走行時の操縦において、ステアリン
グは私は切るほうだ。寝かしてから
は前輪のセルフステアだが、初動に
おいては結構切る事を多用する。
当て舵程度に。
無論、切ったほうと逆側に車体は倒
れる。
これの場合はどうか。
これの場合は、実に様々な「手の中
(てのうち)」を用いる。
術を使わないと全く一つも切れない
物がこれであるので、「切る為の手」
を用いる。
これを振るには下半身の身体使いが
重要だが、刀法のうち斬刀法のみは
アームではないハンド部分の使い方
が極めて大切になってくる。特にフィ
ンガーの使用法。
茶巾絞りとか握り締めなどをやって
いたら絶対に100%切れない。それ
らは竹刀当てっこの為に生まれた方
法だ。真剣の斬刀法には斬術として
の細分化された刀法の理(ことわり)
がある。
諸手刀法でも内側に絞り込みなどや
ったら刀が曲がる。得物をお釈迦に
するそれは刀法ではない。
刀法には刀法としての技法の理論が
ある。
これの場合はどうか。
私の場合は、下に落っこちないよう
にこれの重量を手の輪っかで支えて
いるだけだ。
そして膝の真下にぶら下げて、ただ
真っ直ぐに振り抜く。ガチャガチャ
させずにしなやかに。キューを
投げるようなイメージで。
投げるようなイメージで。
キュー先のタップが手玉に中る瞬間
のみ軽く手を締める。軽く。
でないとキューは利き手をすり抜け
て飛んで行くから。
絶対にキューを握り締める事はしな
い。
握り締めていたらキュー切れの良さ
などは一切発揮できない。
キューのグリップは「握らない」。
刀の柄も「握らない」。
バイクのハンドルは「部分的に握る」。
しかし、鷲掴みで握り締めたりはし
ない。
ただし、これが200km/h超のコース
走行の場合には、低速度の公道とは
別な用法が加味される。
手の中の事は、多くの人は語らない。
語っても、本人が実践で差異を識別
できて、状態の違いを把握できて、
その差異による効能の違いを感知で
きて、より良い方向を選択できる力
が無ければ何の意味もない事だから
だ。
こうした技術は、自分で「これだ」
と理解できて体得していくしかない。
マニュアルなどは存在しない。
だからこそ、日々の自己検証と研究
と稽古が大切になってくる。