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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

帯刀下緒捌きの事

2020年12月12日 | open

これは私だが、江戸期の武家の作法に
則り、帯刀と大刀の下緒取り回しをし
ている。武士の作法であるので脇差も
帯びており、室内では大刀は帯刀せずに
手に持つ。屋敷建物に入る際には大刀は
脱刀するのが礼儀である。

ただし、私が属する剣道連盟では決まり
事として「下緒は各流の作法による」との
規程があるので江戸期武家作法を伝とする
自流の作法で下緒を鞘掛け垂らしにしては
いるが、同時に「袴紐に結束する」との
連盟決まり事の為、鞘掛け垂らしの後に
前に回して結束している。
江戸期には存在しなかった新法であるが、
これは連盟の現代規則なのでそれを遵守
してそれに従う。
連盟に関する場での作法としては連盟の
決まり事を守るのはごく当たり前の事。
異議や反抗は認められない。交通規則と
同じだ。原付30km/h未満などおかしい
ではないかと、自分だけ50km/hで走る
秩序破壊は世に認められない。
ただし、この下緒捌きと一刀のみの帯刀
は江戸期の武家作法ではなく、あくまでも
現代の私の所属団体での決まり事である。
なお、剣道連盟での真剣刀技にあっては、
小刀(しょうとう。脇差の事)を帯刀はしな
い。大刀を一刀のみ帯に差す。
これは江戸期の刀術稽古の様式を踏襲した
ものだ。
剣道の剣道形においても、小刀業はあるの
だが、大小両刀を同時に帯びる事は現代で
はやっていない。大か小どちらかだけを
帯びるか、木刀(鞘ありとなしのどちらか)
で剣技を演武する。

なお真剣刀技では、結束規程ができてから
は、下緒の長さは江戸期には存在しない
程に長い物が新たに作られるようになっ
た。本来の江戸期の大刀の下緒の長さは
下緒を二つ折りにして刀の鞘より少し長い
程度だ。
この現代方式用に開発された超長い下緒の
まま、古式武家作法を模して鞘掛け垂らし
にすると、下緒を床や地面に引きずると
いう失態を犯すので、注意を要する。
江戸時代方式にするならば、下緒の長さ
も江戸期と同じく短い物にしないと整合性
がとれないばかりか、無様な態様を演じる
事になるので気をつけなければならない。

(所属連盟刀技では規則を守り、全て決め
られた通りにするが、古流のみの稽古や
演武等、江戸時代方式を再現する場合に
は、下緒も江戸期の長さにする必要がある)

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