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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

カワサキの新型400 80馬力

2023年12月09日 | open


ガソリンエンジンがこの世から
消滅させられるカウントダウン
が始まり、カワサキが最期の打
ち上げ花火のようにやりたい放
題だ。
400クラスで80馬力。
1980年代末期~1990年代初期
のF3レーサー並みのパワーを
ノーマル市販車で登場させた。
レーシングマシンではもう何
十年も前からこれくらいの馬
の競技専用車はあった。
市販
レーサーのヤマハTZは、
249ccで
93PSだった。車重は
102kg。

その原付50のような車重で
リッター換算360馬力以上の
パワーを持つ。レーサー250
はどれほどとんでもないマシ
ンだった
か分かるだろう。
だが、市販車の250は自主規制
により45馬力にされていたし、
400クラスは58馬力にされて
いた。
その市販車の250クラスのマシ
ンでさえも
最高速は220km/h
に達したし、ファインコンディ
ションで現存している車は今
でもそのポテンシャルを持つ。

エンジンは2ストである。
レーサー250の加速はまさに
ロケット加速だが、市販車で
も十分に一発加速は速い。
さらにその後、市販公道車は
力自主規制がされ、250も
400
もかなり出力ダウンが為
され
た。400は53PSが一般化
した。


ただし、出力を下げると良い
事がある。
それはエンジンの耐久性が
飛躍的に上がるのだ。
2stレーシングマシンのピス
トンリングなどは性能保持的
には90分程度
しかもたない。
極限の究極パワーをひねり出
しているからだ。2st250は実
によく回
る。パラもVも。
ピストン類は1レースごとに
交換するし、クランクもプラ
イベートでさえ2レースごと
あたりで交換して組みなおす。
だが、一般公道市販車は長距
離を走れないとならない。
2st250レプリカのエンジンの
寿命は2万kmといわれている。
4ストでも超絶ハイパワーに
したら耐久性はガタンと落ちる。
今回のカワサキ、当然の事なが
ら、2~3万キロ程度しかエンジン
がもたないだろう。
いわゆる「乗り捨てバイク」だ。
長く大切に乗るマシンではなく、
極めて短期間、レーシーなパワー
を味わうだけの車だろう。

しかし、かつてのF3レーシング
マシン並みのパワーを公道市販
車に与えて、どこでその実力を
使えるというのか。公道で。
最高速は240km/hに達するだろう
し、2速で軽々と120程出るだろう。
どこで真価を発揮できるマシンな
のだろう。
歴史上、クラス最強エンジンの
新型モデルだ。
耳目を集める点、歴史に名を刻
点では首肯できるが、長く親
しむ公道用二輪作りと
しては甚
だ疑問。

業界の掟を破っても作るのであ
ならば、1990年代初期に作っ
出すべきだったような気もす
る。非難を浴びようとも。

30年前に求められたマシンを
今の今出現させるその意図は
どこにあるのだろう。
やはり、最期の打ち上げ花火

としか思えない。
「車」としては最高だろう。

だが、時代の中で、あるいは
歴史の流れの中で、それは正当
な評価を受けるのか。
作り手側が自己満足と達成感を
得るのを目標とした「最後の挑
戦の証」を残したかっただけで
はないのか。

例によって、雑誌記者や専門
モノカキライターたちは絶賛
するのだろう。
出すものすべてベタ褒め売文
をするのが彼らの飯のタネだ
からだ。
そうして日本のモーターリゼー
ションの歴史は崩壊の道を辿っ
て来た。
そして、彼らには自戒も自省も
無い。
常にメーカーの腰巾着だ。
それらを「ジャーナリズム」と
は呼ばない。

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