『遠すぎた橋』を観る。
何度観ても良い。
だが、欧米では興行成績は
振るわなかった。
なぜならば、連合軍が失敗
した大作戦「マーケットガ
ーデン作戦」を描いた作品
だからだ。
極限状態の自分たちの失敗
は欧米人は好まない。
しかし、この作品と同じ作
はもう二度と作る事はでき
ない。
とてつもない顔ぶれのキャ
スト、実物WW2航空機や
車両を使用した撮影。完璧
な時代考証による軍装とオ
ープンロケセットと実際の
ヨーロッパでのロケ撮影。
すべて実写である。
古い橋まで爆破している。
この1977年作品以降、この
規模の映画の製作は実行され
ていない。不可能だからだ。
私は個人的には素晴らしい
作品だと思っている。
本作を初めて観たのは、公開
前に高校の学年映画鑑賞会で
観た。学年全生徒が毎年テー
マとなった映画作品を観る催
しだが、学年単位(1学年55人
7クラス)全員で観る。巨大
スクリーンの都内の大劇場を
貸し切りで。
なので、私と同時期の1977年
に高校に在籍した同学年385名
は本作品を確実に観ている事
になる。
毎年1回、映画鑑賞会があり、
3年間の在校期間に映画を観る。
他にも日本の伝統芸能を鑑賞
する催し等もあった。それは
音楽や古典芸能等。
そうした芸術文化に触れる催
しがあった事は、実によい教
育の一環だったと思う。
そして、実際に感性豊かな人
材が多く巣立って行った。
梁山泊のような学校だった。
この1977年の『遠すぎた橋』
で英軍ベレーを観る事によっ
て、私は軍用ベレーの如何に
目覚めた。
元英軍兵士から直に実践的な
ミリタリーベレーのかぶり方
を習うのはその2年後だった。