
アニメ『ルパン三世』(1971〜)
の第一シリーズでは、銃弾が
薬莢ごと飛ぶシーンが多い(笑
何をやってる作画者!という
感じなのだが、これは後年の
読者が大騒ぎとなった『ドーベ
ルマン刑事』のシングル・アク
ション・リボルバーのスイング
アウトと同じくらい「やっては
いけない間違い」だっただろう。
ルパンをタイムリーに観ていて、
小学生でも「なんだあれ?」と
クラスで話題になった程だった。
弾頭とケースが一緒に飛ぶなど
というのは、飛行機が滑走路
ごと飛ぶのと同じで、あり得な
いからだ。
だが、実際には、似たような
システムの銃弾はあった。
厳密には、弾頭が薬莢の役目も
果たしているタイプだ。
それはロケットボールと呼ばれ
るもので、金属薬莢が実用化さ
れる以前の過渡期の銃弾だった。


発射薬の容量に限界があり、
威力は低かった。
やがて、金属薬莢のパテントを
持ってコルトに売り込んだホワ
イトはサミュエル・コルトに門
前払いされた。
そこでS&Wに売り込むのだが、
S&Wはパテントにロイヤリティ
を支払う契約をし、後に全ての
特許権を取得する。
そして、現代にまで続く金属薬
莢の黄金時代をS&Wが築くの
だった。
コルト社は黒色火薬と弾頭の
別々の装填方式にこだわって
いたために大きく出遅れた。
S&W社の金属薬莢パテントが
切れてからようやく自社製品
で金属薬莢式の銃を作る事が
できた。
それが1872年完成のSAAだ
った。
それ以前から、コルトは自社
純正ではなく、社員が個人的
にカスタムしたという名目で
パーカッション式を金属薬莢
式に改造したコンバージョン
モデルを作っていた。
ロイヤリティをS&Wに支払う
形で。会社ではなくあくまで
建前は個人がやってるとして。
コルト・コンバージョンモデル
はかなりの人気があり、無縁
火薬が一般化する1890年代
までアメリカでは広く使われて
いた。
ドク・ホリディの使用していた
実銃個体。
金属薬莢コンバージョンである。
