
キューという道具の重量について
完成品の重量を変更しようとした
場合、重くするのはウエイト等の
付加で簡単に可能だ。
だが、軽量化については、ウエイ
トボルトでは補えない過剰重量に
関しては、キュー自体のパーツを
交換しなければならなくなる。
ビリヤードキューの場合、パイロ
ッテッド構造のジョイントの場合
は金属カラーが使われている事が
多い。
これは凡そ40gもある。
オンスに換算すると、1.41オンス
もある。
樹脂に交換すると約1オンス程軽
量化できる。
キュー全体で20.67オンスのキュー
で約19.6程に収まる。
通常使用範囲内。
さらにウエイトタイプならばボルト
をアルミ化等で19.4オンス〜19.2
オンスに持って行く事は可能だ。
ただし、ネジ+接着パーツである
金属カラー交換は、ポンポンの
ポン着けボルト交換のようには
いかない。
いつからプールキューの一つの
重量基準が19.5オンスになった
のかはよく知らないが、1980年
代初期までのキューは重めの物
が多かった。20オンスは当たり
前、21オンス物もゴロゴロあった。
それが19オンス前半まで軽量化
されたのはナインボールが流行っ
て、振り抜きの良さが求められた
からかもしれない。
ただ、キューは軽すぎるとロング
ショットでは慣性力ではなく力で
振り回す弊害を呼ぶ事もあり、
プールでは向かないケースもある。
重量級が多かったのは、それは
14.1ラックが主流だった時代に、
慣性力を最大利用したプレースタ
イルが主流だったからと思われる。
ただ、四つ玉などのキューが軽い
のは、それは超近距離での針の穴
を通すような手玉のコントロール
の正確さが必要だったからだろう。
文鎮のような重さの筆で達筆な書
は書けないから。
そして、ビリヤードのキューは、
種目事に構造が異なるのとは別
に、各個人での好みの重さがあ
る。
私の場合は、19.4オンスが一つ
の基軸で、それの微量上下の幅
が使いやすい。
バランスポイントはさして気に
ならない。保持位置を変えて対
応するから。
問題は総重量だ。
総合的には、私はあまり軽すぎる
キューは好まない。
どんなに軽くとも19オンスまで
だ。
これは立花プロから仕込まれた
「投げる」ストロークをするので、
ある程度キューに重みがないと
自分のプレースタイルに合わない
からだ。
投げるといっても、本当に投げる
のではないのだけど。
ただ、手の中でスライドさせて
キューを真っ直ぐにテイクバック
から投げ出すようにするショット
は時折使う。
絶対事項としては、キューも日本
刀もそうだが、「絶対に握り締め
たままストロークをしない」と
いう事がある。
握ったら振れない。
軽く保持して、キューの重みを
手玉に伝えてやるような撞き方
をする。
その際に、キューの重量にやや
勢いを手動で加えて突き出しを
する感覚で撞いている。
押し、引き、切らせ、全てが
最良に出せるキューの重みが
私の場合、19.40オンス=550g
ジャストだ。
