まだ原付がどの道でもノーヘル
OKだった時代。
二段階右折も存在しない時代。
それは、原付でもロードスポーツ
モデル全盛の時代でもあった。
この通学用に買ったセカンド
バイクの原付カワサキは、かなり
面白いモデルだったよ。
原付ノーヘルOKだけど、乗る時
にはヘルメットは被っていた。
たまにツナギ(公道用)まで
着て峠を走りに行ってた。
ロックオンはホンダVT250が
いつもだった。VTは構造上
高速度旋回が出来ない。ハン
ドルが急激に内側に切れ込む
ホンダの欠陥フロント16インチ
時代の二輪だからだ。
ホンダのそれはひどすぎて、
市販レーサーのRSが出た年の
1月の富士スピードウェイでは、
走り出したらあちこちにRSの
無塗装白のレーサーが屍のよう
に転がっていた。
ライダーが全員それまでの
ヤマハTZのつもりで旋回を
すると前輪足払いをくらって
必ず100%転倒する二輪だった。
ホンダのハンドリングの悪さは
伝統的だったが、エディ・ロー
ソンがホンダワークスライダー
となってからは飛躍的に向上し
た。フレディはマシン開発など
はできなかったし興味も無かっ
たようだ。
だが、一般公道車は最後の最後
までホンダは悪質ハンドリング
だった。
ツーリングや街乗りには問題ない。
ホンダのオートバイとはそういう
乗り物だ。
ヤマハの過去のハンドリングの
良質さは特筆ものだったが、
実はカワサキのハンドリングの
良さはあまり知られていない。
昔のカワサキはよく壊れたし、
溶接等も造りがぞんざいだった
が、ハンドリングは非常に良か
った。あの悪魔のハンドリング
のマッハやZ2は何だったのかと
思う程に80年代以降のカワサキ
はハンドリングが良い。
Z2は20代の時に目黒通りで
友人のを乗ったら「これ、曲が
らないバイクだね」と即判った。
ララバイのはいじり倒して良い
バイクにしている設定なのだ
ろう、と。70年代カワサキは
そんな感じだったが、やはり
ローソンがUSワークスだった
頃から変わったのでは。
ワークスレーサーのKRには
乗ったことがないが、ハンド
リングが宜しくなくて世界
グランプリで5年も6年もメー
カー世界チャンピオンが取れ
る訳がない。
実際に50原付でしかないAR
に乗ってみてもハンドリング
は最高に良かった。
(例外的にホンダは小排気量
車両はハンドリングが良く、
また、ロードレーサーMT125
は抜群のハンドリングで、TZ
125レーサーを凌駕した)
その後、88年式カワサキKR-1
に乗ってみたら、まるでヤマハ
という程のハンドリングの良さ
で驚いた。手足のように操れる。
今は原付ロードスポーツが絶滅
したが、かつて80年代~2000年
頃までは楽しいモデルが多く出
ていたので、多くの人が自分の
好みの車を選んで存分に堪能す
る事ができた。
一度学生の時に、50のみ6台で
下道ツーリングに行ったが、
かなり楽しかった。
普段750F乗りの奴も中型乗りの
奴も50を持ち出して来て走った。
あれは面白い経験だった。
後にも先にも、50原付ばかりで
結構な距離の日帰りマスツーリ
ングに出かけたのはあれきりだ
った。
これはよく走る面白い二輪だった。
買った日のその足で横浜から
広島まで1日以内で走った。
49ccでの800km下道弾丸走り
抜け。
これは途中の名古屋にて。