
1977年5月。高2。
麻雀王のようにプロ並みに麻雀
が強いサンパチ乗りの同学年の
奴と上野バイク街を歩いていた。
水曜日。
昭和通りの表通りだ。
何だよ、きょうは休みばっかだ
な、とか言いながら。
向こうから背広を来た白人二人
が歩いて来た。
店の前で立ち止まり、私たちに
アメリカ英語で話しかけてくる。
「失礼。なぜきょうはこの店は
閉まっているのか?」と。
「定休日みたいよ」と答えた。
「ホンダのパーツを買いたいの
だが、開店してる取り扱いの店
を知らないか?」と一人が言う。
「欲しいのは純正?」と尋ねる
と「そうだ」と答える。
「ここらではホンダ純正部品を
扱う店は無いと思うけど」と
言うと「オゥノゥ・・・」と
言う。
そして、「やっ、まあ探してみる
よ。ありがと」と言って二人は
歩いてった。
サンパチ君が「お前よく話せる
なぁ。ホンダのパンツって何?」
と言う(笑
「バッキャロ、パーツだよパー
ツ!パンツじゃねえっつーの(笑」
と言うと大笑いしてた。
「おれぁオーノーしかわかんな
かったよ(笑」と。(実話)
英検3級は中2、英検2級は高1
の時に既に取っていた。
だが、カンバセーションは得意
ではない。
ただ、何を言ってるのかを聞き
取るヒヤリングにはコツがある。
それは相手が言った事を自分も
音真似で声に出さずに復唱する
のだ。すると、何を言ってるの
か凡そ判る。これは映画でも。
とにかく音のフレーズから入る
のだ。文字にした単語は探さな
い。三単現や複数系や仮定法の
中学英語の基礎文法は必要だが、
基本的に文法などはどうでもい
い。とにかくまず音だ。真似る
のである、音韻を。英語の歌
を覚えるように。
バイク街はその日定休日休業が
多かったが、それでも開いてる
店を何軒かひやかしてから、
アメ横に行った。
制服用ドカンを作ってくれた
おっちゃんの店に顔出しして
からモデルガンを二人で見て
回った。
マルゴー、CMC、MGCサービ
ス部等々。
そして、ガード向かいの喫茶
店レナでお茶して帰った(笑
レナはごく普通の喫茶店だ。
だが、壁は鏡張りで、ウエイ
トレスのおねーちゃんたちは
見えそうな超ミニチャイナ(か
がんだらアンミラ並に見えた
が、アンミラのようにアンス
コではない)だったり、サイ
ドスリットが腰のあたりまで
入ったチャイナドレスを着て
いた。
風俗店ではない。ごく普通の
喫茶店だ。
あの店は一体何だったのだろ
う(笑
まあ、上野だ。何でもあり。
上野バイク街の表通りは何も
起きないが、裏路地はまじで
やばいとこだった。

雰囲気分かるでしょう?(笑
今は綺麗になって国際観光地
化した横浜中華街だが、私が
子ども時分に南京町と呼ばれ
ていた頃は、ハマの中華街も
こんな雰囲気だった。いや、
ほんと。

