
(高橋誠一郎氏と私が生まれ
育った目黒区の町内)
私は奇遇というか不思議な
偶然が異様に多い。
それが数十例あると、もう
単なる偶然ではないように
も思えて来る。
その一つにクリームソーダ
元店長(勤続ほぼ半世紀)の
高橋誠一郎さんがいる。
誠一郎さんのお住まいは、
何と私が生まれた時の家か
ら歩いて5分ほどの近所だっ
たのだ。
偶然なのだが、偶然にしては
出来過ぎ。
そういう「互いに知らなかっ
たが実は深く繋がっていた」
という例が多すぎる。
一番最近で驚愕したのは、四
半世紀以上前に知り合った人
だ。
四半世紀以上前の事、私のバ
ンブーロッドを作ってくれた
職人さんに名刺を渡したら驚
いた。元隣りに住んでいた人
と私が同姓同名だと言う。
そして、ひょんな事からその
人と知り合い、メールをやり
取りするようになった。同姓
同名って面白いという事で。
「こんにちは〇✖△◇です」
「はいこんにちは、こちらは
〇✖△◇です(笑」という具合に。
東京の大学の薬学部を卒業し
た広島県内で有名な薬草研究
者だった。
それが前世紀末期の頃。
四半世紀が過ぎて疎遠になっ
ていた。
ある時、私のイトコの葬式の
時に住職が言った。廃寺にな
っていたところうちの先祖が
大昔に坊主を見つけて来て再
興した寺だ。
坊主によると、東京から東大
院の先生がいらしたという。
ルーツの菩提寺参りで、と。
(本当の菩提寺は別にあるが、
ある時期以降は現在の寺に
一本化した)
何でも私の直系先祖の枝分か
れの末裔の人らしい。同姓。
その時は「へ~」という程度
だった。そういう人もいるん
だ、と。家系図で関係はすぐ
に判ったが。
そして、最近、ネットを見て
いたら、その訪ねていらした
東大院の先生の父親は、何と
私が四半世紀前に連絡を取り
合っていた人だったと知った。
数代前の先祖が同一人物。
江戸期などはもろに同じ家の
者同士、ではなく同じ人間。
数代前以前は同一人物がずっ
と互いの同じ先祖となる。
互いに血縁者であると全く25
年前には知らずに交流してい
た。しかも互いは生まれ育ち
も別場所なのになぜか同姓同
名の偶然。
これも偶然にしては出来過ぎ
で、考えると薄ら寒くなる。
直系なので、江戸期や戦国時
代はおろか、遥かいざ鎌倉時
代をも超えて、太古の血が生
まれたウッホウッホから来た
ホモサピエンスの時代からの
同血脈だったのだ。
人は猿からは進化してはいな
いが。
人との繋がりで、私の場合は
このパターンが異様に多い。
「そういう偶然てあるよね~」
という程度ではないのだ。
数十例がこのパターンなのだ。
私の居合の師匠との出会いも
そうで、初めて会った時に私
の名刺を渡すと「どこかで
聞いたことある事務所」と
言う。その後互いに気づいた
が、師匠は私が勤務していた
事務所の私が担当していた弁
護士の顧問税理士だったのだ。
斬鉄剣刀工小林康宏との関係
もそうで、康宏の実家を地上
げ現地調査したのは偶然私本
人だった。その後、刀工康宏
と知り合うが、私が仕事で関
与した高輪地上げ案件の当事
者だとは互いに知らなかった。
顧問先デベロッパーからの局
所的な調査依頼業務だったか
らだ。
案件深部までは知らなかった。
私が勤務した合同法律事務所
の所長弁護士の単独受任案件
だった。
そして、偶然にそのデベロッ
パーの青山のビルの隣りは、
私が懇意にしていた日本刀研
磨師の仕事場兼自宅があった。
その康宏実家現地調査の報告
に向かっている時に映画『釣
りバカ日誌 5』に私が映り込
んだのだった。
なぜか映画作品には私は時々
映り込む。これは私によくある
不思議な関係性を繋ぐ偶然では
なく純然たる偶然で。
また、勤務していた法律事務
所関係では、そのパターンが
複数ある。そのうちの一部は
紹介できない部分に該当する
が。
歩く仲の良かった弁護士が二人
いて、そのうちの一人は私が
高校時代に住んだ家のイトコ
が結婚した配偶者と大学時代
に大親友だった事。その弁護
士は後に出身地に戻り、その
県の弁護士会の会長になった。
二人で飲んでいて終電が無く
なり、「きょうお前のアパート
泊めてよ~。いいじゃん」と
言ってたが、部屋には彼女が
いたので泊められなかった、
なんて事もあったりもした。
もう一人は私の妻の両親が大
変懇意にしていたごく近所の
無鑑査刀鍛冶のイトコがもう
一人の私と仲の良い弁護士本
人だった事。
この弁護士は東大時代に何と
私と同じ首都圏学生共闘会議
にいた事。ダブルで偶然。
こうした事は後で互いに知る。
そして、さらには、別事務所
の弁護士で長く一緒にある案
件で仕事をした同級生の別大
学出身の弁護士がいたが、そ
の人も実は大学時代に私と同
組織であった事。
私が学生時代にデモ指揮した
300名の梯団の中にいた者だっ
た。
そして、さらにさらに、勤務
した事務所の弁護士関係では
もっと衝撃的な偶然が別件で
2件あったが、ここでは割愛す
る。両方とも信じがたい偶然
だ。
そんな事って世の中あるの?
というような。
この手の偶然があまりにも私
には多すぎる。
そして、そうしたパターンは
いにしえの自分のルーツに直
結する血脈関係にまで及ぶと
なると、結構背筋に来るもの
がある。
釈迦か神(仏教の仏の眷属では
なくキリスト教の神)かは知ら
ないが、「誰かに掌で転がされ
ているな。目に見えない糸を着
けられた傀儡のように」という
感が払拭できない。
偶然にしては出来過ぎの件が
あまりにも多すぎるからだ。