この図は座敷から玄関に降りる時の図だ
が、これが上がる時だとしたらとんでも
ない無礼失礼な行為となる。
尻を向けて屋敷に上がるなどという無礼
な作法はこの日本には存在しない。
本日、昼に飲食店で食事した。
テーブル席が混んでいたので座敷に上がっ
た。
暫くすると、若い身なりをきちんとした
サラリーマンのグループがやって来た。
全員が革靴を揃えて脱いで尻から座敷に
上がっていた。
粗雑にではない。
あたかもそれが礼儀作法であるかのよう
にしずしずとだ。
呆れた。
今や日本が朝鮮国になってしまったよう
に、女性のお辞儀は両手をへそ前で組んで
お辞儀することをマナー教室などでバカな
女講師が教えている。企業の多くもそうし
た日本礼法を踏みにじる珍妙なお辞儀を
正式礼法かのように指導している社も多
い。
ひどいのになると、モデル立ちのような
T字形に足を揃える事をする連中もいる。
もしかしてデパートガールさん?
以前、俳優が一般人の家屋を訪ねて家の
造作を紹介するテレビ番組があった。
長寿番組だったが、男性俳優は、最終回
まで全部尻から家に上がっていた。
さもそれが礼儀正しい座敷への上がり方
であるかのように。
無礼千万、失礼の極みだ。
その俳優は礼儀作法の教育や躾を受けて
こなかった事はすぐに判るが、その失礼
を放送し続けていた番組製作スタッフや
プロデューサーの日本人としての資質を
疑う。
日本の伝統武技を嗜む者たちでも、そう
いう礼儀や日本の伝統文化をないがしろ
にしている者は非常に多い。
ある時、あるパーティーに列席した。
ハレの場である。
日本刀術関係者が列席した大きな会だ。
ある者は、会食の席で、まだそのテーブル
の全員に料理が運ばれる前から、自分の
前に置かれた料理を食べ出した。
まだ、祝杯の乾杯の挨拶さえしていない
のにである。
テーブルマナーを知っているいない以前の
問題だ。
職業は教師だ。
一体、何を子どもたち生徒に教えるという
のであろうか。
その無礼で礼儀を失した態度に、私だけ
でなく、そのテーブルにいた者たちは唖然
としたような様子だった。
件の者はお構いなしで、黙々とナイフと
フォークで食べ続けている。
「人それぞれだから自由ではないか」と
いうことは一切通じないシーンが人間社会
には必ず存在する。
自由とは、自分勝手な俺様ルールで行動
することを担保するものではない。
人は心得違い、履き違えをしてはならな
い。
特に武道をやる者たち。
恥をかくのは本人だけではない。
師匠や同門が恥をかく。
そして、何よりも、その本人の親御さん
が恥をかいているのだ。
俺様中心主義の「人それぞれだからいい
ではないか」が如何にトンデモを惹起さ
せるか。
「社会」でそれを自覚して自戒しない者
は、「社会人」として欠陥がある。