コルト・シングルアクション
1stジェネレーション・レプ
リカ・モデルガン。
私のこの個体は、フロント
サイトをカットオフしてい
る。各部も角を削って丸め
てある。内部もオリジナル
チューンナップを施している。
あまり、日本人で自分のSAA
にこのフロントサイト落とし
加工をやる人は少ない。
また、ボブチャウスペシャル
の1911ようにSAAを角落しで
丸める加工もあまり見ない。
だが、現実の歴史ではそうし
た実用重視のカスタマイズは
行なわれていた。
日本のトイガン界では、ワイ
ルド7の飛葉ちゃんのウッズ
マンの銃身ソードオフモデル
は自分で改造カスタムする人
は多かったが、SAAのサイト
除去と角落しの丸め系カスタム
はあまり見かけない。
これは国本圭一氏が1970年代に
使っていたステージガンの実物。
トリガーガードは丸め加工が
施されている。国本氏本人が
カスタムしたのだろう。
KKガンである。シリンダー径は
.44口径弾ジャスト。貫通シリン
ダー。カート内発火式。
内部は相当にチューンされてお
り、私が持っているSAAの中で
一番作動性が良い。突き抜けて
いる。
別格別物。表面加工もどういう
やり方かは分からないが、1970
年代の一般売り箱出しのWAの
SAAとはまるで異なっている。
プラなのに鋼鉄のような表面
処理が施されている。
エジェクターチューブは国本
時代のままを維持させたいため、
あえて再ブルーイングしない
で当時の現状で保存している。
これはCMC1968年型1972年製。
アメ横CMCで1972年に購入。
71年銃刀法規制後モデル。
レプリカガンとして世界最高の
コッキング作動音を響かせる。
実銃そっくりでありながら、
実銃以上に澄んだ高音がする。
チャコンではなく、コキンチン
キーンという音。
実は少年時代に渋谷ラボで公式
計測機で記録を出した銃は、
MGC製ではなくこのCMCの
SAAだった。
ファーストドローの練習し過ぎ
で、シリンダーはすぐに駄目に
なった。このシリンダーも数個
目だが、強化したスプリングに
よってシリンダーストップの
突き上げによるえぐれが痕跡で
残っている。
この打痕は材質が脆い亜鉛合金
であるので致し方ない。鋼鉄で
ある実銃の場合には、ストップ
ボルトのR形へこみではなく、
細い一筋の線の溝となってシリ
ンダーに痕跡が残る。
勢いあるハンマーコックのため、
オーバーロールしないように
早めにボルトが上昇するような
改造チューンナップをするの
だが、それと同時にスプリング
を強化してシリンダーの回転
を強制的に溝とボルトの噛み
込みで止める。
実銃などでは、シリンダー穴
の深掘り等の改造も行なわれる。
日本のプラ製トイガンでは、
シリンダーの穴の端にメタル
プレートを埋め込んで強度を
増すカスタムがなされたりす
るが、実銃の場合は鋼鉄なの
で深堀りだけで事足りる。
実銃コルトSAA。フロンティア
シックスシューターとあるから
.44-40口径弾用のSAAだ。
日本のトイガンファンならば
見てすぐ判るだろう。
シリンダーベースピンは、実は
MGC製タイプが一番実銃に近く、
また、実銃からの採寸なので
細いと言われたMGCのSAAこそ
が実銃サイズだった。
他メーカーは実銃実測しておら
ず、写真からの寸法出しで金型
を作った為にグリップが実銃より
大きい物がモデルガンの定番と
なってしまった。これは今の
ハートフォード製にも引き継が
れている。
国本圭一氏が自分の米国内保管
の実銃SAA-2ndジェネレーション
を無償採寸提供し、初めてCAW
が実銃寸法のSAAのモデルガン
化に成功した。シリンダー後部の
フレーム本体の造形も、それま
ではモデルガンでは想像で作っ
ていたが、リアルなレプリカガン
はCAWが世界で初めて完成させ
た。国本圭一氏の厚意による協力
があったから実現した。
現在CAWの会社は分裂し、別組織
ごとに生産販売を継続しているが、
少数ロット製造メーカーとなって
しまった。
その後は実寸サイズのSAAを作る
メーカーも登場したが、世界初の
リアルモデルガンSAA誕生の嚆矢
は、国本氏提供情報によるCAWの
SAAが初めてだったのである。