神戸の午後である。
東京の中央線沿線みたいな街。
阿佐ヶ谷あたりによく似てる。
住宅地の駅で下りる。
行きは電車。帰りは原付(笑
一ノ谷の須磨浦の海がとても
綺麗だった。
今から840年前の1184年。
旧暦でちょうどまさに今頃、
我ら源氏の鎌倉方はここで
平家を攻めに攻めた。
(一ノ谷の戦い)
義経の逆落としの戦術奇譚
よりも、熊谷直実が敦盛を
討った『敦盛』のいくさ逸
話が涙を誘う。
武士は無情の中に生きる殺
戮者だからだ。
まだ幼い紅顔の16才さえも
討ち取らねばならない。
「敦盛」の一譚により直実
は武士の無情を嘆いて出家
した。
休憩。ようやく雨が上がった。
夜走る。
途中、山岡家という店で夕食。
濃いよね、基本的に。
国道2号線沿いにあるカワサキ
本社を見た。
てなことで、休憩を取り取り
広島県三原市まで夜に走る。
距離は何てことないが、寒さ
で爪先のみ凍傷になりそうだ
った。
防寒対策足先のみ失敗。
戦時中タイプのドイツ軍用革
ブーツはくっそ寒い。上半身
下半身は防寒バッチリなので
何ともなかったが、長靴みた
いなブーツは足先が凍傷にな
りそうだった。
途中、嘘みたいな話、小雪が
舞っていた。今日も小雪の
降りかかるではないが、風
さえ吹きすぎる、ではある。
風がめちゃくちゃ強い雨の
ち曇りの日だった。
一部には雪が観られたので、
夜中の気温は零下だったの
だろう。
国道2号線は、赤穂から備前の
あたりまでは真っ暗で、まさに
夜道という感じ。
江戸時代と夜の雰囲気同じなの
ではなかろうか。
そうそう。
例の国道2号線沿いの歴史展示場
があったドライブイン「よろい」
の跡地近くにレストラン何とか
というのが出来ていた。
死亡事故現場の跡付近。
ここを原付で通るのは実に41年
ぶりだった。
41年前と道路の様子は変わって
いなかった。
41年前は、神奈川県川崎で買っ
たカワサキの原付49ccのナラシ
をするのにそこから広島県まで
一気に走った。
今回は神戸から広島県までだ。
同じ原付でも今回は125cc。
道は全く41年前と変わりなし。
てことで、無事広島県の現住地
に原付で到着。
今回は実走行テストも兼ねた
300km以内のちょい走りだが、
ベスパの走行能力が高い事を
知る。
ハーフTON巡行での直進安定性
も良いが、ダブルニッケル+α
での旋回も非常に安定していた。
それなのにヒラヒラ感もある。
良い二輪だ。
ただし、ブレーキに難あり。
車重が重たいせいもあるだろう
が、もっとガツーンと利く仕上
げでも良かったのではなかろう
か。
ドコーンと行ってギューッと
一気に減速してスパーンと寝か
せて行く二輪ではないと分かっ
ていても、やはり制動力の弱さ
は弱点となるのではなかろうか。
エンジン音は4ストなのに独特
で、まるで2ストベスパ時代の
ようにビーンという音がする。
4ストでもまだ蜂音が生きてい
る。
そして、パーシャルから軽く
スロットルを絞って加速する
とヒューンというモーターの
ような音がする。
これはすぐ隣りが護岸壁のよ
うな道路だとエンジン音が反
射してそれが確認できた。
3バルブエンジンの回転音なの
だろう。
なかなか爽快で面白い。