけを作ったり、S字での
切り返しを行なったりする事が
ある。いわゆる逆ハン。
ただし、船舶の舵を切るような
大きな動きではなく、ほんの僅か
スッと押したり引いたりするだけ
だ。軽く。
それだけでオートバイはガクンと
なる程にバランスが崩れて、ハン
ドルを当てたほうと逆に倒れ込む。
右旋回したいならばハンドルの
左を引き、左旋回ならば、ハンド
ルの左を押す。ごく軽く優しく。
するとマシンはカクンと倒れ込ん
で行く。

超高速度旋回でのステア操作に
ついては一般道ではほぼ使わな
いので割愛する。
160km/hほどでのフルバンク旋回
等の時に使う技術だからだ。

オートバイの旋回では、よく外側
のハンドルで微細操作をする、と
いわれる。
だが、私の場合は右も左も左側
で主として操作している。理由は
右にはスロットルがあるから。
スロットルの微細操作をしながら
押したり引いたりの仕事を右に
併用させるよりも、左ですべて
まかなうほうが操作性が確実だ
から
だ。
ただし、あくまで主軸が左である
だけで左操作一辺倒ではない。
ステア操作も大切だが、スロットル
の微細操作はさらに大切で、開度
は1/120の無段ダイヤルを操作する
ようにしてスロットルを私は操縦
している。
スロットルもブレーキも、スイッチ
のオンオフではない無段ダイヤル
装置であるので、右手の感覚だけ
で必要最大限の混合気を必要最小限
の開度だけでエンジンに送り込んで
やるのである。
こうしたスロットル操作は2ストで
は必須技法で、乗れてる2スト乗り
は誰でもやっていたし、レーシング
マシンに乗る人間は部屋に入るには
ドアを開けるという程に当たり前
の操作としてやっていた。
このスロットル操作は4ストでも
同じで、微細な微調整を右手で
行使する。それがオートバイの
アクセル操作の基本だ。
雑なドンガバチョ開けや急激な

全閉操作は一切しない。プラグ
は常にカリカリに焼けた状態を

作り出してやる。

だが、一般公道では当て舵の
ステア操作はあまり使わない。
そこまで高速度で走行しない
からだ。
かといって、教習所で教える
ような「二輪はハンドルを切っ
て曲がる」というのは、嘘が
含まれているので要注意だ。
右に曲がる時にハンドルを右
に切るのは、それは車体が傾
いていない時の動きだ。
走行を始めたら、別原理が二輪
には働くので、前輪の内向性は
車体を傾けてのセルフステアで
ハンドルが自然に切れる。
この時、右カーブだからと右に
ハンドルを切ったら、車体は
立つのでアンダーステアとなり、
二輪は曲がらずに外にはらむ。
教習所の教え方は偏った教え方
であり、熟考して正しく咀嚼
解析しないと事故に繋がる。
駐車場での極低速の走り方と

道での走り方はステア操作が
異なるのだ。

旋回中のイン側の肘は自然と
垂らす。絶対に脇は締めない。
脱力させてブランと垂らすと、
真後ろから
見たらごく自然な
「ハの字」に
なる。


コーナリング時とアプローチの
コーナー突込みでは身体操作の
部位的使用法が旋回時とは異なる。
だが、コマ切れにならないように
流れるように淀みなく身体を使っ
て動作を繋いでいく。


ステア大切。
まず原理を頭と体で知らないと
制御下に置くようには使えない。
オートバイは「考えて乗る」
乗り物である。



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